後工程 / パッケージ 半導体パッケージ・実装部材
新光電気工業
チップを外の回路へつなぐ会社
半導体パッケージの部材メーカー。
上場廃止後は決算公告が唯一の公式決算開示です。
新光電気工業は フリップチップパッケージ用基板 などの半導体パッケージ部材を作るメーカーです。 上場最後の通期となった 2025年3月期の連結売上高 は2,150億円、営業利益は253億円でした。
- FY2025/03 連結売上高 2,150億円 2,150億円。 前年度比2.4%増。 上場企業として公表された最後の通期実績
- FY2025/03 連結営業利益 253億円 253億円。 売上高営業利益率11.8%、経常利益251億円
- FY2026/03 単体売上高 835億円 835億円。 第3期決算公告の単体値。
FY2025/03 セグメント別の売上構成比2025年3月期 決算短信
- プラスチックパッケージ1,226億円
- メタルパッケージ841億円
- その他82億円
この会社の要点
01立ち位置
何の会社として比べるか
新光電気工業は、チップの端子を外側の回路へつなぐ基板と金属部材を作る会社です。 報告セグメントはプラスチックパッケージとメタルパッケージの2つで、売上の重心と利益の重心が別々の区分にあります。
2つの報告セグメント
セグメント別 外部顧客への売上高
3区分の合計が連結売上高2,150億円です。
セグメント経常利益
合計の経常利益は251億円で、利益率は11.7%です。 売上規模の小さいメタルパッケージ側に利益の大半が集まります。
製品部門ごとに、2期
FY2025/03 部門別売上高
ほかに「その他」が200万円あり、4区分の合計が連結売上高2,150億円です。
FY2024/03 部門別売上高
1年で気密部品がICリードフレームを上回り、構成比は17.9%から21.9%へ動きました。
半導体パッケージ用基板
ICチップの端子をボードへつなぐ基板です。 フリップチップパッケージ用基板、プラスチックBGA用基板と薄型基板、2.3次元パッケージ用基板、光導波路付き基板を公式製品として掲載しています。
- フリップチップパッケージ用基板
- プラスチックBGA用基板
- プラスチックBGA用薄型基板
- 2.3次元パッケージ用基板 i-THOP
IC組立
シングルチップ実装からモジュール組立までのインターコネクト技術を製品化しています。 製品にはデバイス内蔵、ベアダイフリップチップ、モールドアンダーフィル、ヒートスプレッダー付き、パワー半導体用、光チップレットの各パッケージがあります。
- デバイス内蔵パッケージ
- ベアダイフリップチップパッケージ
- モールドアンダーフィルパッケージ
- HS付きフリップチップパッケージ
リードフレーム / ガラス端子
超精密金型によるプレス加工とエッチング加工でリードフレームを作り、金属とガラスで構成するガラス端子で高い気密性と電気特性を担います。 決算短信ではメタルパッケージ区分に入ります。
- リードレスパッケージ用リードフレーム
- リードパッケージ用リードフレーム
- 露出パッドパッケージ用リードフレーム
- かしめリードフレーム
セラミック静電チャック
ドライエッチング装置、プラズマアッシャ装置、CVD装置、スパッタ装置と搬送用装置に使うアルミナセラミックス製の静電チャックです。 焼成から検査までの一貫生産で、最大寸法φ300mm、板厚0.8〜10.0mm、使用温度−20〜+200℃と公式に記載があります。
- セラミック静電チャック(クーロンタイプ)
- セラミック静電チャック(ジョンソンラーベックタイプ)
02収益
どこで、どれくらい儲けているか
FY2025/03は連結売上高2,150億円に対し営業利益253億円、売上高営業利益率11.8%。 売上の57.1%を占めるプラスチックパッケージより、39.1%のメタルパッケージのほうが多くの利益を計上しています。
2,150億円
前年度比2.4%増。 セラミック静電チャックとIC組立が増収、フリップチップタイプパッケージが減収でした。 上場企業として公表された最後の通期実績です。
253億円
前年度比2.2%増。 売上高営業利益率は11.8%、経常利益は251億円(同7.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は178億円(同3.9%減)です。
プラスチック1,226億円 / メタル841億円
セグメント経常利益はプラスチックパッケージ53億円(前年度比54.7%減、利益率4.4%)、メタルパッケージ202億円(同25.5%増、利益率24.1%)です。
売上高835億円 / 当期純損失−261億円
決算公告の単体値です。 営業利益36億円に対し支払利息64億円で経常損失−46億円、抱合せ株式消滅差損215億円を特別損失に計上しています。
総資産7,463億円 / 純資産4,450億円
負債合計3,013億円のうち固定負債が2,152億円です。 買収に伴う借入が入るため、上場時の連結貸借対照表とは別の形になります。
FY2025/03 セグメント別の経常利益率
セグメント経常利益をセグメント間取引調整前の値として、外部顧客への売上高で割った比率が決算短信に載ります。
