材料 / 非鉄金属 半導体材料・非鉄金属
JX Advanced Metals
半導体の配線になる金属を供給する会社
半導体材料と非鉄金属を1社で持つ素材メーカー。
営業利益1,750億円のうち1,395億円は基礎材料セグメントから出ています。
JX Advanced Metals(JX金属)は 半導体用スパッタリングターゲット で世界シェア約65%を持つ素材メーカーです。 2026年3月期の連結営業利益 1,750億円のうち1,395億円は基礎材料セグメントが稼いでいます。
- FY2026/03 連結売上高 8,846億円 前期比23.7%増。 半導体用スパッタリングターゲットと圧延銅箔の増販、銅価上昇が要因
- FY2026/03 連結営業利益 1,750億円 前期比55.5%増。 売上高営業利益率19.8%
- FY2027/03 会社予想 売上高(8月修正) 1兆250億円 営業利益2,320億円、親会社の所有者に帰属する当期利益1,410億円
FY2026/03 セグメント別の売上高3セグメント合計に対する構成比
- 基礎材料4,079億円
- 情報通信材料3,187億円
- 半導体材料1,772億円
この会社の要点
01立ち位置
何の会社として比べるか
JX Advanced Metalsは、銅とレアメタルを原料から材料まで一貫して作る素材メーカーです。
3セグメント
FY2026/03 セグメント別売上高
連結売上高は8,846億円です。 3セグメントのほかに「その他」-192億円が計上されます。
FY2026/03 セグメント別営業利益
連結営業利益1,750億円は、3セグメント合計から事業共通費用等-355億円を差し引いた後の値です。 売上高の順位と利益の順位では、情報通信材料セグメントと半導体材料セグメントが入れ替わります。
どの製品で上位を取っていると公式に書いているか
主要製品の世界シェア
会社が公式サイトのat a glanceに載せている世界シェアです。
半導体用スパッタリングターゲット
ウェハ上に薄膜を形成するPVD用の金属ターゲットです。 Cuターゲットは自社精製の6N(99.9999%以上)を標準品として供給し、Ti、Ta、W、Co、Ni、NiPtまで材質を並べています。
- Tiターゲット
- Cuターゲット
- Cu合金ターゲット
- Taターゲット
化合物半導体・結晶材料
InP基板はデータセンター向け光通信の光トランシーバーに使われる基板材料です。 CdZnTe(CdTe)基板、チタン酸ストロンチウム、YAGセラミックスも同じ製品区分に並びます。
- InP基板
- CdZnTe(CdTe)基板
- チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)
- YAGセラミックス
タンタル・ニオブ材料 / 高純度金属
キャパシタ向けタンタル粉を中心とした高純度粉末材料と、高純度塩化物、高純度金属、低α錫を供給します。 CVD/ALD前駆体材料は東邦チタニウムの塩化技術と組み合わせて量産を開始しています。
- タンタル・ニオブ材料
- 高純度塩化物
- 高純度金属
- 低α錫
圧延銅箔・高機能銅合金
FPC(フレキシブル基板)向けの圧延銅箔と、ばね性・導電性を高めたチタン銅、コルソン合金などの銅合金条を供給します。 電池用圧延銅箔やグラフェン用圧延銅箔も同じ区分です。
- 圧延銅箔
- チタン銅
- コルソン合金
- 電池用圧延銅箔
電気銅・金属リサイクル
銅精鉱とリサイクル原料から電気銅、貴金属、レアメタル、硫酸などを製造します。 100%リサイクル電気銅と100%リサイクル高機能伸銅品も製品として掲載されています。
- 銅地金・型銅
- 貴金属
- レアメタル
- 100%リサイクル電気銅
02収益
どこで、どれくらい儲けているか
FY2026/03は連結売上高8,846億円に対し営業利益1,750億円でした。 利益の約8割は銅価に連動する基礎材料セグメントで、半導体材料セグメントは395億円です。 FY2027/03第1四半期の営業利益は814億円でした。
8,846億円
前期比23.7%増。 半導体用スパッタリングターゲットや圧延銅箔などの主力製品の増販と銅価の上昇が主因です。
