自動制御機器 空気圧機器・温調機器
SMC
空気圧機器を88万品目そろえ、半導体装置向けに温調・薬液・真空機器も持つ自動制御機器メーカー
88万品目の空気圧機器と温調機器を70万社の顧客へ売る会社で、半導体の設備投資が戻ると業績が大きく動きます。
2027年3月期第1四半期の売上高は35.4%増で、このうち売上数量の伸びは22.3%、為替が12.9%でした。
SMCは 空気圧機器 を主力とする自動制御機器メーカーです。 2027年3月期第1四半期の売上高 は2,709億円で、前年同期から35.4%増えました。
- 2026年3月期 売上高 8,425億円 前期比6.4%増。 2027年3月期は売上高1兆円を予想
- 2026年3月期 営業利益 1,905億円 前期比0.2%増、営業利益率は24.0%から22.6%へ
- 2027年3月期第1四半期 営業利益 739億円 前年同期比66.4%増、営業利益率27.3%
2026年3月期の仕向地別売上高顧客の所在地別
- 中国(香港を含む)2,349億円
- 欧州1,622億円
- アジア(中国を除く)1,589億円
- 日本1,588億円
- 米国837億円
- その他438億円
この会社の要点
01立ち位置
何の会社として比べるか
SMCは、空気圧機器を中心に温調機器、薬液用バルブ、高真空機器まで持つ自動制御機器の単一セグメント企業です。 2026年3月期の売上高は8,425億円、2027年3月期は1兆円を予想しています。
2025年3月期から2027年3月期予想までの売上高と営業利益
売上高
営業利益
どの国の顧客へ売っているか
仕向地別売上高(第1四半期)
温調機器(サーモチラー・サーモコン)
サーモチラーは温度コントロールした循環液で設備や装置の熱源を温調する製品です。 Webカタログには「SEMI規格適合」の区分があり、HRZがここに並びます。 決算説明会資料は、精緻な温度調節機能と省エネ性能が求められる半導体産業向けで販売を増やすとし、温調機器の売上は2026年3月期の609億円(連結売上高の7.2%)から、2027年3月期に730億円、2028年3月期に1,000億円へ伸ばす計画です。
- サーモチラー HRZ
- ノンフロン(CO2冷媒)対応冷凍式サーモチラー HRZC
- ペルチェ式温調装置 HECR
薬液用バルブ・プロセスポンプ
薬液を扱うラインに入る機器群です。 薬液用バルブLVC・LVA・LVH、管継手、フッ素樹脂のクリーン仕様チューブ、ダイヤフラム式のプロセスポンプPA/PAXとPBをカタログにそろえています。
- 薬液用バルブ LVC
- 薬液用バルブ LVA
- プロセスポンプ PA/PAX
- プロセスポンプ PB
高真空機器・プロセスガス用機器
真空チャンバーとガス配管に入る機器です。 高真空バルブXLA/C/F/G、スリットバルブXGT、AP Techブランドのプロセスガス用機器を扱います。
- 高真空バルブ XLA/C/F/G
- スリットバルブ XGT
- プロセスガス用機器 AP Tech
02収益
どこで、どれくらい儲けているか
利益は売上数量と為替で大きく動きます。 2026年3月期は原価率の上昇と人件費・減価償却費の増加で営業利益が前期並みにとどまり、2027年3月期第1四半期は増収で営業利益が66.4%増えました。
売上高8,425億円 / 営業利益1,905億円
売上高は前期比6.4%増、営業利益は0.2%増です。 原価率の上昇と人件費・減価償却費の増加で利益は伸びず、経常利益は為替差益で12.2%増の2,355億円でした。
売上高2,709億円 / 営業利益739億円
前年同期比で売上高は35.4%増、営業利益は66.4%増です。 中華圏の売上数量が37%増え、営業利益率は22.2%から27.3%へ上がり、米国関税還付額の一部が原価を押し下げました。
売上高1兆円 / 営業利益2,190億円
売上高は前期比18.7%増、営業利益は14.9%増の予想で、前提為替は1米ドル155円です。 第1四半期決算でも予想を変えていません。
設備投資1,502億円 / 研究開発費399億円
