半導体材料 半導体製造用高純度化学化合物
トリケミカル研究所
絶縁膜・配線・エッチング用の高純度材料メーカー
半導体の絶縁膜、配線、エッチングに使う高純度材料のメーカー。
中間期はHigh-kが売上の48.5%を占め、伸び率はMetalの36.9%増が最大でした。
トリケミカル研究所は High-K材料やMo化合物などのSi半導体用材料 を作る山梨県の化学メーカーです。 会社は2027年1月期中間期の成長を 台湾・中国の先端半導体向けが中心 と説明しています。 中間期の売上は147億円で、前年同期より18.8%増えました。
- 2027年1月期 中間期売上高 147億円 前年同期比18.8%増。 上期として過去最高の売上・利益です。
- 2027年1月期 中間期営業利益 38億円 前年同期比20.8%増。 経常利益45億円には持分法投資利益6.4億円が入っています。
- 2027年1月期 会社予想 売上高 295億円 期初計画の270億円から上方修正。 営業利益は74億円を見込みます。
中間期の製品用途別売上2027年1月期中間期 · 最終顧客の製品使用用途で分けた連結売上
- High-k71億円
- Metal31億円
- Etching18億円
- Si半導体向け その他19億円
- Si半導体向け以外5.0億円
この会社の要点
01立ち位置
何の会社として比べるか
トリケミカル研究所は、半導体等製造用の高純度化学化合物を扱う単一セグメントの会社です。 2026年1月期の売上は238億円で、前期比26.3%増えました。 会社は2027年1月期の売上を295億円と見込み、期初計画から引き上げました。 海外売上比率は約80%です。
通期の実績と会社予想
連結売上高
連結営業利益
中間期の最終顧客所在地別売上
最終顧客所在地別
Si半導体用材料
絶縁膜用のHigh-K材料、強誘電体材料、Low-k材料、配線のシード層用とバリアメタル用の金属化合物、エッチング用材料を供給します。
- TEMAH / TEMAZr / TMA
- MoCl5 / MoCl6
- CCTBA / PDMAT / TDMAT
- HBr / HF / SiCl4
化合物・酸化物半導体用材料
高速データ通信、EV、グリーンパワー向けの化合物半導体と酸化物半導体に使う、薄膜プロセス用の高純度材料です。
- GaSb / InSb
- GaInAsP / GaInNAs
- GaN / BGaN
- Ga2O3
成膜試験・分析・容器
顧客の開発を支えるALD・熱CVD・プラズマCVDの成膜試験、純度・不純物・熱安定性の分析、容器の提案をします。 自然発火性物質や高圧ガスに対応する容器の取扱実績があります。
- 成膜試験
- 純度・不純物測定
- 熱安定性試験
- 高圧ガス用金属シームレス容器
02収益
どこで、どれくらい儲けているか
2027年1月期中間期は売上147億円、営業利益38億円でした。 用途別で最も大きいのはHigh-kで、前年同期より17.3%増えました。 伸びが最も大きいのはMetalで、36.9%増です。
製品用途別売上
メモリー向けとロジック向けの売上
ロジック向けは前年同期比39.4%増、メモリー向けは12.1%増です。
03強みとリスク
強みと、リスク・検討点
強みは、6N以上の純度と少量多品種の対応力、日本・台湾・韓国の製造拠点です。 確かめたい点は、台湾・中国への売上集中と、柱のHigh-kから伸び筋のMetalへ移る速さです。
強み
- 超高純度と少量多品種
6N(99.9999%)以上の超高純度化学薬品を、約2,000種の少量多品種で供給できる体制です。 会社は、特定の半導体製造用材料で世界トップクラスのシェアを持つとしています。
3Stepで分かるトリケミカル研究所 - 開発を役割ごとに分けた体制
開発機能を、新しい材料を作る新規開発課、顧客ごとに材料を合わせる技術開発課、量産の工程を設計する材料開発課、成膜評価とプロセス開発を担う開発企画課の4つに分けています。
2026 統合報告書 - 日本・台湾・韓国の製造拠点