連結売上高と、その後の開示状況
2026年3月期は単体の決算公告で売上高835億円までが公式開示です。
03強みとリスク
強みと、リスク・検討点
基板から金属部材、装置向けセラミックまでを1社で持つ形と、非公開化後に数値の連続性が切れた点が、同じ会社の中に同居します。
強み
- 基板から装置部材までを1社で作る
半導体パッケージ、放熱部品、半導体製造装置向け製品、金属加工製品の4区分を公式製品として掲げ、後工程の基板・組立と前工程装置の部材を同じ会社で作ります。
事業内容 - メタルパッケージ区分の利益率
FY2025/03のメタルパッケージは外部顧客への売上高841億円に対しセグメント経常利益202億円で、利益率24.1%です。 連結合計の11.7%を上回ります。
2025年3月期 決算短信(2025年4月24日) - 車載向け品質マネジメントの認証
CPU/GPUに使うフリップチップタイプパッケージの設計・製造で、更北工場と若穂工場がIATF16949の認証を2025年7月に取得しました。
フリップチップタイプパッケージのIATF16949認証取得(2025年7月16日) - 放熱部品での一貫生産
ヒートスプレッダーはプレス金型の設計・製作、プレス、切削、表面処理までを自社で行い、材質はCu(C1020、C1100)、外形10〜100mm、厚さ1.0〜4.5mmです。 用途にAIプロセッサーと車載用SoC/FPGAが挙がっています。
放熱部品 ヒートスプレッダー - 解析装置を備える開発拠点
新光開発センターで基礎研究と素材・プロセス開発を行い、EPMA、SEM、FIB-SEM、EBSD、X線解析装置、ネットワーク・アナライザ、過渡熱抵抗測定システムを備えると公式に記載があります。
研究開発
リスク・検討点
- 連結決算の開示が止まった状態
2025年6月6日に東京証券取引所プライム市場で上場廃止となりました。 連結の通期実績は2025年3月期が最新です。
過去のIR情報(上場廃止のお知らせ) - 合併で決算の連続性が切れた点
商号変更前のJICC-04株式会社が2025年12月1日に旧新光電気工業株式会社を吸収合併しました。 第1期・第2期の決算公告は合併前の会社のもので、第3期の単体数値と旧会社の連結実績は法人の範囲が異なります。
電子公告(決算公告) - 買収に伴う支払利息の負担
FY2026/03(第3期)の単体は営業利益36億円に対し支払利息64億円で、経常損失−46億円、当期純損失−261億円です。 固定負債は2,152億円あります。
第3期 決算公告(2026年3月期・単体) - プラスチックパッケージ区分の利益変動
FY2025/03のセグメント経常利益は前年度比54.7%減の53億円で、利益率は9.3%から4.4%へ下がりました。 サーバー向け需要回復の遅れとパソコン向け競争激化が公式の理由として挙がっています。
2025年3月期 決算短信(2025年4月24日)
04待遇
給与、初任給、休日、手当
新卒初任給(2026年度実績)
2026年度初任給実績です。 募集対象は2027年3月に卒業(修了)見込みの方です。
- 昇給・賞与
- 昇給は年1回、賞与は年2回です。
- 勤務時間
- 8:30〜17:15で、フレックスタイム制があります。 適用者は業務との調和をはかりながら出退勤の時間を定められると採用ページに記載があります。
- 休日休暇
- 週休2日制で年間休日126日(2026年度)。 有給休暇は年間20日支給で、ほかにリフレッシュ休暇と積立休暇があります。
- 諸手当・福利厚生
- 時間外勤務手当、通勤手当ほか。 育児休職制度、介護休職制度、企業年金基金、ファミリーアシスト給付、家賃補助、契約保養所が挙がっています。 通勤が困難な場合は個人賃貸契約のうえ家賃補助を受ける形だと 採用のよくあるご質問 に記載があります。
2026年卒の採用実績76名の内訳
- 技術系43名
- 事務系33名
2024年卒は74名(技術系61名・事務系13名)、2025年卒は55名(技術系44名・事務系11名)です。 事務系の比率が3期で大きく動きました。
05勤務地と職種
どこで、どんな仕事をするか
工場は長野県と新潟県に集まり、福島県に会津分室、営業所は東京・大阪・名古屋・福岡です。 採用ページには、大半の社員が長野県もしくは新潟県の事業所に勤務すると記載があります。
主な勤務地・拠点
- 本社・更北工場
- 長野県長野市小島田町80IATF16949認証取得拠点
- 若穂工場・千曲工場・高丘工場
- 長野市若穂川田、千曲市雨宮、中野市草間千曲工場は2023年開設
- 新井工場・京ヶ瀬工場
- 新潟県妙高市姫川原、阿賀野市京ヶ瀬工業団地
- 新光開発センター・栗田総合センター
- 長野市北尾張部、長野市栗田基礎研究と素材・プロセス開発
- 会津分室
- 福島県会津若松市飯寺北
- 営業所
- 東京(渋谷区恵比寿)、大阪(淀川区西中島)、名古屋(中村区太閤)、福岡(博多区博多駅前)
新卒の募集職種区分
- 開発・研究
- 回路・製品設計
- 設備機械設計
- 品質管理・品質マネジメント
- 生産技術
- 製造技術
- プロセスエンジニア
