光センサ・光源 半導体検査向け光デバイスと故障解析装置
浜松ホトニクス
半導体検査装置に光センサと光源を納める浜松の光デバイスメーカー
光電子増倍管で知られる光センサの会社で、成長を引っ張るのは半導体製造・検査装置向けの光源・センサと半導体故障解析装置です。
2品目で585億円を2026年9月期に見込み、予想売上2,390億円の24.5%を占めます。
浜松ホトニクスは 半導体製造・検査装置向けの光源・センサ の売上を2026年9月期に459億円と見込んでいます。 2026年9月期第3四半期累計の営業利益 は163億円で、前年同期比33.1%増えました。
- 2026年9月期 第3四半期累計 売上高 1,730億円 前年同期比11.3%増。 営業利益は163億円で33.1%増
- 2026年9月期 半導体製造・検査向け売上予想 459億円 2025年9月期の358億円から101億円増える見込み
- 2026年9月期 営業利益予想 220億円 営業利益率9.2%。 2028年9月期の計画は336億円
2026年9月期 第3四半期累計のセグメント別売上高
- 光半導体665億円
- 電子管588億円
- 画像計測機器257億円
- レーザ169億円
- その他49億円
この会社の要点
01立ち位置
何の会社として比べるか
浜松ホトニクスは光センサと光源のメーカーで、2025年9月期の売上高は2,120億円です。 半導体製造・検査と故障解析装置は業界別売上の産業用に入り、2026年9月期は2品目で585億円と、会社予想の売上高2,390億円の24.5%を見込みます。
2024年9月期から2028年9月期計画までの売上高と営業利益
売上高
営業利益
どの業界、どの地域の顧客へ売っているか
業界別売上高
地域別売上高
光半導体素子(イメージセンサ・フォトダイオード)
固体事業部がフォトダイオード、フォトIC、イメージセンサを開発・製造・販売します。 2026年9月期第3四半期累計は半導体製造・検査装置向けのイメージセンサが伸び、光半導体事業の売上高は665億円で前年同期比13.6%増でした。
- CCD/CMOS/NMOSイメージセンサ
- InGaAsイメージセンサ
- X線フラットパネルセンサ
- Siフォトダイオード
光電子増倍管・光源
電子管事業部が光電子増倍管を代表とする光センサと各種光源を開発・製造・販売します。 2026年9月期第3四半期累計は半導体製造・検査装置向けの光電子増倍管とキセノンランプ、非破壊検査装置向けのマイクロフォーカスX線源が伸び、電子管事業の売上高は588億円、セグメント利益は179億円でした。
- 光電子増倍管
- キセノンランプ
- 重水素ランプ
- マイクロフォーカスX線源
半導体故障解析装置
半導体デバイス内部の故障に起因する微弱な発光・発熱等を検出し、その位置を特定するシステムです。 浜松市の常光製作所内に、顧客との共創を目的とした実験室SEMICONDUCTOR APPLICATION LAB.を置きます。 2025年9月期の売上は104億円で、会社は2026年9月期の期初計画でハイエンドロジック向けのシェア拡大による増収を見込みました。 2026年9月期第3四半期累計はHBM向け需要で93億円になりました。
- Solid Cold Emmi-X カメラ
- Sequencerソフトウエア
- TD Imaging
ステルスダイシング技術・レーザエンジン
ウェーハ内部にレーザ光を集光して分割の起点となるSD層を作り、テープエキスパンドで小片化するダイシング技術です。 会社は「完全ドライプロセス」「切削ロスゼロ」「チッピングレス」を特長に挙げ、MEMSデバイスやメモリデバイスへ適応デバイスが広がっています。 ステルスダイシング装置向けのレーザエンジンを供給し、AIデータセンター向けの設備投資で売上が堅調でした。
- ステルスダイシングエンジン
- LBA(Laser Beam Adjuster)
- SDBG(Stealth Dicing Before Grinding)プロセス
02収益
どこで、どれくらい儲けているか
増収の中心は産業用で、なかでも半導体製造・検査と故障解析装置です。 第3四半期累計の半導体向け2品目は331億円から403億円へ増えました。
売上高2,120億円 / 営業利益161億円
売上高は前期比4.0%増、営業利益は49.7%減で、営業利益率は7.6%です。 NKT Photonicsなど買収に伴う研究開発費、人件費、のれん償却が増えました。
売上高1,730億円 / 営業利益163億円
前年同期比で売上高は11.3%増、営業利益は33.1%増です。 四半期ごとの売上高は第2・第3四半期とも605億円でした。
売上高2,390億円 / 営業利益220億円
