半導体パッケージ材料 半導体パッケージ用層間絶縁材料
味の素
食品会社の利益を支える基板材料ABF®
AIサーバー向け基板材料ABF®を持つ食品会社。
電子材料等は売上の6.4%で、事業利益の30.1%を稼ぎます。
味の素は ロジックIC向けパッケージ基板の層間絶縁材料ABF® を作っています。 2027年3月期第1四半期は 電子材料等の売上高が前年同期比154% でした。 会社は通期の売上高予想を1兆7,320億円へ引き上げています。
- 2026年3月期 電子材料等の事業利益 546億円 売上高1,007億円。 連結事業利益1,811億円の30.1%
- 2027年3月期1Q 電子材料等の事業利益 前年同期比 177% 売上高は前年同期比154%。 高性能基板向けABF®の販売が好調
- 2027年3月期 会社予想 売上高 1兆7,320億円 事業利益2,020億円。 第1四半期決算で売上高を90億円、事業利益を50億円引き上げた予想
2026年3月期 連結売上高のセグメント構成決算概要
- 調味料・食品9,369億円
- ヘルスケア等(電子材料等を含む)3,415億円
- 冷凍食品2,903億円
- その他149億円
この会社の要点
01立ち位置
何の会社として比べるか
味の素の売上の大半は食品です。 ABF®はヘルスケア等セグメントの中のファンクショナルマテリアルズ(電子材料等)に入り、2026年3月期の売上高は1,007億円でした。
全社セグメントと、ABF®が入る区分
2026年3月期 セグメント別の売上高
調味料・食品、ヘルスケア等、冷凍食品、その他の合計が連結売上高1兆5,837億円です。 ABF®はヘルスケア等の中に入ります。
2026年3月期 ヘルスケア等の内訳(売上高)
ファンクショナルマテリアルズだけが前期から大きく伸びています。
PC向けからサーバー・ネットワーク向けへ
2026年3月期 ABF®の用途別数量構成
会社は2031年3月期にサーバー/ネットワークを75-85%、PCを10-15%と見込んでいます。
2018年3月期 ABF®の用途別数量構成
この時点ではPCが最大の用途でした。
半導体パッケージ用層間絶縁材料 ABF®
エポキシ樹脂、硬化材、無機フィラーを組み合わせた熱硬化性の絶縁フィルムです。 レーザ加工と表面への直接銅めっきで、マイクロメートル単位の回路を作れます。 1999年に大手半導体メーカーに採用され、高性能CPUで使われ続けています。
- ABF®(味の素ビルドアップフィルム®)
ABF®の開発・生産体制
ABF®は顧客ごとに仕様を共同で設計するカスタム品です。 会社はワニスの生産に特化し、PETフィルムへの塗工と冷凍保管は外部に委託しています。 顧客の製造・評価プロセスを社内で再現し、開発を速めています。
- ABF®向けワニス
ABF®周辺材料
ABF®の技術を基盤にした周辺材料です。 低温・短時間で硬化する接着材料、ABF®と銅箔を一体化したABF®-RCC、低CTEで反りとクラックを減らす封止材料、フィルム・ペースト・液状の磁性材料があります。 用途はカメラモジュールなどの電子部品、HDI基板、PC・サーバー・5G基地局の半導体などです。
- 接着材料
- ABF®-RCC
- 封止材料
- 磁性材料
02収益
どこで、どれくらい儲けているか
2026年3月期の連結事業利益1,811億円のうち、ファンクショナルマテリアルズは546億円で30.1%にあたります。 2027年3月期第1四半期は、この区分の事業利益が前年同期比177%でした。
売上高1兆5,837億円 / 事業利益1,811億円
前期比は売上高103.5%、事業利益113.7%です。 調味料・食品の事業利益は1,430億円で、最大の区分です。
売上高1,007億円 / 事業利益546億円
前期は売上高765億円、事業利益402億円でした。 事業利益率は54.2%です。 ABF®のほか、接着剤プレーンセット®、磁性材料、活性炭、離型紙等を含む区分です。
売上高4,121億円 / 事業利益601億円
前年同期比は売上高113%、事業利益127%です。 会社はAI、サーバー、ネットワークなど高性能向けABF®の販売が好調で、プロダクトミックスも向上しているとしています。
売上高1兆7,320億円 / 事業利益2,020億円
会社は第1四半期の実績を反映し、売上高を90億円、事業利益を50億円引き上げました。 ヘルスケア等は売上高4,068億円、事業利益850億円を見込んでいます。
