ファウンドリ / 先端ロジック 2nm世代ロジックファウンドリ
Rapidus
2nmを日本で量産へつなぐ会社
量産前の2nm世代ロジックファウンドリ。
量産開始は2027年度後半の計画で、手前の関門は2026年度の歩留まり向上と欠陥密度の目標達成です。
Rapidusは 北海道千歳市のIIM-1 で、2nm GAAプロセスによるロジック半導体の量産を目指すファウンドリです。 2026年度の計画 では、パイロットラインの歩留まりを上げ、欠陥密度の年度内目標を達成するとしています。
- 資本金・資本準備金合計 4,249億5,000万円 設立当初の73億円に、2026年2月と2026年6月の出資が加わった額です。
- 政府(IPA)出資総額 2,500億円 2026年2月の約1,000億円と、2026年6月の1,500億円です。
- 従業員数 1,024名 決算期末は12月31日です。
2026年2月の資金調達の出し手資金調達リリース
- 民間企業1,676億円
- 政府(IPA)1,000億円
この会社の要点
01立ち位置
何の会社として比べるか
Rapidusは、顧客の設計を受けてロジック半導体を作るファウンドリです。 量産前なので、規模は集めた資本と人数で、進み具合は日付の付いた節目で見ます。
資本を誰が出しているか
資本の出し手
資本金・資本準備金の合計は4,249億5,000万円です。
政府(IPA)出資の実行額
IPAの出資総額は2,500億円です。
2nm世代ロジックの前工程(IIM-1)
千歳市のIIM-1で、2nm GAAプロセスによるロジック半導体の開発と量産を担います。 2023年9月1日に起工し、2024年12月にASML製EUV露光装置NXE:3800Eを設置、2025年4月にパイロットラインを稼働させました。 量産開始は2027年の予定です。
- 2nm GAAプロセス
- NXE:3800E(EUV露光装置)
設計支援と一貫サービス(RUMS)
設計支援・前工程・後工程を一貫で提供するRUMSの構築を目指しています。 前工程は300mmウェーハを1枚ごとに処理する枚葉プロセスで、製造データをAIで解析して設計側へ返すRaadsと、設計と製造を同時に最適化するDMCOを組み合わせます。
- RUMS
- Raads
- DMCO
チップレット・パネルレベルパッケージ
機能の異なる複数のチップを1つのパッケージに組み合わせるチップレットパッケージを採用します。 パッケージの大型化に向けて600mm角でのパネルレベルパッケージ技術を開発し、チップを積層する3D化にも取り組むとしています。
- チップレットパッケージ
- パネルレベルパッケージ技術
解析センターとRCS(千歳)
2026年4月11日に、解析センターと後工程の研究開発拠点RCS(Rapidus Chiplet Solutions)を開所しました。 RCSはセイコーエプソン千歳事業所内にあり、2025年12月にRDLインターポーザパネルの試作品を製造しています。
- 解析センター
- RCS(Rapidus Chiplet Solutions)
02収益
どこで、どれくらい儲けているか
Rapidusは量産前の会社です。 ここでは2026年2月の資金調達の中身と、量産までの節目を並べます。
2,676億円
政府(IPA)が約1,000億円、NTT、キヤノン、ソニーグループ、ソフトバンク、日本政策投資銀行、富士通など民間32社が約1,676億円を出資しました。 設立当初の73億円と合わせ、資本金等は2,749億5,000万円になりました。
2,500億円
IPAは今後も金融支援を通じて、次世代半導体の製造基盤の整備に取り組むとしています。
2025年11月21日
情報処理の促進に関する法律に基づく公募で選ばれました。 研究開発ではNEDOの委託費の支援を2022年度から受けています。 会社は今後、国と民間の出資・融資で資金を確保するとしています。
2026年2月の資金調達
調達後の資本金等は2,749億5,000万円です。
03強みとリスク
強みと、リスク・検討点
Rapidusの強みは立ち上げの進み方です。 EUV露光装置の搬入後、露光・現像の成功、GAAトランジスタの動作確認、先行顧客向けPDKのリリースまでを、パイロットラインを動かした2025年度のうちに進めました。
強み
- 装置搬入から試作までの立ち上げが速い
2024年12月にEUV露光装置を搬入し、2025年4月1日にパターンの露光・現像に成功しました。 2025年6月までに200台以上の枚葉式製造装置を新しい搬送システムでつなぎ、2nm GAAトランジスタの試作と動作確認に進んでいます。
