電子部品 プリント基板・半導体パッケージ基板
メイコー
車載基板で稼ぎ、AIサーバーと半導体パッケージ基板へ投資するプリント基板メーカー
プリント基板の専業メーカーで、2026年3月期の売上2,406億円の40.5%を車載向け基板が占めます。
半導体PKG基板の売上は20億円で全体の0.8%です。 成長を牽引しているのは衛星通信向け(165億円から282億円)とAIサーバー向け(42億円から73億円)の基板です。
メイコーは MSAP・SAP工法 でL/S=10/10μmの配線を作るプリント基板メーカーです。 2026年3月期の売上の4割は 車載向け基板の975億円 で、半導体PKG基板は20億円です。
- 2026年3月期 売上高 2,406億円 前期比16.3%増。 電子回路基板1,980億円、電子機器426億円
- 2026年3月期 営業利益 246億円 前期比28.8%増、営業利益率10.2%
- 2026年3月期 設備投資額 497億円 2026年度から2028年度は毎年700億円の設備投資を計画(中期経営計画は累計2,100億円)
2026年3月期の商品別売上高億円 · 2025年度 決算補足説明資料
- 車載975億円
- スマホ・タブレット294億円
- 衛星通信282億円
- アミューズメント・産業機器ほか244億円
- ODM229億円
- EMS197億円
- モジュール基板92億円
- AIサーバー73億円
- 半導体PKG基板20億円
この会社の要点
01立ち位置
何の会社として比べるか
メイコーは、車載とスマートフォン向けのプリント基板で売上の土台を作り、衛星通信とAIサーバー向けの高多層ビルドアップ基板で伸びている基板メーカーです。 2026年3月期の売上高は2,406億円で、電子回路基板が82.3%、EMSとODMを含む電子機器が17.7%を占めます。
2025年3月期から2027年3月期予想までの売上高と営業利益
売上高
営業利益
どの種類の基板で稼いでいるか
電子回路基板の製品別売上高
事業別売上高
半導体パッケージ基板
ICチップをプリント基板に実装する際の外部接続端子になる微細な基板です。 サブトラ工法に加えてMSAP工法とSAP工法を導入し、L/S=10/10μmのパターンに対応します。 ABF材とコアレス工法も扱い、メモリーやCPU向けに実績があります。 2026年3月期の売上は20億円で、2027年3月期は30億円を見込みます。 AIサーバーを構成する基板として、会社はロジック系のFC-BGA基板とメモリー系のCSP基板を挙げています。
- FC-BGA基板(ロジック系PKG基板)
- CSP基板(メモリー系PKG基板)
- コアレス基板
- モジュール・パッケージ基板(石巻工場)
ビルドアップ基板(高多層HDI・SLP)
絶縁層上に導体パターンを作り、レーザー技術やめっき技術で一層ずつ積み重ねる多層基板です。 2026年3月期の売上は1,098億円で、売上全体の45.6%を占める最大の製品群になりました。 2027年3月期は1,560億円を見込み、衛星通信とAIサーバー向けの高多層品をベトナム第4工場で増やします。
- 高多層HDI基板
- 高周波・高密度ビルドアップ基板(SLP)
- エニーレイヤー基板
- メモリーモジュール基板
パッケージ・ボードレベル協調設計検証
顧客がチップ設計とパッケージ設計を行い、メイコーはサブストレート設計からボードの部品実装までを担います。 100GHz帯までの材料誘電特性と伝送線路特性の計測、電磁界解析、熱解析、応力解析、測定基板の製造を提供し、材料メーカーや薬液メーカーにも納めています。
- 材料誘電特性計測
- 伝送線路特性計測
- SI/PI解析
- 測定基板製造
02収益
どこで、どれくらい儲けているか
利益の大半は電子回路基板から生まれます。 2026年3月期の営業利益246億円のうち212億円が電子回路基板で、利益率は10.7%でした。 電子機器は34億円で8.0%です。
売上高2,406億円 / 営業利益246億円
売上高は前期比16.3%増、営業利益は28.8%増で、どちらも過去最高でした。 付加価値の高いビルドアップ基板の増加、工場稼働率の向上、生産性改善が利益を押し上げました。
電子回路基板212億円 / 電子機器34億円
電子回路基板の営業利益率は10.7%、電子機器は8.0%です。 売上の82.3%を電子回路基板が占めます。
売上高732億円 / 営業利益61億円
売上高は前年同期比38.0%増、営業利益は8.7%増です。 衛星通信向けは43億円から122億円へ183.7%増え、AIサーバー向けは26億円で85.7%増えました。 営業利益率は10.5%から8.3%へ2.2ポイント下がりました。
売上高3,200億円 / 営業利益380億円
