生産設備・搬送装置 ウェーハ搬送装置(EFEM・ロードポート)
平田機工
自動車の組立ラインとウェーハ搬送装置の二本柱で稼ぐ熊本の設備メーカー
自動車の組立ラインで育った熊本の設備メーカーで、2026年3月期は売上の38.0%を半導体関連が占めます。
半導体の受注200億円を2027年3月期第1四半期の3か月で積み、ウェーハ搬送装置が全社の伸びを引っ張る段階に入りました。
平田機工は ロードポート・搬送ロボット・EFEM のウェーハ搬送装置で半導体関連の売上の71.8%を稼ぎます。 2026年3月期の半導体関連の売上 は361億円で19.6%増え、営業利益率は9.5%から6.7%へ下がりました。
- 2026年3月期 半導体関連売上高 361億円 前期比19.6%増。 連結売上高949億円の38.0%
- 2027年3月期第1四半期 半導体受注高 200億円 前年同期比211.1%増。 前期1年分の受注高347億円の57.6%
- 2027年3月期 半導体関連売上高の会社予想 460億円 前期比27.4%増。 自動車関連は14.9%減の370億円の予想
2026年3月期のセグメント別売上高
- 自動車関連434億円
- 半導体関連361億円
- その他自動省力機器125億円
- その他27億円
この会社の要点
01立ち位置
何の会社として比べるか
平田機工は、自動車の組立ラインと半導体のウェーハ搬送装置を二本柱にする熊本の設備メーカーです。 2026年3月期の連結売上高949億円のうち、半導体関連は361億円で38.0%を占め、2027年3月期は460億円まで伸ばす予想です。
2024年3月期から2027年3月期予想までの売上高と営業利益
半導体関連の売上高
半導体関連の営業利益
全社の売上はどの事業とどの地域から来ているか
セグメント別売上高
国内外売上高の構成比
ウェーハ搬送装置
2026年3月期の半導体関連売上361億円のうち259億円、71.8%を占める主力製品群です。 FOUPの蓋を開閉するロードポート、FOUPからウェーハを取り出して処理装置へ運ぶ搬送ロボット、それらを統合して処理装置の前面に置くEFEMを設計・製造します。 窒素環境下でウェーハを搬送するN2EFEMや、200mmウェーハ向けのSMIFポッドオープナもそろえています。
- EFEM/ソーター「Freedom」
- 大気対応ウェーハ搬送ロボット AR-Wn180CL
- 真空対応ウェーハ搬送ロボット AR-Wnシリーズ
- FOUPオープナ KWFシリーズ
PLP向け搬送装置
チップをウェーハより大きい四角形のパネル基板に再配列して一括で封止するPLP工程向けに、パネル基板搬送用のEFEM、ロードポート、搬送ロボットを製造します。 決算説明資料はパネルの例として310×310mmや600×600mmを挙げ、会社はこの分野を拡大分野と位置付けています。
- FOPLP EFEM/ソーターシリーズ
- FOPLP対応ロードポート HPLPシリーズ
- 新型FOPLP搬送ロボット
基板搬送装置
国内の基板製造メーカー向けに、サブストレート基板製造用の搬送設備を製造します。 2027年3月期第1四半期の決算説明会では、北米向けのサブストレート関連設備の需要が好調で、PLP関連案件とともに受注が増える傾向にあると説明しました。
- サブストレート基板製造用の搬送設備
02収益
どこで、どれくらい儲けているか
半導体関連の稼ぎ頭はウェーハ搬送装置で、2026年3月期は売上の71.8%を占めました。 売上は伸びた一方で利益率は6.7%まで下がり、2027年3月期第1四半期に価格転嫁の効果で12.9%へ戻りました。
売上高949億円 / 営業利益83億円
売上高は前期比7.3%増、営業利益は20.5%増で、営業利益率は8.8%です。 最大のセグメントは自動車関連の434億円です。
売上高361億円 / 営業利益24億円
売上高は前期比19.6%増、営業利益は15.4%減で、営業利益率は前期の9.5%から6.7%に下がりました。 受注高は347億円、期末の受注残高は176億円です。
受注高200億円 / 売上高135億円
受注高は前年同期比211.1%増、売上高は69.7%増です。 営業利益は17億円で、営業利益率は前年同期の3.7%から12.9%へ上がりました。 四半期末の受注残高は241億円です。
売上高1,000億円 / 営業利益90億円
半導体関連は前期比27.4%増の460億円、自動車関連は14.9%減の370億円を見込みます。 第1四半期の半導体売上135億円は、通期予想460億円の29.4%にあたります。
2026年3月期の半導体関連の内訳
