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電線・化合物半導体 InP・GaAs基板と光・電子デバイス

住友電気工業

InP基板から光通信用レーザまで作る情報通信部門

化合物半導体と光デバイスを持つ情報通信部門が、全社の増益を引っ張っています。
2026年3月期の増益975億円のうち59%をこの部門が稼ぎました。

住友電工は GaAs基板・InP基板 から 光通信用レーザや無線通信用GaNデバイス までを作ります。 2027年3月期第1四半期の情報通信の売上高は864億円で、前年同期より40.3%増えました。

  • 2026年3月期 情報通信の売上高 3,266億円 前期比46.3%増。 営業利益774億円、営業利益率23.7%
  • 2027年3月期第1四半期 情報通信の営業利益 272億円 前年同期は81億円。 営業利益率31.5%
  • 2027年3月期 情報通信の売上高 会社予想(期初) 5,000億円 前期比53.1%増、営業利益1,300億円を見込む

2026年3月期 情報通信関連事業の製品別売上高構成光ファイバ・ケーブル等 · アクセス系機器 · ファクトブック

  • 光ファイバ・ケーブル、通信用ケーブル・機器、光融着接続器49.8%
  • 光・電子デバイス製品29.1%
  • アクセス系ネットワーク機器12.4%
  • その他8.7%

この会社の要点

向いている入口 研究開発

物理、応用物理、材料、化学、電気電子の専攻で、結晶成長や光デバイスの研究経験がある人。

入口を選ぶ
主なリスク 成長計画が北米データセンター投資に寄る

会社は、生成AIの普及で北米ハイパーデータセンタ事業者などの設備投資が増え、高性能製品の需要が増えたと説明しています。 中期経営計画2028の情報通信の柱も、この市場向けのシェア向上と設備投資です。

強みとリスク
出典 出典一覧(16件)

公式 3件 / IR 6件 / 採用 4件 / 第三者 3件

01立ち位置

何の会社として比べるか

住友電工で最も大きいのは自動車関連事業です。 化合物半導体と光・電子デバイスは情報通信関連事業にあり、売上高は5つのセグメントで最も小さい一方、営業利益は自動車、環境エネルギーに次ぐ規模です。

実績と会社予想

情報通信関連事業の売上高と営業損益

売上高

億円 · ファクトブック
  • 2024年3月期 実績 2,060億円
  • 2025年3月期 実績 2,232億円
  • 2026年3月期 実績 3,266億円
  • 2027年3月期 会社予想(期初) 5,000億円

営業損益

億円 · ファクトブック
  • 2024年3月期 実績 −115億円
  • 2025年3月期 実績 199億円
  • 2026年3月期 実績 774億円
  • 2027年3月期 会社予想(期初) 1,300億円
2026年3月期

5つのセグメントの中での情報通信

セグメント別売上高

億円 · セグメント間取引を含む · ファクトブック
  • 自動車 2兆9,371億円
  • 環境エネルギー 1兆1,787億円
  • エレクトロニクス 4,090億円
  • 産業素材他 3,884億円
  • 情報通信 3,266億円

セグメント別営業利益

億円 · ファクトブック
  • 自動車 1,797億円
  • 環境エネルギー 906億円
  • 情報通信 774億円
  • エレクトロニクス 395億円
  • 産業素材他 313億円
化合物半導体材料

化合物半導体基板

GaAs基板はスマートフォン用パワーアンプ・スイッチ、LED、太陽電池用セルに使われます。 InP基板は光通信用モジュールなどに使われます。

  • GaAs基板
  • InP基板
化合物半導体デバイス

エピタキシャルウエハと光・無線デバイスの開発

光通信用では、データセンター用機器などに載る支線系対応製品と、長距離幹線機器向けのコヒーレント伝送用デバイスを開発しています。 無線通信用では高効率・高出力のGaNトランジスタを携帯基地局用途に製品化し、5G・次世代通信向けに効率と高周波・広帯域の性能を高めています。 材料では、InP系・GaAs系エピタキシャルウエハの新製品を開発しています。

  • InP系エピタキシャルウエハ
  • GaAs系エピタキシャルウエハ
  • コヒーレント伝送用デバイス
  • 基地局用GaNトランジスタ
光通信用レーザ・無線通信用デバイス

