- 2026年3月期 売上高 880億円 前期比8.8%増。 半導体分野は758億円
- 2026年3月期 営業利益 152億円 前期比8.0%増、営業利益率17.3%。 4年連続の最高益
- 2027年3月期第1四半期 受注高 519億円 前年同期比190.5%増。 海外子会社を各部門へ配分した新区分で、ボンダを含むメカトロニクスシステム部門が371億円
2026年3月期のセグメント別売上高
- ファインメカトロニクス(半導体・FPD前工程)522億円
- メカトロニクスシステム(半導体・FPD後工程、真空応用)314億円
- 流通機器システム(券売機・自販機)26億円
- 不動産賃貸18億円
この会社の要点
01立ち位置
何の会社として比べるか
芝浦メカトロニクスは、半導体の前工程の洗浄・エッチング装置と後工程のボンダを両方作る装置メーカーです。 2026年3月期は売上高880億円のうち86.1%が半導体分野で、売上の40.8%が台湾向けでした。
2023年3月期から2027年3月期予想までの売上高と営業利益
売上高
営業利益
どの国の、どの顧客へ売っているか
国・地域別売上高
TSMC向け売上高
枚葉式洗浄装置
300mm対応の枚葉式洗浄装置です。 研磨後洗浄装置SC300-CCは、研磨後洗浄工程でシェアNo.1(会社調べ)の装置です。 19nm以下の微細パーティクルに対応し、従来機から洗浄性能を約25%高めました。 フォトマスク洗浄装置は凍結洗浄機能を載せ、次世代EUVやNILを含む各フォトマスクに対応します。
- 研磨後洗浄装置 SC300-CC series
- ファイナル洗浄装置 SC300-FC series
- フォトマスク洗浄装置 MC150 series、ARTS
- FOSB / FOUP洗浄装置 FOC300 series
エッチング・アッシング装置
高温リン酸エッチング装置SC300-HTは先端ロジック向けの窒化膜エッチング装置で、枚葉窒化膜エッチング工程でシェアNo.1(会社調べ)です。 160℃以上のリン酸温度を保ちながらリン酸中のシリコン濃度を制御し、高い選択比を出します。 フォトマスクエッチング装置ARES、ケミカルドライエッチング装置CDE、低温アッシング装置ICEも前工程の製品です。
- 高温リン酸エッチング装置 SC300-HT series
- フォトマスクエッチング装置 ARES series
- ケミカルドライエッチング装置 CDE series
- 低温アッシング装置 ICE series
先端パッケージ向けボンダ
さがみ野事業所のメカトロニクスシステム部門が作るボンダ群です。 マルチプロセスボンダTFC-6500はハイエンド2.5Dパッケージ分野で、TFC-9300はFO-PLP分野で、それぞれシェアNo.1(会社調べ)です。 TFC-6600はFace Up精度±2μmとDry UPH 5,000以上を掲げ、ハイブリッドボンダは2016年から販売し大手Foundryが採用しています。
- マルチプロセスボンダ TFC-6500
- アドバンスドパッケージボンダ TFC-6500-W
- ハイエンドウェーハレベルパッケージボンダ TFC-6600
- ハイブリッドボンダ TFC-6700 / 6800
02収益
どこで、どれくらい儲けているか
2026年3月期の利益は前工程と後工程でほぼ半分ずつでした。 売上の小さいメカトロニクスシステム部門が78億円を稼ぎ、セグメント間取引を含む部門売上に対する経常利益ベースのセグメント利益率は24.2%で、ファインメカトロニクス部門の15.5%を上回りました。
売上高880億円 / 営業利益152億円
売上高は前期比8.8%増、営業利益は8.0%増で、営業利益率は17.3%、ROEは21.7%です。 半導体分野の売上は758億円でした。
受注高877億円 / 3月末受注残高483億円
受注高は前期比25.8%増です。 メカトロニクスシステム部門の受注高は305億円で、72.7%増えました。
売上高200億円 / 受注高519億円
売上高は前年同期比7.0%減、営業利益は29.9%減の28億円でした。 受注高は190.5%増え、6月末の受注残高は803億円です。
売上高990億円 / 営業利益160億円
売上高は前期比12.4%増、営業利益は4.8%増の予想で、営業利益率は16.2%へ下がる計画です。 第1四半期決算でも予想は変えていません。
2026年3月期のセグメント別売上高と利益
半導体分野の売上高
03強みとリスク
強みと、リスク・検討点
強みは、枚葉洗浄・窒化膜エッチングとAI向けボンダという二つのニッチ製品群を同じ会社で持つことです。 弱点はその売り先の集中で、TSMCと台湾・中国の投資計画が業績を直接動かします。
強み
- AI向けボンダが利益を押し上げた
