計測・制御機器 温度計測・放射温度計
チノー
半導体の結晶成長とウエハ研磨の温度を測る計測機器メーカー
温度の計測・制御・監視機器をつくる会社で、2026年3月期はセンサ部門が全社最大のセグメント利益21億円を稼ぎました。
センサ部門の利益率22.8%、(全社費用の配分前)のセンサ部門は、半導体・電子部品の製造設備向けの需要と、明陽電機の船舶向け温度センサの売上増加で伸びました。
チノーは シリコン単結晶の引き上げやウエハ研磨 の温度を測る放射温度計を作ります。 放射温度計を含む センサ部門の2026年3月期 の売上高は91億円、セグメント利益は21億円でした。
- 2026年3月期 売上高 316億円 前期比7.9%増。 売上高と営業利益は6年連続の過去最高
- 2026年3月期 センサ セグメント利益 21億円 前期比23.0%増。 売上高91億円、全社費用の配分前の利益率22.8%
- 2027年3月期第1四半期 受注高 80億円 前年同期比11.2%増。 売上高は62億円で9.0%減
2026年3月期のセグメント別売上高
- 計装システム117億円
- 計測制御機器96億円
- センサ91億円
- その他(修理・サービス等)11億円
この会社の要点
01立ち位置
何の会社として比べるか
チノーは温度の計測・制御・監視の専門メーカーです。 半導体向けにはシリコン単結晶の引き上げ、SiC結晶成長、ウエハ研磨の温度を測る放射温度計を出しています。 2026年3月期の売上高は316億円で、6年連続の過去最高でした。
2022年3月期から2027年3月期予想までの売上高と営業利益
売上高
営業利益
どの地域の顧客へ売っているか
地域別売上高
アジアのうち重点地域
放射温度計(結晶成長・ウエハ研磨)
センサセグメントの製品です。 シリコン単結晶の引き上げ時の温度計測に放射温度計を使い、パワー半導体SiCの結晶成長炉(昇華炉)でも同じ仕組みで使われます。 引き上げ装置向けには2色形高機能形のIR-CZQと、ファイバ式のIR-FAIをそろえています。 ウエハ表面研磨工程では、小形の放射温度計IR-BZPとグラフィックレコーダを組み合わせ、表面品質向上と歩留まり改善を効果に挙げています。
- 赤外線放射温度計 IR-CZQ(2色形高機能形)
- ファイバ式赤外線放射温度計 IR-FAI
- 小形赤外線放射温度計 IR-BZP
- グラフィックレコーダ KR2000 / KR3000
成膜・エッチング・剥離工程の制御と成分計測
成膜工程(CVD、ALD等)では配管の詰まりを防ぐため、配管温度を適温に制御する配管用温度コントローラーLHを提供します。 エッチング工程には深さを管理するための赤外線多成分計を出しています。 レジスト剥離工程では剥離液の濃度をインラインで監視する赤外線水分・厚さ計を提案し、発火リスク回避と液寿命延長を効果に挙げています。
- 配管用温度コントローラー LH
- 赤外線多成分計
- 赤外線水分・厚さ計
- 耐圧防爆形赤外線水分・厚さ計
記録計・調節計・サイリスタレギュレータ
計測制御機器セグメントの製品で、2026年3月期の売上高は96億円です。 需要は半導体・電子部品の製造設備や熱処理加工向けが中心です。 メイン工場の藤岡事業所で記録計、調節計、サイリスタを生産しています。
- 記録計
- 調節計
- サイリスタレギュレータ
- グラフィックレコーダ
計装システム(試験装置・クリーンルーム)
2026年3月期の売上高は117億円で、4つの区分で最大です。 デバイス・半導体試験装置とクリーンルームもこのセグメントに入ります。 燃料電池評価試験装置と水電解評価装置の売上が堅調で、自然冷媒に対応したコンプレッサ評価試験装置の売上が増えました。
- 燃料電池評価試験装置
- 水電解評価装置
- コンプレッサ評価試験装置
- デバイス・半導体試験装置
02収益
どこで、どれくらい儲けているか
利益の柱はセンサです。 2026年3月期のセグメント利益は21億円で前期比23.0%増え、計測制御機器はOEM製品の停滞で2.1%減りました。
売上高316億円 / 営業利益32億円
売上高は前期比7.9%増、営業利益は12.0%増で、営業利益率は10.2%でした。 受注高は302億円で1.7%増です。 2025年3月期は売上高293億円、営業利益28億円でした。
売上高91億円 / セグメント利益21億円