第3四半期の発表で売上高を2,320億円から、営業利益を200億円から引き上げました。 売上高は前期比12.7%増の予想で、前提為替は1米ドル158.25円です。
184億円
売上高の8.7%です。 電子管事業42億円、光半導体事業36億円、レーザ事業39億円、事業に配賦しない基礎的研究53億円が内訳の大きい項目です。
65.2%
2025年9月期末の70.7%から下がりました。 2025年9月期は短期借入金が282億円増え、自己株式の取得と消却も進めています。
2026年9月期 第3四半期累計の産業用売上高の内訳
半導体製造・検査と故障解析装置の合計売上高
03強みとリスク
強みと、リスク・検討点
強みは光電子増倍管と光半導体素子で装置メーカーの検査工程に食い込んだ部品事業と、自社の故障解析装置です。 弱点はレーザ事業の赤字と、新工場・買収で膨らんだ償却費です。
強み
- 半導体向け2品目の伸び
業界別売上で半導体製造・検査は2025年9月期358億円から2026年9月期予想459億円へ、故障解析装置は104億円から126億円へ伸びる見込みです。 2品目の合計585億円は予想売上2,390億円の24.5%にあたります。 第3四半期累計では半導体製造・検査が前年同期比18.6%増、故障解析装置が34.1%増でした。
2026年9月期 第3四半期 決算説明会資料 - 電子管事業のセグメント利益率30.4%
2026年9月期第3四半期累計の電子管事業は売上高588億円に対しセグメント利益179億円で、利益率は30.4%です。 光半導体事業は19.1%、画像計測機器事業は26.6%でした。 基礎的研究費などの全社費用151億円を引く前の数字で、全社の営業利益率は9.5%です。 会社の見立てでは、光電子増倍管の世界シェアは約90%です。
2026年9月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結) - 研究開発の厚さと製品の幅
2025年9月期の研究開発費は184億円で、売上高の8.7%です。 中央研究所が光の基礎研究を担い、製品点数は15,000点以上あります。 一般品に加えて顧客の要望に応じたカスタマイズ製品を数多く製造しています。
有価証券報告書 第78期 - 顧客の分散
総販売実績の10%以上を占める販売先はありません。 海外売上比率は約8割で、世界の医用・産業用・分析用・輸送用機器メーカーへキーデバイスとして光電子部品を納めています。
有価証券報告書 第78期
リスク・検討点
- レーザ事業の赤字とのれん
2025年9月期のレーザ事業は売上高が前期比107.7%増の222億円になった一方、買収によるのれん償却などで−43億円の営業損失でした。 2026年9月期第3四半期累計の営業損失は−49億円で、前年同期の営業損失−25億円から広がっています。 会社はNKT Photonicsの黒字化を経営改善の課題に挙げています。
2026年9月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結) - 重い設備投資と償却の山
設備投資は2025年9月期391億円、2026年9月期計画365億円で、減価償却費は2027年9月期に277億円でピークを迎える計画です。 2025年9月期は投資活動で421億円を使い、営業活動で得た377億円を上回りました。
2025年9月期 決算説明会資料 - 中国元の為替と中国市場の価格競争
1円の為替変動で年間営業利益が動く額を、会社は米ドルが3.0億円、中国元が10億円と試算しており、中国元の影響が最も大きい通貨です。 第3四半期累計の中国向け売上は314億円で前年同期比0.5%増にとどまり、アジア全体の14.5%増より伸びが鈍い状態です。 2025年9月期は中国市場での価格競争などでX線CT向けシリコンフォトダイオードの売上が減りました。
有価証券報告書 第78期 - 半導体投資の波への感応度
第3四半期累計の増収175億円のうち、産業用が110億円を占め、会社は増収の理由をAIデータセンター投資の拡大に置いています。 同じ期間に学術研究は11.2%減、輸送は5.4%減でした。 故障解析装置は2026年9月期予想を136億円から126億円へ下げ、出荷・検収遅れを理由に挙げています。
2026年9月期 第3四半期 決算説明会資料
04待遇
給与、初任給、休日、手当
総合コース(大学卒)の初任給は2026年度実績で博士了31万4,550円、修士了29万5,700円、学部卒27万6,200円で、年間休日は123日です。 2025年9月期の平均年間給与は728万4,746円、平均年齢は39.8歳、平均勤続年数は15.9年です。
新卒初任給(基本給)
- 新卒の初任給
- 2026年度実績で博士了31万4,550円、修士了29万5,700円、学部卒27万6,200円です。
- 勤務地と勤務時間
