半導体材料 ペリクル・半導体工程用テープ
三井化学
ペリクルとウェハ加工テープで半導体工程を支える総合化学メーカー
総合化学の中で、半導体工程部材を含むICTソリューションが利益を伸ばしています。
ICTのコア営業利益369億円は全社の36.9%で、売上で17%の部門が利益の柱になりました。
三井化学の主な半導体向け部材は フォトマスク用のペリクル とウェハ研削用の イクロステープ™ です。 両製品を含むICTソリューションは2026年3月期にコア営業利益369億円を稼ぎ、全社の36.9%を占めました。
- 2026年3月期 ICTコア営業利益 369億円 前期比102億円増、全社コア営業利益の36.9%
- 2026年3月期 ICTコア営業利益率 13.2% 前期は9.6%、全社は6.0%
- 2027年3月期第1四半期 ICTコア営業利益 111億円 前年同期比23.3%増、売上収益は778億円
2026年3月期のセグメント別売上収益
- ベーシック&グリーン・マテリアルズ5,999億円
- モビリティソリューション5,154億円
- ICTソリューション2,795億円
- ライフ&ヘルスケア・ソリューション2,591億円
- その他149億円
この会社の要点
01立ち位置
何の会社として比べるか
三井化学は売上収益1兆6,688億円の総合化学メーカーで、半導体に関わる部材はICTソリューションに入ります。 2026年3月期のICTは売上収益2,795億円、コア営業利益369億円で、全社の利益の36.9%を稼ぎました。
ICTソリューションの売上収益とコア営業利益
ICTソリューション 売上収益
ICTソリューション コア営業利益
直近四半期のICTソリューション
ICTソリューション 第1四半期
ICTソリューション コア営業利益
フォトマスク用防塵カバー(三井ペリクル™)
露光工程でフォトマスクに塵が付いてウェハに結像するのを防ぐ保護膜です。 露光波長ごとに耐光性のある膜材料を選び、透過率99%以上を得られるよう膜厚を設計しています。 クラス1のクリーンルームでクリーンロボットシステムを使って製造し、KrF・ArFエキシマ用をそろえ、Nikon、Canon、ASMLのステッパーに対応します。 説明会資料はDUV、EUV、FPD向けを主な製品に挙げています。
- KrFエキシマ用ペリクル
- ArFエキシマ用ペリクル
- EUV用ペリクル
- FPD用ペリクル
半導体製造工程用テープ(イクロステープ™)
バックグラインド工程を中心に、ダイシングや耐熱工程など半導体製造の各工程に対応するテープブランドです。 加熱すると貼り付けた材料をストレスなく剥がせる熱剥離粘着テープもあります。 名古屋工場の主力製品で、決算短信は生成AI向けに需要が拡大している半導体の製造工程で使われると記載しています。
- イクロステープ™
- 熱剥離粘着テープ
- シリコーンコートフィルム SP-PET™
- 耐熱離型フィルム オピュラン®
半導体材料(ガス・レジスト原料)
有価証券報告書は半導体・実装ソリューションの主要製品として、成膜プロセス用高純度ガスのシラン・ジシラン、フォトレジスト原料のミレックス®を挙げています。 前工程から後工程・実装までの製品をそろえることを競争優位性に挙げています。
- シラン・ジシラン
- レジスト原材料 ミレックス®
- 可溶性ポリイミドワニス ピバール®
- 高周波基板材料 ギガフリーク®
02収益
どこで、どれくらい儲けているか
全社の利益はICTとライフ&ヘルスケア、モビリティが稼ぎ、ベーシック&グリーン・マテリアルズの損失が削る構造です。 2026年3月期はICTが102億円増益した一方、全社のコア営業利益は1,010億円から1,000億円へ減りました。
売上収益1兆6,688億円 / コア営業利益1,000億円
売上収益は前期の1兆8,092億円から減り、コア営業利益率は6.0%です。 ベーシック&グリーン・マテリアルズのコア営業損失は−184億円に広がりました。
売上収益2,795億円 / コア営業利益369億円
売上収益は前期比19億円増、コア営業利益は102億円増です。 半導体・光学材料とICTフィルム・シートの販売が伸び、コア営業利益率は9.6%から13.2%に上がりました。
売上収益778億円 / コア営業利益111億円
前年同期の690億円、90億円からそれぞれ増えました。 上期累計の予想は売上収益1,600億円、コア営業利益230億円です。
売上収益3,200億円 / コア営業利益410億円
全社では売上収益1兆9,000億円、コア営業利益1,050億円の予想です。 8月の第1四半期決算でも通期予想を変えていません。
2026年3月期のセグメント別コア営業損益
ICTソリューションのコア営業利益
03強みとリスク