設備投資は前期比39.4%増で過去最高、売上高の17.8%です。 2027年3月期は設備投資1,000億円、減価償却費623億円、研究開発費470億円を見込みます。
温調機器の売上と計画
四半期ごとの売上高
03強みとリスク
強みと、リスク・検討点
強みは88万品目の品揃えと厚い在庫、80以上の国と地域の直販網、自己資本比率91.5%の財務です。 弱点は中国向けへの依存と価格競争、そして増員と償却で下がる利益率です。
強み
- 88万品目のワンストップ供給
空気配管上で使う機器すべてを製造販売する総合メーカーで、品揃えは88万品目に及びます。 在庫を厚めに持つ戦略で短納期即納の体制を組み、装置メーカーが部品をまとめて1社から買える状態をつくっています。
有価証券報告書 第67期 - 顧客と地域の分散
顧客アカウントは70万社で、世界80以上の国と地域に500以上の拠点網を持ち、約7,000名の営業スタッフと約2,000名の技術スタッフを置いています。 SMCは特定の業種・顧客への依存度が低い会社です。
有価証券報告書 第67期 - 不況期にも投資できる財務
自己資本比率は91.5%、現金及び現金同等物は5,737億円で、2026年3月期のフリーキャッシュフローは814億円のプラスでした。 会社は不況期にも設備投資を続け、需要回復期に他社より先に受注を取る戦略を掲げています。
2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) - 半導体の回復が数字に直結
2027年3月期第1四半期は、日本・北米・アジアでAI・先端半導体向け需要が高水準となり、売上高は35.4%増の2,709億円でした。 増収の内訳は売上数量が22.3%、為替が12.9%で、営業利益率は22.2%から27.3%に上がりました。
2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
リスク・検討点
- 利益率の低下傾向
営業利益率は2025年3月期24.0%、2026年3月期22.6%、2027年3月期予想21.9%と下がる計画です。 減価償却費は448億円から623億円へ38.9%増える見込みで、営業人員の増員による人件費も重なります。
2026年3月期 決算説明会資料 - 中国向けの比重と価格競争
2026年3月期の中国向け売上は2,349億円で全体の27.9%、2027年3月期第1四半期は879億円で32.4%まで上がりました。 決算説明会資料は、中国で国産化が加速し競合との価格競争が続いていると記載しています。
2026年3月期 決算説明会資料 - 為替に左右される利益
2026年3月期の経常利益の増益は為替差益が主因でした。 円高になると、SMCの外貨建売上高と利益は減ります。 SMCは外貨建の仕入を増やしていますが、モノづくりの本拠が日本にあるため対応には限界があります。
有価証券報告書 第67期 - 半導体の設備投資サイクル
2026年3月期は日本・北米・韓国の半導体関連の需要回復が年度後半にずれ込み、営業利益は0.2%増にとどまりました。 第1四半期の急増も同じ循環の上にあり、装置メーカーの投資が止まれば部品の受注も鈍ります。
2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
04待遇
給与、初任給、休日、手当
新卒の初任給は修士了29.8万円、学部卒27万500円で、年間休日は125日です。 2026年3月期の提出会社の平均年間給与は780万4,768円、平均年齢41.1歳、平均勤続年数19.7年です。
新卒初任給(月給)
- 新卒の初任給
- 2025年4月の実績で修士了29.8万円、学部卒27万500円、高専本科卒24.3万円です。
- 勤務時間と休日
- 勤務時間は8:30〜17:15で、完全週休2日、夏季・年末年始の休みがあり、年間休日は125日です。
- 平均年間給与
- 2026年3月期の提出会社は従業員6,560名、平均年齢41.1歳、平均勤続年数19.7年、平均年間給与780万4,768円(約780.5万円)です。 有価証券報告書 第67期 の従業員の状況に載ります。