光・電子デバイス製品

光データリンク製品に使う半導体レーザとフォトダイオード、光コヒーレント通信装置向けの波長可変レーザや光レシーバを作ります。 無線では、GaN HEMT、GaAs FET、MMICが移動体通信、衛星通信、気象観測・航空管制レーダーに使われます。

  • 半導体レーザ
  • フォトダイオード
  • 波長可変レーザ
  • 光レシーバ
半導体製造装置

イオン注入装置・電子線照射装置

環境エネルギー関連事業のビーム・プラズマ分野で、パワー半導体用や高精細中小型フラットパネルディスプレイ製造用のイオン注入装置、材料改質用の電子線照射装置を開発しています。 会社は両装置の国内外での拡販に取り組むとしています。

  • パワー半導体用イオン注入装置
  • FPD製造用イオン注入装置
  • 電子線照射装置

02収益

どこで、どれくらい儲けているか

2026年3月期の情報通信の伸びは、データセンター向けの光配線製品、光ケーブル、光デバイスの需要によるものです。 製品別では光ファイバ・ケーブル等が82.6%、光・電子デバイス製品が34.7%伸びました。

2026年3月期 連結売上高

5兆1,101億円

前期比9.2%増。 営業利益は4,181億円で30.4%増え、ともに過去最高を更新しました。

2026年3月期 情報通信関連事業の売上高

3,266億円

生成AI市場の拡大でデータセンター向けの光配線製品、光ケーブル、光デバイスの需要が増え、46.3%増えました。 営業利益は774億円で、前期より575億円増えました。 会社は売上増に品種構成や生産性の改善が加わったと説明しています。

2027年3月期第1四半期 連結売上高

1兆3,305億円

前年同期比15.9%増。 営業利益は970億円で61.0%増えました。

2027年3月期第1四半期 情報通信関連事業の売上高

864億円

営業利益は272億円です。 会社は、データセンター向けの光配線機器や光デバイスの需要増に加えて、円安の影響もあったと説明しています。

2027年3月期 連結売上高の会社予想

5兆4,000億円

会社は営業利益4,500億円を見込みます。 第1四半期決算で、前回予想の売上高5兆3,000億円、営業利益4,250億円から引き上げました。

2026年3月期 情報通信の製品別売上高

億円 · ファクトブック
  • 光ファイバ・ケーブル、通信用ケーブル・機器、光融着接続器 1,625億円 前期比82.6%増
  • 光・電子デバイス製品 952億円 前期比34.7%増
  • アクセス系ネットワーク機器 406億円
  • その他 283億円

光・電子デバイス製品の売上高

2024年3月期〜2027年3月期 · ファクトブック
  • 2024年3月期 実績 545億円
  • 2025年3月期 実績 707億円
  • 2026年3月期 実績 952億円
  • 2027年3月期 会社予想 1,397億円

03強みとリスク

強みと、リスク・検討点

強みは、化合物半導体の基板からレーザまでを自社で持つ一貫体制と、データセンター向けレーザの位置取りです。 弱みは、成長の前提が北米データセンター投資に寄っていることです。 2024年3月期の営業赤字と直近四半期の前四半期割れが、需要の振れ幅を示しています。

強み

  • 基板からデバイスまで一社で作る

    5G通信や光通信を支える化合物半導体を、GaAs・InP・GaNの基板からデバイスまで一貫して開発・製造することを、会社は強みに挙げています。

    新卒採用 専攻と職種
  • データセンター向けレーザのシェア

    会社は変調器集積レーザや連続出力レーザを、高出力化・小型化などが評価された世界トップクラスシェアの製品と位置付けています。 中期経営計画2028では、北米ハイパーデータセンタ市場向けのシェア向上を目指しています。

    中期経営計画2028
  • 全社平均を大きく上回る利益率

    2026年3月期の情報通信の営業利益率は23.7%で、全社の8.2%を上回ります。 会社は、売上増に品種構成や生産性の改善が加わって増益になったと説明しています。

    2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)

リスク・検討点

  • 成長計画が北米データセンター投資に寄る

    会社は、生成AIの普及で北米ハイパーデータセンタ事業者などの設備投資が増え、高性能製品の需要が増えたと説明しています。 中期経営計画2028の情報通信の柱も、この市場向けのシェア向上と設備投資です。

