電子部品 半導体検査用ソケット
山一電機
半導体の検査工程に挿すソケットで稼ぐ部品メーカー
半導体のバーンインとテストに使うソケットを主力とするテストソリューション事業で売上の50.1%を上げ
セグメント利益の60.3%をこの事業が稼ぐ部品メーカーです。
山一電機は バーンインソケットとテストソケット を主力にしています。 2026年3月期は テストソリューション事業の営業利益率26.5% が、コネクタソリューション事業の17.8%を上回りました。
- 2026年3月期 売上高 526億円 前期比16.3%増、営業利益は115億円で40.5%増
- 2026年3月期 テストソリューション事業の営業利益率 26.5% 営業利益70億円。 コネクタソリューション事業は17.8%
- 2027年3月期 修正後の通期営業利益予想 150億円 期初予想130億円から引き上げ。 売上高予想は658億円
2026年3月期の事業別売上高
- テストソリューション事業264億円
- コネクタソリューション事業247億円
- 光関連事業15億円
この会社の要点
01立ち位置
何の会社として比べるか
山一電機は、半導体の最終検査で使うバーンインソケットとテストソケットを主力にする部品メーカーです。 2026年3月期は売上高526億円、営業利益115億円で、通期の過去最高を更新しました。
2024年3月期から2027年3月期予想までの売上高と営業利益
売上高
営業利益
どの事業が利益を生んでいるか
事業別の営業利益
事業別の営業利益率の変化
バーンインソケット
半導体に温度と電圧の負荷をかける加速試験で使うソケットです。 自動機で挿抜する量産用のオープントップ型と、多品種・少量向けのクラムシェル型があり、クラムシェル型はセルフインダクタンス1nH以下をうたいます。 IC542・IC561などのシリーズは0.30mm以上のピッチに対応し、NANDフラッシュ向けにはNP351/NP352シリーズを拡充しています。
- オープントップ型バーンインソケット
- クラムシェル型バーンインソケット
- IC542、IC561、IC564、NP584シリーズ
- NP351/NP352シリーズ(NAND Flash向け)
テストソケット
半導体のファンクションテストやバリデーションテストに使うソケットで、スプリングプローブ型とプレス加工のカンチレバー型があります。 設計から主要部品の製造、組立までを社内で一貫して行い、プローブピンは独自の高精度旋盤加工で作ります。 スタンピングの超微細加工を使ったQFP/SOP向けケルビンソケットは0.5mmピッチから対応します。
- プローブタイプ テストソケット
- カンチレバータイプ テストソケット
- QFP/SOP向けケルビンソケット
- カスタム仕様テストソケット
コネクタ・YFLEX®
光トランシーバー用インターフェイスコネクタ、4.0GHzの伝送特性をもつ車載カメラ用同軸コネクタ、産業用のM12規格の円形コネクタ、耐ノイズFPCケーブルYFLEX®をそろえます。 会社の見立てでは、コネクタとフレキシブル配線板の両方を手がけるメーカーは業界で山一電機だけです。 2027年3月期第1四半期は半導体検査装置向けの出荷も伸びました。
- 光トランシーバー用インターフェイスコネクタ
- 車載カメラ用同軸コネクタ H001シリーズ
- M12 Circular Connecter Y-CIRC-M
- 耐ノイズFPCケーブル(YFLEX®)
02収益
どこで、どれくらい儲けているか
利益の源泉はテストソリューション事業です。 2026年3月期は売上の50.1%でセグメント利益の60.3%を稼ぎました。 2027年3月期第1四半期は同事業の営業利益率が41.1%まで上がり、コネクタソリューション事業も19.0%に伸びました。
売上高526億円 / 営業利益115億円
売上高は前期比16.3%増、営業利益は40.5%増で、営業利益率は21.9%です。 親会社株主に帰属する当期純利益は90億円、自己資本比率は73.6%でした。
売上高264億円 / 営業利益70億円
売上高は前期比5.2%増でしたが、営業利益は1.4%減りました。 金や銅などの原材料高で利益面に約6.0億円の影響を受けたと会社は説明しています。
売上高198億円 / 営業利益59億円
前年同期比で売上高35.8%増、営業利益55.8%増です。 テストソリューション事業は売上高112億円、営業利益46億円で、四半期の売上高と営業利益の過去最高を更新しました。
売上高658億円 / 営業利益150億円
2026年8月5日に期初予想の売上高600億円、営業利益130億円から引き上げました。 親会社株主に帰属する当期純利益の予想は103億円です。