- 福利厚生
- 独身寮、従業員持株会、団体定期保険、財形持家融資制度があり、住宅手当と通勤手当が付きます。 昇給は年1回、賞与は年2回です。
- 連結の規模
- 2026年3月期末の連結従業員は24,773人です。 技術職・営業職・企画業務職は配属先が通勤困難な場合に独身寮を使えます。
05勤務地と職種
どこで、どんな仕事をするか
本社は東京都中央区京橋にあり、研究開発の中核は2026年3月に開いた千葉県柏市のJapan Technical Centerです。 国内の量産は草加、筑波、下妻、釜石、遠野、矢祭の工場が担い、海外は中国・ベトナム・シンガポールなどに製造子会社があります。
主な勤務地・拠点
- 本社
- 東京都中央区京橋一丁目5番5号
- 研究開発
- Japan Technical Center(千葉県柏市)、筑波技術センター米国、英国、ドイツ、中国の技術センターと連携
- 国内工場
- 草加工場(埼玉県草加市)、筑波工場(茨城県常総市)、下妻工場(茨城県下妻市)、釜石工場(岩手県釜石市)、遠野工場(岩手県遠野市)、矢祭工場(福島県東白川郡矢祭町)
- 海外製造
- SMC中国製造、SMC北京製造、SMC天津製造、SMCベトナム製造、SMCシンガポール製造など
新卒採用の職種
- 製品開発
- 生産技術
- 製造技術
- 営業
- 企画業務
- 技能職
- 一般事務
総合職コース(技術職、営業職・企画業務職)と工場採用コース(技能職・製造職、一般事務職)の2コースで募集し、募集人数は技術職60~70名、営業職50名です。
06これから
会社が次に取りにいくもの
会社は2027年3月期に売上高1兆円を予想し、温調機器の拡販、3年で2,000名規模の営業増員、ベトナムでの生産拠点整備を進めます。
計画と直近の実績
- 売上高 8,425億円 2027年3月期予想は1兆円
- 温調機器の売上 609億円 2028年3月期計画は1,000億円
- 外勤営業人員 5,580人 2028年計画は6,730人
これからの材料
- 温調機器
- 半導体産業向けは微細化の進展で高性能品の需要が高いとし、顧客要望に応じた技術開発で販売を増やすと 2026年3月期 決算説明会資料 に載ります。
- 営業体制
- AI、データセンター、ヒューマノイドロボットなどで市場が広がるとして、直販営業人員を増やし、セールスアカデミーで新人を育てます。
- 生産体制
- 設備投資は2026年3月期の1,502億円から2027年3月期は1,000億円へ下がり、ベトナム工場や海外販売拠点へ向かいます。
温調機器を1,000億円へ
温調機器の売上を2026年3月期の609億円から、2027年3月期に730億円、2028年3月期に1,000億円へ伸ばす計画です。 半導体産業向けは微細化に伴う高性能品の需要が高いとし、一般産業用は環境対応チラーの拡販と内製化でコストを下げます。 391億円の上積みのうち半導体向けの高性能品がどれだけを担うかで、計画の達成度が決まります。
外勤営業を3年で1,150人増
外勤営業人員を2025年実績の5,580人から2028年計画の6,730人へ増やし、今後3年間でグローバルで2,000名規模の増員を目指します。 新人を早く戦力にするため「セールスアカデミー」を各国へ広げます。 増員の人件費は利益率を下げる方向に働きます。採用した営業がシェアの低い地域と業種で売上を伸ばせるかで結果が決まります。
ベトナムへの生産の複線化
有価証券報告書は、中国に匹敵する規模の生産拠点をベトナムに整備し、国内にも一定の供給能力を確保すると記載しています。 2027年3月期の設備投資1,000億円にもベトナム工場への投資が入ります。 中国の国産品優先の流れと、ベトナム拠点の立ち上げ速度のどちらが先に進むかで、中国向け売上と原価の両方が動きます。
メンブレン窒素発生器
圧縮空気の供給だけで濃度99.9%以上の窒素をつくる発生器を発売し、窒素ボンベと比べて約94%のコスト削減をうたっています。 食品、工作機械、半導体などを需要先に挙げています。 空気圧機器の顧客基盤へ横に売れるかが鍵で、半導体工場のガス供給設備での採用が続くかで寄与が決まります。