売上高は前期比6.9%増、セグメント利益は23.0%増で、利益率は、全社費用を配分する前のセグメント利益で見て、前期の19.8%から22.8%へ上がりました。 増収要因は半導体・電子部品の製造設備向けの需要と、明陽電機の船舶向け温度センサの売上増加です。
売上高62億円 / 営業利益3.9億円
売上高は前年同期比9.0%減、営業利益は10.9%増です。 センサの売上高は25億円で23.5%増え、半導体・電子部品の製造装置向けが好調でした。 受注高は80億円で11.2%増えています。
売上高325億円 / 営業利益33億円
売上高は前期比2.7%増、営業利益は2.3%増の予想です。 自動車関連・電子部品関連の設備投資と水素関連の需要が続く前提で組まれています。
2026年3月期のセグメント利益
営業利益率の推移
03強みとリスク
強みと、リスク・検討点
強みは、センサ部門の利益率22.8%(全社費用の配分前)と、測る・制御する・記録する機器を自社でそろえる製品群です。 弱点は国内の設備投資への依存と、センサの伸びに船舶向けが混ざっている点にあります。
強み
- センサ部門が最も稼ぐ
2026年3月期のセンサの利益率は22.8%で、計測制御機器の15.4%、計装システムの14.2%を上回ります。 いずれも全社費用23億円を配分する前のセグメント利益で見た値で、全社の営業利益率10.2%とは基準が異なります。 セグメント利益21億円は3つの報告セグメントで最大です。 2027年3月期第1四半期もセンサの売上高は前年同期比23.5%増え、半導体・電子部品の製造装置向けが好調でした。
2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) - 測る・制御する・記録するを自社製品でつなぐ
温度センサ、調節計、サイリスタレギュレータ、記録計、監視ソフトを組み合わせた「ループソリューション」をワンストップで提供します。 会社はこれを他社にはない特長と位置づけています。 計測範囲は−269℃から3,500℃です。 赤外線計測分野のシェアは国内トップクラスだと会社は述べます。
2026年3月期 決算説明会資料 - 温度標準と校正の事業
世界29か国の国家計量機関に標準温度センサを提供し、JCSSの登録事業者として国際的なトレーサビリティを証明する証明書を発行できます。 校正業務と標準温度センサの製造は、久喜事業所の標準技術職が担当します。
2026年3月期 決算説明会資料 - 中期経営計画の目標を前倒しで達成
売上高と営業利益は6年連続で過去最高を更新しました。 中期経営計画の営業利益目標27億円を2年前倒しで、売上高目標300億円を1年前倒しで達成しています。 自己資本比率は56.9%、現金及び現金同等物は92億円です。
2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
リスク・検討点
- センサの伸びは半導体だけに由来しない
決算短信はセンサの増収要因として、半導体・電子部品の製造設備向けと並び、子会社の明陽電機が生産・販売する船舶向け温度センサの売上増加を挙げています。 センサの2026年3月期の設備投資は8.8億円で、明陽電機の新工場建設では同期に土地6.8億円を取得し、新工場の投資額は22億円、竣工は2027年12月の予定です。
2026年3月期 決算説明会資料 - 特定顧客向けOEMの停滞
計測制御機器は2026年3月期に特定顧客向けOEM製品の需要が一時的に低迷し、売上高が前期比1.4%減の96億円、セグメント利益が2.1%減になりました。 2027年3月期第1四半期もこの停滞が続き、同セグメントの利益は前年同期比14.1%減でした。
2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結) - 国内の設備投資への依存
2026年3月期の日本向け売上は244億円で、売上高の77.4%を占めます。 チノーの製品は主に設備投資関連や研究開発向けで、国内製造業の設備投資が大きく落ち込むと業績に響きます。
有価証券報告書 2026年3月期 - 第4四半期への集中と大型案件の波
売上高と利益は例年、第4四半期に集中します。 計装システムは大型案件の発注・納期で増減が大きく、2027年3月期第1四半期は前年同期のエアコン用コンプレッサ評価試験装置の反動で売上高が46.8%減りました。
2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
