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半導体材料 EUVマスクブランクス・合成石英・CMPスラリー

AGC

ガラスと化学の総合素材メーカーが持つ半導体材料事業

ガラスと化学の総合素材メーカーで、半導体ではEUVマスクブランクスと露光装置用の合成石英レンズ材を主力にしています。
2030年に半導体関連売上を2025年比で倍増させる計画ですが、2026年上期は電子セグメントの営業利益が23.4%減りました。

AGCは EUVマスクブランクス と露光装置用の合成石英レンズ材を主力とする素材メーカーです。 2026年上期の 電子セグメントの営業利益 は製造コストの上昇で23.4%減の187億円でした。

  • 2025年12月期 電子セグメント売上高 3,551億円 全社売上の17.2%。 営業利益は475億円
  • 2026年12月期中間期 電子セグメント営業利益 187億円 前年同期の244億円から23.4%減
  • 2026年12月期中間期 電子部材売上高 831億円 前年同期の772億円から7.6%増

2026年12月期中間期の電子セグメント売上高の内訳

  • ディスプレイ900億円
  • 電子部材831億円

この会社の要点

向いている入口 製品開発

物理、化学、材料、電気電子を専攻し、光学材料や薄膜、研磨の評価に関わってきた人。

入口を選ぶ
主なリスク 増収でも減益になった電子セグメント

2026年上期の電子セグメントは売上高が3.7%増えた一方、製造コストの上昇で営業利益が244億円から187億円へ23.4%減りました。 通期予想も営業利益450億円で、2025年12月期の475億円を下回ります。

強みとリスク
出典 出典一覧(14件)

公式 5件 / IR 4件 / 採用 5件

01立ち位置

何の会社として比べるか

AGCはガラスと化学の総合素材メーカーで、2025年12月期の連結売上高は2兆588億円です。 半導体材料を含む電子セグメントは3,551億円で、全社の17.2%を占めます。

実績と会社予想

連結売上高と電子セグメント売上高

2026年12月期 第2四半期 業績説明会資料

連結売上高

億円 · 業績説明会資料
  • 2025年12月期 実績 2兆588億円
  • 2026年12月期 会社予想 2兆2,000億円

電子セグメント売上高(通期)

億円 · 業績説明会資料
  • 2025年12月期 実績 3,551億円
  • 2026年12月期 会社予想 3,600億円

電子セグメント売上高(中間期)

億円 · 業績説明会資料
  • 2025年12月期 中間期 1,681億円
  • 2026年12月期 中間期 1,744億円
2025年12月期

セグメント別に見た全社の売上高

セグメント別売上高・営業利益

セグメント別売上高

億円 · セグメント間取引の消去前
  • 化学品 5,842億円
  • オートモーティブ 5,206億円
  • 建築ガラス 4,411億円
  • 電子 3,551億円
  • ライフサイエンス 1,331億円
  • セラミックス・その他 599億円
露光用マスク材料

EUV露光用フォトマスクブランクス

EUV露光で使うフォトマスクの原版です。 低膨張ガラス基板の製造から多層膜成膜までを社内で手がけ、2017年に生産を始めました。 会社は2024年に売上高400億円を達成したとしており、電子の半導体関連製品のうち売上規模が最も大きい事業です。 Low NA向けは開発完了、High NA(NA0.55)向けは開発中です。

  • EUV露光用フォトマスクブランクス
半導体製造装置用部材

合成石英・SiC

ArF露光装置用の合成石英レンズ材では、AGCがシェア1位です。 合成石英ガラスAQシリーズは半導体露光用レンズや各種半導体製造・測定装置の光学用途に使われます。 炭化ケイ素ROICERAM-HSは高温で使う半導体製造装置の部材として30年以上の実績があります。

  • 合成石英ガラス AQシリーズ
  • 炭化ケイ素 ROICERAM-HS
  • 半導体熱処理用治具
研磨材料

セリア系CMPスラリー

原料砥粒からスラリーまで一貫生産し、酸化膜、Poly-Si膜、窒化膜、各種金属、樹脂の研磨に対応します。 会社は電子の半導体関連製品でブランクスに次ぐ規模の事業としてCMPスラリーとCCLを挙げ、3D実装などの新しい用途への拡販を戦略に掲げています。

  • セリア系CMPスラリー
製造装置用材料・プロセス材料

フッ素系の半導体材料

化学品のパフォーマンスケミカルズが手がけます。 2025年の売上高1,719億円のうちエレクトロニクス用途は24%で、その大部分が半導体関連用途です。 製造装置のシーリング材になるフッ素ゴムAFLAS FFKM、後工程のモールディングで使うETFE製離型フィルム、ArF・KrF用ペリクルの原料サイトップを供給します。