2nm GAAトランジスタ試作・動作確認(2025年7月18日) - 先行顧客が試作を始められる段階にある
2025年度は、パイロットラインの立ち上げと2nm GAAトランジスタの動作確認に加え、先行顧客向けに先行評価用PDKをリリースしました。 顧客がプロトタイピングを始められる環境を整え、年度の目標を達成したとしています。
NEDO 2026年度計画・予算承認(2026年4月11日) - 設計支援から後工程までを自社で一貫して提供する構想
多くの半導体企業が設計・前工程・後工程で分業する中、RapidusはRUMSとして3つを一貫で提供する計画です。 枚葉プロセスで集める大量の製造データを設計へ返すことで、会社は短期間での歩留まり向上と専用多品種の生産を見込んでいます。
事業と技術 - 設立直後からIBM・imecと組んでいる
2022年12月にIBMおよびimecと戦略パートナーシップを結び、2023年3月にimecのコアパートナープログラムへ参加しました。 2023年4月からは米国ニューヨーク州AlbanyのIBM拠点へエンジニアを派遣しています。
会社概要・沿革
リスク・検討点
- 量産技術はこれから詰める段階
2026年度は量産技術の開発を進め、短TAT生産システムに必要な装置・搬送システム・生産管理システムをパイロットラインに実装して検証する計画です。 歩留まり向上の施策と、欠陥密度の年度内目標の達成もこの年度の計画に入っています。
NEDO 2026年度計画・予算承認(2026年4月11日) - 量産までの資金は出資と融資に頼る
会社は国と民間の出資・融資で資金を確保し、研究開発フェイズから量産へつなげるとしています。 研究開発ではNEDOの委託費の支援を2022年度から受けています。
政府公募で事業者選定(2025年11月21日) - 最大の出し手は政府
IPAの出資総額は2,500億円になりました。 IPAは今後も金融支援を通じて、次世代半導体の製造基盤の整備に取り組むとしています。
IPA(情報処理推進機構)プレスリリース:Rapidusへの追加出資(2026年6月5日)
04待遇
給与、初任給、休日、手当
新卒の初任給は大学院(修士)312,000円、大学(学士)261,000円です。 勤務はフルフレックスで、年間休日は128日です。
新卒初任給(基本給)
大学院(博士)の初任給は経験に応じて個別に提示されます。
- 昇給・試用期間
- 昇給があります。 試用期間は3ヶ月で、期間中の労働条件は本採用と同じです( 新卒募集要項 )。
- 勤務時間
- フレックスタイム制(フルフレックス)で、毎日の標準労働時間は7時間30分です。 時差勤務もあります。
- 休日休暇
- 完全週休二日制(土・日)と国民の祝日で、年間休日は128日です。 年次有給休暇は20日で、入社初年度は入社月に応じた日数です。
- 諸手当・保険
- 通勤手当と残業手当があります。 加入保険は健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険です。
- 応募書類
- エントリーシート、研究概要書(または学んだ内容や自己PRに相当するもの)、成績証明書です。
05勤務地と職種
どこで、どんな仕事をするか
働く場所は東京本社、千歳のIIM-1・解析センター・RCS、海外です。 新卒は技術系総合職の一括募集で、キャリア採用は職種カテゴリ別です。
主な勤務地・拠点
- 東京本社
- 東京都千代田区麹町4丁目1番地 麹町ダイヤモンドビル本社機能
- IIM-1
- 北海道千歳市美々758-622nm世代の製造拠点
- 解析センター
- 北海道千歳市(IIM-1に隣接)故障解析・特性測定・信頼性試験
- RCS
- セイコーエプソン株式会社 千歳事業所内後工程の研究開発拠点
- 海外
- 米国ニューヨーク州AlbanyでIBMと共同開発(Rapidus US)前工程の開発
キャリア採用の職種カテゴリ
- 技術・量産開発
- 設計(前工程・後工程)
- 生産技術
- 品質保証・解析・評価
- データサイエンス・ソフト開発
- IT関連・セキュリティ
- サプライチェーン
- 建設
- 技術戦略・企画
- 経営・戦略企画
- ビジネスインテグレーション
- マーケティング
ほか2件
- 管理系
- 海外勤務
募集例にはFEOL要素プロセスエンジニア、Lithoエキスパート、BEOLプロセスインテグレーションエンジニア、FIB-SEM/TEMスペシャリストがあります。 雇用形態は正社員、契約社員、パートです。