半導体関連の四半期受注高
03強みとリスク
強みと、リスク・検討点
強みはウェーハ搬送のコンポーネントを自前でそろえ、EFEMまで組み上げて大手装置メーカーと台湾ファウンドリーへ納められることです。 弱点は利益率の低下と受注の振れ幅で、価格転嫁と生産能力の増強が追いつくかが次の2年の焦点です。
強み
- ウェーハ搬送装置に集中した製品構成
2026年3月期の半導体関連売上361億円のうち、ウェーハ搬送が259億円で71.8%を占めます。 ロードポート、大気・真空ロボット、アライナといったコンポーネントを自社で持ち、それらを組み合わせたEFEMやソーターまで一社で納められる点を、会社は統合報告書で強みに挙げています。
2025年度(2026年3月期)決算説明資料 - 台湾ファウンドリー向けの受注の伸び
2027年3月期第1四半期の半導体受注高は200億円で、前期1年分の347億円の57.6%を3か月で受けました。 ウェーハ搬送だけで143億円です。 決算説明会では台湾ファウンドリーの投資が非常に活発だと説明し、2025年11月にはそのファウンドリーからAPOD Production Support Awardを受賞しています。
2026年度第1四半期決算説明会 質疑応答(サマリー) - 大手装置メーカーとの取引
統合報告書は主要な取引先としてディスコ、荏原製作所、東京エレクトロン、アルバック、アドバンテストを挙げています。 装置メーカー向けには各装置に合わせたEFEMをOEM・ODMで提供し、ファウンドリー向けにはEFEMとソーターを自社ブランドで提供する二つの売り方を持ちます。
統合報告書2025 - 大空間クリーンルームと一貫体制
国内の生産拠点に大空間クリーンルームを持ち、中国とマレーシアにもクリーンルームを完成させました。 2026年3月期の生産能力は2024年度(2025年3月期)比で約20%増えています。
2025年度(2026年3月期)決算説明資料 - 自動車関連が支える財務基盤
2026年3月期の自己資本比率は58.4%、営業活動によるキャッシュ・フローは165億円でした。 自動車関連の434億円の売上が全社の45.8%を占め、半導体の利益率が落ちた年も全社の営業利益は20.5%増えました。
2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
リスク・検討点
- 増収でも下がった半導体の利益率
半導体関連の営業利益率は2024年3月期16.2%、2025年3月期9.5%、2026年3月期6.7%と2年続けて下がりました。 決算短信は購入品のコスト上昇に対する価格転嫁の遅れと一部製品の保証費用の増加を原因に挙げています。 売上が19.6%伸びた年に営業利益は15.4%減りました。
2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) - 受注の振れ幅が大きい
半導体の四半期受注高は2026年3月期第2四半期の62億円から2027年3月期第1四半期の200億円まで、3倍以上の幅で動きました。 会社は決算説明会で、下期は第1四半期ほど受注が集中する状況を見込んでいないと答えています。
2026年度第1四半期決算説明会 質疑応答(サマリー) - 国内装置メーカー経由の需要
決算説明会では一次顧客の中心は国内の装置メーカーだと説明しました。 統合報告書は弱みとして、海外生産拠点の強化や地産地消傾向への対応の遅れ、欧米市場の販売体制を挙げています。 装置メーカー向けには、各装置に合わせたEFEMをOEM・ODMで納めています。
統合報告書2025 - 部材高騰と長納期化
統合報告書は資材の高騰と長納期化、新興企業の台頭を脅威に挙げています。 納期は3〜6か月が基本ですが、受注が急増すると長くなることがあり、一部の部品は先行発注で長納期化に対応しています。
2026年度第1四半期決算説明会 質疑応答(サマリー) - 熊本への生産集約
半導体関連部門の生産を本社工場へ集約する体制を2026年5月に始めました。 2026年7月28日に熊本地方で最大震度7の地震があり、会社は業績への影響は軽微と見込んでいます。
熊本地方を震源として発生した地震について(第2報)
04待遇
給与、初任給、休日、手当
2027年度入社の新卒の基本給は院卒(修士)28万900円、大卒26万900円です。 年間休日は125日程度で、2025年度は付与された有給休暇の74.2%が取られました。
新卒の基本給(月給)
- 新卒の基本給と手当