売上高は前期比33.0%増、営業利益は54.6%増の予想です。 ベトナム第4工場とホアビン工場の生産開始を織り込んでいます。
2026年3月期の事業別営業利益
売上高の推移と計画
03強みとリスク
強みと、リスク・検討点
強みは車載基板の売上基盤と、ビルドアップ基板への製品構成の移行です。 弱点は、半導体パッケージ基板がまだ20億円の規模で、成長が衛星通信とAIサーバー向けの大型投資と借入に支えられている点です。
強み
- 車載基板の厚い売上基盤
2026年3月期の車載向け売上は975億円で、売上の40.5%を占めます。 2027年3月期の第1四半期も221億円から277億円へ25.3%増え、新規顧客と既存顧客の両方で伸びました。 メイコーは車載基板の信頼性とスマートフォン向けの高密度化の技術を両輪の強みに挙げています。
2025年度 決算補足説明資料 - ビルドアップ基板への製品構成の移行
ビルドアップ基板の売上は2025年3月期の887億円から2026年3月期に1,098億円へ増え、多層貫通基板820億円を上回りました。 電子回路基板の営業利益率は10.1%から10.7%に上がりました。 会社は付加価値の高いビルドアップ基板の増加を増益の要因に挙げています。
2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) - 衛星通信とAIサーバーの急成長
衛星通信向けの売上は2025年3月期165億円、2026年3月期282億円と伸び、2027年3月期は550億円を見込みます。 第1四半期は122億円で、売上の16.7%を占めました。 AIサーバー向けは73億円から170億円へ2.3倍にする計画です。
2026年度第1四半期 決算補足説明資料 - パッケージ基板の微細配線技術
MSAP工法とSAP工法でL/S=10/10μmの配線を形成し、ABF材とコアレス工法にも対応します。 チップとパッケージの設計を受け取り、サブストレート設計から実装、100GHz帯までの特性計測までを一社で引き受ける協調設計検証サービスも持っています。
半導体パッケージ基板
リスク・検討点
- 車載への依存
売上の40.5%が車載向けです。 自動車メーカー各社のEV戦略の見直しが進む一方、自動運転や運転支援の需要は堅調です。 2027年3月期の車載予想は1,000億円で、伸びは前期比25億円にとどまります。
2025年度 決算補足説明資料 - 半導体パッケージ基板の規模が小さい
半導体PKG基板の売上は2026年3月期20億円、2027年3月期予想30億円で、売上予想3,200億円の0.9%です。 第1四半期も4.0億円で前年同期と同額でした。 ICパッケージ基板を提供するイビデンや、フリップチップパッケージ用基板を作る新光電気工業と並ぶには、量産実績の積み上げが必要です。
2026年度第1四半期 決算補足説明資料 - 設備投資と借入の重さ
2026年3月期の投資活動の支出は555億円で、営業活動で得た275億円の2.0倍でした。 長期借入れで資金を賄い、有利子負債は2026年3月期末の1,219億円から2029年3月期に2,193億円まで増える計画です。 負債資本倍率は0.85倍から2028年3月期に1.16倍へ上がる計画です。 第1四半期末の自己資本比率は36.3%で、期首の40.6%から下がりました。
2025年度 決算説明会資料 - 原材料高と立ち上げ費用
第1四半期は原材料不足に伴う価格の高騰が製品価格の見直しを上回り、新工場の立ち上げ費用、新製品の準備費用、M&A関連費用も増えました。 売上は38.0%伸びた一方、営業利益の伸びは8.7%でした。
2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結) - 生産拠点のベトナム集中
新工場はベトナム第4工場、ホアビン工場、クアンミン第3工場、イエンクアン工場と、すべてベトナムに置かれます。 投資規模はホアビン約500億円、イエンクアン約600億円で、増産計画の大半が同じ国の工場立ち上げに集まっています。
2025年度 決算説明会資料
04待遇
給与、初任給、休日、手当
新卒の初任給は大学院修士修了31万3,900円、大学学部卒28万8,600円です。 賞与は年2回で2025年度実績は5.4ヶ月、年間休日は126日、残業は月平均14.3時間です。
新卒初任給(月給)
- 新卒の初任給
- 大学院修士修了31万3,900円、大学学部卒28万8,600円、高専卒23万5,600円、短大・専門卒21万7,400円です。 職種と勤務地は 新卒採用 募集要項 にまとまっています。
- 賞与と昇給
- 昇給は年1回(4月)、賞与は年2回(6月、12月)で、2025年度実績は5.4ヶ月でした。