    中期経営計画2028
  • 直近四半期は前四半期を下回った

    2027年3月期第1四半期の情報通信の売上高は864億円で、前四半期の1,060億円を下回りました。 営業利益も313億円から272億円になりました。 製品別では、光・電子デバイス製品が270億円から233億円へ、光ファイバ・ケーブル等が540億円から467億円へ下がっています。

    情報 Book 2027年3月期 第1四半期
  • 設備投資を大きく積み増す計画

    情報通信の設備投資は2026年3月期の237億円に対し、2027年3月期は720億円を計画しています。 研究開発費も222億円から300億円に増やす計画です。

    情報 Book 2025年度(2026年3月期)実績
  • 2024年3月期は営業赤字だった部門

    情報通信の営業損益は、2024年3月期に115億円の赤字でした。 光・電子デバイス製品の売上高も、その年は545億円でした。

    情報 Book 2025年度(2026年3月期)実績

04待遇

給与、初任給、休日、手当

新卒の初任給は学部卒月給30万6,000円、修士了月給32万6,200円、博士了月給35万7,700円です。 単体の平均年間給与は896万円、平均年齢43.2歳、平均勤続年数18.0年です。

新卒の初任給
学部卒月給30万6,000円、修士了月給32万6,200円、博士了月給35万7,700円です。 条件は 新卒採用 募集要項 に載っています。
勤務時間と休日
勤務時間は8:30~17:15(フレックスタイム制あり 標準労働時間:7時間45分)です。 年間休日は120日以上、年次有給休暇は20日です。
平均年間給与
単体の従業員7,209名の平均年間給与は896万円です。 2026年3月期 有価証券報告書 の従業員の状況に載っています。
勤務地と配属
勤務地は全国と海外の本社、製作所、支店、営業所、グループ会社で、エリア別採用はありません。 一部の部門・職種では、選考中のマッチングで初期配属を確約するコースがあります。
採用実績
2025年度の採用613名のうち、キャリア採用は202名で、比率は33%です。 キャリア採用 募集要項・採用実績 に年度ごとの実績があります。

05勤務地と職種

どこで、どんな仕事をするか

化合物半導体と光・電子デバイスに関わる拠点は、横浜製作所の情報通信分野の研究開発拠点、伊丹製作所のCrystal Lab.、子会社の住友電工デバイス・イノベーション(横浜市栄区の本社、山梨事業所、ベトナム)です。

主な勤務地・拠点

本社
大阪市中央区北浜研究本館「WinD Lab.」は大阪製作所内
横浜製作所
横浜市栄区。 情報通信分野の研究開発拠点データセンター向け光部品の新しい研究開発棟が稼働予定
伊丹製作所
兵庫県伊丹市。 2020年度に開所したCrystal Lab.がある
住友電工デバイス・イノベーション
横浜市栄区金井町の本社、山梨県中巨摩郡昭和町の山梨事業所、Sumiden Device Innovations Vietnam
公式採用の勤務地欄

新卒採用の職種

  • 研究開発
  • 製品開発
  • 生産技術
  • 機械設計
  • 電気電子設計
  • システム設計
  • 営業
  • 経理
  • 資材
  • 生産管理
  • 企画

情報通信関連事業の従業員は連結9,240名、単体1,537名です。

選考の流れ

  1. 採用サイトでプレエントリーし、会社説明会・セミナーに参加する
  2. 本エントリーでエントリーシートを提出し、SPI(テストセンター)を受ける
  3. 数回の面接を経て内々定
公式採用へ

06これから

会社が次に取りにいくもの

会社は中期経営計画2028で、情報通信の売上高を2028年度に9,700億円、営業利益を2,400億円へ伸ばす目標を掲げています。 全社では売上高6兆円、営業利益6,000億円が目標です。 柱は、レーザとInP基板の増産、GaNデバイスの用途拡大、光電融合です。

これからの材料

データセンター向け光通信
変調器集積レーザ・連続出力レーザとレーザ用InP基板の増産、超多心光ケーブルの増産投資を計画しています。 詳しくは 中期経営計画2028 にあります。
GaNデバイス
携帯基地局向けに加えて、レーダ・衛星分野や高周波加熱分野へ高効率GaNデバイスを広げる計画です。
研究開発費
情報通信の研究開発費は、2026年3月期の222億円から2027年3月期は300億円を計画しています。

