電子材料 磁性・誘電体・機能性顔料材料メーカー
戸田工業
MLCCとインダクターの原料粉を作る微粒子メーカー
MLCC用のチタン酸バリウムと軟磁性粉を作る微粒子材料メーカー。
電子素材のセグメント利益は21億円で、AIサーバー向けの誘電体材料が過去最高の売上でした。
戸田工業は 積層セラミックコンデンサー用のチタン酸バリウム やインダクター用の軟磁性粉を作る材料メーカーです。 2027年3月期第1四半期の電子素材 は売上54億円で前年同期比3.2%増、セグメント利益は7.0億円で8.6%増でした。
- 2026年3月期 売上高 280億円 前期比11.4%減。 営業利益は8.6億円で、前期の営業損失6.4億円から黒字に戻りました
- 2026年3月期 電子素材 セグメント利益 21億円 前期比77.5%増。 誘電体材料が過去最高の売上でした
- 2027年3月期 会社予想 売上高 290億円 営業利益10億円、当期純利益5.0億円を見込みます
2026年3月期の外部顧客向け売上構成
- 電子素材202億円
- 機能性顔料78億円
この会社の要点
01立ち位置
何の会社として比べるか
戸田工業は機能性顔料と電子素材を手がける材料メーカーです。 2026年3月期の売上高は280億円で、外部顧客向け売上の72.2%を電子素材が占めました。
売上高と営業利益
売上高
営業利益
通期セグメント構成
2026年3月期
MLCC用誘電体材料
積層セラミックコンデンサーの誘電体層用と、電極層向けの共材用にチタン酸バリウムを供給します。 高機能樹脂・フィルム用のフィラーや圧電デバイス用材料にも展開しています。
- チタン酸バリウム
- チタン酸バリウム 分散体
インダクター用軟磁性材料
インダクターの原料になるソフトフェライトを提供しています。 小型・大電流・高周波化に向けて、韓国原州市で生産するセンダストなどのメタル材料と新材料の開発を進めています。 ノイズ対策部品やフィルターの材料、スマートフォンやRFIDデバイス用の磁性シートも扱います。
- ソフトフェライト磁性粉
- ソフト磁性メタル粉
- ソフト磁性コンパウンド
- フレキシブルフェライトシート
半導体モジュール周辺部材
半導体モジュール周辺部品向けに、インダクタ材料、MLCC材料、層状複水酸化物の封止材、ノイズ抑制シートを並べています。 エポキシ系磁性接着剤や、半導体プロセスでのモジュール形成用基板となるウェハ状フェライトプレートは開発品です。
- 軟磁性メタル(Fe-Si-Cr、Fe-Si-Al系)
- 層状複水酸化物(ハイドロタルサイト)
- ウェハ状フェライトプレート
- フレキシブルフェライトシート
磁石材料
モーターやセンサー用のハードフェライトと希土類(NdFeB)磁性粉、それを樹脂と複合化したコンパウンドを開発しています。 射出成形用の異方性NdFeBコンパウンドは東北大学と耐熱性・耐食性の共同研究を進めています。
- 射出成形用等方性NdFeBコンパウンド
- 射出成形用異方性NdFeBコンパウンド
02収益
どこで、どれくらい儲けているか
2026年3月期のセグメント利益は電子素材が21億円、機能性顔料が14億円です。 売上に対する利益の比率は機能性顔料が19.2%で、電子素材の10.4%を上回ります。 2027年3月期第1四半期の機能性顔料は、売上20億円に対してセグメント利益4.0億円で、利益は前年同期比14.7%増でした。
売上高280億円 / 営業利益8.6億円
経常損失は0.7億円、親会社株主に帰属する当期純損失は34億円でした。 営業外では、EV市場の成長鈍化を受けて持分法による投資損失を計上しました。
30億円
BASF戸田バッテリーマテリアルズ合同会社の出資持分の全部を譲渡する契約に伴い、関係会社出資金譲渡損失引当金繰入額として特別損失に計上しました。
売上高73億円 / 営業利益3.7億円
前年同期比で売上高0.7%増、営業利益32.1%増です。 電子素材は売上54億円、セグメント利益7.0億円でした。
