- 2025年12月期 売上高 890億円 前期比12.6%増で過去最高。 EBITは116億円
- 2026年上期 受注高 725億円 前年同期は295億円。 受注÷売上は2.0倍
- 2026年上期 売上高 358億円 前年同期比23.9%減。 EBIT率は7.0%
2025年12月期のセグメント別売上高
- Advanced Backend Solutions(露光・塗布・接合)618億円
- Photomask Solutions(マスク洗浄など)271億円
この会社の要点
01立ち位置
何の会社として比べるか
SUSSは、AI半導体のパッケージ工程とEUVマスクの洗浄に特化した装置メーカーです。 2025年12月期は売上高890億円で過去最高を更新し、2026年上期は減収のなかで受注が急回復しました。
2024年12月期から2026年12月期予想までの売上高
売上高
受注高
どの地域の顧客へ売っているか
地域別売上高
2026年上期の地域別売上高
仮接合・剥離装置
仮接合は、多段の加工中に薄いウェーハを守るため一時的に貼り合わせ、後で残渣なくはがす工程です。 年次報告書は、HBM(AI向け広帯域メモリ)でメモリウェーハを薄くする工程を支えると記載しています。 会社の推計ではシェア約45%の世界首位です。
- XBC300 Gen2(室温剥離・洗浄)
- XBS300(自動仮接合)
- DB12T(機械的剥離)
UV投影スキャナー・マスクアライナー
パッケージ工程で使うマイクロメートル域の露光装置です。 UV投影スキャナーはステッパーと違い、ウェーハ全面を1回の走査で露光します。 年次報告書はAIチップモジュールの主要なパッケージ工程で使われると記載し、マスクアライナーのシェアは会社推計で約50%です。
- DSC300 Gen3(200・300mm投影スキャナー)
- MA300 Gen3
- MA200 Gen3
- MA12 Gen3
コーター・デベロッパー
フォトリソグラフィ工程でウェーハに膜を均一に塗り、現像する装置です。 300mmの先端パッケージ向けで伸び、2025年の売上は前期比50%超増えました。 2026年上期には台湾の後工程受託会社から約203億円の大型受注を得ています。
- ACS300 Gen2(200・300mm)
- ACS200 Gen3(100〜200mm)
- ACS200 Gen3 TE
フォトマスク洗浄装置
前工程の露光で使う原版(フォトマスク)から、パターンに触れずにナノサイズの粒子を除去します。 会社の把握では、最先端ノードで認定されたマスク洗浄装置はSUSS製だけで、EUVリソグラフィでも使われています。
- MaskTrack Pro Series
- ASx Series
- HMx Series
ハイブリッド接合・永久接合装置
ウェーハ同士(W2W)や、チップとウェーハ(D2W)をハイブリッド接合する装置です。 2025年に完全自動のXBC300 Gen2 D2Wを発売しました。 永久接合の市場では、会社自身が挑戦者の立場だと記載しています。
- XBC300 Gen2 D2W/W2W
- XBC300 Gen2 SP
- XBS300 W2W
02収益
どこで、どれくらい儲けているか
売上の7割は後工程の装置ですが、利益率はマスク洗浄が上です。 2025年12月期のEBIT率はPhotomask Solutionsが28.1%、Advanced Backend Solutionsが8.2%でした。
売上高890億円 / EBIT 116億円
売上高は前期の790億円から12.6%増えました。 EBIT率は16.7%から13.1%へ下がり、粗利益率も39.6%から35.7%に落ちています。
受注高627億円 / 年末受注残472億円
受注高は前期の749億円から減り、売上高の0.70倍にとどまりました。 年末受注残も前期末の759億円から大きく減っています。
売上高358億円 / EBIT 25億円
前年同期の売上高471億円は半期で過去最高でした。 四半期ではQ1の153億円からQ2は205億円へ34.3%増え、EBIT率もQ1の4.3%からQ2の9.0%へ戻りました。
受注高725億円 / 6月末受注残838億円