- 休日と労働時間
- 年間休日は計画年休5日を含めて126日です。 勤務時間は8:30〜17:20で、2024年度の残業は月平均14.3時間、有給休暇の平均取得日数は11.8日でした。
- 住まいと子育て
- 借上社宅制度、奨学金返還支援制度、株式給付制度、確定拠出年金があり、本社には社内保育所があります。 働く環境を知る に制度の詳細があります。
05勤務地と職種
どこで、どんな仕事をするか
本社と神奈川工場は綾瀬市にあり、国内の基板生産は神奈川・山形・宮城・福島の工場が担います。 海外は中国の広州・武漢と、ベトナムのハノイ周辺とフート省に工場が集まり、新工場もすべてベトナムに建てています。
主な勤務地・拠点
- 本社・研究開発
- 本社・神奈川工場(神奈川県綾瀬市)、海老名研究開発センター(神奈川県海老名市)神奈川工場はMLB、HDI、部品内蔵基板、放熱基板、厚銅基板を生産
- 国内工場
- 天童工場・河北工場(山形県)、石巻工場(宮城県)、福島工場(福島県)石巻工場の生産品目に部品内蔵、新工法FPC、モジュール・パッケージ基板
- ベトナム
- ベトナム工場・タンロン工場(ハノイ)、ハイズオン工場、クアンミン工場、ホアビン工場、イエンクアン工場(建設中)ホアビン工場は高周波・高密度・高多層ビルドアップ基板を生産
- 中国
- 広州工場(MLB、HDI)、武漢工場(MLB、HDI、放熱基板、厚銅基板)
- 国内営業
- 大宮、水戸、名古屋(刈谷市)、大阪の各営業所と、東京営業所(EMS事業)
新卒採用の職種
- 基板技術
- ODM/EMS技術
- メカトロニクス技術
- 映像技術
- 基板営業
- 管理系総合
募集人数は20~30名です。 基板技術には総合職のほか、東北勤務限定やエリア職のコースがあります。
06これから
会社が次に取りにいくもの
中期経営計画は2028年度(2029年3月期)に売上高4,600億円、営業利益650億円、営業利益率14.0%を掲げ、設備投資は2026年度から2028年度に毎年700億円を計画します。 2026年3月期の497億円と合わせた4年間の設備投資額は2,597億円です。 2028年度の売上高4,600億円は、2026年3月期の実績2,406億円の1.9倍です。
中期経営計画の経営目標と2026年3月期実績
- 売上高 2,406億円 2028年度(2029年3月期)目標は4,600億円
- 営業利益 246億円 2028年度目標は650億円
- 営業利益率 10.2% 2028年度目標は14.0%
これからの材料
- 衛星・AI向けの新工場
- ベトナム第4工場は投資規模を約450億円へ引き上げ、衛星・AI向け高多層ビルドアップ基板の量産を始めました。 ホアビン工場はSLP、イエンクアン工場は衛星向け中高多層ビルドアップ基板を作ります。 ホアビン工場とイエンクアン工場 の投資規模は約500億円と約600億円です。
- 半導体パッケージ基板
- 半導体パッケージ基板を新たな事業の柱とし、高周波材料のプロセス検討とガラス基板のプロセス開発に着手しています。
- AIサーバー向け電源基板
- キャパシタの基板内蔵化技術で、GPUの直近に内蔵キャパシタを置く低インダクタンスの電源基板を開発しています。
ベトナム第4工場で衛星・AI向け高多層基板
第2工場の能力不足を補う工場で、衛星・AI向け高多層ビルドアップ基板とメモリーモジュール基板を作ります。 投資規模は約250億円から約450億円へ引き上げられ、衛星・AIを中心に量産を始めました。 衛星通信向けの伸びは顧客の増産によるものです。第4工場は2025年7月に稼働し、今もラインを増設しています。
ホアビン・イエンクアンの新工場群
ホアビン工場は約500億円を投じて高周波・高密度ビルドアップ基板(SLP)を作り、イエンクアン工場は約600億円で衛星向け中高多層ビルドアップ基板の自動化工場を建てます。 ACCL社との合弁はACCL70%、メイコー30%の出資でAIサーバー向け高多層基板に参入します。 イエンクアン工場は建設中です。2028年度の売上高4,600億円は会社の目標です。
半導体パッケージ基板を第三の事業へ
会社は半導体パッケージ基板を新たな事業の柱とし、量産に向けた開発を強化して2023年に石巻第2工場を竣工しました。 高周波材料のプロセス検討に加え、ガラス基板のプロセス開発にも着手しています。 半導体PKG基板の売上は2026年3月期に20億円で、会社は2027年3月期を30億円と見込んでいます。
AIサーバー向け電源基板
キャパシタを基板に内蔵する技術でGPUの直近に内蔵キャパシタを配置し、低インダクタンスかつ低ノイズの電源基板を部品メーカーと開発しています。 会社はAIサーバー向けの売上を2027年3月期に170億円と見込んでいます。