1,750億円
前期比55.5%増。 売上高営業利益率は19.8%、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,046億円です。
売上高1,772億円 / 営業利益395億円
営業利益は前期比48%増。 うち薄膜材料事業が売上高1,470億円・営業利益409億円、タンタル・ニオブ事業が売上高458億円・営業損失−7.0億円です。
売上高4,079億円 / 営業利益1,395億円
営業利益は前期比87%増。 銅価上昇とカセロネス銅鉱山の税効果影響が要因で、連結営業利益の約8割はこのセグメントです。
売上高1兆250億円 / 営業利益2,320億円
前提はLME銅価586セント/ポンド、為替157円/ドル。 会社は半導体材料セグメントの営業利益を610億円、基礎材料セグメントを1,470億円と見込んでいます。
FY2027/03 会社予想のセグメント別営業利益(2026年8月修正)
FY2026/03実績は基礎材料1,395億円、半導体材料395億円、情報通信材料315億円です。
連結営業利益の推移
2025年度は2026年3月期、2026年度は2027年3月期にあたります。
03強みとリスク
強みと、リスク・検討点
高純度金属の製造技術と製品ごとの純度公開が強みで、その一方で利益の大半が銅価連動の基礎材料セグメントに集中する構造が同じ決算に出ています。
強み
- 半導体用ターゲットの世界シェア
公式サイトの掲載値で、半導体用スパッタリングターゲットが世界シェア約65%、磁性材料用スパッタリングターゲットが約60%、高純度タンタル粉が約50%、InPウェハが約40%です。
グループ概要(世界シェアとセグメント別営業利益) - 半導体材料セグメントの利益率
FY2026/03の半導体材料セグメント営業利益率は22.3%で、連結の19.8%、情報通信材料セグメントの9.9%を上回ります。 会社はFY2027/03に26.5%を見込んでいます。
2027年3月期 第1四半期 決算説明資料(2026年8月6日) - 銅の原料から材料までを1社で持つ構成
資源事業と金属・リサイクル事業で銅精鉱とリサイクル原料を受け入れ、薄膜材料事業と機能材料事業で6N銅ターゲットや圧延銅箔まで加工します。 セグメントは半導体材料、情報通信材料、基礎材料の3区分です。
事業案内(セグメントと事業区分) - 純度を製品ごとに公開するターゲット
高純度化と合金化の技術をターゲット製造に使い、Cuターゲットは自社精製の6N、Taターゲットは4N5以上、Wターゲットは5N以上・密度99%以上と純度を製品ごとに公開しています。
半導体用スパッタリングターゲット
リスク・検討点
- 利益の約8割が銅価に連動する基礎材料セグメント
FY2026/03の営業利益1,750億円のうち1,395億円は基礎材料セグメントです。 LME銅価の期中平均は前期比66セント高の491セント/ポンドでした。
2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(2026年5月11日) - 銅精鉱の買鉱条件悪化と減産検討
決算短信に「足許の銅精鉱買鉱条件が著しく悪化していることから、当社グループが運営する製錬所において減産措置を実施する方向で検討を進めています」と記載されています。
2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(2026年5月11日) - FY2027/03予想に入るチリの鉱山減産
会社は2026年8月の予想修正で、チリの天候不良による鉱山減産の影響を-60億円と見込んでいます。 基礎材料セグメントの営業利益予想1,470億円は、LME銅価586セント/ポンドと為替157円/ドルが前提です。
2027年3月期 第1四半期 決算説明資料(2026年8月6日) - 新卒募集要項の待遇欄は、初任給、昇給年1回・賞与年2回、勤務時間、年間休日122日、福利厚生の区分です 新卒採用 募集要項
04待遇
給与、初任給、休日、手当