売上高983億円 / 営業利益530億円
ファンクショナルマテリアルズ事業の中核会社です。 営業利益率は53.9%、従業員は487名です。
2026年3月期 セグメント別の事業利益
ヘルスケア等662億円のうち546億円がファンクショナルマテリアルズです。
ファンクショナルマテリアルズ(電子材料等)の売上高と事業利益
2026年3月期の事業利益率は54.2%です。
03強みとリスク
強みと、リスク・検討点
強みは、顧客の工程を社内で再現する開発体制と、AIサーバー向けの高性能基板で使われる製品構成です。 売上では小さな区分が、全社の事業利益の30.1%を生んでいます。
強み
- シェアと顧客プロセスの社内再現
会社はABF®が発売以来95%超のシェアを保っているとしています。 真空ラミネート、CO2レーザーでのビア形成、露光、信頼性評価、反り確認という顧客の工程を社内で再現し、基板の大型化・多層化に合わせた開発を支えています。
電子材料事業の成長戦略(2026年6月30日) - 売上は小さく、利益は大きい区分
2026年3月期のファンクショナルマテリアルズは売上高1,007億円で連結の6.4%ですが、事業利益546億円は連結事業利益の30.1%です。 事業利益率は54.2%になります。
2026年3月期 決算概要(2026年5月7日) - 用途の中心がサーバー・ネットワークへ移った
ABF®の用途別数量に占めるサーバー/ネットワーク(ハイエンド)は、2018年3月期の40%から2026年3月期は70%になりました。 同じ期間にPCは45%から20%へ下がっています。 事業利益率は2019年3月期の30%程度から2026年3月期は50%を上回る水準になりました。
2027年3月期業績予想および企業価値向上に向けた取組み(2026年5月7日) - 性能と価格を開発初期から同時に決める
ABF®は顧客ごとのカスタム品で、開発初期から性能と価格を顧客とすり合わせます。 会社は新開発品と高付加価値品の構成比が上がったことが利益率の向上に貢献してきたとしています。
電子材料事業の成長戦略(2026年6月30日)
リスク・検討点
- 数量の中心はサーバー/ネットワーク向け
2026年3月期のABF®数量は、サーバー/ネットワーク(ハイエンド)が70%、PCが20%、ゲームが5%です。 会社は2031年3月期にサーバー/ネットワークが75-85%になると見込んでいます。
2027年3月期業績予想および企業価値向上に向けた取組み(2026年5月7日) - ワニスは川崎・群馬、塗工と保管は外部委託
ABF®向けワニスは川崎と群馬で製造し、フィルムの塗工と保管は外部に委託しています。 会社はサプライチェーン全体で供給に懸念はないとし、第三拠点の岐阜工場は2032年に稼働する予定です。
電子材料事業の成長戦略(2026年6月30日) - 中東情勢によるコスト増
会社は期初の業績予想で、中東情勢の緊迫化により2027年3月期の事業利益が300億円規模下振れする可能性を示していました。
2027年3月期業績予想および企業価値向上に向けた取組み(2026年5月7日) - 味の素株式会社の生産職はABF®の工場ではない
味の素株式会社の生産職は川崎、四日市、佐賀の工場で、アミノ酸、香粧品素材、甘味料、医薬品などを製造しています。 ABF®のワニスを作るのは味の素ファインテクノの川崎・群馬の工場です。
味の素株式会社 新卒採用 職種紹介
04待遇
給与、初任給、休日、手当
味の素株式会社の新卒初任給は修士卒303,000円、学士卒291,000円です。 昇給は年1回(4月)、賞与は年2回(6月、12月)、年間休日は124日です。
味の素株式会社の新卒初任給
生産職の高校卒は257,000円です。
- 昇給・賞与
- 昇給は年1回(4月)、賞与は年2回(6月、12月)です。 職種ごとの条件は 公式募集要項 に載っています。
- 勤務時間
- 標準労働時間は7時間15分で、本社は8:15~16:30、工場は8:00~16:15です。 全事業所にフレックスタイム制があります。
- 休日休暇
- 年間休日は124日固定(閏年は125日)で、有給休暇は初年度17日です。 有給休暇積立制度と特別休暇があります。
- 諸手当・福利厚生
- 時間外勤務手当、通勤費、家族手当があります。 住宅財形制度、退職年金制度、借上社宅制度もあります。