強みと、リスク・検討点
強みは露光工程のペリクルと後工程のイクロステープ™を両方持ち、ICTで全社の6.0%を大きく上回る13.2%の利益率を出していることです。 弱点は、増強した設備の固定費と、市況で赤字を出す基礎素材部門の負担です。
強み
- 半導体部材を含むICTが全社利益の36.9%
2026年3月期のICTソリューションのコア営業利益は369億円で、全社1,000億円の36.9%です。 売上収益では全社の17%にとどまる部門が、半導体・光学材料とICTフィルム・シートの販売増で前期比102億円増やしました。 コア営業利益率13.2%は全社の6.0%を大きく上回ります。
2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結) - 露光工程と後工程の両方に部材を持つ
露光工程のフォトマスクを守る三井ペリクル™と、裏面研削・ダイシングで使うイクロステープ™を持ちます。 有価証券報告書は、前工程から後工程・実装領域の製品の技術力と生産体制、半導体メーカー・装置メーカーとの長年の技術蓄積を競争優位性に挙げています。
有価証券報告書 2026年3月期 - ペリクル事業の統合と品質
2023年7月に旭化成のペリクル事業を吸収分割で承継し、三井化学EMSが発足しました。 会社は三井ペリクル™を「世界をリードする」製品と表現しています。 透過率99%以上の膜をクラス1のクリーンルームで製造し、KrF・ArFからEUV、FPD向けまでそろえています。
有価証券報告書 2026年3月期 - ICTに厚く振り向けた研究開発
2026年3月期のICTソリューションの研究開発費は131億円で、全社の464億円の28.2%を占めます。 先端半導体製造プロセス向けのEUV露光関連材料や、ICT分野向けフィルム・シート材料の開発を進めています。
有価証券報告書 2026年3月期
リスク・検討点
- 能力増強の固定費が先に出る
2025年度のICTフィルム・シートは、販売数量が増えた一方でイクロステープ™の能力増強による固定費増加が利益を押し下げました。 2026年度の予想でも新設備稼働による償却費等の固定費増加と、拡販に向けたコスト増を減益要因に挙げています。
2025年度決算 説明会資料 - CNTペリクルの立ち上げ費用
第1四半期の説明資料は、2026年度上期のICTの減少要因に次世代EUV露光用CNTペリクルの立ち上げ費用を挙げています。 会社は日本に設けるCNTペリクルの生産設備を、2026年10月に能力5千枚で立ち上げる投資案件に挙げています。
2026年度第1四半期決算 説明会資料 - ICTセグメントに半導体以外の事業が混ざる
ICTソリューションは半導体・電子部品工程部材のほか、光学材料、不織布、リチウムイオン電池材料、高機能食品包装材料を含みます。 2026年3月期は不織布の販売が減りました。
2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結) - 為替と全社の赤字部門
2025年度のICTは円高による為替差損を減少要因に挙げ、2026年度第1四半期は円安による為替差益が増益を後押ししました。 2026年3月期の全社のコア営業利益は1,010億円から1,000億円へ減りました。 ベーシック&グリーン・マテリアルズは184億円のコア営業損失で、前期より70億円悪化しました。
2025年度決算 説明会資料 - 設備投資はモビリティより小さい
2026年3月期のICTの設備投資額は258億円で、モビリティの447億円より小さい規模です。 ICTの研究開発費は131億円です。
有価証券報告書 2026年3月期
04待遇
給与、初任給、休日、手当
2026年3月期の有価証券報告書では、三井化学本体の従業員5,198名、平均年齢40歳0ヶ月、平均勤続年数15年1ヶ月、平均年間給与871万7,118円(約871.7万円)です。 連結の従業員16,967人のうち3,420名がICTソリューションに属します。
- 平均年間給与
- 三井化学本体の平均年間給与は871万7,118円で、前事業年度から2.4%増えました。 有価証券報告書 2026年3月期 の従業員の状況に載ります。
- ICTの人員
- 連結のICTソリューションの従業員は3,420名で、連結全体の20.2%です。 三井化学本体では514名がICTソリューションに属します。
- 残業と休暇
- 新卒採用のQ&Aでは、残業は平均して月に21時間程度です。 年次有給休暇は入社2年目から年間20日で、半日単位で取れます。 新卒採用 Q&A に載ります。
- 勤務時間と休日
