半導体材料 / フォトマスク部材 EUV露光用フォトマスクブランクス・合成石英ガラス
AGC Electronics
EUVマスクの原版と、露光機レンズのガラスをつくる会社
EUV露光用フォトマスクブランクスと合成石英ガラスを福島で作る、AGCの製造子会社。
鍵はEUVブランクスの出荷回復です。 2026年上期はその出荷が回復途上で、AGC電子セグメントは増収でも製造コストの上昇で営業利益が57億円減りました。
AGC Electronicsは、半導体の露光工程向けの材料メーカーです。 EUV露光用フォトマスクブランクス と、露光機レンズやフォトマスク基板になる合成石英ガラスを作ります。 親会社AGCの 電子セグメントは2025年12月期に売上高3,551億円、営業利益475億円 で、営業利益率13.4%は連結の6.2%を上回ります。
- 2025年12月期 電子セグメント 営業利益 475億円 売上高3,551億円に対し営業利益率13.4%。 AGC連結は6.2%です
- 2026年上期 電子セグメント 営業利益 187億円 前年同期の244億円から57億円減。 増収でも製造コストが上がりました
- 2026年12月期 電子セグメント 会社予想 営業利益 450億円 売上高は3,600億円を見込みます
2026年上期 電子セグメント売上高1,744億円の内訳2026年1月〜2026年6月 · 億円 · 決算説明会資料
- ディスプレイ900億円
- 電子部材(半導体関連部材など)831億円
- セグメント間12億円
この会社の要点
01立ち位置
何の会社として比べるか
AGC Electronicsは、EUV露光の原版になるフォトマスクブランクスと、露光機レンズやフォトマスク基板になる合成石英ガラスのメーカーです。 業績はAGCの電子セグメントで開示され、2025年12月期の売上高は3,551億円、AGC連結の17.2%です。
AGCの中で、電子セグメントがどれくらいか
2025年12月期 セグメント別の売上高
AGC連結の売上高は2兆588億円です。
2025年12月期 セグメント別の営業利益
AGC連結の営業利益は1,275億円、営業利益率は6.2%です。
増収でも減益だった電子セグメント
電子セグメントの売上高内訳
電子部材は半導体関連部材と光学関連部材です。 EUVブランクスの出荷は回復途上で、その他の半導体関連部材とオプトエレクトロニクスの出荷が増えました。
電子セグメントの営業利益
売上は増えたものの製造コストが上がり、ディスプレイでは円安がマイナスに働きました。
EUV露光用フォトマスクブランクス
EUV露光装置用マスクの原版になるブランクスを、ガラス材料から膜材料まで一貫して作ります。 低膨張ガラスの生産、超高平坦度研磨、超精密洗浄、高精度・低欠陥成膜、微小欠陥の検査・評価、分析・解析の技術を使います。 製造に必要な生産技術と、次世代ブランクス向けのガラス・膜の材料開発も行っています。
- EUV露光装置用マスクブランクス
合成石英ガラス
半導体製造に使う高純度の合成石英ガラスです。 深紫外線から赤外線までの高い透過率、屈折率の均質性、低い複屈折、耐熱性、低い熱膨張、高エネルギーレーザーへの耐久性を特長に挙げています。
- 半導体露光機用レンズ
- 液晶露光用レンズ
- フォトマスク基板
- ガラスウェハ
ガラスフリット・ペースト製品 / 光デバイス
ブランクスと合成石英ガラスのほかに、ガラスフリット・ペースト製品と光デバイスの事業を持ちます。 本宮事業所はフリット・ペースト専用工場として建てられ、のちにブランクスの量産も始まりました。
- ガラスフリット・ペースト製品
- 光デバイス
AGC電子カンパニーの半導体関連製品
AGCの電子カンパニーは、露光機用レンズ材、EUVマスクブランクス、CMPスラリーを半導体関連の柱に挙げています。 今後はパッケージング用部材の売上拡大を目指すとし、ガラスキャリアに加えて、ガラスインターポーザ向けやガラスコア向けのTGV基板を開発品として掲げています。
- 露光機用レンズ材
- EUVマスクブランクス
- CMPスラリー
- ガラスキャリア
02収益
どこで、どれくらい儲けているか
2025年12月期の電子セグメントは売上高3,551億円、営業利益475億円でした。 2026年上期は営業利益率が10.7%に下がり、会社は通期の営業利益を450億円と見込みます。
売上高3,551億円 / 営業利益475億円
AGC連結の売上高2兆588億円の17.2%です。 営業利益率は13.4%で、連結の6.2%を上回ります。