Q1の264億円に続き、Q2は461億円と過去最高を更新しました。 受注残は2025年末の1.8倍で、約389億円は2027年に売上になる予定です。
売上高752億円〜858億円 / EBIT率8〜10%
中央値の805億円は前期比9.6%減です。 上期の結果を受けて、会社はこの予想を維持しました。
2025年12月期のセグメント別売上高とEBIT
四半期ごとの売上高
03強みとリスク
強みと、リスク・検討点
強みは、HBMの仮接合とEUVマスク洗浄という、AI半導体の増産に直結する2つの工程を押さえていることです。 弱点は顧客の集中で、2社で売上の39.0%を占めます。
強み
- HBM向け仮接合で世界首位
会社の推計では、仮接合・剥離装置のシェアは約45%で世界首位です。 AIチップ向けの設備投資が、2023年半ばから後工程セグメントの需要を牽引してきました。 2025年は、HBMなどを作る主要メモリメーカーへ仮接合・剥離装置を多数納め、接合装置が後工程セグメントの売上で最大の貢献をしました。
2025年12月期 年次報告書 - 最先端ノードで認定されたマスク洗浄装置
会社の調べでは、最先端ノードで認定されたマスク洗浄装置はSUSS製だけで、EUVでも使われています。 Photomask Solutionsの2025年12月期のEBIT率は28.1%で、後工程セグメントの8.2%を大きく上回りました。
2025年12月期 年次報告書 - AIパッケージ向け露光と塗布の伸び
UV投影スキャナーは台湾の大手受託製造会社の増産で伸び、Imagingの受注は約3分の1増えました。 UV投影スキャナーとコーターの2025年の売上は、それぞれ50%超増えています。
2025年12月期 年次報告書 - 厚い財務と研究開発への投資
2025年末の自己資本比率は62.2%です。 研究開発費は83億円で売上の9.3%にあたり、従業員の約21%にあたる320人が研究開発に就いています。 最も重要な研究パートナーはベルギーのimecです。
2025年12月期 年次報告書
リスク・検討点
- 2社で売上の39.0%
2025年12月期は売上の10%を超える顧客が2社あり、198億円と148億円でした。 合計347億円は売上の39.0%です。 最大顧客1社だけで22.3%を占めます。
2025年12月期 年次報告書 - HBM投資の波に左右される接合事業
HBM向けの仮接合・剥離装置は、2023年と2024年の高水準の受注の後、2025年は追加受注にとどまりました。 後工程セグメントの受注高は485億円へ減り、年末の受注残は328億円まで縮みました。
2025年12月期 年次報告書 - 後工程セグメントの利益率低下
Advanced Backend Solutionsの粗利益率は41.9%から33.0%へ、EBIT率は18.9%から8.2%へ下がりました。 装置組立の追加費用、立ち上げ支援の増加、台湾の新工場の費用が重なりました。
2025年12月期 年次報告書 - アジア偏重と中国の受注減
2025年12月期の売上の82.3%がアジア太平洋で、台湾が最大の単一市場です。 Photomask Solutionsでは中国顧客の受注が54億円減り、セグメント受注高は141億円に落ちました。
2025年12月期 年次報告書 - 部品の供給逼迫
2026年上期の半期報告書は、供給の逼迫に直面する取引先が増え、装置の完成と納入が遅れる可能性を挙げています。 受注残838億円を予定どおり売上に変えられるかが、2026年下期と2027年の業績を左右します。
2026年上期 半期報告書
04待遇
給与、初任給、休日、手当
待遇は国ごとに設計されています。 ドイツは年30日の休暇に2日の休日が加わり、日本法人は在宅勤務を認め、退職金や英語研修を用意しています。
- 日本法人の福利厚生
- 年金・健康・労災・雇用の各保険、退職金、健康診断、社員と管理職向けの英語と専門研修があります。 在宅勤務も可能です。 国別の福利厚生 の日本の項目に載ります。
- ドイツ本社・工場の働き方
- 生産部門を含むフレックスタイム、パートタイム、モバイルワークがあり、出張の移動時間も労働時間に数えます。 休暇は年30日で、クリスマスと新年に2日の休日が加わります。