04待遇
給与、初任給、休日、手当
新卒の初任給は修士了26.6万円、学部・高専(専攻科)卒25万円で、年間休日は128日です。 単体従業員693名の平均年間給与は659万9,855円、平均年齢は43.01歳、平均勤続年数は18.32年です。
新卒初任給(月給)
- 新卒の初任給
- 2026年4月の実績で修士了26.6万円、学部・高専(専攻科)卒25万円です。 昇給は年1回、賞与は年2回です。
- 勤務時間と休日
- 本社・事業所は8:30〜17:15、支店・営業所は9:00〜17:45で、いずれも休憩1時間を含みます。 完全週休2日制で、2026年度の年間休日は128日です。
- 平均年間給与
- 2026年3月期の有価証券報告書では、単体従業員693名、平均年齢43.01歳、平均勤続年数18.32年、平均年間給与659万9,855円です。 有価証券報告書 2026年3月期 の従業員の状況に載ります。
- 福利厚生
- GLTD(団体長期障害所得補償保険)、退職年金、住宅補助金、住宅取得貸付金、財形貯蓄制度、従業員持株会があります。
- キャリア採用
- キャリア採用は計装設備エンジニア、試験・評価装置設計エンジニア、営業技術、営業職を募集しています。 キャリア採用 に募集職種が並びます。
05勤務地と職種
どこで、どんな仕事をするか
本社とイノベーションセンターは東京都板橋区にあり、生産と開発は群馬の藤岡、埼玉の久喜、山形の3事業所に分かれます。 海外は中国、韓国、インド、タイ、米国の6拠点です。
主な勤務地・拠点
- 本社・イノベーションセンター
- 東京都板橋区熊野町32-8製品開発の勤務地の一つ
- 藤岡事業所
- 群馬県藤岡市。 計測制御機器と計装システムの生産設備記録計・調節計・サイリスタを生産し、全計装部門を集めたメイン工場
- 久喜事業所
- 埼玉県久喜市。 センサと計装システムの生産設備標準技術の勤務地
- 山形事業所
- 山形県天童市。 計測制御機器とセンサの生産設備
- 海外
- インド、タイ、中国(昆山・上海)、韓国、米国の6拠点熱処理市場向け機器は中国で生産
新卒採用の職種
- 技術営業
- 製品開発
- 標準技術
- 装置設計
- 生産技術
- フィールドエンジニア
- 生産管理
- 品質保証
- 情報システム
- 財務経理
- 人事・総務
営業系・技術系・管理系の3タイプで、理系向け・文系向けの区分が職種ごとに付いています。
06これから
会社が次に取りにいくもの
2027年3月期は中期経営計画(2021〜2026年度)の最終年度です。 売上高と営業利益の目標はすでに超え、残る目標はROE10.0%です。
中期経営計画の目標と2026年3月期実績
- 売上高 316億円 目標は300億円
- 営業利益 32億円 目標は27億円
- 営業利益率 10.2% 目標は9.0%
- 海外売上高 71億円 目標は70億円
- ROE 9.0% 目標は10.0%
これからの材料
- データセンタ向けの標準採用
- データセンタ向けで装置メーカーにおけるセンサ・放射温度計・機器の標準採用が広がったと 2026年3月期 決算説明会資料 に載ります。
- 放射温度計の高度化
- 高精度二色放射温度計と高速熱画像計測装置の高度化を進め、半導体、電子材料、熱処理分野の先端製造プロセス向け用途に対応します。
- 明陽電機の新工場
- 船舶向け温度センサを手がける明陽電機の新工場は投資額22億円で、2027年12月に竣工する予定です。
データセンタ向け装置メーカーへの標準採用
2026年3月期の活動として、データセンタ、電子部品、自動車部品、脱炭素関連を重点領域に置き、特にデータセンタ向けでは、装置メーカーによるセンサ・放射温度計・機器の標準採用が広がりました。 2027年3月期第1四半期のセンサの売上高は25億円で、前年同期比23.5%増えました。
先端製造プロセス向けの放射温度計
センサの研究開発費は2.9億円で、高精度二色放射温度計や高速熱画像計測装置の高度化を進め、半導体、電子材料、熱処理分野など先端製造プロセス向け用途への対応を進めています。 全社の研究開発費は13億円で、売上高の4.2%です。 センサのセグメント利益は、2026年3月期に前期比23.0%増の21億円でした。
中国・韓国で放射温度計を広げる