売上高1,744億円 / 営業利益187億円
前年同期は売上高1,681億円、営業利益244億円でした。 電子部材は831億円で前年同期より59億円増えました。 EUVブランクスの出荷は回復途上で、製造コストが上がりました。
電子 売上高3,600億円 / 営業利益450億円
会社は第2四半期決算で通期見通しを据え置きました。 連結は売上高2兆2,000億円、営業利益1,500億円を見込みます。
電子セグメント売上高:実績と会社予想
上期実績は2026年1月〜2026年6月の半期分です。
電子セグメントの営業利益率
会社予想の列は、会社が見込む売上高と営業利益から求めた値です。
03強みとリスク
強みと、リスク・検討点
強みは、EUVブランクスを硝材から膜まで一貫して作る体制と、ArF露光装置用レンズ材の高いシェアです。 2026年上期はEUVブランクスの出荷が回復途上で、電子セグメントは製造コストの上昇で減益でした。
強み
- EUVブランクスで二強の一角
AGCはEUVマスクブランクスで、世界市場の二強体制の一角と位置付けています。 硝材から研磨・成膜まで一貫生産する唯一のブランクスメーカーと称し、自社内に膜構造の設計能力を持つことも強みに挙げています。
AGC 半導体関連事業ブリーフィング資料(2026年6月2日) - ArF露光装置用レンズ材でシェア1位
AGCはArF露光装置用の合成石英レンズ材でシェア1位としています。 深紫外から赤外までの高い透過性、光学的な均質性、レーザー耐久性を根拠に挙げ、高いシェアを維持する戦略です。
AGC 半導体関連事業ブリーフィング資料(2026年6月2日) - 本宮でブランクスを量産・増強
本宮事業所では2017年にブランクス製品の量産を始めました。 2022年には建屋を拡張し、ブランクスの供給体制を大幅に増強しています。
AGCエレクトロニクス 会社概要 - 連結を上回る電子セグメントの利益率
2025年12月期の電子セグメントの営業利益率は13.4%で、AGC連結の6.2%を上回ります。 営業利益475億円は、化学品の530億円に次ぐ規模です。
AGC 2026年12月期 第2四半期 決算説明会資料(2026年8月4日)
リスク・検討点
- EUVブランクスの出荷が回復途上
2026年上期の電子部材は、EUVブランクスの出荷が回復途上でした。 電子セグメントは増収でしたが、製造コストの上昇で営業利益が187億円となり、前年同期より57億円減りました。 営業利益率は14.5%から10.7%に下がっています。
AGC 2026年12月期 第2四半期 決算説明会資料(2026年8月4日) - 通期も減益の会社予想
会社は2026年12月期の電子セグメントを売上高3,600億円、営業利益450億円と見込みます。 前期の営業利益475億円を下回る予想です。
AGC 2026年12月期 第2四半期 決算説明会資料(2026年8月4日) - 業績の半分はディスプレイ
電子セグメントの2026年上期売上高1,744億円のうち、ディスプレイが900億円で51.6%を占めます。 半導体関連部材を含む電子部材は831億円です。
AGC 2026年12月期 第2四半期 決算説明会資料(2026年8月4日)
04待遇
給与、初任給、休日、手当
新卒の初任給は大学院(修士)修了25万4,100円、大学卒24万円です。 昇給は年1回(4月)、賞与は年2回(7月、12月)、年間休日は123日です。
新卒初任給(AGCエレクトロニクス株式会社)
手当は通勤手当、時間外手当、資格手当、職責手当などです。
- 昇給・賞与
- 昇給は年1回(4月)、賞与は年2回(7月、12月)です。 条件の全体は 新卒採用 募集要項 に載っています。
- 勤務時間・休暇
- 勤務時間は8:45~17:30(実働7時間45分)です。 年間休日123日、年次有給休暇は初年度12日です。
- 有給取得と年齢
- 2025年度の平均有給休暇取得日数は16.2日、平均年齢は38.5歳です。 採用データ に年齢構成などが載っています。
- 寮・福利厚生
- 遠方の人は会社借り上げの独身寮に入れます。 家賃は駐車場込みで月8,000円です。 カフェテリアプランでは年72,000ポイント(7.2万円〜8万6,400円相当)が付与されます。 働く環境 にフレックス制度や在宅勤務制度も載っています。
05勤務地と職種
どこで、どんな仕事をするか
新卒の勤務地は福島県郡山市と本宮市です。 郡山に本社があり、本宮事業所ではブランクスを量産しています。 従業員は1,082名です。
主な勤務地・拠点
- 本社
