半導体工場インフラサービス 特殊ガス供給・工場設備管理
ジャパンマテリアル
半導体工場の特殊ガスと設備を丸ごと預かる三重の技術者集団
半導体工場の特殊ガス供給を装置と配管からボンベ交換、保守まで請け負い、売上の64.5%をガス販売や保守などのオペレーション部門で得ます。 2026年3月期の増収はイニシャル部門の37.2%増によるものでした。
キオクシアグループ向け35.0%という顧客集中を抱えたまま、2026年3月期の営業利益率は25.3%まで上がりました。
ジャパンマテリアルは 特殊ガスの供給装置 から配管、ガス販売、製造装置の保守までをグループで請け負います。 売上の35.0%は キオクシアグループ向け です。
- 2026年3月期 売上高 579億円 前期比10.1%増。 イニシャルが37.2%増、オペレーションは0.8%減。 2021年3月期の352億円から5期連続で増えました
- 2026年3月期 営業利益 146億円 前期比30.9%増、営業利益率は21.2%から25.3%へ
- 2027年3月期 第1四半期 売上高 159億円 前年同期比20.5%増、営業利益は48.6%増の47億円
2026年3月期の事業別売上高
- 技術サービス195億円
- 供給配管設計施工179億円
- 特殊ガス販売管理業務157億円
- 特殊ガス供給装置製造26億円
- グラフィックス・太陽光・その他21億円
この会社の要点
01立ち位置
何の会社として比べるか
ジャパンマテリアルは、半導体工場の特殊ガス、超純水、薬品、動力のインフラを建設から運転・保守まで預かる会社です。 2026年3月期の売上高は579億円で、2021年3月期の352億円から伸び続けています。
2021年3月期から2027年3月期予想までの売上高と営業利益
売上高
営業利益
誰に売り、どの段階で稼いでいるか
キオクシアグループ向け売上高
イニシャルとオペレーション
特殊ガス供給装置
成膜、リソグラフィ、エッチング、イオン注入、熱拡散の各工程で使う可燃性・毒性・腐食性の特殊ガスを、純度を保って製造装置へ送る装置を開発・製造します。 2026年3月期の売上は26億円で前期比198.7%増えましたが、期末の受注残高は9.0億円で前期比50.2%減りました。
- 完全フルオートの特殊ガス供給装置
- 低蒸気圧ガス用ヒーターシステム搭載の供給装置
- 大型容器からの大流量供給装置
- 複数の製造装置へ送るガス分配設備
供給配管設計施工
特殊ガス供給装置から製造装置までの配管に加え、超純水、エアー・窒素・アルゴンなどのバルクガス、薬液、真空、排気の配管を設計施工します。 2026年3月期の売上は179億円で売上全体の31.0%を占め、受注高は181億円、期末の受注残高は56億円です。 超純水供給配管は子会社の東和商工が担います。
- 特殊ガス供給配管
- 超純水供給配管
- バルクガス供給配管
- 薬液配管
特殊ガス販売管理(TGM)
シラン、三フッ化窒素、トリクロロシラン、ジクロロシラン、塩素、アンモニアなどの特殊ガスを販売し、工場内の供給装置のボンベ交換、日常点検、受発注管理代行まで請け負います。 2026年3月期の売上は157億円で、ガス販売の一部で単価が下がり前期比8.5%減りました。 海外向けは台湾子会社の茂泰利科技が担います。
- 特殊ガス販売
- 特殊ガス管理業務
- トータルガスマネジメント(TGM)
技術サービス
2026年3月期の売上は195億円で最大の事業です。 超純水プラントの運転管理(PEK)、薬品供給管理(クスノキケミコ、JMテック)、ボイラーやチラーなど動力設備の管理、製造装置の保守(JMエンジニアリングサービス)、真空ポンプのオーバーホール、装置部品の製造・販売とセラミックコーティングを手がけます。
- 超純水プラント運転管理
- 薬品供給管理
- 動力・空調設備管理
- 半導体製造装置の保守
02収益
どこで、どれくらい儲けているか
売上の柱は、工場の稼働中に続く技術サービスとガス販売管理、そして設備投資のたびに入る配管工事です。 2026年3月期はイニシャル部門が37.2%増え、オペレーション部門は0.8%減りました。 配管が27.1%伸び、ガス販売管理は単価下落で8.5%減りました。
売上高579億円 / 営業利益146億円
売上高は前期比10.1%増、営業利益は30.9%増で、営業利益率は25.3%です。 親会社株主に帰属する当期純利益は105億円でした。 2025年3月期は売上高526億円、営業利益111億円でした。
売上高560億円 / セグメント利益156億円
連結売上高の96.7%を占め、売上高は前期比10.9%増、セグメント利益は28.4%増です。 セグメント利益率は27.9%になります。
