半導体商社 技術支援つき半導体・セキュリティ商社
マクニカホールディングス
米国系半導体を技術支援つきで製造業へ売る横浜の商社
米国企業を中心とする半導体メーカーの商品を製造業へ売る技術商社で、2026年3月期の売上の85.7%を旧区分の半導体事業(CPSを含む)が占めます。
旧区分の半導体事業の営業利益率2.4%という薄い利幅を、売上1兆2,142億円の量と技術支援で利益に変える構造です。
マクニカホールディングスは旧区分の 半導体事業 で2026年3月期の売上の85.7%を稼ぎました。 営業利益の41.0%は、売上14.3%の旧区分の サイバーセキュリティ事業 が稼ぎました。
- 2026年3月期 売上高 1兆2,142億円 前期比17.4%増、うち旧区分の半導体事業1兆400億円
- 2026年3月期 営業利益 419億円 前期比5.8%増、営業利益率3.5%
- 2027年3月期第1四半期 営業利益 165億円 前年同期比101.4%増、新区分の半導体事業は133.0%増
2026年3月期の品目別売上構成(連結売上高に占める比率)
- アナログ3,060億円
- マイコン1,656億円
- パワーIC他1,419億円
- ASSP1,062億円
- PLD989億円
- 電子デバイス802億円
- メモリー622億円
- その他621億円
- ASIC166億円
- サイバーセキュリティ関連商品1,741億円
この会社の要点
2026年3月期の旧区分(CPSを含む)の半導体事業は売上が18.2%増えたのに、営業利益は6.1%減の247億円でした。 比較的利益率の低い海外売上の比率が高まったことと、新規事業への投資による販管費の増加が理由です。 旧区分の営業利益率は2.4%で、CPSを分けたデータパック組替値でも3.2%です。
強みとリスク01立ち位置
何の会社として比べるか
マクニカホールディングスは、米国企業を中心とする半導体メーカーの商品を技術支援つきで製造業へ売る商社です。 2026年3月期の売上高は1兆2,142億円で、2027年3月期は1兆3,000億円を見込みます。
2025年3月期から中期経営計画の2027年度目標までの売上高と営業利益
売上高
営業利益
どの地域の顧客へ売っているか
連結の地域別売上高
半導体事業の地域別売上高
アナログ・パワーIC
2026年3月期のアナログ売上は3,060億円で前期比29.8%増え、連結売上の25.2%を占める最大品目です。 パワーIC他は1,419億円でした。 Analog Devices、Infineon Technologiesと代理店契約を結び、産業機器や車載の顧客へ設計段階から技術提案をします。
- アナログIC
- パワーIC他
- Analog Devices製品
- Infineon Technologies製品
マイコン・PLD・ASSP・メモリー
2026年3月期の売上はマイコン1,656億円、ASSP1,062億円、PLD989億円、メモリー622億円です。 PLDは前期比34.9%増でした。 Altera Semiconductor、Renesas Electronicsと代理店契約を結んでいます。
- マイコン
- PLD
- ASSP
- ASIC
サイバーセキュリティ商品
2026年3月期のサイバーセキュリティ関連商品の売上は1,741億円で、うちソフトウェアが中心です。 旧区分のサイバーセキュリティ事業の営業利益率は9.9%で、旧区分の半導体事業の2.4%の約4倍です。 2027年3月期第1四半期の新区分のサイバーセキュリティ事業は売上567億円、営業利益54億円でした。
- エンドポイントセキュリティ
- SASE関連商品
- ASM関連商品
02収益
どこで、どれくらい儲けているか
利益の柱は量の半導体事業と率のサイバーセキュリティ事業です。 2026年3月期の営業利益419億円のうち、旧区分の半導体事業(CPSを含む)が59.0%、旧区分のサイバーセキュリティ事業が41.0%を稼ぎました。
売上高1兆2,142億円 / 営業利益419億円
売上高は前期比17.4%増、営業利益は5.8%増で、営業利益率は3.5%です。 経常利益は373億円、親会社株主に帰属する当期純利益は277億円でした。
売上高1兆342億円 / 営業利益396億円
2026年3月期は売上高が17.4%増えた一方、営業利益の伸びは5.8%にとどまりました。
半導体247億円(CPS含む) / サイバーセキュリティ172億円
旧区分の営業利益率は半導体事業2.4%、サイバーセキュリティ事業9.9%で、売上総利益率は半導体8.9%に対しサイバーセキュリティ21.5%でした。 CPSを分けたデータパック組替値では、半導体事業の営業利益は325億円、営業利益率は3.2%です。