- 福島県郡山市待池台1-8(郡山西部第二工業団地内)資本金3.0億円、AGC株式会社100%出資
- 本宮事業所
- 福島県本宮市荒井字恵向121-32017年からブランクスを量産
- AGCの半導体拠点
- AGCの半導体事業はアメリカ、台湾、韓国、中国、ヨーロッパに拠点を持ち、エンドユーザーに直接コンタクトしています。AGCグループ全体の体制
新卒の募集職種
- 開発
- 生産技術
- 製造
- 品質保証
- 検査技術
- システム系
- 設備技術系
- 環境安全
- 事務
応募は高専・短大以上の卒業見込みが対象で、理系が中心です。 一部の職種は文理を問いません。
06これから
会社が次に取りにいくもの
AGCはHigh NA・Hyper NA世代のブランクスを開発中で、半導体関連事業の売上高を2030年までに2025年比で倍増させる目標を掲げています。
これからの材料
- 増産投資
- AGCは、AI・データセンターの先端半導体向け製品の需要増に合わせて増産投資を行うとしています。 対象には露光用レンズ材、EUVマスクブランクス、CMPスラリーが並びます。 第2四半期 決算説明会資料 に投資の一覧があります。
- パッケージング材
- AGCは前工程の材料に加えて、後工程のパッケージング向けにも提案を広げる方針です。 ガラスインターポーザ向けとガラスコア向けのTGV基板、光電融合向けの光学部材を開発品として掲げています。 半導体関連事業ブリーフィング資料 に製品の全体像があります。
High NA・Hyper NA向けブランクス
AGCは露光機のスループットや解像度を上げる次世代ブランクスを、デバイス世代と露光機のモデルごとに開発しています。 Low NA(NA0.33)向けは開発を終え、High NA(NA0.55)向けとHyper NA(NA>0.7)向けを開発中です。 Low NAはロジック7~2nm、High NAはロジック1.4~0.7nm、Hyper NAはロジック<0.7nmの世代が対象です。
半導体関連の売上を倍増する目標
AGCは総力をあげて、半導体関連事業で「2030年までに売上高を2025年比倍増」を目指しています。 既存製品の成長を続け、パッケージング材を中心に新製品の開発と上市にも力を入れる計画です。
下期の出荷増と設備投資
会社は2026年下期に、EUVブランクスなどの半導体関連部材の出荷が増えると見込んでいます。 電子セグメントの設備投資は上期264億円(前年同期185億円)で、通期は470億円を見込みます。 AGC全体では、大規模な能力拡大投資が2025年で一段落したとして、2026年の設備投資を圧縮する計画です。
07入口を選ぶ
専攻から、入口を1つに絞る
EUVブランクス、合成石英ガラス、フリット・ペースト、光デバイスのうち、自分の専攻と重なる事業を選び、そこから開発、生産技術、製造・品質保証のどれに応募するか絞ります。
製造・品質保証・検査技術エンジニア
製造プロセスの運用と改善、製品の品質保証、検査装置の選定・導入と分析を担う職種です。 不具合の原因調査や出荷後の顧客対応も含みます。
- Defect Inspection
- Analysis
応募前の3手
- EUVブランクス / 合成石英ガラス / フリット・ペースト / 光デバイスから関わりたい事業を選ぶ
- 研究で扱った測定を、平坦度、欠陥、透過率、歩留まりのどれと結べるか考える
- 募集要項の職種と勤務地(郡山・本宮)を確かめる
面接で使う技術語
- Mask Blanks
- Synthetic Silica
- Thin Film
- Polishing
- Metrology
- Process Design
- Equipment
- Yield
- Scale-up
- Quality
他社との違いを一言で
出典12件
- 公式 AGCエレクトロニクス 会社概要
- 公式 AGCエレクトロニクス 事業・製品
- 公式 合成石英ガラス事業
- 公式 ブランクス事業
- IR AGC 2026年12月期 第2四半期 決算説明会資料(2026年8月4日)
- IR AGC 2026年12月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕
- IR AGC 半導体関連事業ブリーフィング資料(2026年6月2日)
- 採用 AGCエレクトロニクス 新卒採用 募集要項
ほか4件
- 採用 AGCエレクトロニクス 主な職種
- 採用 AGCエレクトロニクス 働く環境
- 採用 AGCエレクトロニクス 採用データ
- 採用 recruit