後工程 / パッケージ基板 ICパッケージ基板・セラミック部材
イビデン
AIサーバーのチップを載せる基板をつくる会社
AIサーバー向けICパッケージ基板が利益の柱の部材メーカー。
電子事業のセグメント利益452億円は、2026年3月期の連結営業利益の72.9%にあたります。
イビデンは ICチップと一体で機能するICパッケージ基板 を主力とする部材メーカーです。 2027年3月期第1四半期の連結営業利益268億円 のうち、213億円を電子事業が稼ぎました。
- 2026年3月期 連結営業利益 620億円 前期比30.3%増。 売上高は4,162億円で前期比12.7%増
- 2027年3月期 第1四半期 連結営業利益 268億円 前年同期比52.4%増。 営業利益率は21.8%
- 2027年3月期 会社予想 営業利益 1,270億円 売上高5,500億円。 第1四半期決算で上方修正した通期予想
2026年3月期 セグメント別の売上高構成外部顧客への売上高
- 電子事業2,433億円
- その他事業903億円
- セラミック事業825億円
この会社の要点
01立ち位置
何の会社として比べるか
イビデンはICパッケージ基板の電子事業を軸に、セラミック事業とその他事業を持ちます。 2026年3月期は連結売上高4,162億円のうち2,433億円を電子事業が占めました。
売上の58.5%、利益の72.9%が電子事業
2026年3月期 売上高
各セグメントは外部顧客への売上高で、合計が連結売上高になります。
2026年3月期 利益
電子事業以外は2つ合わせても電子事業の半分に届きません。
直近の四半期も電子事業が伸びを引っぱる
セグメント別売上高
連結売上高は1,232億円で、前年同期比26.4%増です。
セグメント利益
電子事業は連結営業利益268億円の79.5%を占めました。
ICパッケージ基板
ICチップと一体で機能する基板です。 SAPと呼ぶ導体形成技術で微細配線を作り、層間をつなぐマイクロビアは独自のアライメント技術とレーザー加工・めっき技術で形成します。 用途はパソコン・データセンター向けMPU、AI・車載向けGPUなどです。
- ICパッケージ基板
高機能ICパッケージ基板(AIサーバー向け)
会社は河間事業場のCell6でAI ASIC向け、大野事業場のCell8でAI GPU向けの高機能ICパッケージ基板を生産する計画です。 最先端品では大型化・高多層化に加えて部品内蔵が進むとし、ガラスコアや光電変換も開発項目に挙げています。
- AI GPU向け 高機能ICパッケージ基板
- AI ASIC向け 高機能ICパッケージ基板
セラミック製品
DPF、触媒担体保持・シール材、高温断熱ウール、グラファイト(特殊炭素製品)を作ります。
- DPF
- 触媒担体保持・シール材
- 高温断熱ウール
- グラファイト(特殊炭素製品)
その他事業
建材ではメラミン化粧板「イビボード」を作り、建設では法面保護工法や壁面緑化技術を持ちます。 環境エンジニアリングなども含みます。
- イビボード(メラミン化粧板)
- 法面保護工法
- 壁面緑化技術
02収益
どこで、どれくらい儲けているか
2026年3月期の電子事業はセグメント利益率が13.6%から18.6%へ上がり、セラミック事業は減益でした。 会社予想どおりなら、2027年3月期の連結営業利益率は23.1%になります。
売上高4,162億円 / 営業利益620億円
前期比で売上高12.7%増、営業利益30.3%増です。 売上高営業利益率は14.9%でした。
売上高2,433億円 / セグメント利益452億円
前期は売上高1,972億円、セグメント利益268億円でした。 連結営業利益の72.9%を電子事業が占めます。
売上高1,232億円 / 営業利益268億円
前年同期比で売上高26.4%増、営業利益52.4%増です。 電子事業は売上高775億円、セグメント利益213億円でした。
売上高5,500億円 / 営業利益1,270億円
会社は前期比で売上高32.1%増、営業利益104.7%増を見込みます。
2026年度見通し2,100億円
2024年度は1,573億円、2025年度は643億円でした。 2026年度の見通しのうち電子事業は2,000億円です。
セグメント利益の前期比較
電子事業は増益、セラミック事業は減益で、向きが逆です。
連結営業利益率の推移
第1四半期と会社予想は、売上高と営業利益から計算した値です。
03強みとリスク
強みと、リスク・検討点
イビデンの強みはSAPの微細配線と、AIサーバー向けの大型・高多層基板を量産する力です。 会社は需要が業界の供給能力を上回るとみて、顧客の負担で増産を進めます。 裏返しとして、利益は電子事業1つに集まっています。
強み
- SAPの微細配線とマイクロビア
会社はSAPを中心とする自社の微細配線を世界トップクラスとしています。 層間をつなぐマイクロビアは、接続信頼性と電気特性を両立させる技術として前面に出しています。
ICパッケージ基板(電子事業) - シリコンブリッジ型で技術優位をみる
会社はシリコンブリッジ型の基板について、ブリッジ裏側の接続が難しく、少なくとも2030年までは技術的な優位を保てるとみています。 インターポーザー型では、新世代品の立ち上がり時に100%に近いシェアを得て、その後シェアが2割から3割程度落ちる流れを想定しています。
