非鉄金属・電子材料 半導体装置用シリコン部材・低α線はんだ
三菱マテリアル
銅製錬の大手が持つ半導体装置用シリコン部材と低α線はんだ
セグメント売上の6割超を製錬・資源循環が占める非鉄大手で、半導体向けは高機能製品事業が担います。
第1四半期の高機能製品売上720億円は前年同期比31.4%増で、AI関連の需要が営業利益を5.0億円から32億円へ押し上げました。
三菱マテリアルは 半導体製造装置用のシリコン部材や低α線はんだ を作る非鉄大手です。 会社はAI向けの需要を受けて 高機能製品事業の通期売上予想 を2,588億円から2,847億円へ引き上げました。
- 2027年3月期第1四半期 高機能製品売上高 720億円 前年同期比31.4%増。 営業利益は5.0億円から32億円へ
- 2027年3月期 高機能製品の売上高予想 2,847億円 5月の予想2,588億円から引き上げ。 経常利益は80億円の見込み
- 2026年3月期 電子材料の営業利益率 3.1% 売上高840億円、営業利益26億円。 ROIC5.4%に対しWACCは8.3%
2026年3月期のセグメント別売上高(2026年4月からの新区分)セグメント売上の合計2兆1,040億円に対する比率
- 製錬・資源循環1兆3,290億円
- 伸銅品3,581億円
- 高機能製品2,345億円
- 超硬製品1,472億円
- 再生可能エネルギー・その他352億円
この会社の要点
01立ち位置
何の会社として比べるか
三菱マテリアルは製錬・資源循環がセグメント売上の6割超を占める非鉄大手で、半導体に関わるのはセグメント売上の11.1%の高機能製品と、リードフレーム向け銅素材を含む伸銅品です。 高機能製品は2027年3月期に入ってAI向けの需要で伸び、通期の売上予想は2,847億円に上がりました。
高機能製品の売上高(2026年4月からの新区分)
通期の売上高
第1四半期の売上高
どの事業で売上を立てているか
セグメント別売上高(新区分)
シリコン加工品(半導体製造装置用シリコン部材)
主に半導体前工程装置向けに、結晶シリコンのインゴットを加工して内部パーツを作ります。 部品の寸法精度は数ミクロンオーダーで、クリーンルームで洗浄・梱包して納めます。 グループ会社などから大型インゴットを調達でき、直径500mmや厚さ20mmのパーツも製造できます。
- 単結晶シリコンパーツ
- 柱状晶シリコンパーツ
角型シリコン基板「KAKUGATA」
最大600mm角の角型シリコン基板で、600mm×600mmでもTTV10μm未満を掲げます。 生成AIなどに使う先端2.xDパッケージで、再配線層(RDL)形成用のキャリア基板やシリコンインターポーザー材料としての用途を見込みます。
- 角型シリコン基板 KAKUGATA
低α線はんだ材
独自の金属精製技術で作る、ソフトエラーを減らすための低α線材料です。 約30年扱っており、CSPやBGAなどのフリップチップ接続用バンプ電極の形成に使われます。
- 低α線めっき液
- 低α線アノード
銅加工品(リードフレーム向け銅素材)
国内は大阪製作所、若松製作所、小名浜製錬鋳造部門の3拠点で、三菱マテリアルは伸銅品の国内生産量シェアNo.1を掲げています。 海外はルバタグループが7カ国・12拠点を持ちます。
- 伸銅品(条・板・棒・線)
- リードフレーム
- ブスバー
- 無酸素銅条
02収益
どこで、どれくらい儲けているか
利益の柱は製錬・資源循環と鉱山からの配当・持分法利益で、高機能製品の経常利益は2026年3月期で55億円でした。 新区分の高機能製品の営業利益率は2026年3月期通期で2.3%、2027年3月期第1四半期で4.4%です。 第1四半期の増益は、補足説明資料ではシール製品等の販売数量増加、決算短信ではAI関連製品の需要拡大によるものです。
売上高1兆8,440億円 / 営業利益605億円
売上高は前年度比6.0%減、営業利益は63.0%増でした。 経常利益は975億円、親会社株主に帰属する当期純利益は405億円です。
売上高840億円 / 営業利益26億円
売上高は前期の779億円から7.8%増えた一方、営業利益は32億円から減り、営業利益率は4.1%から3.1%へ下がりました。 シール製品等の減販が響きました。
売上高2,345億円 / 営業利益55億円
2026年4月の組織再編で、旧電子材料とLuvataを高機能製品にまとめました。 営業利益率は2.3%です。
売上高720億円 / 営業利益32億円
前年同期は売上高548億円、営業利益5.0億円でした。 営業利益率は4.4%で、連結売上5,970億円の12.1%を占めます。
