半導体製造装置 露光用エキシマレーザ光源
ギガフォトン
露光装置の光をつくる小山のエキシマレーザメーカー
半導体露光用のArF・KrFエキシマレーザをつくる会社で、会社は同じ光源を作れる企業を世界に2社と見ています。
営業利益率25.7%の2026年3月期は、会社が売上の約7割を支えると位置づけるフィールドサービスの仕事を抱えています。
ギガフォトンは小松製作所の子会社で 露光用エキシマレーザ の専業メーカーです。 2026年3月期の単体売上高 は555億円、当期純利益は111億円でした。
- 2026年3月期 売上高 555億円 単体。 売上総利益は278億円で売上総利益率50.1%
- 2026年3月期 営業利益 142億円 営業利益率25.7%、経常利益は140億円
- 2026年3月期 当期純利益 111億円 純利益率20.0%。 純資産は385億円
2026年3月期の売上高555億円の使われ方
- 売上原価277億円
- 営業利益142億円
- 販売費及び一般管理費135億円
この会社の要点
01立ち位置
何の会社として比べるか
ギガフォトンは、露光装置に組み込むエキシマレーザの専業メーカーです。 2020年に過去最高の売上を記録し、2026年3月期は単体売上高555億円、営業利益142億円で、設備の拡大を急いでいます。
売上高から当期純利益まで
損益の段階
貸借対照表
ArF液浸露光用エキシマレーザ
最先端ノードの液浸露光機に載る波長193nmの光源です。 2001年に4kHzの量産型ArFエキシマレーザを製品化し、2台のチャンバで発振と増幅を分けるインジェクションロック方式のGTプラットフォームを世代ごとに更新してきました。 新型のGT80Aは発振周波数を12.5%上げた6,750Hzで、スペックルコントラストをGT65A比で36%下げます。 GT66Aはモジュールのメンテナンスサイクルを30%延ばしました。
- GT80A
- GT66A
- GT65A
KrF露光用エキシマレーザ
波長248nmのKrF光源です。 G60Kは新型電源ユニットで従来比150%の60Wを出し、スキャナースループット300枚/hに対応します。 4kHzのKrFシリーズ第2世代のG41Kは累計出荷900台以上で、加工用レーザの基本プラットフォームにも使われています。
- G60K
- G41K-1H
加工用・成膜用エキシマレーザ
露光用の技術を加工と成膜に広げた製品群です。 G300KはG41Kを土台に電源とレーザチャンバーを新規開発し、4000Hz・300Wで半導体製造バックエンド工程の微細アブレーション加工に使います。 PLD用KrFエキシマレーザのL300KZは2026年9月25日に国内の高温超伝導線材メーカーへ設置され、評価が始まりました。
- G300K
- L300KZ
装置監視ソフトウェア
Fabscapeはファブ装置を監視・管理・分析するオープンプラットフォームで、ギガフォトン製品だけでなく他のベンダーの装置にも使えます。
- Fabscape
02収益
どこで、どれくらい儲けているか
売上高の49.9%が売上原価、24.4%が販売費及び一般管理費で、25.7%が営業利益として残ります。 会社はフィールドサービスエンジニアを売上の約7割を支える仕事と位置づけています。
売上高555億円 / 営業利益142億円
売上原価は277億円、販売費及び一般管理費は135億円で、営業利益率は25.7%です。
経常利益140億円 / 当期純利益111億円
純利益率は20.0%です。 売上の5分の1が最終利益として残りました。
総資産640億円 / 純資産385億円
負債合計は254億円、流動資産は440億円で、純資産を総資産で割った比率は60.2%です。
2026年3月期の費用と利益
03強みとリスク
強みと、リスク・検討点
強みは、会社が2019年時点で約50%と公表する露光用光源の世界シェアと、出荷が2000台に迫る納入先でのフィールドサービスです。 弱点は同じ構造の裏返しで、露光用光源への集中と、露光装置メーカーのグループに属する相手との競争です。
強み
- 2019年に約50%の世界シェア