メカトロニクスシステム部門は2026年3月期に売上314億円、セグメント利益78億円で、利益は前期比68.0%増えました。 生成AI用GPUの需要増で先端パッケージ向け装置が伸びました。 2027年3月期第1四半期からは海外子会社の業績を各部門へ配分する区分に変わり、その新しい区分で同部門の第1四半期受注高は371億円、前年同期比366.5%増です。
2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) - ニッチトップ製品に売上が集まる
会社がグローバルニッチトップ(GNT)と呼ぶ製品群の売上は2026年3月期に545億円で、半導体分野の72%を占めます。 2027年3月期第1四半期は半導体分野の受注497億円のうち416億円がGNT製品でした。 研磨後洗浄、枚葉窒化膜エッチング、ハイエンド2.5D向けボンダ、FO-PLP向けボンダの4分野でシェアNo.1(会社調べ)です。 GNT製品群にはこのほか、フォトマスクのエッチング装置と洗浄装置、FOSB/FOUP洗浄装置も含まれます。
2026年3月期 決算説明資料 - 前工程から後工程までを2事業所で作る
横浜事業所(本社)とさがみ野事業所の2カ所で、半導体とFPDの前工程・後工程の装置を一社で手がけます。 横浜には研究開発新棟が2025年8月から、さがみ野には増設したクリーンルームが2024年4月から稼働しています。
2026年3月期 有価証券報告書 - 保守サービスの売上が育った
サービス事業の売上は2023年3月期の129億円から2026年3月期の228億円に増え、売上高に占める比率は21%から26%に上がりました。 装置の出荷台数が増えるほど部品と装置サービスの売上が積み上がります。
2026年3月期 決算説明資料 - 自己資本比率55.1%の財務
2026年3月期末の自己資本比率は55.1%で、営業利益と経常利益は4年連続で過去最高を更新しました。 ROEは21.7%です。
2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
リスク・検討点
- TSMC 1社に売上の4割
TSMC向けの売上は2025年3月期の183億円(売上高の22.7%)から、2026年3月期は344億円(39.2%)へ87.5%増えました。 関連するセグメントはファインメカトロニクスとメカトロニクスシステムの両方です。 2027年3月期第1四半期の受注は台湾向けが70%を占め、集中はさらに強まっています。
2026年3月期 有価証券報告書 - 台湾・中国への偏りと輸出規制
2026年3月期の地域別売上は台湾359億円、中国259億円で、合わせて売上の7割を超えます。 有価証券報告書は海外売上高比率を約76%とし、決算短信は半導体輸出規制、関税などの地政学的リスクを挙げています。
2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) - 前工程の装置売上が鈍っている
ファインメカトロニクス部門は2026年3月期にマスク向けとパワーデバイス向けの装置が低調で、利益は9.0%減の80億円でした。 2027年3月期第1四半期は顧客の投資計画の見直しで売上の一部が第2四半期以降へずれ、部門売上は86億円(25.8%減)、−1.1億円のセグメント損失になりました。
2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結) - 成長投資で利益率が下がる計画
2027年3月期は成長投資費用が前年比約39億円増える見込みで、増加額の内訳は減価償却費29億円、研究開発費3.0億円、人件費7.0億円です。 営業利益率は17.3%から16.2%へ下がる予想です。 2026年3月期のフリーキャッシュフローは-35億円でした。
2026年3月期 決算説明資料 - 価格競争と新規参入
有価証券報告書は、主要顧客のエレクトロニクス業界が装置への投資コストを抑える傾向にあり、競合メーカーや新規メーカーの参入次第で競争が激しくなると記載しています。 2026年3月期の研究開発費は39億円で、売上高の4.5%です。
2026年3月期 有価証券報告書
04待遇
給与、初任給、休日、手当
2026年4月の初任給は修士了35万6,100円、大学卒32万7,500円で、総合福利厚生手当を含みます。 2026年3月期の提出会社の平均年間給与は953万954円、平均年齢43.8歳、平均勤続年数18.5年です。
新卒初任給(月給)
- 新卒の初任給
- 2026年4月実績で大学院卒(修士)35万6,100円、大学卒32万7,500円、高専卒28万900円、専門学校卒26万9,200円です。 昇給は年1回、賞与は年2回で、いずれも 新卒採用 募集要項 の記載です。