05勤務地と職種
どこで、どんな仕事をするか
ABF®の拠点は味の素ファインテクノの川崎本社工場と群馬工場で、海外はSan Jose、上海、台北にあります。 味の素株式会社の本社は東京・京橋です。
主な勤務地・拠点
- 本社
- 東京都中央区京橋1-7-1(味の素株式会社)単体3,705名、連結34,787名
- 味の素ファインテクノ 川崎本社工場
- 神奈川県川崎市研究開発の中核拠点。 新製品の設計・試作、評価、小ロット生産
- 味の素ファインテクノ 群馬工場
- 群馬県昭和村ABF®量産の中核拠点。 最先端品向けの新工場が2025年に本格稼働
- 海外の電子材料拠点
- 味の素ファインテクノ-USA(San Jose)、味之素(上海)化学制品有限公司、台素股份有限公司(台北)
- 岐阜(建設予定地)
- 岐阜県可児市 可児御嵩インターチェンジ工業団地2032年稼働予定
高速開発システムを構成する部門
- 研究部門(MI活用による材料設計)
- 技術部門(小ロット試作ラインと顧客同等の評価設備)
- 生産部門(品質安定化と量産移行)
- 管理部門(品質保証、グローバルSCM、化学物質規制対応)
- 営業部門(顧客の課題対応と新製品の提案)
ABF®の開発から量産までを分担する部門です。
06これから
会社が次に取りにいくもの
会社はABF®の増産を、2030年までは群馬工場など、2030年以降は岐阜の新拠点を含めて段階的に整える計画です。
これからの材料
- 増産投資の枠
- 会社は2023年から2030年までの投資枠を250億円に設定しています。 群馬工場では約100億円を投じた最先端向けワニスの新工場が2025年に本格稼働し、IoTと自動搬送で省人化・自動化を進めています。 詳細は 電子材料事業の成長戦略 にあります。
- 岐阜の第三拠点
- 新工場は2028年着工、2032年稼働の予定です。 自動化とDXを取り入れ、本社工場と群馬工場から一定の距離を置いた立地です。 新工場用地の取得 の発表に詳細があります。
パッケージ基板の大型化・多層化
会社は、パソコン用途の3層から、HPC用途の9層(~70㎜角)、2026年のAI用途の11層(~100㎜角)へ基板が大型化・多層化したと示しています。 2031年以降は13層(~120㎜角)と予想し、基板あたりのABF®使用量が増えるとしています。 2031年以降の層数と大きさは会社の予想です。
岐阜県可児市の第三拠点
会社は2026年5月7日に、可児御嵩インターチェンジ工業団地の新工場用地を約12億円で取得する予定だと発表しました。 この用地にABF®の工場を建設する計画です。 2028年に着工し、2032年に稼働する予定です。 目的は2030年以降の需要に向けた生産能力の拡大とBCPです。 着工と稼働の時期は会社の予定です。
CPO(光電融合)と次世代パッケージ材料
会社は事業展開の可能性として、ABF®技術を基にした光導波路などの光を導く材料、再配線層と封止材料へのABF®技術の展開、高多層基板材料を挙げています。 会社が事業展開の可能性として挙げる開発テーマです。
07入口を選ぶ
専攻から、入口を1つに絞る
R&D・エンジニアリング(味の素株式会社)
食品研究所とバイオ・ファイン研究所を中心に、基盤技術から商品開発までを担う職種です。 ABF®の研究開発はバイオ・ファイン研究所と味の素ファインテクノが主に担っています。
公式採用情報Business(バイオ&ファインケミカル事業)
バイオ&ファインケミカル事業本部の事業部門で、SCM、ロジスティクス、採算管理、販売マーケティングを担う職種です。 この事業本部にはファンクショナルマテリアルズも含まれます。
- SCM
- Logistics
- Marketing
- Global
応募前の3手
- ABF®本体、周辺材料(接着・封止・磁性)、CPO向け材料のどれに関わりたいかを1つ選ぶ
- 研究・実務の測定値を1つ用意し、レーザ加工、めっき密着、反り、信頼性のどれにつなげるかを決める
- 味の素株式会社の募集要項から職種、締切、提出物、初任給を確かめる
面接で使う技術語
- Formulation
- Epoxy
- Materials Informatics
- Analysis
- CPO
- Process
- Quality
- DX
- Scale-up
- Plant