売上高159億円 / 営業利益47億円
売上高は前年同期の132億円から20.5%増え、営業利益率は29.7%です。 エレクトロニクス関連事業の売上高は154億円、セグメント利益は50億円でした。
売上高610億円 / 営業利益155億円
売上高は前期比5.2%増、営業利益は5.9%増の予想です。 イニシャル部門は14.5%減の176億円、オペレーション部門は16.1%増の434億円を計画しています。
2026年3月期の事業別売上高
売上高の推移と予想
03強みとリスク
強みと、リスク・検討点
強みは、ガスの装置から運転・保守までを1つのグループで請け負い、工場が動く限り収入が続く構造です。 弱点は同じ構造の裏返しで、キオクシアグループの工場と半導体の設備投資に業績が寄っています。
強み
- 工場の稼働に結びつくオペレーション収入
2026年3月期の売上のうち373億円、64.5%がオペレーション部門です。 この区分は工場の稼働に伴う業務に、グラフィックスソリューション事業と太陽光発電事業を加えたものです。 前期の376億円から0.8%減り、売上高の増加はイニシャル部門の37.2%増によるものでした。 会社は、メーカーの設備投資が減っても工場が生産稼働する限り安定した収益を維持できるとし、顧客を開拓するたびに受託工場からの収入が階段状に積み上がる構造を掲げています。
2026年3月期 決算説明資料 - ガスの装置から保守まで1社で請け負う
TGM(トータルガスマネジメント)として、ガス販売、供給装置の設計・開発と製造、配管工事、設備運転管理、ガス供給管理、設備メンテナンスをワンストップで提供します。 超純水、薬品、動力にも同じ形を広げています。 会社は、TFMで要員を多能工化し運営管理を一括にすると30%のコストダウンになるとみています。
ジャパンマテリアルってどんな会社? - 利益率の上昇と厚い自己資本
営業利益率は2025年3月期21.2%から2026年3月期25.3%へ上がり、エレクトロニクス関連事業のセグメント利益率は27.9%です。 自己資本比率は83.1%、現金及び預金は216億円あります。
2026年3月期 決算説明資料 - 技術者を自前で育てる仕組み
半導体装置メーカーと提携したトレーニングセンターでシミュレーターや実機を使って教育し、直近5年で400名近くのエンジニアを輩出したと採用ページに記載しています。 連結の従業員は1,739名で、本社敷地のテクニカルサポートセンターで装置の改造や部品の在庫も担います。
ジャパンマテリアルグループ 採用ページ
リスク・検討点
- キオクシアグループへの売上集中
2026年3月期のキオクシアグループ向け売上は203億円で連結売上高の35.0%、うちキオクシア株式会社向けが125億円で21.6%です。 前期の38.5%から比率は下がりましたが、有価証券報告書は取引が縮小した場合に業績へ影響すると記載しています。 四日市TGM事業所はキオクシア四日市工場の中にあります。
有価証券報告書 第29期 - 半導体市況への依存
エレクトロニクス関連事業が連結売上高の96.7%を占めます。 有価証券報告書は、半導体市場は短期的な好不況の振幅が大きく、主要顧客の工場の設備投資動向で需要が変動すると記載しています。
有価証券報告書 第29期 - ガス販売の単価下落
2026年3月期の特殊ガス販売管理業務の売上は157億円で前期比8.5%減りました。 特殊ガス販売の一部で販売単価が下がり、オペレーション部門の売上高は減りました。 2027年3月期はこの業務を189億円へ20.6%伸ばす計画です。
「2026年3月期 決算短信」の一部訂正 - 装置受注の減少
特殊ガス供給装置製造の受注高は17億円で前期比24.6%減、期末の受注残高は9.0億円で50.2%減りました。 会社は2027年3月期のイニシャル部門を14.5%減の176億円、特殊ガス供給装置製造を43.1%減と計画しています。
有価証券報告書 第29期 - 施工の外注と技術者不足
供給配管の施工は基準を満たした工事業者へ外注しており、外注先の経営に問題が起きると工事が遅れる可能性があると有価証券報告書は記載しています。 同じ報告書は、外部からのエンジニア採用は非常に困難で自社教育で育成していると書いています。
有価証券報告書 第29期
04待遇
給与、初任給、休日、手当
ジャパンマテリアル単体の平均年間給与は637.4万円で前期比8.0%増、平均年齢は39.5歳、平均勤続年数は7.2年です。 キャリア採用の求人は年間休日122日で、プラント配管の施工管理の年収例は616万円です。
