流体機器 キャンドモータポンプ
TEIKOKU (旧帝国電機製作所)
液を漏らさないポンプで化学プラントと半導体装置を支える兵庫のメーカー
漏れない構造のキャンドモータポンプで稼ぐポンプ専業で、2026年3月期の売上の56.3%が化学プラント向けです。
半導体機器用(超純水)は2027年3月期1Qに前年同期比45.8%増と伸びましたが、同じ四半期の売上に占める比率は2.1%で、まだ小さな柱です。
TEIKOKUは ケミカル機器用ポンプとメンテナンス で2026年3月期売上の8割強を稼ぎます。 超純水用ポンプ では半導体機器向けの受注増に合わせ、試験設備用タンクを1基増設します。
- 2026年3月期 売上高 290億円 前期比4.8%減。 電子部品事業の停止と米国・中国の減少が響いた
- 2026年3月期 営業利益 49億円 前期比17.7%減。 売上総利益率は45.5%から42.6%へ低下
- 2027年3月期1Q 半導体機器用(超純水)売上 1.3億円 前年同期比45.8%増。 1Q売上63億円の2.1%
2026年3月期の製品種類別売上高
- ケミカル機器用163億円
- メンテナンス75億円
- 冷凍機・空調機器用23億円
- 電力用(地上用)8.5億円
- 電力用(車両用)7.8億円
- 定量注入機器6.7億円
- その他ポンプ・その他6.2億円
この会社の要点
01立ち位置
何の会社として比べるか
TEIKOKUは、軸封のないキャンドモータポンプを化学プラントへ納め、保守で稼ぐポンプ専業です。 2026年3月期は売上高290億円、営業利益49億円で、2027年3月期は310億円への増収を見込みます。
2024年3月期から2027年3月期予想までの売上高と営業利益
売上高
営業利益
どの地域で売っているか
所在地別売上高
国内と海外
半導体機器用キャンドモータポンプ(超純水)
TEIKOKUは半導体機器キャンドモータポンプを主要製品の一つにしています。 小型高速型は半導体洗浄装置や燃料電池、サーバー冷却に使われます。 2027年3月期1Qの半導体機器用(超純水)の売上は1.3億円で、前年同期の0.9億円から45.8%増えました。 小型高速キャンドモータポンプの公称仕様は吐出量最大100L/min、全揚程最大78m、モーター出力最大2,500Wです。
- 小型高速キャンドモータポンプ
- 基本型キャンドモータポンプ(F型)
- 多段型キャンドモータポンプ(F-M、R-M、B-M型)
- 自吸式キャンドモータポンプ(G型)
定量ポンプ(半導体機器・ケミカル機器)
一定量の液を正確に送る往復動ポンプで、TEIKOKUは半導体機器定量ポンプを主要製品に含めています。 ダイアフラム型は吐出量が最大で毎分3.9立方メートル、吐出圧最大50MPaで、用途には半導体も入ります。 2026年3月期の定量注入機器の売上は6.7億円で前期比18.2%増でした。
- テイコク定量ポンプ(ダイアフラム型)
- テイコク定量ポンプ(プランジャ型)
- 高圧注入装置
ケミカル機器用キャンドモータポンプ
2026年3月期の売上の56.3%、163億円を占める主力です。 ポンプとモータを一体化して取扱液を密閉する構造で、石油化学プラントを中心に使われます。 基本型F型の公称仕様は吐出量最大13m3/min、全揚程最大160m、モーター出力最大220kWで、ポンプ部だけでなくモータ部も自社で設計・製造します。
- 基本型キャンドモータポンプ(F型)
- リバースサーキュレーション型(R型)
- 高温分離型(B型)
- API685用キャンドモータポンプ
メンテナンス
2026年3月期の売上の25.8%、75億円を占めます。 前期比4.1%減でしたが、2027年3月期1Qは21億円で売上の33.2%まで上がりました。 TEIKOKUは製品を返送してもらう社内点検と、訪問による現地点検の両方を行います。
- 社内点検
- 現地点検
- 不具合の原因調査と再発防止策の提案
02収益
どこで、どれくらい儲けているか
利益の源泉はケミカル機器用ポンプとその保守です。 2026年3月期はケミカル機器用が163億円で56.3%、メンテナンスが75億円で25.8%を占め、半導体機器向けは2027年3月期1Qから独立した区分になりました。
売上高290億円 / 営業利益49億円
売上高は前期比4.8%減、営業利益は17.7%減で、営業利益率は17.1%です。 投資有価証券の売却益などで親会社株主に帰属する当期純利益は43億円と13.9%増えました。