新卒の初任給は2026年4月入社実績で修士了31万8,100円、学部卒29.1万円です。 昇給は年1回、賞与は年2回、年間休日は122日です。
新卒初任給(2026年4月入社実績)
2026年4月入社社員の実績値です。
- 昇給・賞与
- 昇給は年1回、賞与は年2回(6月・12月)です。 新卒採用 募集要項 に同じ記載があります。
- 勤務時間
- 本社は9:00〜17:50でフレックスタイム制、事業所等は8:00〜16:50で一部フレックスタイム制と記載されています。
- 休日休暇
- 年間休日122日、完全週休2日制(原則土日)、年次有給休暇は初年度20日です。 ほかに慶弔休暇等があります。
- 福利厚生
- 社宅・独身寮、各種社会保険、保養所、財形貯蓄、持株会が掲載され、本社地区には家賃の7割程度を補助する選択借上社宅制度があります。
- 休暇制度
- 年次有給休暇は初年度20日で最大22日です。 慶弔休暇のほか、赴任休暇とリフレッシュ休暇があります。
05勤務地と職種
どこで、どんな仕事をするか
国内は本社の虎ノ門と、茨城事業所の磯原・日立・ひたちなか、神奈川の倉見工場、大分の佐賀関製錬所です。 新卒募集は技術系総合職と事務系総合職の2区分で、技術系には推薦応募と自由応募があります。
主な勤務地・拠点
- 本社
- 東京都港区虎ノ門二丁目10番4号 オークラ プレステージタワー管理部門・営業
- 茨城事業所(磯原地区)
- 茨城県北茨城市華川町臼場(薄膜材料事業部 磯原工場)ターゲット・InP基板
- 茨城事業所(日立地区)
- 茨城県日立市白銀町(技術開発センター、機能材料事業部 日立銅箔工場)研究開発・銅箔
- 茨城事業所(ひたちなか地区)
- 茨城県ひたちなか市新光町(2026年3月開業の新工場)半導体材料の新拠点
- 倉見工場
- 神奈川県高座郡寒川町倉見機能材料
- 佐賀関製錬所
- 大分県大分市大字佐賀関銅製錬
新卒の募集職種区分
- 資源探査/地質・資源技術
- 材料・プロセス(研究開発)
- 材料・プロセス(製造・生産技術)
- 分析
- プラントエンジニア(機械)
- プラントエンジニア(電気)
- プラントエンジニア(土木・建築)
- 情報システム
- 先端材料営業
- 基礎材料営業
- 経理
- 総務人事
ほか3件
- 法務
- 購買
- 物流
上の8区分が技術系総合職、下の7区分が事務系総合職です。 募集要項の勤務地欄には本社、倉見、日立・磯原、敦賀、佐賀関等が挙げられています。
06これから
会社が次に取りにいくもの
会社は中長期事業目標で、2027年度に営業利益の45%以上を半導体材料セグメントで稼ぐ目標を掲げます。 FY2026/03の構成比は19%でした。 同期の連結営業利益率19.8%とROE15.6%は目標を上回りました。
中長期事業目標(2027年度)とFY2026/03実績
- 連結営業利益率 19.8% 2027年度目標は12〜17%(縦線は上限17%)。 実績は決算短信の記載値
- ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) 15.6% 2027年度目標は10%以上(縦線は10%)。 実績は決算短信の記載値
- 半導体材料セグメント営業利益率 25〜30%
- 営業利益構成比 フォーカス事業67%以上
- 営業利益構成比 半導体材料セグメント45%以上
- NET Debt/EBITDA 1.5倍未満
FY2026/03実績の半導体材料セグメント営業利益率は22.3%、営業利益構成比は19%です。 目標は2027年度時点の数値です。
これからの材料
- ひたちなか新工場の増産投資
- 半導体用ターゲットの増産へ約230億円を投じ、2027年度下期より順次稼働、2023年度比1.6倍の能力増強を予定しています。 2023年度公表のひたちなか新工場向け投資1,500億円の内数です。 詳細は 2026年3月期 決算説明会資料 に記載されています。
- InP基板の増産
- 4か年で最大1,200億円を投じ、磯原工場とひたちなか地区でInP基板の生産能力を2025年度比7〜10倍へ引き上げる方針です。 光トランシーバー向けの需要拡大が理由として挙げられています。 インジウムリン基板の生産能力増強 が一次資料です。