2027年3月期第1四半期の事業別売上高
テストソリューション事業の売上高
03強みとリスク
強みと、リスク・検討点
強みはテストソリューション事業の利益率26.5%と、主要部品から組立までの一貫内製です。 弱点は同じ事業の中にあり、自動車用ロジック向けの投資先送り、金・銅の値上がり、増益の半分を占める円安の押し上げが利益を揺らします。
強み
- テストソリューション事業が利益の6割を稼ぐ
2026年3月期のテストソリューション事業は売上高264億円で、営業利益70億円はセグメント利益合計の60.3%です。 利益率26.5%はコネクタソリューション事業の17.8%を上回ります。 2027年3月期第1四半期はメモリー半導体顧客のライン増強投資を受けて、同事業の営業利益率が41.1%まで上がりました。
2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) - 主要部品から組立までの一貫内製
テストソケットは設計から主要部品の製造、組立までを社内で行います。 プローブピンは独自の高精度旋盤加工、ケルビンソケットのコンタクトは長年のスタンピング技術による超微細加工で作ると製品ページに記載しています。
Test Sockets 製品紹介 - スマートフォンからメモリーまで広い需要
2027年3月期第1四半期は、テストソケットでスマートフォン向けの出荷が計画を上回り、ウェアラブル機器と自動車向けも寄与しました。 バーンインソケットはメモリー半導体顧客のライン増強投資を受けて出荷が好調でした。
2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結) - コネクタ事業がデータセンターで伸びる
コネクタソリューション事業は2026年3月期に売上高247億円、営業利益44億円で、営業利益は前期の12億円から263.2%増えました。 AIを含むデータセンター向けと基幹系通信機器向けが伸び、2027年3月期の通期予想の引き上げもこの事業が担っています。
2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) - 厚い自己資本と現金創出力
2026年3月期末の自己資本比率は73.6%です。 営業活動によるキャッシュ・フローは100億円で、設備投資40億円を賄ったうえで配当と自社株買いを続けています。
2026年3月期 決算説明会資料
リスク・検討点
- 自動車用ロジック向けバーンインの先送り
2026年3月期は自動車用ロジック半導体向けのバーンインソケットで顧客の投資先送りが続き、2027年3月期第1四半期も低調でした。 会社は自動車向けロジック製品の回復に時間を要すると見込み、AIサーバー向けASICや次世代ADAS・ADS向けの商談に力を入れています。
2026年3月期 決算説明会資料 - 金・銅の値上がりが利益を削る
テストソリューション事業は2026年3月期に売上高が5.2%伸びた一方、営業利益は1.4%減りました。 金や銅などの原材料価格の高騰で、利益面に約6.0億円の影響を受けたと会社は説明しています。
2026年3月期 決算説明会資料 - 増益の半分が円安
2027年3月期第1四半期は対ドルの平均レートが144.59円から159.49円へ動き、為替が売上高を18億円、営業利益を10億円押し上げました。 営業利益の増加21億円の51.2%にあたります。 米ドルが1円動くと年間の営業利益が1.9億円変わる感応度です。
2027年3月期 第1四半期決算説明会資料 - テスト事業の通期予想は引き上げていない
第1四半期にテストソリューション事業は売上高112億円を上げましたが、通期予想は311億円、営業利益78億円のままです。 上方修正はコネクタソリューション事業の売上高予想を274億円から332億円へ引き上げたことによるものです。
2027年3月期 第1四半期決算説明会資料 - 車載コネクタの低迷
コネクタソリューション事業の車載機器向けは、世界的な自動車の需要低迷とEVの減速で2026年3月期も2027年3月期第1四半期も低調でした。 会社は2027年3月期もEV市場の減速が長引くと見込んでいます。
2027年3月期 第1四半期決算説明会資料
04待遇
給与、初任給、休日、手当
新卒の初任給は院卒29万600円、大卒27万6,600円で、年間休日は121日です。 勤務時間は本社が8:30~17:15、佐倉事業所が8:30~17:30です。
新卒初任給(月給)
- 新卒の初任給
- 2026年度実績で院卒29万600円、大卒27万6,600円、短大・専門卒24万8,800円、高卒23.7万円です。
- 勤務時間と休日