  • AFLAS FFKM
  • Fluon ETFE FILM / アフレックス
  • サイトップ

02収益

どこで、どれくらい儲けているか

電子セグメントの2025年12月期の営業利益は475億円で、化学品の530億円に次ぐ規模です。 2026年上期は電子部材が増収でも製造コストの上昇で、前年同期の244億円から187億円へ減りました。

2025年12月期 連結売上高・営業利益

売上高2兆588億円 / 営業利益1,275億円

営業利益率は6.2%です。 研究開発費は603億円、設備投資額は2,513億円でした。

2025年12月期 電子セグメント

売上高3,551億円 / 営業利益475億円

営業利益率は13.4%で、全社売上に占める比率は17.2%です。 2026年12月期は売上高3,600億円、営業利益450億円を見込みます。

2026年12月期中間期 電子セグメント

売上高1,744億円 / 営業利益187億円

売上高は前年同期比3.7%増、営業利益は23.4%減で、営業利益率は10.7%です。 電子部材は831億円、ディスプレイは900億円でした。

2026年12月期中間期 連結

売上高1兆1,006億円 / 営業利益647億円

売上高は前年同期比10.6%増、営業利益は19.7%増です。 通期は売上高2兆2,000億円、営業利益1,500億円を見込みます。

2025年12月期のセグメント別営業利益

億円 · 業績説明会資料
  • 化学品 530億円
  • 電子 475億円 営業利益率13.4%
  • オートモーティブ 293億円
  • 建築ガラス 173億円
  • セラミックス・その他 26億円

電子セグメントの通期営業利益

実績と会社予想 · 12月決算
  • 2025年12月期 実績 475億円
  • 2026年12月期 予想 450億円

03強みとリスク

強みと、リスク・検討点

強みは露光工程の材料を硝材から作る一貫生産で、EUVマスクブランクスと合成石英レンズ材の両方を持つことです。 弱点は、EUVブランクスの売上が2025年に特定顧客の需要減で落ちたように振れること、全社の中で半導体の比重が小さいことです。

強み

  • EUVマスクブランクスの一貫生産

    硝材から研磨・成膜まで一貫生産するブランクスメーカーで、会社は自社をグローバル市場の二強の一角と位置づけています。 採用サイトでは販売ベースの自社調べで世界No.2と示しています。 膜構造の設計も自社で行います。

    半導体関連事業説明会資料
  • 露光装置用レンズ材と装置部材

    ArF露光装置用の合成石英レンズ材でシェア1位と会社は記載しています。 ZEISS SMT社から「Supplier Award 2025」を受賞し、KrFやi線向けへの拡販も進めます。 SiC製の熱処理治具も装置部材として長い実績があります。

    半導体関連事業説明会資料
  • 切り替えにくい後工程の消耗材

    ETFE製離型フィルムは、半導体用の離型フィルムで世界No.1のシェアを維持していると会社は説明しています。 モールディング工程は変更管理が厳しく、競合品への切り替えハードルが高いと会社はみています。 製造装置用FFKMはエッチング工程で四半期に1度の交換が必要で、装置の稼働に連動した交換需要があります。

    半導体関連事業説明会資料
  • 原料から作るCMPスラリー

    原料砥粒からスラリーまで一貫生産し、顧客のデザインルールやプロセスに合わせたスラリーを供給します。 会社はセリアスラリーでリーディングポジションの維持を戦略に掲げています。

    半導体関連事業説明会資料
  • 先端顧客との取引実績

    インテルから2026年度のEPIC Supplier Awardを受賞しました。 米国、台湾、韓国、中国、ヨーロッパに拠点を置いてエンドユーザーへ直接コンタクトし、電子カンパニーと化学品カンパニーが共同で提案します。

    半導体関連事業説明会資料

リスク・検討点

  • 増収でも減益になった電子セグメント

    2026年上期の電子セグメントは売上高が3.7%増えた一方、製造コストの上昇で営業利益が244億円から187億円へ23.4%減りました。 通期予想も営業利益450億円で、2025年12月期の475億円を下回ります。

    2026年12月期 第2四半期 業績説明会資料
  • EUVブランクスの売上の振れ

    EUVマスクブランクスは2024年に売上高400億円を達成した後、2025年は特定の顧客の需要が減って売上が落ちました。 会社は、その顧客の使用量も2026年は戻ってきたと見ています。 それでも2026年上期の出荷は回復途上でした。 電子の半導体関連製品で売上規模が最も大きいのはブランクスです。