- 勤務地は本社および浜松地域です。 勤務時間は8:15~17:00で実働7時間45分、中央研究所はフレックスタイム制です。 完全週休2日制(土、日)で年間休日は123日です。
- 平均年間給与
- 2025年9月期の有価証券報告書では、提出会社の従業員4,262名、平均年齢39.8歳、平均勤続年数15.9年、平均年間給与728万4,746円(約728.5万円)です。 有価証券報告書 第78期 の従業員の状況に載ります。
- 賞与と手当
- 賞与は年2回(7月、12月)です。 通勤手当、家族手当、住宅手当、食事手当、残業手当などが付き、独身寮、社内預金制度、従業員持株制度があります。
- 採用人数
- 総合コースと職種別コースを合わせた採用は2024年度105名、2025年度97名、2026年度83名でした。 2026年度は修士了62名、学部卒21名です。
05勤務地と職種
どこで、どんな仕事をするか
本社業務は浜松市中央区砂山町で行い、中央研究所と電子管、固体、システム、レーザの各事業の主要工場が浜松市近郊に集まっています。 研究・開発・生産拠点は5ヶ国・22ヶ所です。
主な勤務地・拠点
- 本社工場(浜松市中央区)
- 光半導体素子の製造及び研究開発設備従業員1,004名
- 豊岡製作所(静岡県磐田市)
- 光電子増倍管、イメージ機器及び光源の製造及び研究開発設備従業員1,241名
- 常光製作所(浜松市中央区)
- 画像処理・計測装置の製造及び研究開発設備SEMICONDUCTOR APPLICATION LAB.も同所
- 都田製作所(浜松市浜名区)
- 光半導体素子の製造及び研究開発設備、半導体レーザの製造及び研究開発設備
- 中央研究所(浜松市浜名区)
- 研究開発用設備
新卒採用の職種
- 研究開発
- 製品設計
- 生産技術開発
- 品質保証
- アプリケーションエンジニア
- DX戦略
- 知的財産
- 営業
- 調達
- 法務コンプライアンス
- 経理・財務
研究開発からアプリケーションエンジニアまでが技術系総合職、営業以降が事務系総合職の職種です。 DX戦略と知的財産は両方の区分に載ります。
06これから
会社が次に取りにいくもの
会社は2028年9月期に売上高2,620億円、営業利益336億円を計画し、半導体、量子、セキュリティを重点市場に置きます。 光半導体新工場の8インチライン、インライン故障解析、レーザ事業の黒字化が柱です。
中期計画の指標と2026年9月期の位置
- 売上高 2,390億円 2028年9月期計画は2,620億円
- 営業利益率 9.2% 2028年9月期計画は12.8%
- CCC 264日 2028年9月期目標は240日
これからの材料
- 光半導体新工場
- 8インチラインでPCCT用検出器と大面積の新規半導体検査装置用検出器を生産し、MPPCやCCDなど既存製品を移管すると 2025年9月期 決算説明会資料 に載ります。
- 量子分野
- qCMOSカメラ、LCOS-SLM、Koherasシリーズのファイバレーザを量子コンピュータ向けに供給し、産総研向け「量子制御レーザーシステム」案件を受注しました。
- インライン故障解析
- 半導体製造検査・故障解析市場に注力し、高感度検出器、高輝度光源、レーザ技術の展開とインライン故障解析を事業戦略に挙げています。
中期計画の利益率12.8%
2028年9月期に売上高2,620億円、営業利益336億円(営業利益率12.8%)を計画し、半導体、量子、セキュリティを重点市場に置きます。 2026年9月期予想の営業利益率9.2%から3.6ポイント上げる計画です。会社は減価償却費のピークを2027年9月期とし、投資に伴う減価償却費以外の経費を抑える方針です。
光半導体新工場の8インチライン
経営改善ロードマップは、光半導体新工場の8インチラインでPCCT用検出器と大面積化した新規半導体検査装置用検出器を生産し、MPPCやCCDなど既存製品を移管してコストを下げると記載しています。
量子コンピュータ向けの光デバイス
量子コンピュータ向けにqCMOSカメラ ORCA®-Quest 2、空間光位相変調器LCOS-SLM、単一周波数ファイバレーザKoherasシリーズを供給します。 第3四半期は産総研向け「量子制御レーザーシステム」案件の受注を反映し、株式会社Yaqumoと中性原子量子コンピューティング向けの先端光学システムを共同研究開発しています。 実用的な量子コンピュータには技術課題が残り、会社はNEDOの2025〜2027年度の事業で中核デバイスの開発を進めています。
インライン故障解析
中期の事業戦略で半導体製造検査・故障解析市場への注力を掲げ、高感度検出器、高輝度光源、レーザ技術の展開とインライン故障解析を挙げています。 故障解析装置は出荷・検収の遅れで2026年9月期予想を下げており、顧客の納入時期の読みが売上を左右します。
