半導体材料・部材 精密研磨材・研磨加工
マイポックス (Mipox)
光ファイバーとHDD向けの研磨材が伸び、ウェーハ受託研磨は赤字が続く研磨材メーカー
2026年3月期は売上の55%がHDD・半導体・光ファイバー向けの研磨材でした。
半導体ウェーハの受託研磨は売上の4%で、受託事業は赤字が続いています。
マイポックスは 研磨フィルムなどの研磨材と研磨装置 を作り SiC・GaNウェーハのエッジ研磨やCMP を受託します。 2027年3月期第1四半期の売上高は32億円で、前年同期より20.5%増えました。
- 2027年3月期1Q 売上高 32億円 前年同期比20.5%増。 製品事業が94.7%を占めます
- 同 営業利益 3.7億円 前年同期比343.4%増。 売上高営業利益率は11.5%
- 2026年3月期 売上高 120億円 前期比7.9%増。 営業利益5.7億円は前期比38.5%減
2026年3月期の売上構成製品事業(ハイテク関連・一般研磨関連)と受託事業(受託研磨・受託塗布)
- ハイテク関連製品55%
- 一般研磨関連製品39%
- 受託研磨加工4%
- 受託塗布・スリット2%
この会社の要点
01立ち位置
何の会社として比べるか
研磨材を売る製品事業が売上と利益のほぼすべてを生みます。 ウェーハの受託研磨は小さく、赤字が続いています。
前年同期と比べた四半期の業績
売上高
営業利益
売上の内訳
売上構成比
GC/WA研磨フィルム
砥粒を炭化ケイ素と酸化アルミニウムから選べる研磨フィルムです。 光ファイバー用途では、単心の樹脂取りと、多心の樹脂取りや平面出し研磨に使います。
- GC研磨フィルム
- WA研磨フィルム
ウェーハのエッジ・ノッチ研磨
自社の研磨フィルムと専用のエッジ・ノッチ研磨装置で、SiCやGaNなどのウェーハを面取りします。 SEMI規格品のほか、特殊サイズ、ガラス基板、接合済みの複合ウェーハにも対応します。 エッジトリミングはバックグラインド工程の歩留まり改善に使います。
- エッジ研磨
- ノッチ研磨
- エッジトリミング
- ノッチ/エッジ研磨装置
平面研磨(CMP)・スラリー
SiC・GaNなどの化合物半導体基板やセラミックスを、小片からSEMI規格12インチまで研磨します。 絶縁膜・メタル膜・樹脂膜のCMP、その後の精密洗浄や常温接合にも対応します。 受託研磨用のスラリーを自社で開発し、一部は単体でも販売します。
- 平面研磨
- CMP
- 専用スラリー
平面研磨装置
研磨フィルムで基板の表面を研磨し、鏡面処理や異物除去のクリーニングも行う装置です。 フラットパネルディスプレイ、ソーラーパネル、プリント基板、金属研磨などに使います。
- 平面研磨装置
02収益
どこで、どれくらい儲けているか
2026年3月期は製品事業が9.2億円の利益を出し、受託事業の損失3.4億円を差し引いた営業利益は5.7億円でした。
売上高32億円 / 営業利益3.7億円
前年同期比で売上高20.5%増、営業利益343.4%増です。 前年同期は売上高26億円、営業利益0.8億円でした。
製品事業30億円 / 受託事業1.7億円
製品事業は売上高23.6%増、セグメント利益4.2億円(前年同期比165.0%増)。 受託事業は売上高16.1%減で、セグメント損失は0.5億円でした。
製品事業113億円 / 受託事業7.2億円
製品事業は売上高13.9%増、セグメント利益9.2億円(前期比29.8%減)。 受託事業は売上高40.8%減で、セグメント損失は3.4億円でした。
売上高130億円 / 営業利益12億円
会社は2026年8月7日に営業利益の予想を9.0億円から引き上げました。 前期比で売上高7.8%増、営業利益107.1%増を見込みます。
2026年3月期 事業別の売上高
03強みとリスク
強みと、リスク・検討点
強みは研磨フィルムを自社で作り、それを使う装置と加工まで持つことです。 製品事業の伸びを支えたのは光ファイバーとHDD向けの研磨材です。
強み
- AI・データセンター需要に乗った製品事業