売上高3,934億円 / 営業利益165億円
売上高は前年同期比39.7%増、営業利益は101.4%増です。 通期予想に対する進捗は売上高30.3%、営業利益31.7%です。
売上高1兆3,000億円 / 営業利益520億円
前提為替は1US$=150円です。 メモリー製品不足による影響を不透明要因に挙げています。
2026年3月期の旧区分の事業別売上高と営業利益
四半期ごとの売上高
03強みとリスク
強みと、リスク・検討点
強みは1兆円を超える半導体の販売量と、技術者が設計段階から顧客を支える体制です。 弱点は同じ構造の裏返しで、2026年3月期の旧区分の半導体事業の利幅が2.4%と薄く、仕入先の代理店政策、為替、運転資金に利益が揺さぶられます。
強み
- 1兆円を超える半導体の販売量
2026年3月期の旧区分(CPSを含む)の半導体事業の売上は1兆400億円で前期比18.2%増えました。 産業機器では海外の新たな商流獲得と半導体製造装置向けの回復、コンピュータではAIサーバー向けの需要増、車載では商流移管が伸びを支えました。
2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) - 技術支援で選ばれる商社
マクニカは、物流機能に加えて、顧客が新しい技術を使いこなすためのテクニカルサポートを差別化の柱に挙げています。 従業員の3人に1人が技術者で、取引先数は約26,000社です。
有価証券報告書(2026年3月期) - 利益率の高いサイバーセキュリティ事業
旧区分のサイバーセキュリティ事業は2026年3月期の売上の14.3%ですが、営業利益172億円で連結営業利益の41.0%を稼ぎました。 売上総利益率は21.5%で、旧区分の半導体事業の8.9%を大きく上回ります。
2026年3月期 決算説明資料(データ編) - 2027年3月期第1四半期の利益回復
CPSを分けた新区分の半導体事業の第1四半期の営業利益は136億円で、組替後の前年同期比133.0%増えました。 営業利益率は組替後の前年同期の2.5%から4.1%へ上がり、売上総利益率も回復しました。
2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
リスク・検討点
- 売上が伸びても利幅が縮む
2026年3月期の旧区分(CPSを含む)の半導体事業は売上が18.2%増えたのに、営業利益は6.1%減の247億円でした。 比較的利益率の低い海外売上の比率が高まったことと、新規事業への投資による販管費の増加が理由です。 旧区分の営業利益率は2.4%で、CPSを分けたデータパック組替値でも3.2%です。
2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) - 仕入先の代理店政策に商権が依存
マクニカは、仕入先のM&Aや代理店政策の見直しで代理店再編成が起きると、商権が変わるリスクを挙げています。 Analog Devicesとの契約は90日前、Altera Semiconductorとの契約は30日前の書面通知で終了できます。
有価証券報告書(2026年3月期) - 運転資金の膨張
2026年3月期末の受取手形及び売掛金は2,938億円で前期末から786億円増え、商品在庫も293億円増の2,639億円になりました。 営業キャッシュ・フローは187億円で、純利益277億円を下回ります。 短期借入金は757億円、自己資本比率は45.4%から39.8%へ下がりました。
2026年3月期 決算説明資料(データ編) - 中国向けと為替
2026年3月期の中国向け売上は2,493億円で連結の20.5%、旧区分の半導体事業の売上では24.0%です。 有価証券報告書は米中対立による中国への輸出規制をリスクに挙げます。 国内仕入額のドル建比率は82.0%、販売額のドル建比率は43.9%です。
有価証券報告書(2026年3月期) - CPSソリューション事業の赤字
決算説明資料の暫定の組替値では、自動運転EVバスなどのCPSソリューション事業の2026年3月期の営業損失は−78億円で、旧区分の半導体事業などから分けた額です。 2027年3月期第1四半期の営業損失は−25億円で、通期のデータパック組替値ベースの予想は−56億円の損失です。
2026年3月期 決算説明資料(データ編)
04待遇
給与、初任給、休日、手当
新卒の初任給は大学院卒が月31万2,390円、大学卒・高専卒が月30万110円で、固定残業代20時間分を含みます。 中核子会社の株式会社マクニカの平均年間給与は783万9,643円、平均年齢は39.4歳です。
新卒初任給(月の総支給額)
- 新卒の初任給