キャリア採用の年収例と平均年間給与
- 平均年間給与
- 2026年3月期の単体の従業員は455名、平均年齢39.5歳、平均勤続年数7.2年、平均年間給与637万4,052円で、前期比8.0%増えました。 数字は 有価証券報告書 第29期 の従業員の状況に載ります。
- 基本給の幅
- ガス供給・ボンベ交換は基本給22万〜32万円、特殊材料ガス営業と施工管理は基本給25万〜35万円です。 残業代は固定残業代ではなく実働分で支払われます。 求人一覧 から職種ごとの条件を開けます。
- 休日と勤務形態
- ジャパンマテリアルの日勤の職種は年間休日122日で土日祝日が休みです。 ボンベ交換は深夜帯のない交替勤務、子会社の装置メンテナンスは年間休日150日の昼夜2交替です。
- 資格取得
- 高圧ガス製造保安責任者や管工事施工管理技士などの国家資格は、講習・試験料を会社が全額負担し、取得後は資格手当がつきます。 求人 ガス供給・ボンベ交換 に記載があります。
05勤務地と職種
どこで、どんな仕事をするか
本社とテクニカルサポートセンターは三重県菰野町にあり、四日市TGM事業所はキオクシア四日市工場の中にあります。 事業所は千歳、北上、茂原、石川、東広島、諫早、大津町と、半導体工場のある地域にあります。
主な勤務地・拠点
- 本社・テクニカルサポートセンター
- 三重県三重郡菰野町永井3098番22装置の改造、エンジニア育成、部品・装置の倉庫機能
- 四日市
- 四日市事業所、四日市TGM事業所(キオクシア四日市工場内 四日市ガスセンター第2貯蔵所)クスノキケミコとPEKも四日市事業所に所在
- 国内事業所
- 千歳事業所(北海道千歳市)、北上事業所(岩手県北上市)、茂原サービスセンター(千葉県茂原市)、石川事業所(石川県能美市)、広島事務所(東広島市)、長崎事務所(諫早市)、熊本事業所(熊本県菊池郡大津町)
- グループ会社
- JMテック(柏崎、茂原、能美、白山、川北、東広島、大津)、JMエンジニアリングサービス、東和商工、PEK海外は台湾の茂泰利科技とシンガポールの3社
キャリア採用の主な求人
- プラント配管の施工管理
- 工事部門 設計・積算
- 配管工事 安全担当
- 特殊材料ガス営業
- 貿易業務
- ガス供給・ボンベ交換
- 薬品供給管理
- ポンプオーバーホール
- 半導体工場電気設備 運用管理
- 半導体製造装置メンテナンス
グループ全体で53件の求人を公開しています。 装置メンテナンスはJMエンジニアリングサービスの募集です。
06これから
会社が次に取りにいくもの
会社はオペレーション比率を64.5%から75.0%、さらに85.0%へ上げる目標を掲げ、NAND新工場、DRAM工場、九州・北海道への展開とガス販売の拡大を柱にしています。
オペレーション比率の目標と実績
- オペレーション比率 2026年3月期 64.5% 目標は75.0%、その次は85.0%
- オペレーション比率 2027年3月期 計画 71.1% オペレーション434億円の計画
- イニシャル比率 2026年3月期 35.5% 目標は25.0%、その次は15.0%
これからの材料
- 新工場への展開
- NAND新工場とDRAM工場向け、九州・北海道向けの事業拡大と、新規設備投資やレイアウト変更に伴うイニシャル案件の受注を 2026年3月期 決算説明資料 に挙げています。
- ガス販売
- 新規取引先工場向けの販売で国内外のガス販売を広げ、2027年3月期の特殊ガス販売管理業務は189億円を計画しています。
- 第1四半期の進み具合
- 通期の会社予想は売上高610億円、営業利益155億円です。 2027年3月期第1四半期 の売上高は159億円、営業利益は47億円でした。
NAND新工場とDRAM工場への展開
会社は、TFMと装置メンテナンスを生かしたシェア拡大として、既存取引先工場での事業拡大、NAND新工場とDRAM工場向けの事業拡大、九州・北海道向けの事業拡大を挙げています。 千歳事業所と熊本事業所がその地域の拠点です。 会社の計画では、イニシャル部門の売上は2027年3月期に14.5%減の176億円です。
オペレーション比率を75%、85%へ
会社は、イニシャルの売上を同額としたまま、オペレーション比率を2026年3月期の64.5%から75.0%、さらに85.0%へ上げる目標を掲げます。 2027年3月期の計画ではオペレーション比率は71.1%です。 比率の上昇はオペレーションが伸びるだけでなく、イニシャルの減少でも起きます。オペレーションの金額が計画の434億円へ届くかが中身を決めます。
特殊ガス販売の国内外拡大