売上高290億円 / 営業利益10億円
前期比で売上高3.4%増、営業利益16.0%増の予想です。 親会社株主に帰属する当期純利益は5.0億円を見込みます。
2026年3月期 セグメント別
03強みとリスク
強みと、リスク・検討点
強みは、湿式合成で微粒子を作り、分散体まで仕上げ、量産工程に載せる一続きの技術です。 2026年3月期は誘電体材料が過去最高の売上でした。 一方、磁石材料と軟磁性材料は中国の同業との競争激化などで苦戦しました。
強み
- 微粒子に特化したチタン酸バリウム
湿式合成法による独自の微粒子合成技術で、150nm以下の微粒子に特化した製品を開発・製造しています。 粉体だけでなく分散体での提供も進め、2026年3月期には分散体の専用設備を稼働させました。
第93期 有価証券報告書 - AIサーバー向けMLCC需要を取り込んだ
2026年3月期はAIサーバーと周辺機器向けのMLCC需要が大きく増え、誘電体材料は過去最高の売上になりました。 電子素材のセグメント利益は前期比77.5%増の21億円です。
2026年3月期 決算短信 - ラボから量産工程まで社内でつなぐ
小野田創造センターは湿式合成のラボスケールからパイロットスケールまでの開発設備を持ちます。 生産技術本部がスケールアップ実験と化学工学計算で基本設計を行い、量産工程の建設と試運転まで担います。
開発拠点・開発体制
リスク・検討点
- 磁石・軟磁性は2026年3月期に苦戦
2026年3月期、磁石材料と軟磁性材料は自動車市場の新車販売の減少と、中国の同業他社との競争激化で苦戦しました。 電子素材の売上高は、戸田アドバンストマテリアルズInc.の解散・清算の決定などもあり、前期を下回りました。
2026年3月期 決算短信 - 電池材料合弁からの撤退損
持分法適用関連会社のBASF戸田バッテリーマテリアルズ合同会社の持分を全部譲渡し、合弁を解消する方針です。 譲渡損失の見込み額を特別損失に計上し、営業黒字でも最終赤字になりました。 譲渡手続きは監督官庁の認可に時間がかかっています。
2026年3月期 決算短信 - 軟磁性は競争が激しい市場
電源モジュールの小型化・大電流化で、インダクター材料はフェライト系からメタル系磁性粉へ移っています。 会社はこの市場で競争が激しくなっているとし、技術力での差別化を掲げています。
第93期 有価証券報告書
04待遇
給与、初任給、休日、手当
新卒の基本給は高専卒23万7,100円から博士了31万7,600円です。 年間休日は営業部門133日、その他126日です。
新卒基本給(月額)
- 昇給と賞与
- 昇給は年1回(4月)、賞与は年2回(7月、12月)で、2026年度実績は4.07カ月です。 新卒採用 募集要項 に手当の種類も載っています。
- 平均年間給与
- 2026年3月期の提出会社の従業員357名の平均年間給与は621.5万円、平均年齢46.6歳、平均勤続年数18.4年です。
- 働き方
- 2025年実績で平均残業時間8.1時間/月、平均有給休暇取得日数13.8日/年、自己都合離職率4.8%です。
- 研修
- 導入研修の後、5月から4~5ヶ月間の現場研修で、先輩社員と一緒に職場を体験します。
05勤務地と職種
どこで、どんな仕事をするか
本社は広島市にあり、製造拠点は大竹、小野田、岡山です。 開発は大竹と小野田の創造センター、営業は東京オフィスが主な拠点です。
主な勤務地・拠点
- 本社・東京オフィス
- 本社は広島市南区、東京オフィスは東京都港区にあります。
- 製造拠点
- 大竹事業所、小野田事業所、岡山事業所があります。
- 開発拠点
- 大竹創造センターは新規技術と新製品の創出、小野田創造センターは湿式合成のラボからパイロットスケールまでの開発を担います。
公式募集の仕事
- 営業
- 事務
- 製造
- 開発
- 生産技術