2026年3月期の製品事業は売上高113億円で、前期比13.9%増えました。 AI・データセンター投資を背景に、光ファイバーとHDD関連の需要が旺盛でした。
第96期 有価証券報告書(2026年3月期) - 研磨フィルム式のエッジ研磨
会社は、SiCやGaNの面取りで砥石研削に比べて約3~5倍の加工効率が出るとしています。 欠けや割れが少なく、GaNonSiのような壊れやすい基板にも使えるとしています。
エッジ・ノッチ研磨 - 難削材のCMPと自社スラリー
セラミックスの焼結体や多結晶材料の平面研磨を、受託研磨の中核の用途に挙げています。 他社のスラリーにない特殊品や少量の注文にも、自社スラリーで対応します。
平面研磨・スラリー - 研磨材と受託加工が設備と人を共有
会社は、製品事業と受託事業が人・設備・ノウハウを共有していると説明しています。 研磨材、研磨装置、精度を確かめる観察装置まで社内で開発します。
採用サイト 事業紹介
リスク・検討点
- 主要顧客向けが売上の19.5%
2026年3月期は、製品事業の顧客であるFiber Optic Center、Inc.への売上が23億円で、連結売上高120億円の19.5%でした。
第96期 有価証券報告書(2026年3月期) - 受託事業の赤字
2026年3月期の受託事業は売上高7.2億円(前期比40.8%減)で、3.4億円のセグメント損失でした。 国内の受託塗布・スリットの縮小に加え、量産案件の減少と新規試作の獲得に苦戦しました。
第96期 有価証券報告書(2026年3月期) - 試作は増えても量産が減る
2027年3月期第1四半期の受託事業は、新規試作の獲得が増えた一方で量産案件が減り、売上高は16.1%減でした。 損失は前年同期の0.7億円から0.5億円に縮みましたが、赤字のままです。
2027年3月期 第1四半期決算短信 - HDDとメモリの需要変動
会社は、HDDからNAND/SSDへの移行や新しい記録方式で使う部材が変わることをリスクに挙げています。 HBMなど生成AI向け先端半導体の急拡大と、その反動減も懸念しています。
第96期 有価証券報告書(2026年3月期)
04待遇
給与、初任給、休日、手当
半導体ウェーハ プロセス開発エンジニアの基本給は167,000円〜390,000円、半導体領域の営業(管理職候補)は300,000円〜380,000円です。
キャリア採用の基本給(月額)
- 勤務地
- プロセス開発エンジニアの勤務地は 本社・鹿沼事業所 (栃木県鹿沼市)です。
- 勤務時間
- プロセス開発エンジニアは8:30~17:15(実働時間:7時間45分/日)です。
- 選考
- プロセス開発エンジニアの面接は2回です。 製造業の工場や製造ラインでの実務経験を求めています。
- 休日
- 営業と生産管理の募集では、年間休日は124日(2026年度)です。
05勤務地と職種
どこで、どんな仕事をするか
製造と開発は鹿沼・北杜・福山の事業所、営業は丸の内や大阪などのオフィスです。
主な勤務地・拠点
- 鹿沼
- 本社・鹿沼事業所。 半導体ウェーハ プロセス開発エンジニアの勤務地です。
- 丸の内
- 丸の内オフィス。 半導体領域の営業(管理職候補)の勤務地です。
- 福山
- 福山事業所。 生産管理と社内システムエンジニアの勤務地です。
- 大阪
- 大阪オフィス。 自動車や金属・鉄鋼業界に研磨材を提案する営業の勤務地です。
掲載中の職種
- プロセス開発エンジニア
- 半導体営業(管理職候補)
- 営業(大阪)
- 生産管理
- 社内システムエンジニア
- 2027年卒 大卒・院卒
- 高卒
高卒採用は鹿沼・北杜・福山の各事業所で募集しています。
06これから
会社が次に取りにいくもの
会社は2027年3月期の営業利益を12億円と見込みます。 光ファイバー向け材料の子会社化と、大口径SiCや高性能メモリの3D積層向けの受託研磨の開発が次の手です。
これからの材料
- 通期予想