- 本社は8:30~17:15で休憩45分、佐倉事業所は8:30~17:30で休憩60分です。 一部でフレックスタイム制度と在宅勤務制度があります。 休日は年間121日で、土日祝と年末年始が休みです。
- 手当
- 住宅手当、扶養手当、時間外手当があり、通勤手当は15万円まで実費を全額支給します。
- 福利厚生
- 独身寮、借上社宅、住宅手当の住宅支援と、退職金、従業員持株会、財形貯蓄などの資産形成制度があります。 人間ドック補助と保養所も用意しています。
- 残業と採用規模
- 2024年3月末の月平均残業時間は23時間です。 新卒の採用実績は2026年度に9名(男性6名、女性3名)です。 新卒採用 ABOUT YAMAICHI に一覧があります。
05勤務地と職種
どこで、どんな仕事をするか
本社は東京都大田区南蒲田にあり、国内の主な生産拠点は千葉県の佐倉事業所です。 海外ではフィリピンのPricon MicroelectronicsとTest Solution Servicesが生産を担い、同国に第4工場を建てます。
主な勤務地・拠点
- 本社
- 東京都大田区南蒲田2-16-2 テクノポート大樹生命ビルテストソリューション事業部とコネクタソリューション事業部の営業も同所
- 国内生産
- 佐倉事業所(千葉県佐倉市)、諏訪分室(長野県)、岡山分室(岡山県)光伸光学工業は神奈川県秦野市
- 国内営業所
- 大阪営業所(大阪市淀川区)、熊本営業所(熊本市中央区)
- 海外生産
- Pricon Microelectronics・Test Solution Services(フィリピン)、Asia Yamaichi Electronics EumSeong Plant(韓国)、Yamaichi Electronics Deutschland Manufacturing(ドイツ)、Yamaichi Electronics Tunisie Manufacturing(チュニジア)
新卒採用の職種
- 営業
- 設計開発
- 生産技術
- 製造
- 品質保証
- 総務人事
職種別選考で、募集人数は年10~20名程度です。 対象は全学部・全学科です。
応募前に確かめること
- 志望職種を6職種から1つに決め、職種別選考の応募先を選ぶ
- 入社時の勤務地が本社か佐倉事業所かを職種ごとに確かめる
- バーンインソケットとテストソケットの製品ページから1製品を選び、用途を説明できるようにする
06これから
会社が次に取りにいくもの
会社は2026~2028年度の中期経営計画で、3年累計の売上高1,950億円、営業利益420億円を掲げました。 テストソケットのSLT拡大とM&A、フィリピン第4工場、データセンター向けコネクタが柱です。
中期経営計画の目標と前中計・2026年3月期の実績
- 3年累計の売上高 1,344億円 前中計の実績。 新中計の3年累計目標は1,950億円
- 3年累計の営業利益 227億円 前中計の実績。 新中計の3年累計目標は420億円
- ROE 21.1% 目標は18%以上
これからの材料
- テストソリューション事業
- 3年累計の売上高を前の中計の673億円から1,001億円へ伸ばす計画で、新中計の売上計画1,950億円の51.3%を占めます。 SLTソケットの用途拡大と戦略投資(M&A)を掲げると 2026~2028年度 中期経営計画 に載ります。
- 設備投資
- 3年間の設備投資は180億円で、前の中計の実績133億円から増やします。 使い道の1つにフィリピン工場と佐倉工場の生産能力増強を挙げています。
- フィリピン第4工場
- 延床約30,000㎡、投資総額約65億円で、半導体テストソケットとコネクタを組み立てます。
フィリピン第4工場
2026年9月18日に、フィリピンの連結子会社Pricon Microelectronicsに第4工場を建てることを決めました。 延床面積は約30,000㎡で、既存3工場の合計を上回ります。 半導体テストソケットとコネクタの組立に使い、投資総額は約65億円、稼働開始は2028年度下期(2029年3月期の下期)の予定です。 会社は半導体、車載、通信(AIサーバ)、産業機器などの中長期的な需要拡大を見据えて、生産能力を増やす計画です。第4工場では部品内製化の拡大と、設備の自動化・ロボット化も進めます。
第5次中期経営計画の3年累計目標
2026~2028年度の3年間で累計売上高1,950億円、営業利益420億円を目標にしています。 前の中計の累計実績は売上高1,344億円、営業利益227億円でした。 テストソリューション事業は累計売上高を673億円から1,001億円へ、営業利益を159億円から254億円へ伸ばす計画で、ROEは18%以上を掲げます。