- 勤務時間と休日
- 勤務時間は8:30~17:15で、フレックスタイム制度があります。 2026年度の年間休日は125日、有給休暇は初年度24日、2年目以降25日です。
- 平均年間給与
- 2026年3月期の提出会社は従業員621名、平均年齢43.8歳、平均勤続年数18.5年、平均年間給与953万954円(約953.1万円)です。 2026年3月期 有価証券報告書 の従業員の状況に載ります。
- 賃金の引き上げ
- 2025年度の賃金水準は2024年度比5.3%上がりました。
- 福利厚生
- 総合福利厚生手当、家賃補助(受給要件あり)、財形貯蓄、持株会、共済会、確定拠出年金などがあります。
05勤務地と職種
どこで、どんな仕事をするか
勤務地は神奈川県の横浜事業所とさがみ野事業所です。 横浜は前工程のファインメカトロニクス部門、さがみ野は後工程のボンダを作るメカトロニクスシステム部門の生産設備を持ちます。
主な勤務地・拠点
- 横浜事業所(本社)
- 神奈川県横浜市栄区笠間2-5-1。 半導体製造装置とFPD製造装置の生産設備を持ち、従業員は484名です。研究開発新棟が2025年8月に稼働。 キオクシアへ貸している建物もある
- さがみ野事業所
- 神奈川県海老名市東柏ヶ谷5-14-1。 半導体製造装置と真空応用装置の生産設備を持ち、従業員は243名です。増設したクリーンルームが2024年4月に稼働
- 海外
- 芝浦テクノロジー・インターナショナル・コーポレーション、台湾芝浦先進科技、韓国芝浦メカトロニクス、芝浦機電(上海)の4社がアメリカ、台湾、韓国、中国にあります。国内海外の関係会社は10社46拠点
新卒採用の職種
- 研究開発
- 機械設計
- 電気設計
- 制御ソフト設計
- 製造試験
- 営業
技術系と事務系があり、募集学科はどちらも全学部全学科です。 募集人員は35~40名です。
06これから
会社が次に取りにいくもの
会社は2026-2028年度の中期経営計画で、2029年3月期までに連結売上高1,000億円以上を目指します。 半導体分野の比率を約90%以上へ上げ、その中でGNT製品の比率を80%以上にする計画です。
中期経営計画の目標と2026年3月期実績
- 連結売上高 880億円 目標は1,000億円以上
- 半導体分野の売上比率 86.1% 2029年3月期に約90%以上
- 半導体分野のGNT製品比率 72% 2029年3月期に80%以上
- サービス売上比率 26% 2029年3月期に30%以上
これからの材料
- 先端パッケージ
- ハイブリッドボンダTFC-6800は従来比3倍の生産性を出し、前処理システムの開発試験を続けています。 パネル用のウェット処理装置は量産展開に向けて開発中だと 2027年3月期 第1四半期決算説明資料 に載ります。
- 投資
- 研究開発費と研究開発関連設備に3カ年累計245億円を投じる予想で、Phase 1で配備した開発評価機を新機種の開発に使います。
ハイブリッド接合とボンダの次世代機
TFC-6800はダブルヘッド構成で従来比3倍の生産性を出し、洗浄・プラズマの前処理システムも開発段階の試験を続けています。 有価証券報告書は先端パッケージ用の次世代高精度ボンディング装置の開発を挙げています。 ハイブリッドボンダTFC-6800は顧客と会社の双方で評価・検証を続ける段階の装置で、会社は評価機として業績に織り込みつつ、売上高は小さく見込んでいます。
パネルレベルパッケージ向けウェット装置
先端パッケージ向けのパネル用ウェットスピン装置PD-seriesを新製品として出し、PLP用途のウェット処理装置は量産展開に向けて開発を続けています。 FPDで培った技術を半導体向け装置へ展開する方針の一つです。
前工程GNT製品の対象拡大
SiC向け洗浄装置の上市準備、メモリ向け高温リン酸エッチング装置の拡販、EUV向けとレガシー向けのフォトマスク装置のシェア拡大を掲げます。 2027年3月期第1四半期にはマスク向けのエッチング装置と洗浄装置の引き合いが増えました。 パワーデバイス市場とSiウェーハ製造向けの投資回復が遅れると、前工程の伸びは先端ロジック頼みのままになります。
2029年3月期までに売上高1,000億円以上
2026-2028年度(2027年3月期〜2029年3月期)の中期経営計画で、期間内の連結売上高1,000億円以上の達成を目指します。 2028年度(2029年3月期)に半導体分野の比率を約90%以上、半導体分野のうちGNT製品比率を80%以上、サービス売上比率を30%以上にする計画で、研究開発費と研究開発関連設備に3カ年累計245億円を投じる予想です。 成長投資で落ちる利益率を、ビジョン期間内のROS20%以上へ戻せるかが条件になります。
07入口を選ぶ
