半導体 / NAND Flash controller・Storage solution NAND Flash controller ICとStorage solutionを設計・提供する企業
Phison
NAND ControllerからAI Storageへ
NANDフラッシュメモリーの制御ICを設計し、それを載せたSSDまで売る台湾企業。
2026年上半期の売上は5,391億円で、2025年の年間売上3,598億円を半年で上回りました。
Phisonは NAND flash controller IC と、それを使う SSD・eMMC・UFSなどのStorage製品 を作る会社です。 売上総利益率は2025年第2四半期の29.06%から、2026年第2四半期には65.31%へ上がりました。
- 2026年上半期 連結売上 5,391億円 上半期の売上総利益率は63.80%。 2025年通期の売上は3,598億円でした
- 2026年第2四半期 営業利益 1,306億円 営業利益率38.8%
- 2026年第2四半期末 棚卸資産 4,546億円 前年同期は1,440億円。 在庫回転日数は297日
2026年第2四半期の製品群別売上構成連結売上に対する比率 · 2Q26 Financial Results
- AI Ecosystem Module38%
- Embedded ODM Module33%
- Industrial Module16%
- Controller6%
- Retail Module5%
- その他2%
この会社の要点
01立ち位置
何の会社として比べるか
PhisonはNANDメーカーとSSDを使う機器メーカーの間に立ち、ControllerとModuleの両方を売ります。 売上は2026年に入って急に伸び、2026年第2四半期は3,362億円でした。
AI向け需要で四半期売上が急伸
四半期別の連結売上
2026年上半期の合計は5,391億円で、2025年通期の3,598億円を上回りました。
2026年第2四半期の連結売上
製品群別の売上構成
AI Ecosystem ModuleにはEnterprise SSD、aiDAPTIV、AI PC、AI Server、Boot Driveが入ります。 Industrial Moduleは産業用PC、車載、宇宙向けSSDです。
NAND Controller IC・信号調整IC
2025年はPCIe Gen5のE28とDRAM-lessのE31T、単一チップのUSB4 Controller U21、車載認証ISO 26262 ASIL-Bを取ったPS5022、上位スマートフォン向けUFS ControllerのPS8361・PS8363を開発しました。 AIのデータ処理向けにPCIe Gen5のRedriverとRetimerも出しています。
- E28
- E31T
- U21
- PS5022
NAND Storage製品
データセンター向けのEnterprise SSD、外付けSSD、産業機器向けSSD、ノートPC・スマートフォン・車載向けのeMMC、スマートフォン向けのUFSとBGA SSD、メモリーカード、USBメモリーをそろえます。
- Enterprise SSD
- External SSD
- Industrial SSD
- eMMC
AI Storage基盤(Phison 3.0)
AI Data Platform、aiDAPTIV、Enterprise SSD、Boot Drive、AI Software、Retimer・Redriver、AI PC・AI Serverを組み合わせます。 COMPUTEX 2026ではGen5の大容量Enterprise SSD D206VとPCIe Gen6のController X3を示しました。
- aiDAPTIV
- AI Data Platform
- D206V
- X3
02収益
どこで、どれくらい儲けているか
2025年の売上総利益率は34.21%、営業利益率は11.38%でした。 2026年第2四半期は売上総利益率65.3%、営業利益率38.8%まで上がっています。
5,391億円
上半期の売上総利益率は63.80%です。 四半期売上は第1四半期2,029億円、第2四半期3,362億円でした。
3,362億円
前四半期比65.7%増、前年同期比279.5%増。 売上総利益率は65.3%、営業利益は1,306億円でした。
1,298億円
営業外収益233億円を含みます。 主な中身は持分法投資の損益、為替差益、公正価値で測る金融資産の損益です。
四半期別の売上総利益率
会社は在庫を原価と時価の低い方で評価し、市場価格が上がると評価損の引当を戻し入れます。
03強みとリスク
強みと、リスク・検討点
強みはController設計とFirmwareを持ったうえで、Moduleまで自社で売れることです。 NANDメーカーとは調達先と販売先の両方の関係があります。 2025年は売上の18.96%を研究開発に使いました。
強み
- ControllerとModuleの両方を持つ
自社設計のControllerを使い、SSDなどのModuleまで作ります。 組立と生産の多くは協力会社に任せています。 ControllerはKioxia、Kingston、Micronなどにも売っています。 2025年の売上はModule製品72.41%、Controller19.26%、IC4.66%、その他3.67%でした。
