試験・評価装置 環境試験器・半導体信頼性評価装置
エスペック
半導体と電子部品の信頼性を温度と湿度で評価する試験装置メーカー
売上の84.7%を装置事業で稼ぐ環境試験器メーカーで、半導体にはバーンイン装置と寿命評価システムで関わります。
受注高726億円は過去最高でしたが、中国の価格競争、受託試験の不振、販管費の増加で営業利益は70億円に減りました。
エスペックは 2026年3月期の受注高 で過去最高を更新しましたが、営業利益は減りました。 会社は 中期経営計画の営業利益目標 を105億円から91億円へ下げています。
- 2026年3月期 売上高 700億円 前期比4.1%増で過去最高。 受注高は726億円
- 2026年3月期 装置事業の営業利益 66億円 装置事業の売上高594億円、営業利益率11.1%
- 2027年3月期第1四半期 受注高 228億円 前年同期比20.6%増。 売上高139億円の1.64倍
2026年3月期の地域別売上高顧客の所在地基準 · 有価証券報告書
- 日本343億円
- 中国120億円
- 米国116億円
- その他アジア86億円
- その他33億円
この会社の要点
01立ち位置
何の会社として比べるか
エスペックは環境試験器を主力とする試験装置メーカーで、半導体向けにはバーンイン装置と寿命評価システムを持ちます。 2026年3月期は売上高700億円と受注高726億円がいずれも過去最高でした。
2025年3月期から2027年3月期予想までの売上高と営業利益
売上高
営業利益
どの国の顧客へ売っているか
地域別売上高
国内と海外
バーンイン試験装置
エスペックの半導体関連装置は、半導体の検査工程で使うバーンイン装置と、電気的特性を評価する計測システムです。 2026年3月期はAIサーバー用電子部品向けの一括案件で売上高が大幅に増えましたが、受注高は前期より減りました。 汎用メモリ向けは低調で、CPU・GPU・HBMなどの先端半導体向けは堅調でした。
- スタティックバーンインシステム
- バーンインチャンバー
- THB評価システム
- 車載センサーバーンインシステム
半導体の寿命評価システム
TDDB評価システムはウェーハ、ガラス基板、パッケージで絶縁酸化膜の破壊までの時間を測り、ウェーハレベルで最大324SMUまで増設できます。 エレクトロマイグレーション評価システムは、Cuや次世代材料のLSI配線に温度と電流のストレスをかけて寿命を求め、オーブンは最高+350℃、評価チャネルは最大300chです。
- TDDB(酸化膜経時破壊)評価システム
- エレクトロマイグレーション評価システム
- 半導体特性評価システム
- 過渡熱抵抗測定機能付パワーサイクル試験装置
AI半導体向け環境試験器
急速温度変化チャンバーのハイパフォーマンスモデルは半導体の業界試験規格に適合し、試料温度を20℃/分で制御します。 高度加速寿命試験装置(HAST CHAMBER)には大型基板対応モデルを加え、AIサーバー向けには発熱負荷30kW、60kWに対応する恒温恒湿室を発売しました。 卓上型の「ワンデバイスチャンバー」は温度範囲を-30℃~+150℃に広げました。
- 急速温度変化チャンバー TCC-151W-20
- 高度加速寿命試験装置 EHS-222M-L
- 高発熱負荷対応 恒温恒湿室ウォークインチャンバー
- ワンデバイスチャンバー
02収益
どこで、どれくらい儲けているか
利益の大半は装置事業から生まれます。 2026年3月期の装置事業は営業利益66億円、利益率11.1%でした。 サービス事業は受託試験の不振で利益率2.7%まで落ちています。
2026年3月期のセグメント別売上高
売上高の推移と計画
03強みとリスク
強みと、リスク・検討点
強みは環境試験器の高いシェアと、試験槽から半導体の寿命評価までをそろえた品ぞろえです。 弱点は利益率で、中国の価格競争、受託試験の不振、販管費の増加が受注の伸びを利益へつなげる妨げになっています。
強み
- 環境試験器の高いシェア
エスペックは、環境試験器の国内シェアを60%以上、世界シェアを30%以上と推定しています。 経済産業省の「グローバルニッチトップ企業100選」に選ばれ、2023年3月現在で50カ所を超える国と地域に展開しています。
キャリア採用サイト - AI半導体向けの受注拡大
AI半導体・自動運転・衛星通信のターゲット市場の受注高は約50%増え、AI半導体は日本、東南アジア、台湾で+30%、衛星通信は北米で+150%でした。 受注高726億円は5期連続の過去最高です。
2025年度(2026年3月期)決算説明 - 試験槽から寿命評価までの品ぞろえ
温度・湿度の試験槽に加え、バーンイン装置、TDDB評価、エレクトロマイグレーション評価、パワーサイクル試験装置を自社で持ちます。 熱変形・熱画像データを使い、半導体パッケージや電子実装基板の反りを予測したCAE解析結果の妥当性を検証するサービスも始めました。
有価証券報告書 2026年3月期 - カスタム対応の生産体制
試験槽、扉、冷凍機などのユニットとオプションの組み合わせは40万通り以上で、標準品だけで1,000を超えます。 福知山工場が受注と生産をつなげて多品種少量生産を担い、2026年3月期はカスタム製品の利益率が標準製品並みに改善しました。