- 勤務時間は本社・支店・研究所が9時〜17時40分、工場が8時30分〜17時10分で、コアタイムなしのフレックスタイム制です。 年間休日は122日で、土日の完全週休2日制に祝日、年末年始、創立記念日(10月1日)が加わります。 キャリア採用【基本情報】 に載ります。
- 昇給・賞与と手当
- 昇給は年1回(7月)、賞与は年2回(6月・12月)です。 諸手当は通勤費、子育て・介護支援手当などで、独身寮・社宅は事業所ごとに用意しています。
- 新卒の休暇制度
- 新卒採用の福利厚生ページでは、年次有給休暇20日、結婚休暇(連続8日)、毎年連続2日のリフレッシュ休暇、有給の介護・看護・社会活動休暇を掲げています。 新卒採用 福利厚生 で一覧できます。
- 中途採用の比率
- 2023年度の総合職(C職)の採用は定期採用102人、中途採用173人で、中途採用比率は60.4%でした。 2018年度は45.5%です。
- ジョブローテーション
- 3〜5年を目安にジョブローテーションを行い、年に一度上司とキャリアを面談します。 社内公募制度もあります。
- 勤務地
- 総合職は国内各事業所に加え、海外を含む全ての事業所や営業所が勤務地になり得ます。 30歳未満の若手向けに約1年間の海外実務派遣研修制度があります。
2026年3月31日の連結従業員のセグメント別人数
- その他4,696名
- モビリティ4,088名
- ICT3,420名
- ライフ&ヘルスケア2,892名
- ベーシック&グリーン1,871名
05勤務地と職種
どこで、どんな仕事をするか
半導体向け部材の拠点は、イクロステープ™を生産する名古屋工場、ICTソリューション研究センターがあるVISION HUB™ SODEGAURA、評価・試作機能を加えた台湾工場です。 本社は東京の八重洲にあります。
主な勤務地・拠点
- 本社
- 東京都中央区八重洲2-2-1 東京ミッドタウン八重洲 八重洲セントラルタワー
- 名古屋工場
- 愛知県名古屋市南区。 IC製造プロセステープ(イクロステープ™)や太陽電池封止シートを生産し、Creating Integration Lab.®を開所しました従業員345名(関係会社を含む)
- VISION HUB™ SODEGAURA
- 千葉県袖ケ浦市。 7つの研究館と18の実験棟からなる研究開発の本拠地で、ICTソリューション研究センターがあります
- 台湾工場
- イクロステープ™の能力増強を行い、評価・試作機能を加えて現地での開発体制を拡充しました
採用ページの職種
- 基礎研究
- 開発研究
- 生産プロセス開発
- 設備エンジニア(機械・電気・計装)
- 品質保証
- 知的財産
- 営業・マーケティング・企画
- SCM
新卒は技術系と事務系のどちらか一方にエントリーします。 技術系で入社しても、将来事務系の職種に配属されることがあります。
配属までの流れ
- 技術系か事務系のどちらか一方を選んでエントリーする
- 内定後の面談で、本人の希望と適性、各職場のニーズから配属先が決まる
- 入社後は3〜5年を目安にジョブローテーションでキャリアを広げる
06これから
会社が次に取りにいくもの
会社は2027年3月期にICTソリューションで売上収益3,200億円、コア営業利益410億円を見込みます。 次世代EUV露光用CNTペリクル、イクロステープ™の台湾展開、AR向け光学樹脂ウェハが半導体・デジタル分野の柱です。
これからの材料
- EUV露光
- 次世代EUV露光用CNTペリクルの生産設備を2026年10月・5千枚の項目として掲げ、上期は立ち上げ費用を見込むと 2026年度第1四半期決算 説明会資料 に載ります。
- 半導体実装
- 有価証券報告書は、半導体実装技術を支える材料分野で社外との連携を活用し、次世代技術への対応を図ると記載しています。
次世代EUV露光用CNTペリクル
第1四半期の説明資料は、日本の次世代EUV露光用CNTペリクル生産設備を2026年10月・5千枚の項目として掲げています。 有価証券報告書も、先端半導体製造プロセス向けのEUV露光関連材料の開発を研究開発の柱に挙げています。 EUV露光の顧客がCNTペリクルを量産で採用し、立ち上げ費用を上回る販売数量に届くかで利益への寄与が決まります。
イクロステープ™の台湾増強と現地開発
説明会資料は、台湾のイクロステープ™能力増強380万㎡を2024年6月の項目に載せています。 2026年3月期には台湾工場に評価・試作機能を加え、名古屋工場のCreating Integration Lab.®とあわせて技術サービスで周辺領域への提案を加速しています。
2027年3月期 ICT 3,200億円の計画
会社はICTソリューションで売上収益3,200億円、コア営業利益410億円を予想し、半導体関連は生成AIの拡大による先端領域での需要増加を見込みます。 上期累計では売上収益1,600億円、コア営業利益230億円の予想です。 売上は前期比14.5%増、コア営業利益は11.1%増を見込みます。会社は新設備稼働による償却費等の固定費増加を減益要因に挙げています。
