半導体デバイス / データインフラ データセンター・通信向け半導体を設計するファブレス企業
Marvell Technology
AIデータセンター向けのカスタムASICと高速接続
データセンター向けのカスタムASICと光・電気の接続チップを設計するファブレス企業。
2027年1月期第2四半期は売上の79%がデータセンター向けで、AI関連の需要が伸びを支え、売上の大半を少数の大口顧客が占めます。
Marvell Technologyは 顧客仕様のカスタムASICと、光・電気のインターコネクト をデータセンター向けに設計し、製造は外部のファウンドリに任せる会社です。 2027年1月期第2四半期の売上 は4,334億円で、データセンター向けが前年同期より46%増えました。
- 2026年1月期 売上 1兆2,966億円 前期比42.1%増。 データセンター向けが46%増えました。
- 2026年1月期 営業利益 2,093億円 前期は1,139億円の営業損失でした。
- 2026年1月期 研究開発費 3,283億円 売上1兆2,966億円に対する金額です。
2027年1月期第2四半期の用途別売上連結売上4,334億円の内訳
- データセンター3,435億円
- 通信・その他898億円
この会社の要点
01立ち位置
何の会社として比べるか
Marvellは工場を持たない設計会社で、データセンター向けの売上が大半を占めます。 データセンター向けの比率は2026年1月期の74%から、2027年1月期第2四半期には79%に上がりました。
通期と四半期の売上
通期の売上
第2四半期のデータセンター向け売上
データセンター向けの比率
2026年1月期
2027年1月期第2四半期
カスタムASIC
顧客ごとの仕様に合わせて、AI、データセンター、ネットワーク、ストレージ向けの半導体を作ります。 高速SerDes、ARM計算、セキュリティ、シリコンフォトニクスなどの自社IPと、チップレットやCPO、カスタムHBMを含む先端パッケージを組み合わせます。
- Custom ASIC platform
- Die-to-die interconnect
- Custom HBM
高速インターコネクト
データセンターの中、データセンター同士、通信網をつなぐ製品です。 PAM・コヒーレントDSP、レーザードライバ、TIA、シリコンフォトニクス、CPO、LPOチップセット、AEC用DSP、PCIeリタイマがあります。
- PAM / coherent DSP
- AEC DSP
- PCIe retimer
スイッチ・プロセッサ・ストレージ
PresteraとTeralynxのEthernetスイッチ、OCTEONのDPU、QLogicのFibre Channel製品、HDD・SSD向けのBraveraストレージコントローラを持ちます。
- Prestera / Teralynx
- OCTEON
- QLogic Fibre Channel
- Bravera
02収益
どこで、どれくらい儲けているか
2026年1月期は売上1兆2,966億円、営業利益2,093億円で、前期の営業損失から黒字に転じました。 粗利率は51.0%です。 2027年1月期第2四半期の営業利益は727億円で、前年同期の459億円を上回りました。
1兆2,966億円
前期の9,125億円から42.1%増えました。 会社はデータセンター向けの46%増を主因に挙げ、AI関連の需要が強かったとしています。 通信・その他も31%増えました。
2,093億円
前期の1,139億円の営業損失から黒字に転じました。 純利益4,224億円には、同じ期に計上した自動車Ethernet事業の売却益2,848億円(税引前)が含まれます。
4,334億円
前年同期は3,174億円です。 データセンター向けは2,358億円から3,435億円へ46%増え、通信・その他は10%増えました。
4,984億円
会社は2027年1月期第3四半期の売上を、上下5%の幅で4,984億円と見込んでいます。 第2四半期の売上は前年同期比37%増、GAAP粗利率は53.1%でした。
03強みとリスク
強みと、リスク・検討点
強みは、顧客仕様のカスタムASICと、光・電気の接続チップを同じ会社で持つことです。 どちらも自社のSerDes、シリコンフォトニクス、先端パッケージの技術を土台にしています。
強み
- カスタムASICを自社IPの組み合わせで作る
カスタムASICは、高速SerDes、ARM計算、セキュリティ、シリコンフォトニクス、先端パッケージという自社IPの土台の上に作ります。 会社はこれで顧客にシステム全体での差別化を提供するとしています。
Marvell FY2026 Form 10-K - 光と電気の両方の接続チップを持つ
光モジュール向けのDSP・レーザードライバ・TIAと、電気ケーブル(AEC)向けのDSP、PCIeリタイマの両方を製品に持ちます。 CPOやLPOといった新しい光接続の方式にも製品があります。
Marvell FY2026 Form 10-K - データセンター向けが伸びをけん引
2027年1月期第2四半期のデータセンター向け売上は前年同期比46%増でした。 会社は、電気光学製品、カスタム、ストレージ、スイッチなど幅広い製品へのAI関連需要が伸びをけん引したとしています。
Marvell Q2 FY2027 Form 10-Q