- 会社は売上高130億円、営業利益12億円を見込んでいます。 営業利益の予想は 2026年8月7日 に9.0億円から引き上げました。
- 投資と開発
- 2026年3月期の設備投資は12億円、研究開発費は2.1億円でした。 研究開発では、受託事業でSiC・GaNの加工と結晶評価、製品事業でHDD・光ファイバー・プローブカード向けの研磨材に取り組みました。
通期の営業利益予想を引き上げ
会社は2026年8月7日に2027年3月期の営業利益予想を9.0億円から12億円へ引き上げました。 売上高は130億円を見込みます。 会社の予想です。第1四半期の受託事業は損失でした。
光ファイバー向け材料の内製化
2026年8月1日に三光化学工業の株式を取得し、子会社にしました。 同社の植毛フィルムは光ファイバー向け製品の研磨・製造に使う重要材料で、会社は原料から製造までの一貫体制で生産能力を増やす計画です。
大口径SiCウェーハの加工と評価
グリーンイノベーション基金の事業でSiCウェーハの開発に参加しています。 会社は8インチのSiC加工ライン、評価装置、コンサルティングを含む検査・評価ソリューションを提供する計画です。 ソリューションの提供は今後の計画です。
高性能メモリ向け3D積層の試作
半導体受託加工では、高性能メモリ向けの3D積層に関わる試作に対応を進めています。 SiC・GaN・ダイヤモンド基板のCMPと接合加工にも重点を置いて開発しています。
07入口を選ぶ
専攻から、入口を1つに絞る
半導体に直接つながる募集は、鹿沼のプロセス開発エンジニアと丸の内の営業(管理職候補)です。
半導体ウェーハ プロセス開発エンジニア
本社・鹿沼事業所のクリーンルームで、ウェーハのエッジ研磨、CMP、接合加工、測定・検査を行い、工程開発と設備保守・改善も担います。
公式採用情報生産管理/ディレクション(進行管理)
福山事業所で、顧客の要望と納期を確かめ、製造部門への指示、工程調整、品質や仕様のすり合わせを担います。
- Schedule
- Quality
- Coordination
応募前の3手
- 製品事業(研磨材)か受託事業(ウェーハ研磨)かを選ぶ
- エッジ研磨、CMP、接合、測定のどれに経験を当てるか決める
- 勤務地で選ぶ(プロセス開発は鹿沼、半導体営業は丸の内、生産管理は福山)
面接で使う技術語
- Edge Polish
- CMP
- Bonding
- Inspection
- MEMS
- Semiconductor Sales
- Distributor
- Management
- English
- Production Control
新卒はマイナビ2027、キャリアは公式サイトの中途採用エントリーフォームから応募します。
他社との違いを一言で
- CMPスラリー
フジミインコーポレーテッド
フジミは酸化膜、W、Poly-Si、Cu向けのCMPスラリーを製品として売ります。マイポックスはSiC・GaN・セラミックスの研磨を受託し、スラリーは主に自社の受託研磨用に作ります。
- 研磨フィルムによるSiCウェーハ端面研磨
TOPPANインダストリアルマテリアルズ
TOPPANもSiCウェハのベベル研磨に使う研磨フィルムを売ります。マイポックスはフィルムに加えて専用装置と受託研磨も持ちます。
- 光ファイバー・磁気ヘッド向けフィルム研磨材
三共理化学
三共理化学のミラーフィルムは光ファイバー端末や磁気ヘッド・ディスクを用途に挙げ、マイポックスの光ファイバー・HDD向け製品と用途が重なります。
出典12件
- IR 2027年3月期 第1四半期決算短信
- IR 2027年3月期 第1四半期決算説明資料
- 公式 採用サイト 事業紹介
- 公式 GC/WA研磨フィルム
- 公式 エッジ・ノッチ研磨
- 公式 平面研磨・スラリー
- 公式 平面研磨装置
- 採用 募集要項
ほか4件
- 公式 フジミ CMP製品
- 公式 TOPPAN 研磨フィルム
- 公式 三共理化学 ミラーフィルム
- IR 第96期 有価証券報告書(2026年3月期)