国内、台湾、韓国に製造拠点を持ち、数ミリグラムからトン単位まで顧客の要望に合わせて製造できる体制です。
2026 統合報告書 - 成膜試験と容器まで含めた提案
材料の販売に加えて、ALDやCVDの成膜試験、純度や不純物の分析、顧客の製造ラインに合う容器の提案までを手掛けます。
サービス(デモ成膜等)
リスク・検討点
- 台湾・中国向けへの集中
中間期の最終顧客所在地別売上は、中国58億円、台湾49億円で、合わせて連結売上の73.4%です。 前年同期比で中国は25.5%増、台湾は36.9%増でした。
2027年1月期 第2四半期(中間期)決算短信 - 中国・韓国の利益貢献は下がる想定
会社は、中国や韓国の利益貢献は今がピークで、今後は徐々に下がると想定しています。 韓国の持分法適用会社SK Tri Chemでは原材料高騰と販売単価の下落、中国の合弁会社AD-Trichemでは新工場の費用先行を見込んでいます。
2026 統合報告書 - NAND向け材料の投資先送り
会社は、DRAM投資が優先され、NANDフラッシュメモリ向け材料の投資が1年程度先送りになっていると説明しています。
2026 統合報告書 - 国内向けの原料調達
会社は下期の見通しで、国内向けの一部原料(光ファイバー向け)が中国の規制で調達できないとしています。 Si半導体向け以外の用途が期初計画に届かない要因は、国内向け販売の不振としています。
2027年1月期 第2四半期 決算説明資料 - 製造現場の人員構成
社外取締役は、製造部門で派遣社員の比率が高止まりしていることを、安全リスク管理の観点から重要なテーマに挙げています。
2026 統合報告書
04待遇
給与、初任給、休日、手当
新卒の初任給は修士了28.2万円、学部卒26.6万円です。 勤務時間は8:30~16:30で、2023年度の休日数実績は139日です。
新卒初任給(月給)
- 昇給・賞与・手当
- 昇給は年1回、賞与は年2回です。 住宅手当は最高4万円、家族手当は最高5万円で、通勤手当は上限なしの実費支給です。 給与の一覧は 新卒者採用要項 にあります。
- 勤務時間
- 勤務時間は8:30~16:30で、フレックス勤務制があります。 一部製品には交代勤務制があります。
- 休日・休暇
- 土日祝祭日、年末年始、夏季の休暇に加え、最長10日の長期休暇があります。 2023年度の休日数実績は139日です。
- 採用人数
- 2024年の大卒採用実績は13名です。 研修には海外研修、国内留学制度、新入社員研修があります。
- 人材育成
- 会社は毎年、化学分野を専攻した学生を中心に約20名を採用し、現場経験を重視した研修を整えるとしています。 方針は 会社紹介ページ にあります。
05勤務地と職種
どこで、どんな仕事をするか
新卒の勤務地は、上野原市の本社工場・第二工場・Annex棟と、南アルプス市の南アルプス事業所です。 台湾には新竹科学工業園区の銅鑼園区に工場があります。
主な勤務地・拠点
- 本社工場
- 山梨県上野原市上野原8154-217新卒の勤務地
- 上野原第二工場
- 山梨県上野原市上野原8154-16新卒・キャリア採用の勤務地
- Annex棟
- 山梨県上野原市上野原8154-29新卒の勤務地
- 南アルプス事業所
- 山梨県南アルプス市下今井1020-1新規材料の生産拠点
- 台湾工場(三化電子材料股份有限公司)
- 台湾苗栗縣(新竹科学工業園区 銅鑼園区内)海外の製造拠点
募集職種と仕事
- 製造職
- 製造プロセスの構築
- 開発職
- 新規材料の開発
- 性能評価
- 分析職
- 製品・原材料の化学分析
新卒で募集する職種と、その職務内容です。
06これから
会社が次に取りにいくもの
会社は2027年1月期の売上を295億円(前期比23.5%増)、営業利益を74億円(同26.2%増)と見込みます。 修正予想の営業利益率は25.3%で、期初計画の22.2%を上回ります。
これからの材料
- 下期の施策
- 会社は下期の施策に、南アルプス事業所での次世代半導体材料の生産体制構築と、顧客動向を見据えた中長期的な生産能力向上の準備を挙げています。 詳細は 決算説明資料 にあります。