リスク・検討点
- 上位10社で売上の82%
2026年1月期は、販売代理店を含む上位10社の顧客が売上の82%を占めました。 会社は、大口顧客への売上は設計採用の時期と件数で期ごとに大きく変わってきたとしています。
Marvell FY2026 Form 10-K - 製造は台湾のファウンドリに集中
自社工場を持たず、製品の多くを台湾の外部ファウンドリで作ります。 会社は、台湾で政治・軍事・自然災害などの混乱が起きれば業績に悪影響が出るとしています。
Marvell FY2026 Form 10-K - 需要が固まる前に供給を約束する
会社は通常、顧客への納入の最大26週前に仕入先へ確定発注し、生産能力を確保するために最大52週先まで供給を約束することがあります。
Marvell FY2026 Form 10-K
04待遇
給与、初任給、休日、手当
公式求人の例は、米国の修士課程向けデジタルIC設計インターンです。 報酬と応募条件はこの求人票のものです。
05勤務地と職種
どこで、どんな仕事をするか
インターンはEthernet PHYやSoCのデジタル設計に入り、アーキテクチャ、物理設計、検証の担当者と一緒に働きます。 勤務地は米国のカリフォルニア、テキサス、バーモント、アイダホ、ニューヨークの各州にあります。
主な勤務地・拠点
- Santa Clara / Irvine
- カリフォルニア州の勤務地です。
- Austin / Burlington
- テキサス州オースティンとバーモント州バーリントンです。
- Boise / Hudson Valley
- アイダホ州ボイシとニューヨーク州ハドソンバレーです。
求人にある設計工程
- RTL設計
- 機能検証
- 論理合成
- 静的タイミング解析
- タイミングサインオフ
- 電力解析
- 設計デバッグ
Digital IC Design Internの職務です。
応募の準備
- RTLやASIC設計で作ったものを整理する
- タイミング・電力・機能をどう確かめたかを説明できるようにする
- PrimeTime、Virtuoso、Spectre Xなどの使用経験をまとめる
06これから
会社が次に取りにいくもの
次の焦点は、AIサーバーのスケールアップ接続です。 会社はUALink・ESUNスイッチを開発し、買収で光ファブリックとPCIe・CXLスイッチを加えました。
これからの材料
UALink・ESUNスイッチを開発中
会社はAIサーバーのスケールアップ接続向けに、UALinkスイッチとESUNスイッチを開発しています。 自社のTeralynxスイッチの設計と高速SerDesを土台にする計画です。 開発中の製品で、出荷や売上の時期は会社の計画によります。
買収で光ファブリックとPCIe・CXLスイッチを追加
2026年2月2日にCelestial AIの買収を完了し、Photonic Fabricを接続製品に加えました。 2026年2月10日にはXConnの買収を完了し、PCIe・CXLスイッチを加えてUALinkスイッチの開発チームを強化しました。 会社は、Celestial AIの買収が次世代AI向けの接続戦略を加速すると見込んでいます。
07入口を選ぶ
専攻から、入口を1つに絞る
デジタルIC設計の経験を、RTL、合成、タイミング、電力、デバッグの工程に分けて話せるようにします。 配属先にはEthernet PHYチップの設計・検証チームと、SoCのブロックやアクセラレータを担うチームがあります。
Digital IC Design Intern、MS - Summer 2027
高性能Ethernet PHYチップや、SoCを構成するブロック・アクセラレータのデジタル設計に入るインターンです。 RTL設計と検証、論理合成、静的タイミング解析、タイミングサインオフ、電力解析、デバッグを担います。
Marvell Digital IC Design Intern、MS - Summer 2027面接で使う技術語
- RTL
- Synthesis
- Static timing analysis
- Ethernet PHY
- SoC
- Python
求人はPython・Perl・Tclの経験と、RTL設計の実務経験を求めています。
他社との違いを一言で
- PCIe・CXLの接続チップ
Astera Labs
Astera LabsはAriesリタイマ、Scorpioファブリックスイッチ、Leoメモリコントローラなど、PCIe・CXLの接続チップを製品の柱にしています。MarvellはXConnの買収でPCIe・CXLスイッチを加えたうえ、顧客仕様のカスタムASICも作ります。
- AECと光DSP
Credo
CredoはAEC、光DSP、シリコンフォトニクスに加え、Ethernet・ESUN・UALink向けのリタイマを製品にしています。Marvellも光DSPとAEC用DSPを持ち、同じUALink・ESUNの分野ではスイッチを開発しています。
- AIデータセンターのネットワーク
NVIDIA Networking
NVIDIAはSpectrum-X EthernetとQuantum InfiniBandを、スイッチ、NIC、DPU、ケーブルまでそろえたプラットフォームとして提供します。MarvellはEthernetスイッチやインターコネクトの半導体と、顧客仕様のASICを供給する立場です。