売上高305億円 / 営業利益60億円
電子部品事業を含む前期の実績です。 電子部品事業は2024年12月末で停止しました。
売上高63億円 / 受注高88億円
売上高は前年同期比2.1%増、営業利益は8.3億円で27.8%減、営業利益率は13.1%です。 受注高は26.6%増え、受注残高は169億円になりました。
売上高310億円 / 営業利益50億円
高水準の受注残と米国市場の回復、円安を織り込んだ増収予想です。 原材料高と販管費の増加で営業利益はほぼ横ばいを見込みます。
2026年3月期の製品種類別売上高
売上高の推移と計画
03強みとリスク
強みと、リスク・検討点
強みは、漏れないポンプを化学プラントへ長く納めてきた実績と、売上の25.8%を占める保守です。 弱点は同じ集中の裏返しで、化学業界の設備投資と米国・中国の景気に業績が寄り、半導体機器向けはまだ1Qで1.3億円の規模です。
強み
- 漏れない構造で化学プラントに入り込んだ専業
TEIKOKUは無公害キャンドモータポンプで世界首位を自任しています。 2026年3月期の売上の56.3%がケミカル機器用です。 会社は長年の実績と信頼を競争優位の根拠に挙げています。 製品は1台ずつ全てに性能検査とリークチェックを行います。
2026年3月期 決算説明資料 - 売上の4分の1を占める保守
2026年3月期のメンテナンス売上は75億円で、売上の25.8%です。 据え付けたポンプが保守需要を生み、2027年3月期1Qは米国のアフターサービス増加でメンテナンス売上が21億円に増えました。
2026年3月期 決算説明資料 - 半導体機器向けで伸びる新しい区分
2027年3月期1Qから製品区分に半導体機器用(超純水)を立て、売上は前年同期比45.8%増の1.3億円でした。 2026年3月期も日本では半導体機器向けの受注が堅調で、1Qには韓国で半導体機器向けの大口受注を得ています。
2027年3月期 第1四半期決算説明資料 - 厚い自己資本と高い還元
2026年3月期末の自己資本比率は78.0%です。 2025年11月から12月に自己株式の公開買付けで34億円分を取得し、年間配当は133円でした。
2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
リスク・検討点
- 化学業界の設備投資への依存
有価証券報告書は、主要取引先である石油化学・化学業界の設備投資動向が業績に影響すると記載しています。 ケミカル機器用は2026年3月期に前期比1.3%減、2027年3月期1Qは4.9%減でした。 脱炭素で石油化学向け投資が大きく減る場合も、リスクとして挙げています。
2026年3月期 有価証券報告書 - 米国と中国の減速と競争激化
2026年3月期は主要市場の米国と中国で減収になりました。 会社は中期経営計画の未達要因に中国市場の低迷と競争激化、米国規格準拠製品の販売開始の遅れを挙げ、中国競合企業のアジア市場進出も警戒しています。
2026年3月期 決算説明資料 - 粗利率の低下
売上総利益率は2025年3月期の45.5%から2026年3月期は42.6%へ下がりました。 2027年3月期1Qの営業利益率は13.1%で、米国の関税影響やインドの前期高付加価値案件の反動減が響いています。
2027年3月期 第1四半期決算説明資料 - 半導体関連はまだ小さい
半導体機器用(超純水)の売上は2027年3月期1Qで1.3億円です。 同じ四半期のケミカル機器用29億円と並べると規模の差は大きく、半導体の設備投資が増えても全社業績への寄与は限られます。
2027年3月期 第1四半期決算説明資料 - 研究開発費の小ささ
2026年3月期の研究開発費は5.7億円で、売上高の2.0%です。 有価証券報告書は代替品や模造品の出現、価格競争の激化をリスクに挙げています。
2026年3月期 有価証券報告書
04待遇
給与、初任給、休日、手当
新卒の初任給は大学院卒25万9,300円、大学卒・高専卒(専科)24万4,900円です。 2026年3月期の提出会社の平均年間給与は743万6,185円で前期比4.5%増、平均年齢は40.7歳、平均勤続年数は17.2年です。
新卒初任給(月給)
- 新卒の初任給
- 2025年度実績で大学院卒25万9,300円、大学卒・高専卒(専科)24万4,900円、高専卒(本科)21万6,600円です。 募集職種と勤務地は 募集要項(新卒採用) にまとまっています。