情報通信の売上高目標

会社は中期経営計画2028で、情報通信の売上高を2028年度に9,700億円、営業利益を2,400億円へ伸ばす目標を掲げています。 会社は北米ハイパーデータセンタ市場に向けて高性能製品の設備投資を実施し、データセンタ市場向けの新製品開発を加速する計画です。

レーザとInP基板の増産

会社は、変調器集積レーザ・連続出力レーザとレーザ用InP基板の増産を、データセンタ向け光通信関連製品の主要な取組みに挙げています。 データセンタ棟間を結ぶ超多心光ケーブルの増産投資も、同じ取組みに並んでいます。

2027年3月期の製品別の会社予想

会社は2027年3月期に、光・電子デバイス製品の売上高を1,397億円、光ファイバ・ケーブル等を2,853億円と見込んでいます。 光・電子デバイス製品は前期比46.7%増の見込みです。

GaNデバイスの用途拡大

会社は携帯基地局向けの無線通信用GaNデバイスに加えて、高効率GaNデバイスをレーダ・衛星分野や高周波加熱分野へ広げる計画です。 携帯基地局の大容量・省電力化に向け、高速動作と省電力を両立するGaNデバイスを提供するとしています。

光電融合と横浜の新研究開発棟

会社はコンピューティング能力向上と消費電力低減を両立する光電融合に向けた新技術に取り組んでいます。 横浜製作所内に新たな研究開発棟が完成し、稼働する予定で、データセンター向けの光コネクタや光接続部品の技術開発を加速するとしています。 デバイス技術を生かした近赤外・中赤外領域の製品開発も進めています。

07入口を選ぶ

専攻から、入口を1つに絞る

化合物半導体基板、光通信用レーザ、GaNデバイスのうち自分の専攻と重なる製品を1つ選び、研究開発、製品開発、生産技術のどれで応募するかを決めます。

技術系

研究開発

材料からプロセスに至るコア技術を使い、新しい製品を生み出す職種です。 情報通信分野では、InP系・GaAs系エピタキシャルウエハや近赤外・中赤外領域の製品開発が進んでいます。

公式採用情報
技術系

製品開発(設計開発)

事業部門で市場に近い製品を開発する職種です。 光・電子デバイスでは、データセンター用機器向けの支線系対応製品、コヒーレント伝送用デバイス、携帯基地局用のGaNトランジスタを開発しています。

公式採用情報
技術系

生産技術 / 設備技術

情報通信部門はレーザとレーザ用InP基板の増産を計画しています。

  • Process Engineering
  • Yield
  • Equipment
  • Mass Production
公式採用情報

応募前の3手

  1. InP基板、GaAs基板、変調器集積レーザ、GaNトランジスタから1つ選び、用途と競合をノートへ書く
  2. 情報通信の売上高と営業損益を2024年3月期から2027年3月期の会社予想まで書き出し、増産投資の意味を説明できるようにする
  3. 募集要項の職種、勤務地、初任給、初期配属確約採用の対象を公式ページから書き出す
公式採用へ

面接で使う技術語

  • InP
  • GaAs
  • Epitaxy
  • Crystal Growth
  • Photonics
  • Laser Diode
  • Coherent
  • GaN HEMT
  • RF Design
  • Optical Transceiver

他社との違いを一言で

  • InP・GaAs基板

    AXT

    AXTはInP、GaAs、Geの基板を自社のVGF法で結晶成長させて作る基板メーカーです。住友電工はGaAs・InP基板に加えて、その上に作るレーザやGaNデバイスまで自社で手がけます。

  • データセンター向け光通信部品

    Coherent

    Coherentは光トランシーバや、レーザ・フォトダイオードを製品に掲げています。住友電工はレーザ・フォトダイオードに加えて、レーザ用InP基板を自社で作り、その増産を計画しています。

  • 情報通信を製品カテゴリに持つ電線メーカー

    フジクラ

    フジクラは製品カテゴリに情報通信を置き、用途にデータセンタを挙げています。住友電工の情報通信関連事業は、光ファイバ・ケーブル等に加えて光・電子デバイス製品と化合物半導体基板を持ちます。

比較の出典:フジクラ 製品情報(比較先) このページの出典一覧へ

出典16件

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