    半導体関連事業説明会 書き起こし
  • 全社の中で半導体は一部

    電子セグメントの売上は2025年12月期で全社の17.2%です。 2026年上期の電子セグメントでは、売上1,744億円のうち900億円がディスプレイで、半分強を占めます。 電子部材の中でも半導体とオプトエレクトロニクスの売上は半々と会社は説明しています。 2025年12月期の全社の営業利益率は6.2%です。

    半導体関連事業説明会 書き起こし
  • 為替の影響

    2026年上期の電子セグメントの売上には32億円の為替差影響が含まれます。 ディスプレイでは円安が営業利益を押し下げました。

    2026年12月期 第2四半期 業績説明会資料
  • 設備投資の圧縮

    2025年で大規模な能力拡大投資は一段落し、2026年の全社設備投資は2,513億円から1,900億円へ24.4%減る計画です。 電子は529億円から470億円へ11.2%減ります。 半導体関連の増産投資は続けますが、倍増計画を支える投資の配分が問われます。

    2026年12月期 第2四半期 業績説明会資料

04待遇

給与、初任給、休日、手当

2026年度の総合職初任給は学部卒30万5,660円、修士了33万7,280円、博士了38万9,980円で、年間休日は128日です。

総合職初任給(基準内賃金、月給)

円 · 2026年度
  • 博士了 38万9,980円
  • 修士了 33万7,280円
  • 学部卒 30万5,660円
初任給と年収例
学部卒30万5,660円(年収471万円)、修士了33万7,280円(年収578万円)、博士了38万9,980円(年収662万円)です。 条件は 新卒採用情報 の募集要項に載ります。
勤務時間
基準就業時間は1日8時間45分(労働時間7時間45分、休憩時間1時間)で、コアタイムのないフレックスタイム制です。
休日
完全週休2日制と祝日で、年間休日は128日です。 年末年始は9連休、ゴールデンウィークは8連休です。
福利厚生
企業年金基金、財形貯蓄、持株制度、寮・社宅制度があり、カフェテリアプランは通常ポイントと学びポイントがそれぞれ年間最大12万円です。
キャリア採用
正社員として採用し、選考は書類選考、適性検査、社員面接(1〜2回)、最終面接の順です。 募集中の職種は キャリア採用情報 の募集職種一覧で探せます。

05勤務地と職種

どこで、どんな仕事をするか

本社は東京・丸の内、研究所は横浜のAGC横浜テクニカルセンターです。 EUVマスクブランクスはAGCエレクトロニクスの本宮工場と郡山工場で作り、半導体の販売・開発拠点は米国、台湾、韓国、中国、ヨーロッパ、シンガポールにあります。

主な勤務地・拠点

本社
東京都千代田区丸の内1-5-1 新丸の内ビルディング
研究所
AGC横浜テクニカルセンター(横浜市鶴見区)半導体材料の開発は各製造拠点でも行う
EUVマスクブランクスの製造
AGCエレクトロニクスの本宮工場・郡山工場
国内の工場
鹿島、千葉、横浜、相模、愛知、尼崎、高砂、福島、米沢、静岡など新卒募集要項の勤務地
海外の半導体関連拠点
AGCエレクトロニクスアメリカ、AGCエレクトロニクス台湾、AGCエレクトロニクス韓国、AGCマルチマテリアル蘇州・シンガポール・ヨーロッパなど
公式採用の勤務地欄

新卒採用の技術系職種

  • 研究開発
  • 製品開発
  • 生産技術/設備技術・プラントエンジニア
  • 生産技術/製造エンジニア
  • 品質保証
  • 技術営業
  • デジタル・イノベーション
  • 環境安全

技術系は部門・職種別採用です。 2026年度は技術系90名・事務系22名が総合職で入社しました。

新卒技術系の選考の流れ

  1. マイページ登録のあと本エントリーでエントリーシートと希望する部門・職種を登録する
  2. 書類選考を通過すると社員面談が複数回あり、職種とのマッチングを確かめる
  3. 適性検査を複数回受け、最終面接を経て内定
公式採用へ

06これから

会社が次に取りにいくもの

会社は2030年までに半導体関連事業の売上高を2025年比で倍増させる計画です。 既存のブランクス、CCL、CMPスラリー、露光装置用レンズで伸ばし、後工程のパッケージング材を次の柱として開発しています。

これからの材料

倍増計画
電子の倍増計画は既存品の伸びで組まれ、後工程の新製品はほとんど入れていないと 半導体関連事業説明会 書き起こし で説明しています。
次世代ブランクス
High NA(NA0.55)用とHyper NA用のEUVマスクブランクスを開発しています。
パッケージング材
TGV基板、光電融合向け光学部材、RCC、ビルドアップフィルム、低誘電アンダーフィルを開発品に挙げ、コンソーシアムJOINT3に参加しています。