会社は、露光用エキシマレーザを作れる企業を世界に2社と見ており、2019年時点の世界シェアを約50%と公表しています。 出荷は2000台に迫ります。 会社概要によると、日本を含むアジアではほとんど全ての半導体メーカーで製品が使われています。
光の重要さ - 利益率25.7%の高収益
2026年3月期の単体売上高555億円に対し、営業利益は142億円、当期純利益は111億円でした。 売上総利益率は50.1%で、純資産は総資産640億円の60.2%にあたる385億円です。
官報 決算公告(ギガフォトン株式会社 第26期) - 顧客工場で続くフィールドサービス
会社はフィールドサービスエンジニアを売上の約7割を支える仕事と位置づけています。 顧客の稼働状況とモジュール寿命から全世界の交換時期を予測して部品を供給します。 2026年5月には、九州事務所にクリーンルームを開設し、6月からトレーニング用レーザーを運用すると発表しました。 最大3台を置けます。
職種紹介 フィールドサービスエンジニア - 希ガスと電力を減らす技術
2013年にヘリウム使用量を99%減らす技術、2014年にネオン消費を最大50%減らすeTGMを開発し、eGRYCOSでは放電効率を20%上げて消費電力を15%減らしました。 2026年9月にはネオンを50%リサイクルするhTGM for ArFを発表しています。
技術 - KrFの量産実績を加工用へ転用
累計出荷900台以上のG41Kを基本プラットフォームにして、加工用の300W機G300Kを作りました。 露光用で積んだ信頼性と99%以上の稼働率を、半導体製造バックエンド工程の微細アブレーション加工へ持ち込みました。
G300K
リスク・検討点
- 相手は露光装置メーカーのグループ内
競合のCymerは、露光装置メーカーASMLのグループ内で独立運営されるDUV光源事業です。 会社はこの光源を作れる企業を世界に2社と見ており、競う相手は露光装置メーカーのグループの一員です。
Cymer 公式サイト - 露光用光源への集中
事業内容はリソグラフィ用などのエキシマレーザとEUV光源で、加工用のG300Kと成膜用のL300KZは新しく加わった製品です。 G300KはKrF露光用のG41Kを土台に作られ、L300KZは2026年9月に評価が始まった段階です。
会社情報 - ネオンなど希ガスの供給変動
ネオンガスの需給は、地政学的リスクや供給網の混乱で大きく変動してきました。 会社はガス削減技術とリサイクルシステムで、顧客の安定生産を支える取り組みを続けています。
ArFエキシマレーザ向けガスリサイクルシステムを開発 - 世代交代の速さ
ArF液浸用のGT64AとGT62Aはすでに新規受注を終え、GT80A、GT66A、GT65Aへ移りました。 GT64AはGTプラットフォームの6世代目にあたる機種です。
GT64A - 採用構成の振れ
中途採用率は2024年度68.9%から2025年度28.4%へ、新卒採用は2025年度48人から2026年度33人へ動きました。 会社は設備拡大とサービス強化を掲げています。
会社情報
04待遇
給与、初任給、休日、手当
新卒の初任給は2026年度実績で院卒32万円、大卒30万円、賞与は2025年度実績で7.3ヶ月分です。 年間休日は128日、月平均の所定外労働は15.1時間、平均年齢は37.7歳です。
新卒初任給(月給)
- 初任給と賞与
- 院卒32万円、大卒30万円、短大・高専・専門学校卒27万4,400円です。 賞与は年2回 で、2025年度実績は7.3ヶ月分でした。
- 勤務時間と休日
- 小山本社・工場は8:00〜16:45で、コアタイムのないフレックスタイム制度があります。 完全週休2日で年間休日は128日、年次有給休暇は年23日(初年度20日)、有給の平均取得日数は22.9日です。
- 定着
- 新卒採用者は2024年度37人、2025年度48人、2026年度33人の計118人で、同じ3年度の新卒離職者は0人です。 平均継続勤務年数は10.3年です。
- 福利厚生
- 小松製作所と同等の福利厚生を受けられます。 借上げ社宅は入社3年まで月額5,500円で、カフェテリアプランのK-SELFは年330ポイントです。
- 学び直しの制度
- 博士号取得支援、2年間の国内外教育機関留学制度、ビジネススクール派遣があり、英会話教室やTOEICの受験機会もあります。 管理職に占める女性の割合は4.7%です。