- 基本給は院卒(修士)28万900円、大卒26万900円、高専・短大24万3,900円です。 住宅手当は距離制限なしで家賃の半額(上限あり)、地域手当は最大3万円/月です。
- 勤務時間と休日
- 勤務時間は8:30〜17:00(休憩1時間を含む)です。 完全週休2日制(土・日)と祝日、夏季・年末年始、設立記念日が休みで、年間休日は125日程度です。 年次有給休暇は初年度18日で、1時間単位で取れます。
- 残業の抑え方
- 毎週水曜日と給与・賞与支給日の時間外を禁止し、土日祝の就業も禁止しています。 働く環境 に制度が載ります。
- 福利厚生
- 共済会、持株会、企業年金基金、退職金があり、熊本工場と関西工場にトレーニングジムを置いています。 36歳からの人間ドックや配偶者健診も行います。 福利厚生 で一覧できます。
- キャリア採用比率
- キャリア採用比率は2023年度59.5%、2024年度37.1%、2025年度28.4%です。 キャリア採用の応募資格は高卒以上、原則として実務経験3年以上です。 キャリア採用情報 に職種が並びます。
05勤務地と職種
どこで、どんな仕事をするか
本社と主な工場は熊本にあり、半導体関連部門の生産は2026年5月から本社工場へ集約しています。 国内は栃木の関東工場、滋賀の関西工場、東京オフィスを持ち、海外はアメリカ、メキシコ、シンガポール、マレーシア、中国、台湾に関係会社があります。
主な勤務地・拠点
- 本社
- 熊本県熊本市北区植木町一木111番地半導体関連部門の生産を集約
- 熊本の工場
- 熊本工場(東工場、熊本市北区植木町)、楠野工場(熊本市北区楠野町)、七城第一工場・七城第二工場(菊池市七城町)
- 国内の他拠点
- 関東工場(栃木県宇都宮市)、関西工場(滋賀県野洲市)、東京オフィス(東京都港区)
- 海外
- アメリカ、メキシコ、シンガポール、マレーシア、中国2社、台湾の関係会社中国とマレーシアにクリーンルームを新設
新卒採用の職種
- 開発
- 機械設計
- 営業技術
- 製造技術
- 制御技術開発
- 制御設計
- IoTソリューション開発
- 経営企画
- 経理
- 調達
前半7つが技術系総合職、後半3つが事務系総合職の業務例です。 事務系はほかに法務、IR広報、総務、人事などがあります。
06これから
会社が次に取りにいくもの
中期経営計画(2025〜2027年度)は半導体関連を成長事業に据え、生産能力を2024年度(2025年3月期)比50%増やす目標を掲げます。 全社では最終年度の2027年度(2028年3月期)に営業利益100億円以上、ROE9.3%以上を目指します。
中期経営計画の目標と2026年3月期の実績
- 営業利益(全社) 83億円 目標は100億円以上
- ROE 8.4% 目標は9.3%以上
- 半導体の生産能力(2025年3月期比) 約20%増 目標は50%増
- 自己資本比率 58.4% 目標は45〜50%
これからの材料
- 新工場
- 2025年10月に熊本県菊池市で新工場用の土地・建物を取得し、2026年度(2027年3月期)中の本格稼働を目指すと 統合報告書2025 に載ります。
- PLPと後工程
- PLPの専門設計チームを置く計画で、FOPLP向けのEFEM・搬送ロボット・ロードポートも準備しています。 後工程ではSATASに設立メンバーとして参画しています。
- 研究開発と設備投資
- 2026年3月期の研究開発費は15億円、設備投資額は38億円でした。 2027年3月期は研究開発費20億円を計画し、量産製品や次世代製品の開発にあてます。
半導体の生産能力を1.5倍へ
中期経営計画(2025〜2027年度、2028年3月期まで)は、半導体関連の生産能力を2024年度(2025年3月期)比で50%増やし、海外の生産拠点を2つ増やす目標を掲げます。 2025年10月に熊本県菊池市で新工場用の土地・建物を取得し、2026年度(2027年3月期)中の本格稼働を目指しています。 2026年3月期までの増強は2024年度比で約20%です。会社は新工場を起点に、点在していた半導体工場を集約する計画です。
PLP向け搬送装置
会社はPLPを拡大分野に位置付け、専門設計チームの設置と開発の加速に取り組む計画です。 新型のFOPLP EFEM、FOPLP搬送ロボット、FOPLPロードポートを量産製品の候補に挙げています。 PLPでは一般に300mmウェーハより大きいパネル基板を使い、基板にはプリント基板やガラス基板、銅板が使われます。
価格転嫁による利益率の回復