07入口を選ぶ
専攻から、入口を1つに絞る
温調機器、薬液用バルブ・プロセスポンプ、高真空機器のうち自分の専攻と重なる製品群を1つ選び、技術職と営業職のどちらで応募するかを決めます。
技術職(製品開発)
ユーザーニーズに合わせた新製品の設計・開発・研究を行う職種です。 主な勤務地は研究所(筑波技術センター)で、2026年3月には千葉県柏市にJapan Technical Centerが開きました。
公式採用情報営業職
国内外のユーザーへの提案営業、マーケティング、製品PRを行い、勤務地は全国の営業拠点です。 約100名超が日本から海外拠点に移って働いています。
- Technical Sales
- Semiconductor Equipment
- Global
- Distributor
応募前の3手
- サーモチラーHRZ、薬液用バルブLVC、高真空バルブXLAから1つを選び、半導体工場のどの装置に入るかをノートへ書く
- 2026年3月期と第1四半期の仕向地別売上を書き出し、中国向けの比率の変化を説明できるようにする
- 新卒募集要項の職種、勤務地、初任給、選考の流れを公式ページから書き出す
面接で使う技術語
- Pneumatics
- Thermo-chiller
- Fluid Control
- SEMI
- Product Design
- Production Engineering
- Automation
- Machining
- Factory
- Cost Reduction
技術職の募集学科は機械系、電気・電子系、材料系、金属系、化学系、情報・経営システム工学系などです。
他社との違いを一言で
- 半導体向けの薬液・ガス・真空・空圧制御機器
CKD
CKDの公式サイトは、半導体デバイス製造のファシリティから生産プロセス装置まで、薬液・ガス・真空・空圧制御のトータルソリューションを提案すると記載し、連結売上高は1,578億円です。SMCは同じ2026年3月期の売上高が8,425億円で、薬液用バルブ、プロセスポンプ、高真空バルブ、SEMI規格適合のサーモチラーをカタログに載せています。
- 半導体製造の自動化部品と温度制御
Festo
Festoの公式サイトは、蒸着・エッチング・イオン注入の高真空プロセスと、PRコーティングからCMPまでの大気圧プロセス向けに自動化ソリューションを提供し、ウェハチャックやプロセスチャンバーの温度制御を支援例に挙げています。SMCは温調機器の売上609億円を2028年3月期に1,000億円へ伸ばす計画で、半導体産業向けを重点にしています。
- 空気圧機器の国内メーカー
コガネイ
コガネイの会社概要は、事業内容に空圧並びに油圧機器、静電気応用機器、電動機器、流体制御機器の製作加工・販売を挙げています。SMCは空気配管上の機器すべてを製造販売する総合メーカーで、品揃えは88万品目、拠点は80以上の国と地域にあります。
出典16件
- 公式 会社情報
- 公式 Webカタログ 温調機器
- 公式 Webカタログ 薬液用バルブ/管継手&ニードルバルブ/チューブ
- 公式 Webカタログ 高真空機器
- IR 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) 2026年3月期
- IR 2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結) 2027年3月期第1四半期
- IR 2026年3月期 決算説明会資料 2026年3月期
- IR 2027年3月期 第1四半期 決算説明会資料 2027年3月期第1四半期
ほか8件
- IR 有価証券報告書 第67期 2026年3月期
- 採用 採用情報
- 採用 新卒募集要項
- 採用 キャリア採用
- 公式 CKD ファインシステム機器
- 公式 CKD 企業概要
- 公式 Festo 半導体産業のオートメーション
- 公式 コガネイ 会社概要