- 平均年間給与
- 2026年3月期の有価証券報告書では、提出会社の従業員328名、平均年齢40.7歳、平均勤続年数17.2年、平均年間給与743万6,185円(約743.6万円)です。 2026年3月期 有価証券報告書 の従業員の状況に載ります。
- 休日と働き方
- 採用サイトの数字では年間休日120日(一斉有給5日を含まない)、有給休暇の平均消化率79.7%、月平均所定外労働7.1時間です。 数字で見るTEIKOKU で一覧できます。
- 勤務時間
- 新宮事業所は8:10〜17:00、営業所(西部営業所を除く)は8:30〜17:00です。
- 福利厚生
- 従業員持株会では会社が拠出金額の10%を奨励金として出します。 子の看護休暇と育児短時間勤務は小学生まで使えます。 福利厚生 に制度の一覧があります。
05勤務地と職種
どこで、どんな仕事をするか
本社と新宮事業所、光都工場は兵庫県たつの市にあり、技術職と情報システム職の勤務地は新宮事業所です。 営業所は東京・千葉・名古屋・大阪・北九州にあり、海外は米国・中国・インドに製造拠点を持ちます。
主な勤務地・拠点
- 本社・新宮事業所
- 兵庫県たつの市新宮町平野60番地技術職と情報システム職の勤務地
- 国内工場
- 光都工場(たつの市新宮町光都)、東京サービス工場(埼玉県草加市)子会社の帝伸製作所・上月電装もたつの市
- 国内営業
- 東京営業所・国際事業部(東京都中央区)、千葉出張所、名古屋営業所、大阪営業所、西部営業所(たつの市)、九州営業所(北九州市)
- 海外
- TEIKOKU USA INC.(米国ペンシルベニア州)、大連帝国キャンドモータポンプ有限公司(中国)、HYDRODYNE TEIKOKU(INDIA)(インド)台湾、シンガポール、韓国、ドイツに販売拠点
新卒・キャリア採用の職種
- 設計
- プロジェクト
- 開発
- 生産技術
- 営業
- 情報システム
- 機械設計(キャリア)
- 電気設計(キャリア)
- 海外営業(キャリア)
新卒の募集人数は10人程度です。 前半4つが新卒の技術職の区分です。
新卒の選考の流れ
- マイナビかはりまっちからエントリーし、会社説明会に参加する
- 応募書類の選考とWeb試験(SPI・適性検査)を受ける
- 個別面接を2回受けて内々定。 選考過程でショールームと本社工場を見学できる
06これから
会社が次に取りにいくもの
現在の中期経営計画(2025年3月期〜2027年3月期)の売上目標320億円は持ち越しになり、会社は次期中期経営計画を検討しています。 投資は超純水用ポンプの試験設備、LNG向け極低温試験設備、インド工場、たつの市の新工場用地に向かいます。
中期経営計画の当初目標と2026年3月期実績
- 売上高 290億円 2027年3月期の当初目標は320億円、修正計画は310億円
- 営業利益 49億円 当初目標は57億円、修正計画は50億円
- 営業利益率 17.1% 当初目標は17.9%
- ROE 13.5% 当初目標は14.0%
これからの材料
- 半導体機器向け
- 半導体機器向けの受注増加に合わせ、超純水用途向けキャンドモータポンプの試験設備用タンクを1基増設したと 2027年3月期 第1四半期決算説明資料 に載ります。
- 液化ガスと新燃料
- LNG等の液化ガス向けに約7.0億円の極低温試験設備を本社内に拡充し、新燃料船舶やCCS/CCUS向けの受注も得ています。
超純水用ポンプの試験能力の増強
半導体機器向けの受注増加に合わせて試験設備用タンクを1基増設し、納期短縮を狙います。 対象は超純水用途向けキャンドモータポンプです。 半導体機器向け受注が続くかと、増設した試験設備用タンクで納期をどこまで短縮できるかが焦点です。
LNG向けの極低温試験設備
LNG等の液化ガスの需要増加を見込み、本社内に約7.0億円で極低温試験設備を拡充し、2027年3月の完成を予定しています。 ポット型キャンドモータポンプの大型化に対応します。 LNGや新燃料船舶向けの受注が試験設備の稼働を埋めるかで投資の回収が決まります。
脱炭素市場とインド
発電、燃料、ケミカルリサイクルなど脱炭素市場の受注は2026年3月期に32億円で前期比8.6%減でした。 インド子会社の売上高は2026年3月期に約18億円まで伸び、増設工場が2026年7月から本格稼働しています。 脱炭素関連の受注は実証案件を含み、米国の政策転換で投資の時期がずれます。