05勤務地と職種
どこで、どんな仕事をするか
本社と工場は栃木県小山市にあり、フィールドサービスエンジニア以外の新卒は小山本社に勤務します。 国内サービス拠点は岩手・三重・広島・熊本にあり、海外は米国、韓国、中国、台湾、シンガポール、オランダに販売・サービス拠点を置きます。
主な勤務地・拠点
- 本社・小山工場
- 栃木県小山市横倉新田工場は本社に隣接し、クリーンルームでレーザを生産
- 国内サービス拠点
- 東北事務所(岩手県北上市)、四日市事務所(三重県四日市市)、広島事務所(広島県東広島市)、九州事務所(熊本県菊池郡大津町)
- 海外販売・サービス拠点
- Gigaphoton USA(米国オレゴン州ビーバートン)、Gigaphoton Korea(華城)、中国(上海ほか各都市の事務所と常州のトレーニングセンター)、Gigaphoton Taiwan(竹北ほか)、シンガポール、Gigaphoton Europe(オランダ・アイントホーフェン)
新卒採用の職種
- 研究開発
- 生産技術
- カスタマーサポート技術
- 品質保証(技術)
- 知的財産(技術)
- フィールドサービスエンジニア
- 営業
- 事務
事務は生産管理・調達・人事労務・輸出管理・経理・営業バックオフィスなどに配属されます。
06これから
会社が次に取りにいくもの
会社は露光用光源の業界リーダーの座を固めつつ、EUV光源とエキシマレーザの新分野応用を加速すると掲げています。 2026年には液浸用GT80A、ネオンを再利用するhTGM for ArF、PLD用L300KZ、検査用LPP-EUV光源の成果を相次いで発表しました。
これからの材料
- ネオンのリサイクル
- 2026年9月に発表した hTGM for ArF は工場内で使用済みガスを回収してネオンを50%リサイクルします。 年間470kLを処理し、最大5台のArFレーザに接続できます。
- 加工と成膜
- チップレットを使う先端パッケージの穴あけ・トレンチ加工にG300Kを、高温超伝導線材のPLDにL300KZを売り込みます。 SiC-CMCのシェイプドホール加工も研究しています。
- EUV
- Actinic検査向けの高輝度・小型LPP-EUV光源の新機能は、2026年9月8日のSPIE Photomask Technology + EUV Lithographyのポスター発表に組まれました。
ArF液浸光源の次世代化
GT80Aは発振周波数を6,750Hzへ上げ、スペックルコントラストをGT65A比で36%下げてLER/LWRとCDUを減らします。 最先端ノードのイールドと生産性を同時に上げる光源として売り込んでいます。 GT80Aはヘリウムフリー技術を標準装備し、希ガスの供給不足に備えています。
先端パッケージの穴あけ加工
チップレットを使う先端パッケージの製造では、エキシマレーザによる微細な穴あけとトレンチ加工が注目を集めています。 会社は2026年5月のECTCに、論文発表と加工事例を紹介するブースで参加する予定でした。 G300Kと、高CTEガラスのKrF加工の研究がこの分野の製品と技術です。 会社は以前から穴あけとトレンチ加工のエキシマレーザ研究を進め、過去のECTCでも論文を発表してきました。
検査用LPP-EUV光源
会社概要はEUV光源の開発・量産化を掲げます。 2026年8月には、9月のSPIEでActinic検査向けの高輝度・小型LPP-EUV光源の新機能の開発成果を発表すると告知しました。 9月の発表題目は、検査システム向けの高輝度・小型LPP-EUV光源です。
PLD用レーザと先端材料
ムーンショット型研究開発制度の目標10に参画し、核融合炉の超伝導マグネットに使うREBCO線材の量産向けにPLD用KrFレーザL300KZを開発しました。 機能性薄膜や光学材料への展開も視野に入れています。 2026年9月の設置で、L300KZは実際のPLD成膜プロセス環境で評価する段階に入りました。
07入口を選ぶ
専攻から、入口を1つに絞る
ArF液浸、KrF、加工・成膜用、EUVのうち自分の専攻とつながる光源を1つ選び、開発・生産・保守・営業のどこで関わるかを決めます。