2025年度通期 決算説明会 主な質疑応答 - 増産資金を顧客が負担する契約
会社は約5,000億円の設備投資について、顧客と契約して投資相当額を負担してもらい、一部を前払いで受け取るとしています。 追加の資金調達は考えていないと説明しています。
2025年度通期 決算説明会 主な質疑応答 - 第1四半期に前受金がほぼ倍増
第1四半期末の前受金は1,545億円で、前期末の809億円から増えました。 第1四半期の営業活動によるキャッシュ・フローは958億円です。
2027年3月期 第1四半期決算短信(2026年8月4日) - 期初計画を上回った販売数量
会社は第1四半期の電子事業について、GPUとハイエンドCPUの需要が堅調で、Cell8の安定生産と既存設備の活用により販売数量が期初計画を上回ったとしています。 販売価格も高付加価値製品を中心に計画を上回ったとしています。
2026年度第1四半期 決算説明会資料(2026年8月5日)
リスク・検討点
- 利益の大半が電子事業
2026年3月期の電子事業は売上高で連結の58.5%、利益で連結営業利益の72.9%を占めます。
2026年3月期 決算短信(2026年5月11日) - パソコン関連での減損
2026年3月期は減損損失164億円を計上し、うち106億円はIBIDEN Philippinesの分です。 主力のパソコン関連製品で競争がさらに激しくなるとみて、同社の事業計画を保守的に見直した結果です。
2026年3月期 決算短信(2026年5月11日) - セラミック事業の減益
2026年3月期のセラミック事業のセグメント利益は76億円で、前期の122億円から減りました。
2026年3月期 決算短信(2026年5月11日) - 自動車関連の先行き
会社は第1四半期にDPFの一時的な受注増加があったものの、自動車関連は楽観できない状況が続くとしています。
2026年度第1四半期 決算説明会資料(2026年8月5日) - 2028年度までは増産余地が小さい
会社は最先端基板の需要が非常に強い一方、人的リソースや時間の制約から、2028年度までは今の計画以上に生産能力を増やすのは難しいとしています。
2025年度通期 決算説明会 主な質疑応答 - 技能職の交替制勤務
技能職には日勤のほか交替制①と交替制②があり、交替制②の標準労働時間は10時間45分/日です。 年間休日は日勤123日、交替制①120日、交替制②185日です。
大卒採用 募集要項
04待遇
給与、初任給、休日、手当
2026年4月の初任給は修士了30万円、大卒27.5万円です。 昇給は年1回、賞与は年2回で、総合職は年間休日123日です。
新卒初任給(総合職)
技術系総合職と事務系総合職の初任給です。
- 昇給・賞与
- 昇給は年1回(4月)、賞与は年2回(6月、12月)です。
- 勤務時間
- 総合職の標準労働時間は7時間45分/日で、本社は8:15〜17:00、事業場は8:00〜16:45です。 技能職の交替制①は7時間40分/日、交替制②は10時間45分/日です。
- 休日休暇
- 総合職は年間休日123日、完全週休2日制で、年次有給休暇は初年度より20日です。 技能職の年間休日は日勤123日、交替制①120日、交替制②185日です。
- 技能職の初任給
- 技能職の初任給は学部26万5,400円、短大・専門(職種と関連あり)24万200円、短大・専門(関連なし)21.5万円です。
- 諸手当・福利厚生
- 通勤手当、時間外手当、家族手当などがあります。 独身寮(入寮基準あり)と社員食堂があります。
- 採用人数
- 直近の入社実績は大卒85名(技術系67名、事務系18名)、技能職16名です。 採用予定数は大卒100名(技術系80名、事務系20名)、技能職15名です。
05勤務地と職種
どこで、どんな仕事をするか
勤務地は大垣市の本社と各事業場、安八郡の神戸事業場、揖斐郡の大野事業場・大垣北事業場、愛知県高浜市の衣浦事業場です。 AIサーバー向け基板の増産は河間事業場と大野事業場で進みます。 連結従業員は11,105人です。
主な勤務地・拠点
- 本社
- 岐阜県大垣市神田町2-1総合職の勤務時間は8:15〜17:00
- 河間事業場(大垣市)
- 工場棟Cell6AI ASIC向けの量産立ち上げを計画
- 大野事業場(揖斐郡大野町)
- 工場棟Cell8Cell8の残り1/2へ約2,800億円、AI GPU向け
- その他の勤務地
- 大垣・大垣中央・青柳事業場(大垣市)、神戸事業場(安八郡)、大垣北事業場(揖斐郡)、衣浦事業場(愛知県高浜市)
募集職種
- 技術開発
- 事業部技術
- 生産技術
- 営業
- 経営企画
- 法務
- 財務
- 人事
- 製造
- 設備保全
- 生産設計
- 検査
技術開発・事業部技術・生産技術が技術系総合職、営業から人事までが事務系総合職、製造から検査までが技能職です。
06これから
会社が次に取りにいくもの
会社は2030年度に売上高1兆円、営業利益3,000億円をめざします。 2026年3月期の営業利益は620億円で、その差を埋める手段が電子事業への約5,000億円の投資です。