- 米国・台湾の制度
- 米国は年136時間の有給休暇と、会社が4%を上乗せする401(k)年金があります。 台湾は入社初日から年10日の有給休暇と、14日の有給病気休暇があります。
- 職能別の人員
- 2025年末の従業員は1,497人(フルタイム換算)で、生産・技術801人、営業・マーケティング544人、管理152人です。 研究開発には320人が就いています。 2025年12月期 年次報告書 の従業員の節に載ります。
- 学生向けの制度
- インターンシップは3〜6か月で、ほかに学生アルバイトと卒業論文の受け入れがあります。 学生向けプログラム で内容を読めます。
05勤務地と職種
どこで、どんな仕事をするか
開発と生産はドイツのガルヒングとシュテルネンフェルス、台湾の竹北に集まります。 日本ではズース・マイクロテック株式会社が新横浜に拠点を持ちます。 日本の営業所は1980年代に開かれました。
主な勤務地・拠点
- 本社
- ドイツ・ガルヒング(ミュンヘン近郊)生産拠点を併設
- 欧州の生産拠点
- ドイツ・シュテルネンフェルスコーター、ボンダー、フォトマスク装置
- 台湾
- 新竹県竹北市2025年に新工場を稼働
- 日本
- ズース・マイクロテック株式会社(神奈川県横浜市港北区新横浜3-20-8)
- 米国
- カリフォルニア州コロナ、バーモント州ウィリストン
採用サイトの職種区分
- サービス・研修・顧客支援
- ソフトウェア開発
- アプリケーション・プロセス
- 生産
- 品質
- サプライチェーン
- 営業・製品管理
求人一覧には89件の求人が載っています。
06これから
会社が次に取りにいくもの
会社は2030年に売上1,327億円〜1,592億円、EBIT率20〜22%を掲げます。 パネル対応スキャナー、高NA EUV向けマスク洗浄、ハイブリッド接合が成長の柱です。
2030年の目標と2025年12月期の実績
- 売上高 890億円 2030年目標は1,327億円〜1,592億円
- 粗利益率 35.7% 目標は43〜45%
- EBIT率 13.1% 目標は20〜22%
- 研究開発比率 9.3% 目標は約11%
これからの材料
- 研究開発の増額
- 2026〜2030年の研究開発費を合計637億円〜672億円に増やし、売上比を約11%に上げると 2025年12月期 年次報告書 に載ります。
- 台湾の生産能力
- 竹北の新工場は使用面積18,000平方メートルで、うち約6,300平方メートルをクリーンルームの生産区画として整えました。 現地の生産能力を必要に応じて倍にできます。 2025年12月期 年次報告書 の生産体制の節に載ります。
- 2027年の受注
- 2026年6月末の受注残のうち約389億円は、2027年に売上になる予定です。 2026年上期 半期報告書 の見通しの節に載ります。
パネルレベルパッケージ向けスキャナー
次世代のUV投影スキャナーは、ウェーハに加えて310×310mmの角型基板も処理します。 2026年7月には、パネル処理用スキャナーの初号機を台湾の顧客へ出荷しました。 会社はUV投影スキャナーの成長余地をマスクアライナーより大きいと見ています。パネル対応機が量産ラインに採用されるかで、Imagingの伸びが決まります。
高NA EUV向けマスク洗浄の次世代機
高NA EUVリソグラフィ向けのMaskTrack SMART次世代機と、38〜90nmのミッドエンド向け洗浄装置を開発しています。 両方とも2026年下期の発売を予定しています。 2026年上期のPhotomask Solutionsの売上は95億円で、前年同期比44.7%減でした。
ハイブリッド接合とウェーハ洗浄
D2W、W2W、両方を1台で扱う装置まで、ハイブリッド接合の品ぞろえを広げています。 マスク洗浄の技術をウェーハ洗浄へ移す新製品も、2026年から順次投入します。 永久接合では会社自身が挑戦者だと位置づけています。D2Wでは一体型より部分装置を好む顧客が多く、表面処理だけの試作機を顧客先で評価中です。
2030年に売上1,327億円〜1,592億円