研究開発・設計
半導体リソグラフィ装置向けエキシマレーザと、次世代の先端光源の研究開発を担い、既存製品の改善や必要な設備・機械の設計も任されます。 社内にはレーザ開発部、研究部、加工技術開発部があります。
公式採用情報フィールドサービスエンジニア / カスタマーサポート技術
フィールドサービスエンジニアは顧客工場に出向き、稼働ログを確かめて部品交換や調整を提案・実施します。 カスタマーサポート技術は運転データ解析、状態評価、メンテナンス方針の決定、トラブルシューティングを担います。 勤務地は小山本社または岩手・三重・広島・熊本です。
- Field Service
- Preventive Maintenance
- Uptime
- Troubleshooting
応募前の3手
- GT80A、G60K、G300Kから1機種を選び、波長・出力・発振周波数と使われる工程をノートへ書く
- 売上の約7割を支えるフィールドサービスの仕事と、自分の志望職種の関係を1行で説明できるようにする
- 募集要項の職種、勤務地、初任給、選考の流れを公式ページから書き出す
面接で使う技術語
- Excimer Laser
- Injection Lock
- Optics
- Spectral Bandwidth
- EUV
- Manufacturing Engineering
- Clean Room
- KAIZEN
- Quality Control
- Automation
新卒の勤務地は、フィールドサービスエンジニアが小山本社または国内拠点、それ以外の職種は小山本社です。
他社との違いを一言で
- ArF・KrF露光用光源
Cymer(ASMLグループ)
CymerはASMLグループ内で独立運営される事業で、ArF液浸用のXLR 1000ixなどのDUV光源を開発・製造・サービスし、研究開発と製造をサンディエゴに置いています。ギガフォトンは小松製作所の子会社で、本社に隣接する小山工場でGT80AやG60Kを生産しています。
- 産業用・研究用エキシマレーザ
Coherent
Coherentは193nmと248nmのエキシマレーザでリソグラフィ開発やマスク・光学部品の試験を用途に挙げ、193nm・248nm・308nmのモデルでパルスレーザ成膜にも対応します。ギガフォトンは露光用光源を主力に、PLD用KrFレーザL300KZを2026年9月に国内の線材メーカーへ設置しました。
- EUVマスク検査向け光源
Energetiq
EnergetiqのEQ-10R-HPはキセノンを使うElectrodeless Z-Pinch方式で20WのEUVを出し、EUVマスク検査に向くとし、EQ-10は世界で30台以上が設置されています。ギガフォトンはActinic検査向けの高輝度・小型LPP-EUV光源を開発し、2026年9月のSPIEで新機能のポスター発表を予定していました。
出典32件
ほか24件
- 公式 GT66A
- 公式 GT65A
- 公式 GT64A
- 公式 GT62A
- 公式 G60K
- 公式 G41K-1H
- 公式 G300K
- 公式 研究・開発
- IR 官報 決算公告(ギガフォトン株式会社 第26期) 2026年3月期 · 公表 2026-06-30 · 単体
- ニュース ArFエキシマレーザ向けガスリサイクルシステムを開発 公表 2026-09-30
- ニュース パルスレーザ成膜用エキシマレーザ「L300KZ」の評価を開始 公表 2026-09-25
- ニュース 九州事務所にトレーニング用レーザーを導入 公表 2026-05-27
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- ニュース SPIE Photomask Technology + EUV Lithography 2026で論文発表 公表 2026-08-28
- ニュース SPIE Advanced Lithography + Patterning 2026にて論文発表 公表 2026-02-12
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- 公式 Energetiq EQ-10R-HP