海外戦略で中国と韓国を重点地域とし、半導体・電子部品市場で放射温度計を中心に市場拡大を図ります。 2026年3月期の中国向け売上は27億円、韓国向けは17億円で、2027年3月期第1四半期も両国の需要は堅調でした。 有価証券報告書は、中国等アジアでの政治・経済情勢や通商政策の変更で海外の事業活動が制約されるリスクを挙げています。
次期中期経営計画
2027年3月期は中期経営計画(2021〜2026年度)の最終年度です。 会社は2027年度(2028年3月期)からの次期中期経営計画の検討を進めています。 会社は2027年3月期の売上高を325億円、営業利益を33億円と見込んでいます。
07入口を選ぶ
専攻から、入口を1つに絞る
放射温度計、計測制御機器、計装システムのうち自分の専攻と重なる製品群を1つ選び、技術系と営業系のどちらで応募するかを決めます。
製品開発
センサや計測機器の開発、基礎・応用技術の研究、ソフトウェア設計や金型・部品設計などの生産技術、センサシステムの設計・生産・現地調整までを一貫して担います。 勤務地はイノベーションセンター(東京都板橋区)と藤岡・久喜・山形の各事業所です。
公式採用情報装置設計
各種試験装置などの計装システムや校正装置の設計、生産・現地調整、販売支援を行います。 勤務地は藤岡事業所(群馬)と久喜事業所(埼玉)です。
- Test Equipment
- Instrumentation
- Fuel Cell
- Control
応募前の3手
- IR-CZQ、IR-BZP、配管用温度コントローラーLHから1つを選び、半導体のどの工程で何を測る・制御するかをノートに書く
- 2026年3月期のセグメント別の売上と利益率を書き出し、センサ部門の利益率22.8%(全社費用の配分前)と全社の営業利益率10.2%の違いを自分の言葉で説明する
- 募集職種の勤務地、初任給、選考の流れを公式ページから書き出す
面接で使う技術語
- Radiation Thermometer
- Infrared
- Sensor
- Embedded Software
- Calibration
- JCSS
- Traceability
- Calibration
- Thermocouple
- Metrology
技術系の職種は理系、技術営業・生産管理・品質保証・情報システムは理系と文系の両方が対象です。
他社との違いを一言で
- 調節計・記録計・放射温度計・電力調整器
理化工業
理化工業は製品情報にデジタル指示調節計、記録計、放射温度計、電力調整器(サイリスタユニット)を並べています。チノーも調節計、記録計、サイリスタレギュレータ、放射温度計を自社でそろえ、これらを組み合わせたループソリューションとして提供しています。
- 放射温度計
ジャパンセンサー
ジャパンセンサーは1976年設立の放射温度計専門メーカーで、累計26000件以上の導入実績があります。チノーの放射温度計はセンサセグメントに入り、同セグメントには温度センサや熱画像計測装置も含まれ、2026年3月期の売上高は91億円です。
- 記録計・データ収集
横河電機
横河電機はデータ収集の製品群としてペーパレスレコーダ(記録計)、データロガー、チャートレコーダを掲げています。チノーは記録計を計測制御機器セグメントで扱い、グラフィックレコーダKR2000・KR3000をウエハ研磨の温度測定の提案にも組み込んでいます。
出典21件
- 公式 会社概要
- 公式 拠点・関係会社
- 公式 ソリューション 半導体
- 公式 シリコン単結晶引き上げ装置用放射温度計
- 公式 半導体ウエハ表面研磨温度測定
- 公式 半導体ウエハレジスト剥離液用濃度計
- 公式 放射温度計 製品情報
- IR 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) 2026年3月期
ほか13件
- IR 2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結) 2027年3月期第1四半期
- IR 2026年3月期 決算説明会資料 2026年3月期
- IR 有価証券報告書 2026年3月期 2026年3月期
- 採用 新卒採用サイト
- 採用 新卒採用 待遇
- 採用 新卒採用 募集職種
- 採用 新卒採用 採用フロー
- 採用 工場レポート(藤岡事業所)
- 採用 キーワードでひもとく
- 採用 キャリア採用
- 公式 理化工業 公式サイト
- 公式 ジャパンセンサー 公式サイト
- 公式 横河電機 データ収集