連結売上高2兆4,000億円 / 営業利益1,300億円
タングステン、銅、金の価格上昇と円安を理由に引き上げました。 高機能製品の売上高予想は2,847億円で、2026年3月期から21.4%の増加です。
2026年3月期のセグメント別経常利益(新区分)
電子材料(旧区分)の四半期売上高
03強みとリスク
強みと、リスク・検討点
強みはシリコン結晶と金属精製の技術を半導体装置部材と実装材料に生かしている点で、銅の上流からリードフレーム向け素材まで社内で持ちます。 弱点は規模と資本効率で、高機能製品はセグメント売上の1割強、ROICは資本コストを下回っています。
強み
- AI向けの需要が第1四半期の利益を押し上げた
高機能製品の2027年3月期第1四半期は、売上高720億円(前年同期比31.4%増)、営業利益32億円で、前年同期の5.0億円から大きく増えました。 会社は半導体関連の需要環境をAI関連中心に堅調とみて、通期の経常利益予想を53億円から80億円へ引き上げています。
2027年3月期 第1四半期決算補足説明資料 - シリコン結晶の知見を装置部材に転用
前工程装置の内部パーツを、結晶シリコンのインゴットから寸法精度数ミクロンで加工します。 単結晶と柱状晶の2種類をそろえ、直径500mmや厚さ20mmの大型パーツまで作れる点を製品ページで掲げています。
シリコン加工品 - 低α線はんだ材の約30年の実績
フリップチップ接続のバンプ電極に使う低α線材料を約30年扱い、めっき液とアノードの両方を供給します。 会社は、高機能製品事業に世界シェアトップクラスの製品群があると掲げています。
低α線はんだ材 - 銅の上流から半導体向け素材まで一社で持つ
製錬で作った電気銅を原料に、リードフレーム向け銅素材まで自社で加工します。 採用サイトは同社を端子コネクターやリードフレーム向け銅素材のトップサプライヤーと紹介し、銅加工品と電子材料を組み合わせたパワー半導体関連製品の創出を計画に挙げています。
採用情報 高機能製品事業 - 半導体新事業開発センターを持つ研究開発体制
電子材料の研究開発は、イノベーションセンター、半導体新事業開発センター、三田工場、セラミックス工場などが担います。 2026年3月期の研究開発費85億円のうち、旧区分の高機能製品(銅加工と電子材料)は21億円で24.5%を占め、その中に半導体向け電子材料部材・部品の開発が入ります。
有価証券報告書 第101期
リスク・検討点
- 高機能製品はセグメント売上の1割強
2026年3月期の新区分では、セグメント売上の63.2%が製錬・資源循環で、高機能製品は11.1%です。 経常利益でも製錬・資源循環296億円、資源286億円に対し、高機能製品は55億円でした。
2026年3月期 決算補足説明資料 - 資本効率が資本コストに届いていない
旧電子材料の2026年3月期のROICは5.4%で、WACC8.3%を下回りました。 新区分の高機能製品でも2024〜2026年度のROICは3.6〜3.7%にとどまり、2028年度に7.0%以上へ引き上げる計画です。
中期経営戦略(2026~2028年度)進捗説明会資料 - AI以外の半導体需要が弱い
2026年3月期は半導体関連の需要がAI関連を除き低調で、電子材料では化成品とシール製品の販売が減りました。
2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) - アジアの競合に押された事業がある
三菱マテリアル電子化成のフッ酸事業は、アジア圏競合の台頭と製造設備の老朽化を背景に撤退を決めました。 2026年3月期の電子材料では化成品とシール製品の販売も減っており、残る製品群の収益性がROIC7.0%以上の達成を左右します。
中期経営戦略(2026~2028年度)進捗説明会資料 - 銅価格で伸銅品の利益が振れる
2026年3月期の伸銅品の経常利益は142億円で、金属価格の上昇による原材料の在庫評価益を含みます。 2027年3月期の当初予想では、伸銅品で前期の在庫評価益の反動減140億円を見込んでいます。 リードフレーム向け銅素材の利益は銅相場に左右されます。
2026年3月期 決算補足説明資料
04待遇
給与、初任給、休日、手当
2025年4月入社の初任給は学部卒28.2万円、修士了30.5万円、博士了31万7,500円です。 年間休日は本社例で126日です。 2026年3月期の単体の平均年間給与は732.9万円、平均年齢は43.0歳、平均勤続年数は19.0年でした。
新卒初任給(月給)
- 新卒の初任給