生産 - 厚い自己資本
2026年3月期末の自己資本比率は74.0%、ROEは10.0%です。 研究開発費15億円のうち14億円を装置事業に充てています。
2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
リスク・検討点
- 半導体関連装置の受注の波
2026年3月期の半導体関連装置は一括案件で売上が伸びた一方、受注高は減りました。 2027年3月期第1四半期も受注高・売上高ともに減少しています。 汎用メモリ半導体向けは低調でした。
2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結) - 中国市場の価格競争
中国ではローカルメーカーとの競争激化で、受注・売上は維持したものの収益性が悪化しました。 会社は「シェア確保重視」を方針に掲げています。 中国向け売上は120億円で売上高の17.2%を占めます。
2025年度(2026年3月期)決算説明 - 受託試験の不振
EV需要の減速で受託試験の受注と売上が減り、減価償却費も増えたため、サービス事業の営業利益は7.9億円から2.3億円へ71.2%減りました。 受託試験設備では減損損失を計上しています。
2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) - 顧客業界の設備投資への依存
主要顧客は電子部品・電子機器と自動車関連のメーカーで、業績はその設備投資の動向に強く左右されます。 国内ではEV・バッテリー向け投資の一服で環境試験器の受注・売上が減りました。
有価証券報告書 2026年3月期 - 海外の競合と為替
海外売上高比率は50.9%です。 会社は、欧米の環境試験器メーカーや低価格の中国・台湾メーカーとの競争をリスクに挙げています。 1米ドル1円の変動で売上高は0.9億円、営業利益は0.1億円動く想定です。
有価証券報告書 2026年3月期
04待遇
給与、初任給、休日、手当
28卒の初任給は修士卒31万円、大学卒28万9,500円で、年間休日は年次有給休暇の一斉取得4日を含めて129日です。 2026年3月期の提出会社の平均年間給与は792.8万円、平均年齢は39.7歳、平均勤続年数は14.4年です。
新卒初任給(月給)
- 新卒の初任給
- 修士卒31万円、大学卒・高専(専攻科)28万9,500円、短大・高専(本科)・専門卒24万6,800円です。 賞与は夏期・冬期と3月の成果配分賞与の年3回です。
- 勤務時間と休日
- 勤務時間は8:30~17:00(首都圏オフィスは9:00~17:30)で、コアタイムのないスーパーフレックスタイム制度があります。 年間休日は年次有給休暇の一斉取得4日を含めて129日です。
- 平均年間給与
- 2026年3月期の提出会社の従業員は845名で、平均年齢39.7歳、平均勤続年数14.4年、平均年間給与792.8万円で、前期比3.9%増えました。 有価証券報告書 の従業員の状況に載ります。
- 研修
- 入社後は大阪本社で約2週間の導入研修を受け、その後3カ月から半年にわたり生産工場での実習、顧客サービス活動、技術研修を経て、8月下旬頃に配属されます。 新卒採用 よくあるご質問 に流れが載ります。
- キャリア採用
- 社員に占めるキャリア採用者の割合は約30%で、管理職でも約30%です。
05勤務地と職種
どこで、どんな仕事をするか
本社は大阪市北区にあり、開発・設計は神戸R&Dセンターと福知山工場に集まります。 連結従業員1,898名のうち1,502名、79.1%が装置事業に属します。
主な勤務地・拠点
- 本社
- 大阪市北区天神橋3-5-6海外営業とセールスエンジニアの勤務地
- 神戸R&Dセンター
- 研究開発拠点として技術開発と新製品開発を行い、受託試験の勤務地にもなっています。
- 福知山工場
- 1974年操業のマザー工場で、総面積54,822m²、工場面積18,039m²です。 7棟の工場と福知山研修センターがあります。
- 受託試験の拠点
- 栃木(宇都宮)、愛知(豊田、刈谷)、兵庫(神戸)
- 海外生産拠点
- 中国の上海・広東、米国のミシガン州・コロラド州、韓国の5カ所
新卒採用の職種
- 技術開発
- 製品開発
- 製品設計
- 受託試験
- フィールドエンジニア
- 国内営業
- 海外営業
- セールスエンジニア
- 企画職
技術職・営業職・フィールドエンジニア職・企画職の職種別に採用し、28卒の採用予定は大卒以上15~20名程度です。
06これから
会社が次に取りにいくもの
会社は「PROGRESSIVE PLUS 2027」で、2027年度(2028年3月期)の売上高目標を760億円へ上げ、営業利益目標を91億円へ下げました。 AI半導体向け製品の拡充と福知山工場のリノベーションで利益率12.0%を目指します。
中期経営計画の修正目標と2026年3月期実績
- 売上高 700億円 2027年度の修正目標は760億円
- 営業利益率 10.1% 修正目標は12.0%、当初目標は15.0%
- 装置事業の営業利益率 11.1% 修正目標は11.9%
- ROE 10.0% 目標は12.0%以上
これからの材料
- AI半導体