- 中国合弁会社のHigh-k材料
- 会社は、AD-Trichemの新工場で来年度中にHigh-k材料の試運転を始め、顧客評価を経て2029年1月期には一定の数字を出す予定としています。 計画は 2026 統合報告書 にあります。
- 新製品の開発
- 開発部を中心に、今後5年間で新製品10件の開発を目指しています。 方針は 製品開発方針 にあります。
ロジック向けMetal材料を伸ばす
会社は、微細化で配線工程が増えるため、生成AI向けロジックICのバリアメタルに使うMetal材料が台湾や国内向けを中心に3年後には倍増すると想定しています。 新規クライオエッチング材料の増産要請も増えているとしています。 会社は、メモリ向けのHigh-k材料が引き続き収益の柱だとしています。
南アルプス事業所の生産体制
南アルプス事業所は2025年3月に建てた新規材料の生産拠点で、2026年1月期に最初の生産ラインの設置を終えました。 会社はフラッシュメモリ向けエッチング材料のライン拡充と、Metal・High-k材料の生産体制構築を計画しています。 中期経営計画期間の設備投資は、南アルプス事業所の製造棟の設備増強の前倒しを含めて3年間で122億円の計画です。
中期経営計画の目標
2029年1月期を最終年度とする中期経営計画で、会社は売上高317億円を目標にしています。 売上高営業利益率は25%程度の水準を保つ方針です。 会社は、計画初年度の営業利益率は下がるものの、その後27.3%まで回復する見込みとしています。
07入口を選ぶ
専攻から、入口を1つに絞る
High-K材料、配線用の金属化合物、エッチング用材料のうち関心のある分野を1つ選び、製造、開発、分析のどこで関わりたいかを決めます。
応募前の3手
- Si半導体用材料の一覧から材料を1つ選び、絶縁膜、配線、エッチングのどれに使うかを確かめる
- High-kとMetalの売上の動きを見て、会社が今後伸ばしたい分野を自分の言葉で説明できるようにする
- 採用情報で初任給、勤務地、勤務時間、選考方法を確かめ、製造・開発・分析から入口を選ぶ
面接で使う技術語
- 製造
- 製造プロセス
- 高純度
- 安全
- 品質
- 材料開発
- 性能評価
- 成膜
- High-k
- Metal
採用予定学部・学科は化学、電気、電子、物理、機械系です。
他社との違いを一言で
- エッチングガスとALD/CVD材料
ADEKA
ADEKAは高純度エッチングガスのCl2、HBr、BCl3と、TDMAHやTEMAZなどのALD/CVD材料を作ります。トリケミカル研究所もHBrやBCl3、TDMAHやTEMAZrを扱い、製品が重なります。
- 成膜材料と容器・供給網
Air Liquide(ALOHA)
ALOHAはSilicon、High-k、Metals向けの成膜材料に加え、容器と供給の技術、主要な半導体国での流通網を持ちます。研究開発拠点は日本、韓国、米国にあります。
- 前駆体と供給・精製機器
Entegris
EntegrisはALD/CVD前駆体に加え、固体・液体の化学品供給システムや、ガス・液体のろ過・精製機器を扱います。トリケミカル研究所は材料と成膜試験、分析、容器の提案が中心です。
出典19件
- 公式 公式サイト
- 公式 3Stepで分かるトリケミカル研究所
- 公式 会社概要
- 公式 工場紹介
- 公式 製品案内
- 公式 Si半導体用材料
- 公式 化合物・酸化物半導体用材料
- 公式 サービス(デモ成膜等)
ほか11件
- 公式 製品開発方針
- 採用 採用情報
- IR 2026年1月期 決算短信
- IR 2027年1月期 第2四半期(中間期)決算短信
- IR 2027年1月期 通期業績予想の修正
- IR 2026 統合報告書
- 公式 ADEKA 半導体材料
- 公式 Air Liquide ALOHA
- 公式 Entegris Deposition
- IR 2027年1月期 第2四半期 決算説明資料
- IR 2026年1月期 有価証券報告書