半導体関連売上の倍増

会社は2030年までに半導体関連事業の売上高を2025年比で倍増させることを目指します。 電子では既存のブランクス、CCL、CMPスラリー、露光装置用レンズの伸びで倍増を見込み、後工程の新製品はこの計画にほとんど入れていません。 会社はブランクスとCCLの伸びが売上をけん引すると見ています。CMPスラリーと露光装置用レンズは、製造設備の台数やレイヤー数の増加で伸びると見込んでいます。

後工程パッケージング材

ガラスコア向けやガラスインターポーザ向けのTGV基板、光電融合向け光学部材、RCC、ビルドアップフィルム、低誘電アンダーフィルを開発品に挙げています。 後工程ではコンソーシアムJOINT3にも参加しています。 開発品の段階で、量産採用を勝ち取れるかどうかで2030年以降の売上への寄与が決まります。

High NA向けブランクス

ロジック7〜2nm向けのLow NA用ブランクスは開発を終え、ロジック1.4nm以降向けのHigh NA(NA0.55)用と、さらに次のHyper NA用を開発中です。

AIデータセンター向けCCL

独自樹脂を使う低誘電損失の銅張積層板を、AI関係のルーターやスイッチ向けに拡販しています。 224Gbpsの世代に向けて試作品を提供しています。 224Gbps世代の評価が通るかで、翌年以降の業績への寄与が決まると会社は見ています。

07入口を選ぶ

専攻から、入口を1つに絞る

EUVマスクブランクス、合成石英、CMPスラリー、フッ素材料のうち自分の専攻に近い製品を1つ選び、技術系の部門・職種別採用でどの職種に応募するかを決めます。

技術系

製品開発

市場調査から製品化までを担う職種です。 物理系専攻から製品開発へ進む場合は電子カンパニーが中心になると採用サイトに記載があり、EUVマスクブランクスやCMPスラリーはこのカンパニーの製品です。

公式採用情報
技術系

研究開発

基盤技術と新素材を創り、量産・事業化へつなげる職種です。 研究所はAGC横浜テクニカルセンターで、会社は後工程パッケージング材の開発品としてTGV基板やRCCを挙げています。

公式採用情報
技術系

生産技術/製造エンジニア

モノづくりの最前線で安全と品質を守り、プロセス改善で生産性を上げる職種です。 EUVマスクブランクスはAGCエレクトロニクスの本宮工場と郡山工場で製造しています。

  • Process Engineering
  • Yield
  • Quality
  • Clean Room
公式採用情報

応募前の3手

  1. 半導体関連事業説明会資料の工程別製品ラインナップから、自分の研究と重なる製品と工程を1つ選ぶ
  2. 電子セグメントの2025年12月期と2026年上期の売上・営業利益を書き出し、減益の理由を自分の言葉でまとめる
  3. 新卒募集要項の職種、勤務地、初任給、選考の流れを公式ページから書き出す
公式採用へ

面接で使う技術語

  • EUV Mask Blanks
  • Synthetic Quartz
  • CMP Slurry
  • Thin Film
  • Optics
  • Materials Research
  • Glass
  • Fluoropolymer
  • Packaging
  • Process

物理系専攻から製品開発へ進む場合は電子カンパニーが中心になります。

他社との違いを一言で

  • フォトマスクブランクス

    信越化学工業

    信越化学工業は、合成石英の基板に遮光膜を付けたOMOGブランクスと、ハーフトーン型の位相シフトマスク用ブランクスを製品ページに並べています。AGCはEUV露光用ブランクスを主力にし、低膨張ガラス基板から多層膜成膜までを一貫生産しています。

  • 半導体向けCMPスラリー

    フジミインコーポレーテッド

    フジミインコーポレーテッドは、日本・アメリカ・台湾に開発拠点を置き、顧客と同じ研磨・評価装置で製品開発を行うと記載しています。AGCは原料砥粒からスラリーまで一貫生産するセリア系スラリーを主力にし、酸化膜、Poly-Si膜、窒化膜、各種金属、樹脂の研磨に対応しています。

  • 製造装置用フッ素ゴム・シール材

    ダイキン工業

    ダイキン工業は、ダイエルパーフロなどを半導体製造プロセスで使うOリングやガスケットの材料として提供しています。AGCは製造装置のシーリング材になるAFLAS FFKMを持ちます。乳化剤とフッ素系重合溶媒を使わないPO系FFKMを、AGCは他社に先駆けて商業化したと説明しています。

参照資料一覧へ

出典14件

ほか6件

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