2030年度の目標と、2026年3月期の実績
- 連結営業利益 620億円 2030年度目標は3,000億円
- 連結営業利益率 14.9% 2030年度目標は30%
- 電子事業が軸
- 2026年度から2028年度に約5,000億円を投資
- 2027年度より順次稼働の計画
これからの材料
- 設備投資計画
- 会社は2026年度から2028年度に電子事業へ総額約5,000億円を投じる計画です。 河間事業場のCell6には約2,200億円を投じ、2027年度より順次稼働する計画です。 設備投資計画の発表 に詳細があります。
- 大野事業場の拡張
- 会社は大野事業場のCell8の残り1/2へ約2,800億円を投じ、AI GPU向けの基板を作る計画です。 設備投資額は2026年度に2,100億円を見込みます。
- 研究開発費
- 2026年3月期の研究開発費は299億円です。 大野事業場の量産は2025年10月に始まりました。
電子事業へ約5,000億円の投資計画
会社は2026年度から2028年度に、電子事業へ総額約5,000億円を投じる計画です。 最初の段階として河間事業場の工場棟Cell6に約2,200億円を投じ、2027年度より順次稼働して量産を始める計画です。 Cell6は竣工済みで、量産は大野事業場を先に進めてきました。
基板の大型化・高多層化と部品内蔵
会社は最先端品で大型化・高多層化に加えて部品内蔵が進み、付加価値が増えるとみています。 開発項目にはガラスコアによる反り対策、インターポーザー型とシリコンブリッジ型の電源強化、光電変換を挙げています。 ロードマップの各世代は会社の開発計画です。
スイッチIC向け基板
会社は2025年度からスイッチ向けICパッケージ基板の量産的なサポートを始めました。 GPU向けやASIC向けと同じく大型化・高多層化が進み、大手GPU顧客からもスイッチ用基板を受注しているとしています。 会社はスイッチ向けの売上拡大を見込んでいます。
2030年度に営業利益3,000億円
会社は電子事業を軸に、2030年度に売上高1兆円、営業利益3,000億円、営業利益率30%をめざす計画です。 大野事業場の量産は2025年10月に計画どおり始まりました。 2030年度の数値は会社の目標です。
07入口を選ぶ
専攻から、入口を1つに絞る
ICパッケージ基板の微細配線、マイクロビア、部品内蔵のどこに自分の専攻が重なるかを決め、そこから応募職種を1つに絞ります。
技術系総合職 / 技術開発・事業部技術
電子事業本部開発の社員は、世界トップクラスの企業と連携して試作を繰り返し、ICパッケージ基板を量産品へ仕上げています。 入社後しばらく営業を担当してから開発へ移った例もあります。
公式採用情報技術系総合職 / 生産技術
電子事業本部生産技術の社員は、新工場の立ち上げで電気・ガス・冷却水などのユーティリティ設備の配置を設計しています。 キャリア採用で建築の経験を生かして入った例です。
公式採用情報技能職(製造 / 設備保全 / 生産設計 / 検査)
量産ラインで製造、設備保全、生産設計、検査を担う入口です。 日勤と交替制①②があり、選考の個人面接は2回です。
- Manufacturing
- Maintenance
- Inspection
- Quality
応募前の3手
- SAPの微細配線 / マイクロビア / 部品内蔵・ガラスコア / 工場立ち上げから、関わりたいものを1つ選ぶ
- 研究や実務で測った値を1つ用意し、配線の微細さ、接続信頼性、歩留まりのどれに結ぶか決める
- 募集要項の職種区分、初任給、年間休日、勤務地を確かめる
面接で使う技術語
- SAP
- Micro Via
- Plating
- Laser
- Glass Core
- Utility
- Equipment
- Ramp-up
- Yield
- Automation
他社との違いを一言で
- ICパッケージ基板の世代交代
新光電気工業
イビデンはインターポーザー型で、新世代品の立ち上がり時に100%に近いシェアを得たあとシェアが2割から3割程度落ちると想定しています。シリコンブリッジ型では2030年まで技術優位を保てるとみています。比べるなら、世代ごとの立ち上がりの速さです。
- AIサーバー向け基板の増産投資
Unimicron
イビデンは約5,000億円の投資を、顧客が投資相当額を負担する契約で進めます。比べるなら、増産資金を誰が負担しているかです。
- パソコン向け基板
Nan Ya PCB
イビデンはパソコン関連製品の競争がさらに激しくなるとみて、IBIDEN Philippinesで減損を計上しました。比べるなら、パソコン向けとサーバー向けの比重です。
出典19件
- 公式 会社概要(会社情報)
- 公式 ICパッケージ基板(電子事業)
- 公式 セラミック事業 製品一覧
- 公式 その他事業
- IR 2026年3月期 決算短信(2026年5月11日)
- IR 2027年3月期 第1四半期決算短信(2026年8月4日)
- IR 2025年度通期 決算説明会資料(2026年5月12日)
- IR 2025年度通期 決算説明会 主な質疑応答