- ポートフォリオの入れ替え
- カセロネス銅鉱山の権益を30%から25%へ引き下げ、フロンテラ地域の銅鉱山開発プロジェクト権益と併せて約340億円で譲渡しました。 得た資金はフォーカス事業の成長投資へ充てると公表されています。
InP基板の生産能力を7〜10倍へ
2026年6月16日に、4か年で最大1,200億円の設備投資でInP基板の生産能力を2025年度比7〜10倍へ引き上げる方針を公表しました。 磯原工場に加えてひたちなか地区でも生産体制を構築します。 投資方針の公表値であり、稼働後の実績は今後の開示待ちです。
ひたちなか新工場を半導体材料の中核拠点にする
2026年3月26日にひたちなか新工場の開業式を実施しました。 1985年の磯原工場開業以来およそ40年ぶりの国内主力拠点で、半導体用スパッタリングターゲットの試運転とリサイクル物流センターが立ち上がっています。
半導体材料セグメントを利益の柱へ移す中長期目標
2027年度目標は、半導体材料セグメントの営業利益率25〜30%、営業利益構成比45%以上、フォーカス事業の営業利益構成比67%以上です。 FY2026/03実績は営業利益率22.3%、構成比19%でした。 2027年度時点の目標値です。
海外加工拠点の能力増強
2026年7月23日に、韓国JX金属(京畿道平澤市)で約40億円を投じて半導体用スパッタリングターゲットの加工能力を2025年度比約2倍へ増強すると公表しました。 2027年度下期から段階的に稼働します。
07入口を選ぶ
専攻から、入口を1つに絞る
半導体用ターゲット、化合物半導体・結晶材料、タンタル・ニオブ材料、圧延銅箔、電気銅・リサイクルのうち、自分の専攻と重なる製品を1つ選び、そこから応募職種を1つに絞ります。
プラントエンジニア(機械 / 電気 / 土木・建築)
磯原、日立、ひたちなか、倉見、佐賀関の生産設備と新工場の建設・立ち上げを担う入口です。
- Plant
- Utility
- Construction
- Maintenance
応募前の3手
- ターゲット / InP基板 / タンタル粉 / 圧延銅箔 / 電気銅から担当したい製品を1つ選ぶ
- 研究・実務の測定値を1つ用意し、純度、不純物、組織、歩留まりのどれと結ぶか選ぶ
- 募集要項の職種区分と勤務地を公式ページから書き出す
面接で使う技術語
- Sputtering Target
- Powder Metallurgy
- Crystal Growth
- Rolling
- Purity
- ICP-MS
- Impurity
- Metallography
- Qualification
- Measurement
他社との違いを一言で
- 非鉄金属 / スパッタリングターゲット
三菱マテリアル
銅製錬と電子材料の両方を持つ点が重なります。JX Advanced Metalsは半導体用ターゲットに加えてInP基板、タンタル粉、圧延銅箔まで製品区分を並べています。
- 資源 / 製錬 / 電子材料
住友金属鉱山
資源、製錬、機能性材料の3本立てという事業構成が近い相手です。JX金属は基礎材料のほかに、半導体材料と情報通信材料の2セグメントを持ちます。
- 薄膜材料 / スパッタリングターゲット
Materion
薄膜材料で重なる海外企業です。JX Advanced Metalsは銅精鉱とリサイクル原料から金属を作る基礎材料セグメントを同じ会社の中に持ちます。
- 化合物半導体基板
住友電気工業
InPなどの化合物半導体基板で重なります。JX Advanced Metalsは基板とターゲットを同じ半導体材料セグメントに含めています。
出典15件
- 公式 製品情報
- 公式 半導体用スパッタリングターゲット
- 公式 事業案内(セグメントと事業区分)
- 公式 グループ概要(世界シェアとセグメント別営業利益)
- 公式 会社概要
- 公式 本社・事業所案内
- IR 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(2026年5月11日)
- IR 2026年3月期 決算説明会資料(2026年5月11日)