2030年までに年平均8〜12%の成長で、売上を1,327億円〜1,592億円へ伸ばす計画です。 粗利益率は43〜45%、EBIT率は20〜22%を目指し、サービス売上の比率を25%へ上げます。 下限でも2025年12月期の売上の1.5倍が必要で、会社は2026年を移行の年と位置づけています。
07入口を選ぶ
専攻から、入口を1つに絞る
仮接合、露光、塗布、マスク洗浄のうち、自分の専攻と重なる工程を1つ選びます。 そのうえで、ドイツ・台湾の開発生産と日本法人の販売サービスのどちらを入口にするかを決めます。
フィールドサービスエンジニア(Imaging)
Imaging(マスクアライナー・UV投影スキャナー)担当のサービス職です。 サービス職は顧客先で技術支援と研修を担います。
募集中の求人一覧接合装置の研究開発プロジェクトマネージャー
Bonding Systemsの開発プロジェクトを管理する職です。 2026年上期は仮接合・剥離とW2W・D2W接合の技術開発に研究開発が集中しました。
- プロジェクト管理
- HBM
応募前の3手
- XBC300 Gen2、DSC300 Gen3、ACS300 Gen2、MaskTrack Pro Seriesから1機種を選び、どの工程で何をする装置かをノートへ書く
- 2025年12月期と2026年上期の受注高・売上高を並べ、HBM向け接合と先端パッケージ向け塗布のどちらが伸びているかを書き出す
- 求人一覧で職種区分と勤務地を絞り、日本法人の募集があるかと福利厚生の条件を書き出す
面接で使う技術語
- UV投影露光
- マスクアライナー
- 据え付け
- 保守
- 装置ソフトウェア
- コーター
- ボンダー
- 構成管理
- ハイブリッド接合
- 仮接合
研究開発は光学、自動化、ソフトウェアの境界で進み、生産では光学部品や微細機構の調整を担います。
他社との違いを一言で
- 仮接合・剥離装置
EV Group
EV Groupの製品ページは、仮接合を3D IC、パワーデバイス、FoWLPのウェーハで重要な工程と位置づけ、自動仮接合装置EVG850 TBなどを載せています。SUSSは会社の推計で仮接合・剥離のシェア約45%の世界首位で、HBMのウェーハ薄化を主用途に挙げています。
- コーター・デベロッパー
東京エレクトロン
東京エレクトロンのLITHIUSシリーズには、High NA EUVからDUVまでの300mm前工程向け機種と、先端パッケージ向けのLITHIUS Pro APがあります。SUSSのコーター・デベロッパーのシェアは会社推計で約15%で、300mmの先端パッケージ向けで伸びています。
- 先端パッケージ向け露光装置
キヤノン
キヤノンのFPA-5520iVは先端パッケージ向けのi線ステッパーで、FOWLPの生産課題に対応すると記載しています。SUSSはUV投影スキャナーを、マスクアライナーとステッパーの間を埋めるコスト効率の高い技術と位置づけています。
出典23件
元データ: グローバルネット(株)「世界半導体製造装置・試験/検査装置市場年鑑2024」を基に経済産業省が作成。
- 公式 会社情報
- 公式 会社情報(日本語)
- 公式 製品・ソリューション
- 公式 仮接合装置
- 公式 永久接合装置
- 公式 UV投影スキャナー
- 公式 マスクアライナー
- 公式 コーター・デベロッパー
ほか15件
- 公式 フォトマスク洗浄装置
- IR 2025年12月期 年次報告書 SUSS Annual Report 2025 · 2025年12月期
- IR 2026年上期 半期報告書 SUSS Half-yearly financial report 2026 · 2026年1〜6月
- 採用 採用情報
- 採用 募集中の求人一覧
- 採用 研究開発の仕事
- 採用 サービスの仕事
- 採用 生産の仕事
- 採用 国別の福利厚生
- 採用 学生向けプログラム
- 採用 選考の流れ
- 公式 EV Group 仮接合・剥離装置
- 公式 東京エレクトロン コータ/デベロッパ LITHIUS
- 公式 キヤノン i線ステッパー FPA-5520iV
- 第三者 経済産業省「半導体・デジタル産業戦略の現状と今後」 p.5(2023年値)