- 2025年4月の実績で、大学院卒は基本給26.7万円に諸手当を加えて総支給額31万2,390円、大学卒・高専卒は基本給25万6,500円で総支給額30万110円です。 諸手当は固定残業代20時間分です。 条件は 新卒採用 募集要項 に載ります。
- 勤務時間と休日
- 勤務時間は8:45〜17:15で実働7.5時間です。 年間休日数は125日です。 賞与は年2回、昇給は年1回です。
- 平均年間給与
- 2026年3月期の有価証券報告書では、株式会社マクニカの従業員2,894名、平均年齢39.4歳、平均勤続年数11.2年、平均年間給与783万9,643円(約784万円)で、平均年間給与は前期比5.4%減りました。 有価証券報告書 の従業員の状況に載ります。
- 人の構成と定着
- 社員は中途59.3%・新卒40.7%の構成で、新卒入社社員の3年以内離職率は11.9%、従業員の3人に1人が技術者です。 これらの数字は 数字で知るマクニカ に載っています。
05勤務地と職種
どこで、どんな仕事をするか
本社は新横浜にあり、国内外に100拠点を展開します。 連結従業員5,261名のうち3,569名が集積回路及び電子デバイスその他事業(CPSを含む)、1,229名がサイバーセキュリティ及びその他ITソリューション事業に属し、事業拠点は世界33の国と地域にあります。
主な勤務地・拠点
- 本社
- 横浜市港北区新横浜のマクニカ第1ビル・第2ビルクラビス、フィネッセ、テクスター、アルティマの各ディビジョンカンパニーも同所
- 国内営業拠点
- 品川、大阪、名古屋、宇都宮、福岡、水戸、上田、長岡、松本、神田、静岡、仙台の各オフィス
- 物流・プログラミング拠点
- ロジスティクス/プログラミングセンター(横浜市神奈川区)、横浜金沢ロジスティクスセンター
- 海外
- MACNICA TAIWAN、MACNICA SHANGHAI、MACNICA KOREA、MACNICA AMERICAS、MACNICA ATD EUROPE、MACNICA CYTECHなどの子会社
半導体領域エンジニア職の職務
- FAE
- 開発設計エンジニア
- カスタマーサクセス
- 半導体QE
- テクニカルサポート
- サービスエンジニア
- 半導体AE
新卒の総合職はビジネスドライブ職、エンジニア職、コーポレート職の3区分で、募集人数は50名〜100名程度です。
06これから
会社が次に取りにいくもの
会社は中期経営計画で2027年度の連結売上高1兆4,000億円、営業利益800億円を掲げます。 2027年3月期からはCPSソリューション事業を独立セグメントにし、半導体、サイバーセキュリティとの3本柱にしました。
中期経営計画の2027年度目標と2026年3月期実績
- 連結売上高 1兆2,142億円 2027年度目標は1兆4,000億円
- 連結営業利益 419億円 2027年度目標は800億円
- 連結営業利益率 3.5% 2027年度目標は5.7%
- 連結ROE 10.0% 2027年度目標は15.0%
これからの材料
- サイバーセキュリティ
- エンドポイントセキュリティ、ASM、SASE関連商品が伸び、シンガポールを中心としたアジア太平洋地域の事業も伸長しました。 2027年3月期第1四半期の売上は前年同期比36.1%増です。
- CPSソリューション
- 自動運転EVバスEVOが常陸太田市の一般道でレベル4の運行認可を取得し、遠隔運行管理システムeverfleetの開発を続けています。 第1四半期は売上18億円、営業損失−25億円でした。
中期経営計画 2027年度に1兆4,000億円
中期経営計画(FY2025〜FY2027)は2027年度に連結売上高1兆4,000億円、連結営業利益800億円、営業利益率5.7%、ROE15.0%を目標にします。 2026年3月期の実績は営業利益率3.5%、ROE10.0%です。 CPSを分けた半導体事業の営業利益率は、2026年3月期のデータパック組替値で3.2%、2027年3月期の会社予想で3.4%です。
AIサーバーと半導体製造装置向け
会社は2027年3月期も、AIサーバー向けの需要が国内外で堅調に続くと見ています。 産業機器では国内市場の回復も期待しています。 第1四半期は半導体製造装置を中心に、FA工作機械向けの回復もみられました。
CPSソリューションを独立セグメントへ
2027年3月期から報告セグメントを半導体事業、サイバーセキュリティ事業、CPSソリューション事業の3つに分けました。 自動運転EVバスEVOは茨城県常陸太田市の一般道でレベル4の運行認可を取得しています。 地方自治体の導入判断が長期化しており、費用の計上が販売収益に先行する状態がいつ解消するかが焦点です。
Vision2030 連結売上高2兆円