- 2025年4月入社の全社採用の実績は、学部卒28.2万円、修士了30.5万円、博士了31万7,500円で、いずれも一律のライフプラン手当1.5万円を含みます。 条件は 新卒採用 募集要項 に載ります。
- 休日と福利厚生
- 年間休日は本社例で126日で、事業所によって変わります。 独身寮・社宅、カフェテリアプラン、財形貯蓄、住宅融資、持株会、社内預金などの制度があります。
- 平均年間給与
- 2026年3月期の有価証券報告書では、単体従業員5,084名、平均年齢43.0歳、平均勤続年数19.0年、平均年間給与732.9万円(約732.9万円)で、前期比2.6%増でした。
- 採用の規模
- 募集要項の全社採用の実績は、2024年度で80名(技術系52名、事務系28名)です。 労働施策総合推進法に基づいて数えた2024年度の採用は、新卒124名、経験者124名で、経験者の割合は50%です。 経験者採用 のページに推移が出ます。
05勤務地と職種
どこで、どんな仕事をするか
本社は東京都千代田区丸の内です。 旧区分の高機能製品(銅加工と電子材料)の連結従業員は5,975名で、電子材料は国内5拠点・海外4拠点、銅加工は国内4拠点・海外5拠点に製造拠点があります。 勤務地は茨城、埼玉、東京、岐阜、大阪、兵庫、香川などです。
主な勤務地・拠点
- 三田工場
- 兵庫県三田市ほか電子材料製品の製造設備
- セラミックス工場
- 埼玉県秩父郡横瀬町電子デバイス製品の製造設備
- 伸銅品の拠点
- 大阪製作所(堺工場と三宝製作所を統合)、若松製作所(福島県会津若松市)、小名浜製錬鋳造部門
- シール製品
- 三菱電線工業 箕島製作所(和歌山県有田市ほか)熊谷第二工場を計画
- 海外の電子部品
- MMCエレクトロニクス・マレーシア社、MMCエレクトロニクス・タイランド社
新卒採用の職種
- 技術職
- 設備/プラントエンジニアリング職
- 技術開発/事業開発職
- 情報システム職
- 営業
- 人事・総務
- 法務
- 経理・財務
- 物流資材
技術職は設計開発、材料開発、製造技術/プロセスエンジニアリング、品質管理を含みます。 情報システム職は区分を超えた一括選考です。
06これから
会社が次に取りにいくもの
中期経営戦略(2026~2028年度)は、高機能製品で事業内のポートフォリオを組み替えながら、半導体と熱マネジメント分野の新製品を収益化する方針です。 高機能製品のROICは2028年度に7.0%以上を目標にします。
高機能製品の資本効率と利益
- ROIC(2024〜2026年度) 3.6〜3.7% 2028年度の計画は7.0%以上。 事業別WACCは約7.0%
- 売上高(2026年3月期) 2,345億円 2027年3月期の修正予想は2,847億円
- 経常利益(2026年3月期) 55億円 2027年3月期の修正予想は80億円
これからの材料
- 先端パッケージ
- 角型シリコン基板「KAKUGATA」を、先端2.xDパッケージのキャリア基板やシリコンインターポーザー材料として提案していると 角型シリコン基板の製品ページ に載ります。
- ポートフォリオの組み替え
- フッ酸事業の撤退を決め、三菱電線工業のシール材では熊谷第二工場の建設を進めます。 撤退と投資を同時に進め、付加価値の高い製品へ寄せる方針です。
角型シリコン基板で先端パッケージへ
最大600mm角の角型シリコン基板「KAKUGATA」を、先端2.xDパッケージの再配線層形成用キャリア基板やシリコンインターポーザー材料として提案しています。 大型シリコンインゴットの鋳造技術と加工技術を組み合わせた製品です。 会社は、生成AIなどに使う先端2.xDパッケージで、幅広い用途での活用を見込んでいます。
半導体と熱マネジメントの新製品
中期経営戦略は高機能製品の成長領域として、半導体と熱マネジメント分野での新製品創出と収益化を掲げます。 全社の研究テーマには、半導体関連用途の柔らかい伝熱パテ製品と、サブミクロン銅粒子を用いた焼結型銅接合材料があります。 研究テーマが事業部の製品として量産に移るまでの期間と、ROIC7.0%以上の目標に間に合うかが焦点です。
半導体製造装置向けシール材の新工場
三菱電線工業は、半導体製造装置や空気圧機器向けを中心にしたシール材の熊谷第二工場を建設し、自動化とDXを使うスマートファクトリーとして2027年以降の効果発現を計画しています。
AIデータセンター向けの無酸素銅条
伸銅品事業は、AIデータセンター向けヒートスプレッダー用途の無酸素銅条について、成長が見込まれる台湾市場を重点的に開拓します。 伸銅品事業は、xEV向け無酸素銅条でも顧客と連携して採用拡大を進めています。
07入口を選ぶ