新卒の総合職は営業、事務、製造、開発の区分です。
06これから
会社が次に取りにいくもの
次の焦点は、チタン酸バリウムの分散体、半導体パッケージ内蔵の薄型インダクタ用部材、環境材料の事業化です。 会社は2027年3月期に売上高290億円、営業利益10億円を見込みます。
チタン酸バリウムの分散体
誘電体材料はAIサーバー向けを中心に需要が拡大しています。 会社は粉体で供給してきたチタン酸バリウムを、顧客の工程負担を減らす分散体の形でも提供する取り組みを進めています。
半導体パッケージに内蔵する薄型インダクタ
軟磁性粉末と高充填の軟磁性樹脂コンパウンドを使い、半導体パッケージ内蔵の薄型インダクタ用部材、kHz~GHz帯の電磁ノイズ抑制材料、ワイヤレス給電用部材を開発しています。 研究開発の段階のテーマです。
CO₂分離回収と水素・CNT
次世代事業の環境関連材料では、酸化鉄の技術を生かし、CO₂分離回収材料とCO₂フリー水素・CNT製造技術の早期事業化を目指して経営資源を重点的に投入しています。 事業化を目指す段階のテーマです。
2027年3月期は増収増益の見込み
会社は売上高290億円、営業利益10億円を見込みます。 電子素材は、旺盛な誘電体需要に加え、磁石材料と軟磁性材料でも拡販による新規テーマ獲得で売上が伸びると見ています。 磁石材料と軟磁性材料は前期に競争激化で苦戦しており、新規テーマの獲得が見込みの前提です。
07入口を選ぶ
専攻から、入口を1つに絞る
製品群を理解したうえで、自分の専門を開発、生産技術、製造、営業のどこで生かすかを整理します。
応募前の3手
- チタン酸バリウム、ソフト磁性メタル粉、ソフトフェライトから一つ選び、用途と評価項目を書く
- 誘電体材料の好調と、磁石・軟磁性の苦戦を分けて整理する
- 募集要項で職種、初任地、基本給、研修を確かめ、自分の経験との接点を言葉にする
面接で使う技術語
- Wet Synthesis
- Powder
- Dispersion
- Material Development
- Chemical Engineering
- Scale-up
- Plant
- Maintenance
- Manufacturing
- Quality
初任地は東京、広島、山口、岡山です。 入社後は約半年の研修を経て、希望や適性に合わせて配属が決まります。
他社との違いを一言で
- インダクタ向け軟磁性合金粉末
大同特殊鋼
大同特殊鋼は多彩なアトマイズ法と分級を組み合わせ、リアクトルやインダクタ向けの軟磁性粉末を作ります。戸田工業の軟磁性メタル粉は、水アトマイズ法で作るFe-Si-Cr系とFe-Si-Al系です。
- MLCC用チタン酸バリウム
富士チタン工業
富士チタン工業は蓚酸法で作るチタン酸バリウムをMLCC材料として電子部品メーカーへ提供し、分散性の良いスラリーを作れる点を挙げています。戸田工業は湿式合成で150nm以下の微粒子に特化し、分散体の形でも提供します。
- ソフトフェライトとノイズ対策
プロテリアル
プロテリアルはソフトフェライトやナノ結晶軟磁性材料ファインメットを使ったノイズ対策部品まで作ります。戸田工業はノイズ対策部品やフィルターの材料、磁性シートなど、材料の段階で供給します。
出典18件
- 公式 会社概要
- 公式 事業所及びグループ会社
- 公式 誘電体材料
- 公式 ソフト磁性メタル粉
- 公式 ソフトフェライト磁性粉
- 公式 半導体モジュール周辺部材 アプリケーションガイド
- 公式 開発拠点・開発体制
- IR 2026年3月期 決算短信
ほか10件
- IR 2027年3月期 第1四半期決算短信
- IR 第93期 有価証券報告書
- 採用 新卒採用 募集要項
- 採用 人材育成
- 採用 福利厚生
- 公式 大同特殊鋼 軟磁性粉末
- 公式 富士チタン工業 蓚酸法チタン酸バリウム
- 公式 プロテリアル 電源回路部品・ノイズ対策
- 公式 軟磁性材料
- 採用 採用情報