2030年度の長期経営目標は連結売上高2兆円、連結営業利益1,500億円、営業利益率7.5%です。 マクニカは高付加価値ディストリビューションに加え、サービス・ソリューションモデルを強化する方針です。 営業利益率を3.5%から7.5%へ倍以上に引き上げる計画です。
07入口を選ぶ
専攻から、入口を1つに絞る
アナログ、マイコン、PLDのうち自分の専攻と重なる品目を1つ選び、エンジニア職とビジネスドライブ職のどちらで仕入先と顧客の間に立つかを決めます。
半導体エンジニア(FAE・開発設計・半導体AE)
担当仕入先メーカーの半導体商品を使い、お客さまへの技術提案と製品開発サポートを行います。 半導体領域の職務にはFAE、開発設計エンジニア、半導体QE、テクニカルサポート、半導体AEがあり、必要に応じてリファレンスデザインの開発も手掛けます。
公式採用情報プロダクトセールス / フィールドセールス
プロダクトセールスは担当仕入先メーカーの半導体やサイバーセキュリティ商材をお客様へ提案し、販売戦略の立案から実行までを担当します。 フィールドセールスは半導体を製品に組み込む製造業のお客様に製品開発のソリューションを提案します。
公式採用情報ITエンジニア(サイバーセキュリティ)
担当仕入先メーカーのネットワーク・セキュリティ商品を使い、技術コンサルティングを始めとした技術提案とシステム構築サポートを行います。 自社製品・サービスの開発やIT戦略立案のポジションもあります。
- Cyber Security
- SASE
- Zero Trust
- Endpoint
応募前の3手
- Analog Devices、Renesas Electronics、Altera Semiconductorの製品から1つ選び、どの産業の顧客製品に入るかをノートへ書く
- 2026年3月期の旧区分の半導体事業の営業利益率2.4%とサイバーセキュリティ事業の9.9%を書き出し、利幅の差がどこから来るかを考える
- 募集要項の職種、勤務地、初任給、固定残業代の条件を公式ページから書き出す
面接で使う技術語
- FAE
- Analog IC
- FPGA
- Microcontroller
- Reference Design
- Product Sales
- Field Sales
- Supplier
- Design-in
- Distribution
新卒の募集は全学部・全学科が対象で、ビジネスオペレーション職を除く各職種に普通自動車1種免許の保有または入社までの取得が求められます。
他社との違いを一言で
- 半導体とネットワーク・セキュリティの両方を扱う商社
東京エレクトロンデバイス
東京エレクトロンデバイスは半導体製品やボード・電子部品の販売とPB製品の製造・販売を行うEC事業と、ネットワーク・ストレージ・セキュリティ製品のCN事業を持ち、売上高は2,037億円(2026年3月期)です。マクニカの2026年3月期は、旧区分の半導体事業1兆400億円とサイバーセキュリティ事業1,741億円の2本柱です。
- 国内の半導体・電子部品商社
レスター
レスターのデバイス事業はソニー製イメージセンサーに加え、グローバルの半導体・電子部品を扱い、LSI設計開発・支援や信頼性試験受託サービスも行っています。マクニカの最大品目はアナログで、Analog Devices、Infineon Technologies、Renesas Electronics、Altera Semiconductorと代理店契約を結んでいます。
- 独立系の電子部品・半導体商社
加賀電子
加賀電子の仕入先は国内外8,900社、お客様は10,700社を超え、直接取引しています。マクニカは取引先数約26,000社、世界33の国と地域に事業拠点を持ち、2026年3月期の連結売上高は1兆2,142億円です。
出典13件
- 公式 株式会社マクニカ 企業概要
- 公式 株式会社マクニカ 拠点情報
- IR 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) 2026年3月期
- IR 2026年3月期 決算説明資料(データ編) 2026年3月期
- IR 2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結) 2027年3月期第1四半期
- IR 有価証券報告書(2026年3月期) 2026年3月期
- 採用 マクニカ総合採用サイト
- 採用 新卒採用 募集要項
ほか5件
- 採用 事業とキャリアを知る
- 採用 数字で知るマクニカ
- 公式 東京エレクトロンデバイス 会社概要
- 公式 レスター デバイス事業
- 公式 加賀電子 電子部品・半導体ビジネス