専攻から、入口を1つに絞る
前工程の洗浄・エッチング装置と後工程のボンダのどちらに関わりたいかを決め、職種別採用のエントリーシートで希望職種を指定します。
研究開発
新卒の技術系の募集職種です。 2026年3月期の研究開発費はファインメカトロニクスで15億円、メカトロニクスシステムで10億円で、窒化膜ウェットエッチング装置、ウェーハ洗浄装置、マスク用洗浄・エッチング装置、次世代高精度ボンディング装置などを開発しています。
公式採用情報機械設計
新卒の技術系の募集職種で、キャリア採用でも半導体製造装置(前工程・後工程)の機械設計を募集しています。 キャリア採用の業務は、顧客の要望・仕様を確認して装置の機械設計開発を行うことです。
公式採用情報電気設計 / 制御ソフト設計
新卒の技術系の募集職種です。 キャリア採用の製造装置のソフト設計は、半導体製造装置(前工程・後工程)の制御ソフトを顧客の仕様に合わせて設計する仕事です。
- Control Software
- SECS/GEM
- C++
- PLC
応募前の3手
- SC300-CC、SC300-HT、TFC-6600、TFC-6700 / 6800から1機種を選び、使われる工程と仕様をノートへ書く
- 2026年3月期のセグメント別売上と利益、TSMC向け比率39.2%を書き出し、前工程と後工程のどちらの伸びに賭けるかを決める
- 募集要項の職種、勤務地、初任給、選考の流れを公式ページから書き出す
面接で使う技術語
- Wet Etching
- Wafer Cleaning
- Hybrid Bonding
- Photomask
- Process Development
- Mechanical Design
- Bonder
- Precision Stage
- Wafer Handling
- Cleanroom
技術系・事務系とも募集学科は全学部全学科で、勤務地は横浜事業所とさがみ野事業所です。
他社との違いを一言で
- 枚葉式ウェーハ洗浄装置
SCREENセミコンダクターソリューションズ
SCREENは枚葉式洗浄装置SU-3400を世界シェアNo.1(同社調べ)の洗浄装置と掲げ、スピンスクラバSS-3300Sは16チャンバで最大毎時1,000枚の処理をうたいます。芝浦メカトロニクスの洗浄装置は研磨後洗浄装置SC300-CCとファイナル洗浄装置SC300-FCです。研磨機と連結する研磨後洗浄でシェアNo.1(会社調べ)です。
- 先端パッケージ向けボンダ
Besi
Besiはハイブリッドボンディング装置Datacon 8800 CHAMEO ultra plus ACと熱圧着ボンディング装置9800 TC nextを製品に並べています。芝浦メカトロニクスはハイブリッドボンダTFC-6700 / 6800を2016年から販売し、ハイブリッド接合前処理装置HSM-1000と組み合わせて提供します。
- フリップチップボンダとパネルレベルパッケージ
東レエンジニアリング
東レエンジニアリングはR&D用途から量産用途までのフリップチップボンダーをそろえ、TSV3次元実装、FOWLP、FOPLP、光素子に対応する装置を持ちます。芝浦メカトロニクスはFO-PLP向けのTFC-9300でシェアNo.1(会社調べ)としており、パネル用ウェットスピン装置PD-seriesも出しています。
出典22件
- 公式 会社概要
- 公式 拠点
- 公式 芝浦メカトロニクス早わかり
- 公式 半導体製造装置
- 公式 研磨後洗浄装置 SC300-CC series
- 公式 高温リン酸エッチング装置 SC300-HT series
- 公式 フォトマスク洗浄装置 MC150 series、ARTS
- 公式 ハイエンドウェーハレベルパッケージボンダ TFC-6600
ほか14件
- 公式 ハイブリッドボンダ TFC-6700 / TFC-6800
- IR 芝浦ビジョン2033/中期経営計画
- IR 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) 2026年3月期
- IR 2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結) 2027年3月期第1四半期
- IR 2026年3月期 決算説明資料 2026年3月期
- IR 2027年3月期 第1四半期決算説明資料 2027年3月期第1四半期
- IR 2026年3月期 有価証券報告書 2026年3月期
- 採用 新卒採用サイト
- 採用 新卒採用 会社を知る
- 採用 新卒採用 募集要項
- 採用 キャリア採用
- 公式 SCREENセミコンダクターソリューションズ 製品情報
- 公式 Besi 公式サイト
- 公式 東レエンジニアリング 半導体関連装置