07入口を選ぶ
専攻から、入口を1つに絞る
イメージセンサ・光電子増倍管、故障解析装置、ステルスダイシングのうち自分の専攻と重なる製品を1つ選び、総合コースと職種別コースのどちらで受けるかを決めます。
製品設計
製品の企画・設計を担い、一般品に加えて顧客の要望に応じたカスタマイズ製品の仕様を素材選びから検討します。 先輩社員紹介には固体デザインセンターや固体第4製品設計部、システム製品設計部の社員が並びます。
公式採用情報アプリケーションエンジニア
半導体業界や研究者のニーズを把握し、光検出・イメージング・画像処理技術を融合したシステム製品の応用に取り組みます。 採用ページは、半導体の故障解析方法についてニーズのヒアリングから課題の特定、提案までを例に挙げています。
公式採用情報生産技術開発
設備の設計、製造現場の効率化、生産ラインの最適化を担い、自動化推進のための製造装置の設計やプログラム作成も行います。 光半導体素子の製造設備は本社工場、三家工場、新貝工場、都田製作所にあります。
- Production Engineering
- Automation
- Wafer Process
- Yield
応募前の3手
- イメージセンサ、光電子増倍管、半導体故障解析装置から1つ選び、半導体のどの工程で使われるかをノートへ書く
- 第3四半期決算説明会資料の業界別売上高から、半導体製造・検査と故障解析装置の伸び率を書き出す
- 募集要項の勤務地、初任給、選考の流れと、総合コースと職種別コースの違いを公式ページから書き出す
面接で使う技術語
- Image Sensor
- Photodiode
- PMT
- Custom Design
- Optical Sensor
- Failure Analysis
- Emission
- Thermal
- HBM
- Logic
総合コースは入社後の事業部研修の後に配属先が決まり、職種別コースは採用段階で職種が決まります。
他社との違いを一言で
- 半導体故障解析装置
Thermo Fisher Scientific(ELITE System)
ELITE Systemは赤外ロックインサーモグラフィで欠陥位置を非破壊で特定する装置で、1340 nmのOBIRCHを組み合わせ、2.5D・3Dパッケージや次世代パワーデバイスの故障解析を用途に挙げています。浜松ホトニクスの半導体故障解析装置は故障に起因する微弱な発光・発熱等を検出して位置を特定するシステムで、2025年9月期の売上は104億円でした。
- SiPM・SPAD
onsemi
onsemiはSiPMとSPADを光検出器の製品群に持ち、SiPMの全ラインを幅広い用途向けにそろえると記載しています。浜松ホトニクスはSiPM(MPPC®)・SPADを光センサの製品群に置き、光半導体新工場へMPPCなど既存製品を移管する計画です。
- フォトダイオード
ams OSRAM
ams OSRAMはUVから近赤外までをカバーするフォトダイオードとフォトトランジスタをそろえ、自動車、産業、民生、医療・ヘルスケアの市場を対象にしています。浜松ホトニクスのフォトダイオードは近赤外から紫外・高エネルギーまでの波長域をカバーし、Si、InGaAs、フォトダイオードアレイを製品群に持ちます。
出典26件
- 公式 会社概要
- 公式 浜松ホトニクス早わかり
- 公式 事業内容
- 公式 拠点一覧
- 公式 アプリケーション 半導体
- 公式 半導体故障解析装置
- 公式 ステルスダイシング技術
- 公式 イメージセンサ
ほか18件
- 公式 フォトダイオード
- IR 2026年9月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結) 2026年9月期第3四半期
- IR 2025年9月期 決算短信〔日本基準〕(連結) 2025年9月期
- IR 有価証券報告書 第78期 2025年9月期
- IR 2026年9月期 第3四半期 決算説明会資料 2026年9月期第3四半期
- IR 2025年9月期 決算説明会資料 2025年9月期
- 採用 採用情報
- 採用 新卒採用 募集要項
- 採用 新卒採用 総合コース(大学卒)
- 採用 新卒採用 職種別コース(大学卒)
- 採用 職種紹介 技術系総合職
- 採用 職種紹介 事務系総合職
- 採用 数字で知る浜松ホトニクス 早わかり
- 採用 福利厚生・支援制度
- 公式 Thermo Fisher Scientific ELITE System
- 公式 Thermo Fisher Scientific ELITE System Techniques
- 公式 onsemi Photodetectors (SiPM、SPAD)
- 公式 ams OSRAM Photodetectors