専攻から、入口を1つに絞る
高機能製品事業を狙うなら、シリコン部材、低α線はんだ、角型シリコン基板のどれに関わりたいかを決め、技術系と事務系のどちらで応募するかを選びます。
技術職(高機能製品事業)
設計開発、材料開発、製造技術/プロセスエンジニアリング、品質管理を含む職種で、事業・製品に特化した製品開発や材料開発に取り組みます。 電子材料の製造設備は三田工場とセラミックス工場にあります。
公式採用情報設備/プラントエンジニアリング職
自社設備の企画や設計、生産ラインの導入・立ち上げ、設備メンテナンスを担う職種で、技術職の一部ですが別枠で募集します。 高機能製品では三菱電線工業がシール材の熊谷第二工場を自動化とDXを使うスマートファクトリーとして計画しています。
公式採用情報技術開発/事業開発職(本社機能)
イノベーションセンターなどで、事業を支えるコア技術の開発や全社横断の基礎研究に長期で取り組みます。 CAE解析、分析評価、第一原理計算・マテリアルズインフォマティクスを担う部署もあります。 研究テーマには半導体関連用途の伝熱パテや焼結型銅接合材料があります。
- R&D
- Materials Informatics
- CAE
- Cu Sintering
応募前の3手
- シリコン加工品、KAKUGATA、低α線はんだ材の製品ページを読み、それぞれの用途と品質指標をノートに書く
- 2026年3月期と2027年3月期第1四半期の高機能製品の売上・営業利益を書き出し、伸びた理由を説明できるようにする
- 募集要項の職種、勤務地、初任給、選考の流れを公式ページから転記し、志望区分を1つに絞る
面接で使う技術語
- Silicon Parts
- Low Alpha Solder
- Materials Development
- Process Engineering
- Quality Control
- Plant Engineering
- Equipment Design
- Line Start-up
- Maintenance
- Smart Factory
高機能製品事業の社員は材料・物質・金属系と化学・化学工学系の出身が中心です。
他社との違いを一言で
- 半導体パッケージの接合材料
千住金属工業
千住金属工業の製品情報は、ソルダボール、半導体組み立て用フラックス、メッキ用アノードを並べています。三菱マテリアルは低α線はんだ材として低α線めっき液と低α線アノードを出し、CSPやBGAのバンプ電極形成を用途に挙げます。低α線材料は独自の金属精製技術で開発し、約30年扱っています。
- 半導体向け金属材料と銅合金
JX金属
JX金属の製品カテゴリは、銅箔・銅合金、スパッタリングターゲット、化合物半導体・結晶材料、100%リサイクル高機能伸銅品です。三菱マテリアルの半導体向けは装置用シリコン部材、低α線はんだ材、角型シリコン基板で、銅合金は別セグメントの伸銅品(2026年3月期の売上3,581億円)が扱います。
- リードフレーム・放熱向けの銅合金条
DOWAメタルテック
DOWAメタルテックは銅系材料を扱い、C7025などの銅合金、Snめっき、ヒートシンクベース/ヒートスプレッダを製品に挙げます。三菱マテリアルの伸銅品はリードフレームや無酸素銅条を作り、AIデータセンター向けヒートスプレッダー用途の無酸素銅条で台湾市場を開拓しています。
出典21件
- 公式 高機能製品事業
- 公式 伸銅品事業
- 公式 シリコン加工品
- 公式 低α線はんだ材
- 公式 角型シリコン基板 KAKUGATA
- IR 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) 2026年3月期
- IR 2026年3月期 決算補足説明資料 2026年3月期
- IR 2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結) 2027年3月期第1四半期
ほか13件
- IR 2027年3月期 第1四半期決算補足説明資料 2027年3月期第1四半期
- IR 業績予想の修正に関するお知らせ(2026年8月6日) 2027年3月期
- IR 有価証券報告書 第101期 2026年3月期
- IR 中期経営戦略(2026~2028年度)進捗説明会資料 2026年3月期
- 採用 採用情報
- 採用 新卒採用 募集要項
- 採用 採用情報 高機能製品事業
- 採用 採用情報 事務系職種
- 採用 採用FAQ
- 採用 経験者採用
- 公式 千住金属工業 製品情報
- 公式 JX金属 製品・サービス
- 公式 DOWAメタルテック 伸銅・銅合金