たつの市の新工場
兵庫県たつの市龍野町に約36,000㎡の工場用地を約20億円で取得する合意書を結びました。 引渡しは2029年5月の予定で、本社工場の生産機能の一部と帝伸製作所、上月電装の移転を計画しています。 土地の引渡しは2029年5月の予定で、本社工場の生産機能の一部と国内子会社2社の移転を計画しています。
07入口を選ぶ
専攻から、入口を1つに絞る
超純水用、化学プラント用、定量注入用のうち関心のあるポンプを1つ選び、技術職・営業職・情報システム職のどれで応募するかを決めます。
技術職(設計・プロジェクト・開発・生産技術)
勤務地は新宮事業所(兵庫県たつの市)です。 製品は全てオーダーメイド生産で、設計部門はISO2858などの国際規格への対応を担います。
公式採用情報情報システム職
勤務地は新宮事業所で、情報系専攻が対象です。 決算説明資料はAI等のIT技術活用を推進するシステム推進課の設置を挙げています。
- IT System
- Design Efficiency
応募前の3手
- 小型高速キャンドモータポンプと基本型F型の公称仕様を製品ページから書き写し、半導体洗浄装置向けと化学プラント向けの違いをノートにまとめる
- 2026年3月期の製品種類別売上と2027年3月期1Qの半導体機器用(超純水)の伸びを書き出し、担当したい市場を決める
- 募集要項の職種、勤務地、初任給、選考の流れを公式ページから書き出す
面接で使う技術語
- Canned Motor Pump
- Ultra Pure Water
- API685
- ISO2858
- Leak Test
- Sales Engineer
- Chemical Plant
- Maintenance
- Semiconductor Equipment
- DX
新卒の技術職は理系学部なら専攻不問、営業職は文系理系を問わず応募できます。
他社との違いを一言で
- キャンドモータポンプ(ノンシールポンプ)
日機装
日機装の製品ページは、流量最大1000m³/h、全揚程最大600m、取扱液温度-130℃〜+450℃の仕様を掲げ、石油化学、電力、半導体、空調などで採用されていると記載しています。TEIKOKUの基本型F型は吐出量最大13m3/min、全揚程最大160mで、2026年3月期の売上の56.3%がケミカル機器用です。
- 欧州のキャンドモータポンプ専業
HERMETIC
HERMETICは1866年からポンプ技術を開発し、キャンドモータポンプの仕様として最大1600m³/h、揚程最大2,300m、液温-160℃〜+480℃を掲げています。TEIKOKUは欧州ではドイツの子会社TEIKOKU ELECTRIC GmbHで販売・サービスを行い、欧米の売上は2026年3月期に75億円でした。
- 半導体・液晶向けの薬液・超純水ポンプ
イワキ
イワキは半導体・液晶分野向けに超純水や薬液の移送制御技術を掲げ、ベローズポンプは最高耐久液温180度に対応します。TEIKOKUの半導体関連は超純水用キャンドモータポンプと半導体機器定量ポンプで、半導体機器用(超純水)の売上は2027年3月期1Qで1.3億円です。
出典21件
- 公式 会社トップ
- 公式 会社概要
- 公式 事業案内
- 公式 拠点一覧
- 公式 関係子会社
- 公式 キャンドモータポンプ 製品一覧
- 公式 定量ポンプ 製品一覧
- IR 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) 2026年3月期
ほか13件
- IR 2026年3月期 決算説明資料 2026年3月期
- IR 2027年3月期 第1四半期決算説明資料 2027年3月期第1四半期
- IR 2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結) 2027年3月期第1四半期
- IR 2026年3月期 有価証券報告書 2026年3月期
- 採用 採用情報
- 採用 募集要項(新卒採用)
- 採用 募集要項(キャリア採用)
- 採用 数字で見るTEIKOKU
- 採用 福利厚生
- 採用 会社紹介(採用)
- 公式 日機装 キャンドモータポンプ
- 公式 HERMETIC Canned Motor Pump
- 公式 イワキ 半導体・液晶分野