- AI半導体分野の受注は日本、東南アジア、台湾で+30%でした。 2027年3月期は研究開発費20億円で、AI半導体分野向けの主力製品のモデルチェンジと機種追加を進めると 2026年3月期 決算説明資料 に載ります。
- 生産体制
- 設備投資39億円で福知山工場のリノベーションと北米子会社の生産エリア拡張を進めます。
- 目標修正の理由
- 北米の急激な受注拡大に向けた生産能力増強投資の負担、中国市場と受託試験の収益改善の遅れを、営業利益目標を下げた理由に挙げています。
中期経営計画の目標修正
「PROGRESSIVE PLUS 2027」の2027年度(2028年3月期)目標は、売上高を700億円から760億円へ上げ、営業利益を105億円から91億円、営業利益率を15.0%から12.0%へ下げました。 装置事業の目標は売上高650億円、営業利益77億円です。 会社は目標を下げた理由に、北米の生産能力増強投資の負担と、中国市場・受託試験の収益改善の遅れを挙げています。
AI半導体向け製品の拡充
2027年3月期の研究開発費は20億円で36.1%増の計画です。 主な開発内容に、AI半導体分野向けの主力製品のモデルチェンジと機種追加を挙げています。 2026年3月期はAI半導体分野向けの製品を発売しましたが、会社は製品開発・市場投入の計画に遅れがあったと評価しています。
福知山工場のリノベーション
2027年3月期の設備投資は39億円で95.5%増の計画で、福知山工場のリノベーションと北米子会社の生産エリア拡張が主な投資です。 福知山工場の稼働は2027年度後半の予定です。会社はこの計画で売上総利益率の改善と製品リードタイムの短縮を目指します。
07入口を選ぶ
専攻から、入口を1つに絞る
バーンイン、TDDB・エレクトロマイグレーション評価、環境試験器のうち自分の専攻と重なる製品を1つ選び、技術職・営業職・フィールドエンジニア職・企画職のどれで応募するかを決めます。
フィールドエンジニア職
製品の修理・点検・改造などのメンテナンスや、現地での組立作業、関連設備の工事を行います。 勤務地は首都圏、神奈川、大阪、宇都宮、仙台、高崎、名古屋、滋賀、福岡です。
- Installation
応募前の3手
- TDDB評価システム、エレクトロマイグレーション評価システム、急速温度変化チャンバーから1機種を選び、何の寿命や信頼性を評価する装置かをノートへ書く
- 2026年3月期の装置事業とサービス事業の売上・利益を書き出し、受注の伸びと利益の減り方の差を説明できるようにする
- 募集要項の職種、勤務地、初任給、研修の流れを公式ページから書き出す
面接で使う技術語
- Reliability Test
- Burn-in
- TDDB
- Electromigration
- Thermal Control
- Reliability Testing
- Test Planning
- Data Analysis
- Field Service
- Maintenance
応募資格は研究科・学部・専攻・学科を問わず、外国人留学生も含みます。
他社との違いを一言で
- 環境試験器
Weiss Technik
Weiss Technikは環境シミュレーションシステムの世界市場リーダーを名乗り、温度、気候、腐食、複合ストレスの試験システムを扱います。エスペックは会社の推定で国内シェア60%以上、世界シェア30%以上の環境試験器に、半導体のバーンイン装置と寿命評価システムを加えています。
- 環境試験器・振動試験装置
Thermotron
Thermotronは1962年から60年以上、環境試験装置を手がけ、温湿度と振動の試験装置を作っています。エスペックは米国のミシガン州とコロラド州に生産拠点を持ち、米国向け売上は116億円です。
- 半導体バーンイン装置
Aehr Test Systems
Aehr Test Systemsは炭化ケイ素のウェーハレベルバーンインと検査のリーダーを名乗り、40年以上の半導体テストとバーンインの実績を掲げています。エスペックのバーンイン製品はスタティックバーンインシステム、バーンインチャンバー、車載センサーバーンインシステムなどです。
出典19件
- 公式 会社概要
- 公式 事業概要
- 公式 生産
- 公式 計測・評価システム / バーンイン試験装置
- 公式 TDDB(酸化膜経時破壊)評価システム
- 公式 エレクトロマイグレーション評価システム
- IR 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) 2026年3月期 · 公表 2026-05-14
- IR 2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結) 2027年3月期第1四半期 · 公表 2026-08-06
ほか11件
- IR 2025年度(2026年3月期)決算説明 2026年3月期 · 公表 2026-05-25
- IR 有価証券報告書 2026年3月期 2026年3月期 · 公表 2026-06-23
- IR 長期ビジョン・中期経営計画
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