会社は新規取引先工場への販売で国内外のガス販売を広げ、特殊ガスの安定供給を図る計画です。 2027年3月期の特殊ガス販売管理業務は189億円で前期比20.6%増を計画します。 2026年3月期は特殊ガス販売の一部で単価が下がり、この業務の売上は8.5%減りました。
製造装置の保守と部品
半導体製造装置向けの保守メンテナンス事業の拡大を掲げ、2027年3月期第1四半期は特殊ガス販売、半導体製造装置メンテナンス、装置部品の製造・販売を中心にオペレーション部門が好調でした。 シンガポールの子会社3社が装置部品の製造・洗浄・販売を担います。
07入口を選ぶ
専攻から、入口を1つに絞る
特殊ガスの装置・配管をつくる側か、工場の稼働を支える運転・保守の側か、自分の経験が近い方を決めてから職種を選びます。
プラント配管の施工管理
半導体工場用のガス、超純水、薬液などの配管工事を監督する仕事で、1人の監督が協力業者の施工チーム5〜10名を受け持ちます。 四日市、北上、東広島、熊本県菊池郡、千歳で募集しています。
公式採用情報技術本部 技術部 設計課
採用ページの社員紹介では、修士で半導体を学んだ新卒社員がガス供給装置の設計に関わり、実験も担当しています。 特殊ガス供給装置製造の売上は26億円です。
- Gas Cabinet
- 装置設計
- 実験
応募前の3手
- 特殊ガス供給装置、供給配管、ガス販売管理、技術サービスの4事業のうち、自分の専攻や経験と重なるものを1つ選ぶ
- キャリア求人はジャパンマテリアルグループとして公開され、グループには東和商工やJMテックなどの連結子会社がある
- キオクシアグループ向け35.0%と装置受注残の減少について、面接で聞く質問を2つ用意する
面接で使う技術語
- 施工管理
- 配管工事
- 特殊ガス
- 超純水
- 安全管理
- AutoCAD
- Tfas
- 積算
- 配管図面
- 原価
新卒は建設・土木、電気、機械、情報、化学、物理、素材などの理系の専門を生かせ、文系出身者も現場で働いています。
他社との違いを一言で
- 半導体特殊ガス供給の機器とサイトサービス
日本酸素ホールディングス(大陽日酸)
公式サイトは、半導体製造業界を中心にバルクガス精製、特殊ガス精製、半導体特殊ガス供給、ポイントオブユース排ガス処理システムを提供し、顧客施設での容器交換を含むガス・化学品の管理と配送をサイトサービスに挙げています。ジャパンマテリアルは供給装置、配管、ガス販売、ボンベ交換に加え、超純水、薬品、動力設備の運転管理と製造装置の保守まで請け負い、2026年3月期の技術サービスの売上は195億円です。
- 工場へのガス供給方式
エア・ウォーター
公式サイトは、太陽電池、薄型パネル、半導体ウェハーの製造プロセス向けに特殊ガスを供給でき、工場敷地内の製造装置で生産したガスをパイプラインで直送するオンサイト供給を掲げています。ジャパンマテリアルは工場内で特殊ガス供給装置から製造装置までの配管を設計施工し、2026年3月期の供給配管設計施工の売上は179億円です。
- 半導体工場の超純水
栗田工業
公式サイトは、半導体製造装置の付帯ユニットとして機能性水製造装置を提供し、流量可変型の一次純水システムを開発したと記載しています。ジャパンマテリアルは超純水プラントの運転管理とメンテナンスを子会社PEKが請け負い、超純水供給配管の設計施工を東和商工が担います。
出典21件
- 公式 会社概要
- 公式 拠点情報
- 公式 エレクトロニクス関連事業
- 公式 ジャパンマテリアルってどんな会社?
- 公式 グループ会社紹介
- IR 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) 2026年3月期
- IR 「2026年3月期 決算短信」の一部訂正 2026年3月期
- IR 2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結) 2027年3月期 第1四半期
ほか13件
- IR 2026年3月期 決算説明資料 2026年3月期
- IR 有価証券報告書 第29期 2026年3月期
- 採用 ジャパンマテリアルグループ 採用ページ
- 採用 採用ページ 会社紹介
- 採用 ジャパンマテリアルグループ 求人一覧
- 採用 求人 プラント配管の施工管理
- 採用 求人 工事部門 設計・積算
- 採用 求人 特殊材料ガス営業
- 採用 求人 ガス供給・ボンベ交換
- 採用 求人 半導体製造装置メンテナンス
- 公式 日本酸素ホールディングス エレクトロニクス事業 製品
- 公式 エア・ウォーター ガス供給
- 公式 栗田工業 電子産業