アナログ / 組込みプロセッシング / IDM アナログ・組込み半導体を自社工場で作るIDM
Texas Instruments
300mm自社工場で作るアナログ半導体
電源ICやアンプなどのアナログ半導体を、自社工場で作るIDM。
売上の79%がAnalogで、会社は利益率が工場の稼働で上下すると説明しています。
TIは 300mmウエハ工場 を自社で持ち、アナログ半導体とマイコンなどの組込み半導体を作ります。 2026年第2四半期 の売上は8,643億円で、前年同期より23%増えました。
- 2026年第2四半期 売上 8,643億円 前年同期比23%増、前四半期比13%増
- 2026年第2四半期 営業利益 3,655億円 前年同期比48%増、売上に対して42.3%
- 2026年第2四半期 粗利率 61.4% 前年同期は57.9%
FY2025 市場別の売上構成会社推定 · 年次報告書
- 産業33%
- 車載33%
- パーソナルエレクトロニクス21%
- データセンター9%
- 通信機器3%
- 電卓1%
この会社の要点
01立ち位置
何の会社として比べるか
TIの売上はAnalogが79%、Embedded Processingが15%です。 FY2024に売上と営業利益が落ち、FY2025に売上は戻りましたが、営業利益はFY2023の水準に届いていません。
売上と営業利益の波
連結売上
連結営業利益
Analogが売上の中心
セグメント別売上
Power(電源)
電子機器の電力を管理する製品群で、Analogセグメントに入ります。 バッテリー管理、DC/DCとAC/DCのスイッチングレギュレータ、パワースイッチ、リニア・低ドロップアウトレギュレータ、マルチフェーズコントローラ、パワーステージなどがあります。
- Battery management
- DC/DC switching regulators
- AC/DC regulators
- Power switches
Signal Chain(信号処理)
現実の信号を検出・調整・測定し、データに変換する製品群で、Analogセグメントに入ります。 アンプ、データコンバータ、インタフェース、モータードライバ、クロック、ロジック、センシング製品があります。
- Amplifiers
- Data converters
- Interface
- Motor drives
Embedded Processing(組込み)
低消費電力マイコン、リアルタイム制御マイコン、マイクロプロセッサとDSP、無線接続製品、車載・産業用のミリ波レーダーセンサがあります。 開発ツールのCCStudio、評価ボード、リファレンスデザインも用意しています。
- 低消費電力マイコン
- リアルタイム モーター制御マイコン
- マイクロプロセッサ & DSP
- ワイヤレス コネクティビティ
02収益
どこで、どれくらい儲けているか
2026年第2四半期の営業利益率は、Analogが45.6%、Embedded Processingが21.3%でした。 Embedded Processingは売上が前年同期比16%増、営業利益が98%増です。
売上2兆7,977億円 / 営業利益9,530億円
純利益は7,912億円、研究開発費は3,295億円、営業キャッシュフローは1兆1,318億円でした。 売上の80%超がTI.comを含む直接販売です。
7,199億円
FY2024は7,626億円でした。 会社は高水準の設備投資が続いた期間の終わりが近いとし、2026年は3,164億円〜4,746億円を見込んでいます。
売上8,643億円 / 営業利益3,655億円
純利益は3,132億円です。 前年同期比で営業利益は48%増、純利益は53%増でした。 会社は第3四半期の売上を8,939億円〜9,731億円と見込みます。
売上1兆6,281億円
前年同期比21%増。 設備投資は1,882億円で、前年同期の3,844億円から半分以下になりました。 在庫日数は2025年末の222日から196日へ下がりました。
営業CF 1兆3,713億円
会社算式のフリーキャッシュフローは1兆338億円で、営業CFから設備投資を引き、CHIPS法の補助金収入1,865億円を足した値です。
2026年第2四半期 セグメント別売上
設備投資の推移
03強みとリスク
強みと、リスク・検討点
TIの強みは、300mmの自社工場、幅広い製品、直販による顧客接点、製品と顧客の分散です。 会社は、これらの組み合わせが他社との違いを長く保つとしています。
強み
- 300mm工場による製造コスト
会社の算定では、300mmウエハで作るパッケージ前のチップは、200mmウエハより約40%安くなります。 2025年はウエハ製造と組立・テストの大部分を社内で行いました。
Texas Instruments 2025 Form 10-K(SEC) - 顧客と製品の分散
80,000超の製品を100,000超の顧客へ売り、売上の約半分は上位50社以外の顧客から得ています。 会社は、特定の顧客や製品への依存が小さいことを競争上の強みに挙げています。
Texas Instruments 2025 Form 10-K(SEC) - 直販で設計案件に入る
FY2025は売上の80%超がTI.comを含む直接販売でした。 会社は、顧客との直接の関係がより多くの設計案件への参加と、1つの設計に多くの製品を売る機会につながるとしています。
Texas Instruments 2025 Form 10-K(SEC) - 組込み製品はソフトの再利用で関係が長い