SLTソケットとM&A
テストソケットでは主力のSLTソケットをスマートフォン・PC向けから車載・ウェアラブル・ネットワークへ広げ、高周波、多ピン、微細化、高耐久性の開発を強化します。 今後の成長のための戦略投資(M&A)や他社とのアライアンスも計画に入れています。
光関連事業は外部との連携へ
光関連事業を担う光伸光学工業の株式の一部を、マシンビジョン向け光学レンズのヴイ・エス・テクノロジーへ譲渡し、譲渡後も85.0%を保有します。 中期経営計画は光関連事業について内部の強化と外部との連携による新化を掲げています。 光関連事業は2026年3月期の売上高15億円と小さく、協業で海外販売が伸びるかで事業の位置づけが決まります。
07入口を選ぶ
専攻から、入口を1つに絞る
バーンインソケット、テストソケット、コネクタのうち関心のある製品を1つ選び、営業・設計開発・生産技術・品質保証のどれで関わるかを決めます。
生産技術 / 製造
ラボで試作された製品を工場で生産する方法を確立し、品質と生産性を担います。 生産設備の製造・導入も手がけます。 入社時の勤務地は本社か佐倉事業所です。
- Production Engineering
- Stamping
- Precision Machining
- Automation
応募前の3手
- オープントップ型、クラムシェル型、プローブ型テストソケットから1つ選び、使われる検査工程と対応パッケージをノートへ書く
- 2026年3月期と2027年3月期第1四半期のテストソリューション事業とコネクタソリューション事業の売上高・営業利益を書き出す
- 募集要項の職種、入社時の勤務地、初任給を公式ページから書き出す
面接で使う技術語
- Burn-in Socket
- Test Socket
- Semiconductor Test
- Account Management
- Overseas Sales
- Contact Design
- Spring Probe
- Pitch
- High Frequency
- Mechanical Design
新卒の対象は全学部・全学科で、職種別選考です。
他社との違いを一言で
- 国内のバーンインソケット・テストソケットメーカー
エンプラス
エンプラスのセミコンダクター事業は、加熱加速試験用のバーンインソケットと電気検査用のテストソケットを作ります。自社の見立てでは世界でも高いシェアを持ちます。微細0.25mmピッチのソケットも掲げます。山一電機はテストソリューション事業で2026年3月期に売上高264億円を上げ、バーンインソケットは0.30mm以上のピッチに対応します。
- 韓国のテストソケット・プローブメーカー
LEENO
LEENOは1978年創業のIC検査用部品の専業メーカーで、スプリングコンタクトプローブ、ICテストソケット、プローブヘッドを扱い、全工程の内製を掲げています。山一電機もテストソケットを設計から主要部品の製造、組立まで一貫して内製し、コネクタとフレキシブル配線板の事業も持ちます。
- テスト用コンタクタメーカー
Johnstech
Johnstechはテスト用コンタクタを扱い、スプリングプローブ製品やシステムレベルテスト(SLT)、AI、車載向けの用途を掲げています。山一電機は中期経営計画で主力のSLTソケットをスマートフォン・PCから車載・ウェアラブル・ネットワークへ広げる方針です。
出典20件
- 公式 会社概要
- 公式 営業拠点
- 公式 生産拠点
- 公式 テストソリューション事業
- 公式 コネクタソリューション事業
- 公式 Burn-in Sockets 製品紹介
- 公式 Test Sockets 製品紹介
- IR 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) 2026年3月期
ほか12件
- IR 2026年3月期 決算説明会資料 2026年3月期
- IR 2026~2028年度 中期経営計画
- IR 2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結) 2027年3月期第1四半期
- IR 2027年3月期 第1四半期決算説明会資料 2027年3月期第1四半期
- IR 2027年3月期 業績予想及び配当予想の修正 2027年3月期
- IR 連結子会社株式の一部譲渡に関するお知らせ
- IR フィリピンにおける第4工場建設に関するお知らせ
- 採用 新卒採用 採用情報
- 採用 新卒採用 ABOUT YAMAICHI
- 公式 エンプラス セミコンダクター事業
- 公式 LEENO 公式サイト
- 公式 Johnstech 公式サイト