2027年3月期第1四半期の半導体関連の営業利益率は12.9%で、会社は価格転嫁の効果を約3〜5.0億円とみています。 価格改定はまだ全案件に反映されておらず、会社は第2〜第4四半期にさらに効果が出ると見込んでいます。 部材価格の上昇は続いており、会社は定期的な価格交渉を続ける方針です。
07入口を選ぶ
専攻から、入口を1つに絞る
ロードポート、搬送ロボット、EFEMのどれに関わりたいかを決め、機械・制御・製造技術のどの職種で応募するかを選びます。
技術系総合職(開発・機械設計)
新卒の募集要項では、各種生産設備と産業用ロボットの開発・機械設計が業務です。 半導体関連の製品は、ロードポート、ウェーハ搬送ロボット、EFEM、FOPLP向けの搬送装置です。
公式採用情報技術系総合職(制御技術開発・制御設計)
新卒では生産設備と産業用ロボットの制御技術開発、制御設計(ソフト・ハード)を募集します。 キャリア採用の制御設計は、各種生産ライン、搬送設備、産業用ロボットの制御システム設計が業務です。
公式採用情報製造技術・営業技術
キャリア採用の製造技術は、各種生産ライン、搬送設備、産業用ロボットの組立・調整業務です。 新卒の技術系総合職にも営業技術と製造技術が含まれます。
- Assembly
- Adjustment
- Clean Room
- OEM
応募前の3手
- 製品ページからEFEM/ソーター「Freedom」、AR-Wn180CL、KWFシリーズを選び、それぞれの役割をノートへ書く
- 半導体関連の2024年3月期から2027年3月期第1四半期までの売上高と営業利益率を表にし、利益率が下がって戻った理由を書く
- 新卒採用情報の職種、募集学科、勤務地、基本給、選考方法を公式ページから書き出す
面接で使う技術語
- EFEM
- Load Port
- Wafer Handling Robot
- Mechanical Design
- FOPLP
- Motion Control
- Robot Control
- PLC
- Vacuum Robot
- Software
技術系総合職の募集学科は機械、電気、情報系とこれらに類する学科で、事務系総合職は全学部・全学科です。
他社との違いを一言で
- ウェーハ搬送のコンポーネントとEFEM
ローツェ
ローツェの製品ページは大気用搬送ロボット、真空用搬送ロボット、アライナ、ロードポート、真空プラットフォーム、EFEM/SORTER、ストッカをウエハ搬送システムとして並べています。平田機工もロードポート、大気・真空のウェーハ搬送ロボット、アライナ、EFEM/ソーターをそろえ、半導体関連売上の71.8%をウェーハ搬送が占めます。
- ロードポートとパネル対応の搬送
シンフォニアテクノロジー
シンフォニアテクノロジーのクリーン搬送システムは、300mm FOUP対応ロードポート SELOP-8、300mm N2 EFEM、ソーターに加え、FOPLP向けのPanel FOUP対応ロードポートを600 x 600 mmまで扱います。平田機工はFOPLP対応ロードポートのHPLPシリーズとFOPLP EFEMを製造し、N2EFEMも提供しています。
- ウェーハ搬送ロボット
ダイヘン
ダイヘンはクリーン搬送ロボットとして真空・大気環境用のウエハ搬送ロボットを並べ、自社の真空ロボットを世界最速級(650WPH)と紹介しています。パネル搬送ロボット『SPR-AD020BPN シリーズ』も市場に出しました。平田機工は搬送ロボットを単品でも売り、ロードポートと組み合わせたEFEMとしても納めます。
出典18件
- 公式 会社概要
- 公式 国内事業所
- 公式 半導体関連生産設備
- IR 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) 2026年3月期
- IR 2025年度(2026年3月期)決算説明資料 2026年3月期
- IR 2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結) 2027年3月期第1四半期
- IR 2026年度(2027年3月期)第1四半期決算説明資料 2027年3月期第1四半期
- IR 2026年度第1四半期決算説明会 質疑応答(サマリー) 2027年3月期第1四半期
ほか10件
- IR 統合報告書2025
- IR インベスターズガイド2026
- ニュース 熊本地方を震源として発生した地震について(第2報)
- 採用 新卒採用情報
- 採用 キャリア採用情報
- 採用 働く環境
- 採用 福利厚生
- 公式 ローツェ ウエハ搬送システム
- 公式 シンフォニアテクノロジー クリーン搬送システム
- 公式 ダイヘン ウエハ搬送ロボット