顧客はTIの組込み製品の上で動くソフトウェアに自社の開発費を投じます。 多くの顧客が次の世代でもソフトを再利用したがるため、取引関係が長くなる傾向があると会社は説明しています。
Texas Instruments 2025 Form 10-K(SEC)
リスク・検討点
- 固定費が大きく、稼働が落ちると利益率も落ちる
製造能力の多くを自社で持つため、営業費用の大きな部分が固定費です。 会社は、工場の稼働が下がると固定費が少ない生産量に配分され、利益率が下がると説明しています。
Texas Instruments 2025 Form 10-K(SEC) - 需要の波
売上はFY2023の2兆7,719億円からFY2024の2兆4,748億円へ減り、営業利益は1兆1,599億円から8,647億円へ減りました。 FY2025は売上2兆7,977億円、営業利益9,530億円まで戻りました。
Texas Instruments 2025 Form 10-K(SEC) - 増設中の工場のコスト
2026年第2四半期の粗利は売上増で増えましたが、計画中の能力増強に伴う製造コストの増加が一部を打ち消しました。
Texas Instruments 2026年第2四半期 四半期報告書(SEC)
04待遇
給与、初任給、休日、手当
日本の拠点は会津と美浦です。 職種、勤務地、待遇は公式採用サイトの各求人で選びます。
- 勤務地
- 会津と美浦は、AnalogとEmbedded Processingの両方が使う製造・設計拠点です。
- 人員
- 2025年末の従業員は約33,000人です。
- 応募窓口
- 職種・勤務地・経験水準を公式求人検索で絞ります。 TI Careers
05勤務地と職種
どこで、どんな仕事をするか
北テキサスとユタ州リーハイが300mm工場の中心です。 日本の会津と美浦は、AnalogとEmbedded Processingの製造・設計拠点です。
主な勤務地・拠点
- 北テキサス
- ダラス、リチャードソン、シャーマン。 AnalogとEmbedded Processingの主要な製造・設計拠点です。
- ユタ州リーハイ
- LFAB。 2021年に購入し、2022年に300mmウエハの製造を始めました。
- 会津
- AnalogとEmbedded Processingが使う製造・設計拠点です。
- 美浦
- AnalogとEmbedded Processingが使う製造・設計拠点です。
職務を絞る技術語
- Analog design
- Power
- Signal chain
- MCU
- DSP
- mmWave radar
- Process engineering
- 300mm
- Product/Test
- Applications
06これから
会社が次に取りにいくもの
会社は2026年の設備投資を3,164億円〜4,746億円と見込んでおり、FY2025の7,199億円より少ない水準です。 第3四半期の売上は8,939億円〜9,731億円を見込みます。
2026年の設備投資:上半期の実績と通年の会社見込み
- 設備投資 1,882億円 2026年1月〜2026年6月の実績。 通年の見込みは3,164億円〜4,746億円
- Industrial
- Automotive
- Data center
- 300mm
上半期の実績を、通年見込みの上限に対する長さで示しています。
これからの材料
- CHIPS法の直接支援
- シャーマンとリーハイの大規模300mm工場に対し、最大2,531億円の直接支援を受ける契約があります。 FY2025 年次報告書
- 補助金の受け取り
- 2026年1月〜2026年6月にCHIPS法の補助金から1,740億円の現金を受け取りました。 2026年第2四半期 四半期報告書
- 製造拠点
- 製造拠点は世界15拠点で、ウエハ製造、組立・テスト、バンプ加工を自社で行っています。 TI 世界の製造
社内製造を95%以上へ
会社は2030年までに製造業務の95%以上を社内で行う計画です。 45nmから130nmの技術ノードへの投資と製造能力の増強も進めています。 2030年までの計画で、工場の立ち上げと製品の移管が進むことが前提です。
150mm工場と外部ファウンドリからの移管
会社は、リチャードソン、シャーマン、リーハイの新しい300mm工場が、顧客の需要、外部ファウンドリからの移管、旧150mm工場からの社内移管を受け持つとしています。
リーハイ工場とEmbedded Processingの利益
主にEmbedded Processingを支えるリーハイのLFABは、生産の立ち上げを続けています。 会社は、LFABの稼働が上がるにつれ、その効果がAnalogよりEmbedded Processingの営業利益に大きく出ると見込んでいます。 会社の見込みで、LFABの稼働が計画どおり上がることが前提です。
07入口を選ぶ
専攻から、入口を1つに絞る
応募前の3手
- Power / Signal Chain / Embedded / 300mm製造 / 製品・テストから領域を1つ選ぶ
- 効率・精度・速度・歩留まりなど、成果を数値にする
- 公式求人の必須条件と自分の成果を並べ、応募書類に反映する
面接で使う技術語
- Analog IC
- Power management
- Signal chain
- SPICE
- Device
- MCU
- DSP
- RTOS
- mmWave
- CCStudio