FCLコンポーネントの事業取得
FCLコンポーネントの複合事業を取得し、メイコーエレクコンポーネントとして連結しました。 約150名のエンジニアを迎え、無線モジュール、車載電装ユニット、キーボード、タッチパネルなどを電子機器事業へ加えます。 電子機器事業の営業利益率は8.0%で、電子回路基板の10.7%を下回ります。メイコーエレクコンポーネントはこの電子機器事業に加わります。
07入口を選ぶ
専攻から、入口を1つに絞る
半導体パッケージ基板、ビルドアップ基板、車載基板のどれに関わりたいかを決め、基板技術、ODM/EMS技術、基板営業のどれで応募するかを選びます。
基板技術(生産技術)
量産製品や生産工程の改善を主に担い、新工場の立ち上げでは生産ラインの設置検討、試作製造、量産時の良品検証も行います。 基板技術の勤務地は天童・河北・石巻・福島・神奈川の各工場、海老名研究開発センター、本社です。
公式採用情報基板技術(商品研究開発)
既存の材料・工法・基板構造にとらわれない新規基板の開発をテーマごとのグループで進めます。 現在の主なテーマは高放熱性、大電流・高電圧対応、高速通信です。 社員インタビューでは商品技術部 商品開発一課が半導体パッケージ事業を語っています。
公式採用情報基板技術(商品設計)
新規製品の受注にあわせて顧客と打ち合わせ、設計仕様を決めます。 試作から量産直前までを担当し、顧客の工場監査への同行や工場と一緒の認定活動も行います。
- Design Review
- Specification
- Qualification
- Automotive
応募前の3手
- 商品別売上の車載975億円、衛星通信282億円、AIサーバー73億円、半導体PKG基板20億円を書き出し、関わりたい市場を1つ決める
- MSAP工法、SAP工法、ビルドアップ基板の工程を調べ、自分の専攻とつながる工程をノートへ書く
- 募集要項から職種、勤務地、初任給、選考の流れを転記し、希望する工場を決める
面接で使う技術語
- Process Engineering
- Build-up PCB
- HDI
- Plating
- Yield
- Package Substrate
- MSAP
- SAP
- ABF
- Glass Core
基板技術は化学、電子電気、機械、材料などの理系、基板営業と管理系総合は全学部が対象です。
他社との違いを一言で
- ICパッケージ基板
イビデン
イビデンはパソコンやデータセンター用サーバー向けに、大型化・高多層化・微細化した高品質で長期信頼性に優れたICパッケージ基板を提供しています。メイコーの半導体PKG基板の売上は2026年3月期20億円で、車載とスマートフォン・タブレット向けが売上の52.7%を占めます。
- フリップチップ基板とプラスチックBGA基板
新光電気工業
新光電気工業はパソコンやサーバーのCPU向けのフリップチップパッケージ用基板と、メモリーやコントローラー、自動車向けのプラスチックBGA基板を作り、IC組立やリードフレームも手がけます。メイコーはMSAP・SAP工法を導入し、ロジック系のFC-BGA基板とメモリー系のCSP基板をAIサーバー向けに挙げています。
- 車載プリント配線板
日本シイエムケイ
日本シイエムケイは15年以上の生産実績を持つ車載向けビルドアップ配線板を、グローバル3拠点から供給しています。メイコーの車載向け売上は2026年3月期975億円で売上の40.5%を占め、ベトナムで衛星通信・AIサーバー向けの高多層基板工場を増やしています。
出典22件
- 公式 会社概要
- 公式 事業所一覧
- 公式 製品情報
- 公式 半導体パッケージ基板
- 公式 ビルドアップ基板
- 公式 パッケージ・ボードレベル協調設計検証
- IR 中期経営計画
- IR 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) 2026年3月期
ほか14件
- IR 2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結) 2027年3月期第1四半期
- IR 2025年度 決算補足説明資料 2026年3月期
- IR 2026年度第1四半期 決算補足説明資料 2027年3月期第1四半期
- IR 2025年度 決算説明会資料 2026年3月期
- 採用 採用情報(中途採用)
- 採用 新卒採用 募集要項
- 採用 新卒採用 仕事を知る
- 採用 新卒採用 会社を知る
- 採用 新卒採用 人を知る
- 採用 新卒採用 働く環境を知る
- 公式 イビデン 製品情報(電子)
- 公式 新光電気工業 事業内容
- 公式 日本シイエムケイ 車載用プリント配線板への取組み
- 公式 日本シイエムケイ 事業内容