AR向け光学樹脂ウェハ
ARグラスの光導波路向け樹脂ウェハDiffrar®の開発を進め、屈折率1.67および1.74で12インチサイズの光学樹脂ウェハの開発に成功しました。 会社は、この屈折率と12インチサイズの組み合わせを自社調べで世界初としています。
07入口を選ぶ
専攻から、入口を1つに絞る
ペリクル(露光工程)とイクロステープ™(裏面研削・ダイシング)のどちらに自分の専攻が近いかを決め、技術系と事務系のどちらでエントリーするかを選びます。
研究・開発(開発研究)
事業戦略に基づく新製品の開発と既存製品の改良を担う職種です。 ICTの研究開発費は131億円で、VISION HUB™ SODEGAURAにICTソリューション研究センターがあります。 キャリア採用の採用業界実績には化学、半導体、電機が並びます。
公式採用情報プロセスエンジニア(生産プロセス開発)
研究の成果を製造プラントで実現するためのプロセス開発やスケールアップ検討を担います。 イクロステープ™は名古屋工場の主力製品で、台湾にも工場があります。
公式採用情報品質保証
研究・事業部と並走して品質評価基準を策定し、原材料や製造工程を調べ、納品先の顧客へのヒアリングで品質を担保する職種です。 三井ペリクル™はクラス1のクリーンルームで製造し、品質問題の原因解明と分析を技術サポートに掲げています。
- Quality Assurance
- Contamination
- Analysis
応募前の3手
- 三井ペリクル™とイクロステープ™の製品ページを読み、使われる工程と求められる特性をノートへ書く
- 2026年3月期と2027年3月期第1四半期のICTの売上収益・コア営業利益を書き出し、増益の理由を1行で説明する
- 職種紹介から研究開発、生産プロセス開発、品質保証、営業のうち志望する職種を選び、勤務地になる拠点を確かめる
面接で使う技術語
- Pellicle
- EUV
- Back Grinding Tape
- Polymer
- Adhesive
- Scale-up
- Film Processing
- Coating
- Process Engineering
- Cleanroom
技術系は化学系、化学工学、機械工学、電気・電子、情報・システム、土木・建築などの専攻が対象です。
他社との違いを一言で
- フォトマスク用ペリクル
信越化学工業
信越化学工業はエキシマレーザー対応のLSI用ペリクルと、第1〜第10世代サイズのFPD用ペリクルを製品ページに載せています。三井化学はKrF・ArF用に加えてEUV用をそろえ、Nikon、Canon、ASMLのステッパーに対応し、次世代EUV露光用CNTペリクルの生産設備を2026年10月・5千枚の項目として計画しています。
- バックグラインディング用・ダイシング用テープ
古河電気工業
古河電気工業は半導体ウエハの加工に使う粘着テープ・接着フィルムとして、バックグラインディング用テープ、ダイシング用テープ、ダイシングダイアタッチフィルムを扱います。三井化学のイクロステープ™はバックグラインド工程を中心に熱剥離粘着テープまで持ちます。両社とも裏面研削とダイシングの工程に製品を持ちます。
- ウェハ表面保護テープとダイシングテープ
リンテック
リンテックはUV硬化型ダイシングテープ、BG用表面保護テープ、チップ裏面保護テープなどを半導体関連テープとして展開しています。三井化学は工程用テープのイクロステープ™に加えて、露光工程のペリクルと成膜用ガスのシラン・ジシランも持ちます。
出典20件
- 公式 会社概要
- 公式 ICTソリューション
- 公式 三井ペリクル™
- 公式 イクロステープ™
- IR 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結) 2026年3月期
- IR 2027年3月期 第1四半期決算短信 2027年3月期第1四半期
- IR 2025年度決算 説明会資料 2026年3月期
- IR 2026年度第1四半期決算 説明会資料 2027年3月期第1四半期
ほか12件
- IR 有価証券報告書 2026年3月期 2026年3月期
- 採用 新卒採用
- 採用 新卒採用 三井化学の職種
- 採用 新卒採用 国内工場&研究所
- 採用 新卒採用 Q&A
- 採用 キャリア採用 職種紹介
- 採用 キャリア採用 制度・福利厚生
- 採用 キャリア採用【基本情報】
- 採用 新卒採用 福利厚生
- 公式 信越化学工業 ペリクル
- 公式 古河電気工業 半導体用テープ
- 公式 リンテック 半導体関連テープ