06これから
会社が次に取りにいくもの
次の節目は、2026年度の歩留まり向上と欠陥密度目標、そして2027年度後半の量産開始です。 どちらも会社の計画です。
これからの材料
- 量産開始時期
- 会社は解析センターとRCSの開所を経て、2027年度後半からの量産へつなげる計画です( 解析センター・RCS開所リリース )。
- 2026年度の開発計画
- 前工程では顧客の設計に必要なPDKをリリースし、短TAT生産システムをパイロットラインで検証する計画です。 後工程ではRCSを本格稼働させ、3次元(2.xD、3D)パッケージ製造技術開発を進めるとしています( NEDO 2026年度計画・予算承認 )。
- 設計の短縮
- Rapidusはケイデンスとの協業で、設計TATの最大2倍改善を目標にしています( ケイデンスとのAI設計協業 )。
RCSの本格稼働と3次元パッケージ
2026年度はRCSのパイロットラインを本格稼働させ、3次元(2.xD、3D)パッケージ製造技術開発を進める計画です。 用途ごとのチップレットパッケージの設計とテスト技術も開発するとしています。 RCSのパイロットラインは量産化技術を確立するためのものです。
AI設計支援Raadsとケイデンスの統合
Raads製品群にRaads NavigatorとRaads Indicatorを加え、Cadence InnoStack AI Super Agentと統合しました。 アーキテクチャ探索からサインオフまでの設計タスクをAIエージェントで自動化します。 設計TATの最大2倍改善は会社の目標です。
2nmの次の世代の開発
技術戦略室が2nm以降の次世代技術の開発計画と性能目標を策定しています。 米国のRapidus USは、IBMとの共同開発で2nmとその先の技術のプロセス・デバイス・設計PDKの研究開発を担います。 2nm以降の技術は開発計画の段階です。
07入口を選ぶ
専攻から、入口を1つに絞る
前工程、設計・PDK、後工程パッケージ、生産技術、解析・評価のうち、自分が装置や測定に触れた区分を1つ選び、そこから応募職種を絞ります。
プロセス・デバイス開発(前工程)
エンジニアリングセンターのプロセス技術・デバイス技術にあたる仕事です。 キャリア採用には洗浄・CMP・イオン注入・熱処理・成膜を担うFEOL要素プロセス、リソグラフィ、BEOLプロセスインテグレーションの募集が並びます。
公式採用情報チップレットパッケージ開発(後工程)
エンジニアリングセンターのチップレットパッケージ技術にあたり、3Dパッケージや異種集積を開発する仕事です。 拠点はRCSです。
- チップレット
- RDLインターポーザ
- 3Dパッケージ
- 異種集積
応募前の3手
- IIM-1の前工程 / RUMSとPDK / RCSの後工程 / オペレーション本部 / 解析・評価から、担当したい区分を1つ選ぶ
- 研究や実務の成果を1つ選び、歩留まり、欠陥密度、実装信頼性、設計TATのどれと結ぶかを決める
- 研究員志望ならキャリア採用、それ以外は新卒募集要項から応募する
面接で使う技術語
- GAA
- EUV
- FEOL
- BEOL
- 歩留まり
- PDK
- ADK
- DMCO
- Raads
- EDA
他社との違いを一言で
- 先端ロジックの受託製造
TSMC
比べる点は量産の時期と事業モデルです。Rapidusは量産開始を2027年度後半と計画し、設計支援・前工程・後工程を一貫で提供するRUMSを掲げています。
- GAAトランジスタ
Samsung Foundry
比べる点はGAAの立ち上げ段階です。Rapidusは2025年7月18日に2nm GAAトランジスタの試作と動作確認を発表し、いまはパイロットラインで歩留まりを上げる段階です。
- 先端ロジックと後工程
Intel Foundry
比べる点は後工程の持ち方です。Rapidusは前工程に加え、千歳のRCSでチップレットとパネルレベルパッケージを自社開発しています。
出典15件
- 公式 会社概要・沿革
- 公式 IIM-1(北海道千歳)
- 公式 事業と技術
- 公式 IPA(情報処理推進機構)プレスリリース:Rapidusへの追加出資(2026年6月5日)
- IR 資金調達リリース(2026年2月27日)
- IR 政府追加出資リリース(2026年6月5日)
- 採用 新卒採用 募集要項
- 採用 キャリア採用 職種一覧