- システムエンジニア
- 環境管理・技術
- 海外・国内営業
- 法務
- 経営企画
ほか5件
- 生産管理
- 資材購買
- 経理
- 人事・総務
- 事業企画
前半9区分が技術系、後半8区分が事務系です。 採用区分は技術系と事務系の2系統で、配属は専攻・希望・適性・入社試験の結果から会社が決定します。
応募の窓口
- マイナビ2027またはマイナビ2028からエントリーする
- マイページで応募方法と選考日程を公式ページから書き出す
- セミナーとインターンシップの日程を公式のよくあるご質問から書き出す
06これから
会社が次に取りにいくもの
追える材料は、開発中と記載された製品、生産拠点の整備、2026年4月に制定したMVVです。
これからの材料
- 経営体制の変更
- JICC-04株式会社による公開買付けを経て2025年6月6日に上場廃止となりました。 公開買付者の大株主はJIC PE共同投資ファンド1号投資事業有限責任組合69%、大日本印刷15%、JIC PEファンド1号投資事業有限責任組合9%、三井化学5%、八十二-JICC投資事業有限責任組合2%と 2025年3月期 決算短信 に記載があります。 株式併合後の株主は公開買付者と富士通の2社です。
- 合併と決算公告
- 商号変更前のJICC-04株式会社が2025年12月1日に旧新光電気工業株式会社を吸収合併し、第3期の決算公告から現体制の数値になりました。 第1期・第2期は合併前の会社の公告です。 電子公告 に3期分が載ります。
2.3次元パッケージ用基板 i-THOP
シリコンインターポーザを使う2.5次元パッケージからの置き換えとして、有機インターポーザとビルドアップ基板を一体化した超高密度有機基板を開発しています。 HBM搭載やチップレット集積に向けてパネルプロセスで作る設計です。 公式ページの表記は「開発中」です。
光チップレットとCo-Packaged Optics
光電融合に向けて、半導体パッケージ用基板技術とIC組立技術に光学実装技術と光配線技術を重ね、xPUとパッケージ間の光通信を担うCPO組立を開発しています。 用途はハイエンドサーバーと次世代情報通信機器です。 公式ページの表記は「開発中」です。
千曲工場と新井工場の生産体制整備
最後の決算短信では、千曲工場でフリップチップタイプパッケージの量産体制整備を進め、新井工場でプラスチックBGA基板の生産能力増強へ向けた新棟建設を進めたと記載しています。 2025年3月期時点の記載です。
MVVの制定と経営体制の変更
2026年4月24日に、資本構成・経営体制の変更と創立80周年を機にMVVを制定しました。 ビジョンは「半導体の未来をつなぐイノベーティブカンパニーとして、限りなき発展を目指す」で、バリューは進取果敢、SPEED、共創、期待の先へ、温かさです。
07入口を選ぶ
専攻から、入口を1つに絞る
パッケージ用基板、IC組立、リードフレーム・ガラス端子、セラミック静電チャックのうち、自分の専攻と重なる製品を1つ選び、そこから応募区分を1つに絞ります。
品質管理・品質マネジメント / 生産技術 / 製造技術
品質マネジメントシステムの構築、信頼性調査と故障解析、生産ラインの立上げ支援、製造設備の企画・導入・保全を担う入口です。
- Quality
- IATF16949
- Yield
- Manufacturing
応募前の3手
- フリップチップ用基板 / IC組立 / リードフレーム・ガラス端子 / セラミック静電チャックから担当したい製品を1つ選ぶ
- 研究・実務の測定値を1つ用意し、配線ピッチ、熱抵抗、気密性、歩留まりのうち結ぶ相手を1つ選ぶ
- 募集要項の技術系9区分・事務系8区分と勤務地を公式ページから書き出す
面接で使う技術語
- Package Substrate
- Build-up
- Plating
- Reliability
- Process
- Circuit Design
- Mechanical Design
- Automation
- Die
- CAE
他社との違いを一言で
- ICパッケージ基板
イビデン
フリップチップ用パッケージ基板で直接競合します。新光電気工業はリードフレーム、ガラス端子、静電チャックも作ります。
- 有機基板 / セラミック部材
京セラ
有機パッケージ基板とセラミック部材の両方で重なります。京セラは電子部品や機械工具まで持つ複合企業で、事業構成の広さが異なります。
- リードフレーム / 精密金型
三井ハイテック
リードフレームと精密金型、モーターコアで重なります。新光電気工業はパッケージ基板とIC組立を併せ持つ点で異なります。
- OSAT / IC組立
ASE / Amkor
IC組立で重なります。OSATは組立とテストの受託規模が大きく、新光電気工業は基板と金属部材を自社で作る川上側を含みます。
出典18件
- 公式 会社概要
- 公式 事業内容
- 公式 国内拠点一覧
- 公式 新光電気の沿革
- 公式 製品情報 半導体パッケージ
- 公式 2.3次元パッケージ用基板 i-THOP
- 公式 光チップレット / Co-Packaged Optics
- 公式 セラミック静電チャック