Phison 2025 Annual Report - NANDメーカーとの長い提携
2002年にKioxiaを戦略パートナーに迎え、NANDの調達先にしています。 2014年から2015年にはKingstonとAdvantech Investmentが私募で株主に加わりました。 2020年にはEnterprise SSD向けの研究開発拠点を米国コロラド州に置きました。
Phison 2025 Annual Report - 研究開発に売上の18.96%
2025年は売上の18.96%を研究開発に使いました。 特許は承認済み2,162件、出願中171件です(2026年3月31日時点)。
Phison 2025 Annual Report - 会社が示すController市場での位置
会社は、SSD Controllerの世界シェアが20%を超え、車載向けControllerでは40%を超えるとしています。 売上の80%超はServer、車載、組込み、産業、ゲーム機、生成AIの用途から来ていると説明しています。
Phison 2Q26 Consolidated Financial Report Announcement
リスク・検討点
- 在庫が前年同期から大きく増えた
第2四半期末の棚卸資産は4,546億円で、前年同期は1,440億円でした。 在庫回転日数は221日から297日へ延びています。 会社は在庫を原価と時価の低い方で評価し、市場価格が上がると評価損の引当を戻し入れます。 第2四半期は仕掛品の評価減で売上総利益率が約1.10%下がりました。
Phison 2Q26 Financial Results - NANDの供給元が少ない
NANDはKioxia、Micron、Samsung、Hynixなど少数の会社が市場の大半を握ります。 NAND周辺製品の規格には特許がかかるものが多く、会社はNANDの確保と特許の許諾を重要な課題に挙げています。
Phison 2025 Annual Report - 競合が増えると粗利と在庫に響く
会社は、競合が増えると粗利が下がり、在庫が増えるおそれがあるとしています。 対策はController設計とFirmwareの力で製品の付加価値を上げることです。
Phison 2025 Annual Report - 原材料の供給制約
取締役会は配当を決める際に、原材料の供給制約が続くことを考えに入れました。 会社は手元資金を慎重に保つ方針です。
Phison 2Q26 Consolidated Financial Report Announcement
04待遇
給与、初任給、休日、手当
公式採用ページは、基本給12か月分の年俸に、年末賞与(台湾のみ)、業績賞与、特許賞与、紹介賞与、利益分配賞与を加える制度を示しています。
- 報酬制度
- 個人の業績に応じた昇給制度があります。 保険は労働保険、健康保険、旅行保険、労働年金、団体保険(台湾のみ)です。 Phison Careers
- 研修
- 社外研修(全額補助)、部署ごとの社内研修、Online学習、新入社員へのMentoringとCoachingを用意しています。 ジョブローテーションもあります。 Career Development
- 勤務地区分
- 公式採用システムの勤務地区分には、新竹県竹北市、苗栗県竹南鎮、新北市板橋区、台南市帰仁区、カナダがあります。 群聯電子 招募管理系統
- 人材への投資
- 会社は2026年第2四半期の営業費用が増えた理由の1つに、人材採用と従業員報酬の上積みを挙げています。 2Q26 Announcement
05勤務地と職種
どこで、どんな仕事をするか
本社は新竹県竹北市にあります。 苗栗県竹南鎮のQunyi RoadにはZhunan Branchと工場が並びます。 米国コロラド州にはEnterprise SSD向けの研究開発拠点があります。
主な勤務地・拠点
- 本社(新竹県竹北市)
- Fuxing 1st Streetにあります。
- Zhunan Branch・工場(苗栗県竹南鎮)
- Qunyi RoadにZhunan Branchと複数の工場があります。
- 米国コロラド州
- 2020年に置いたEnterprise SSD向けの研究開発拠点です。
海外の拠点
- 台湾(本社)
- 米国
- 日本
- 欧州
- マレーシア
- 中国(合弁)
- インド(合弁)
2Q26 Financial Resultsに載る拠点です。
企業研究の順序
- ControllerとModuleのどちらに関わりたいかを決める
- Enterprise SSD、車載、Edge AIの開発計画から関心のある分野を選ぶ
- 採用システムの勤務地区分で希望の拠点を確かめる
06これから
会社が次に取りにいくもの
会社はPhison 3.0で、NAND ControllerからAI Storage基盤へ事業を広げる方針です。 売上4,952億円を目標に掲げ、2026年上半期の売上は5,391億円でした。
これからの材料
- Phison 3.0
- Enterprise SSD、aiDAPTIV、AI Data Platform、AI関連Softwareを組み合わせる戦略です。 2Q26 Announcement
- 2026年の開発計画
- 高容量Enterprise SSD、車載向けStorageとController、Redriver/Retimer、Edge AIを開発する計画です。 2025 Annual Report
- aiDAPTIVの海外展開
- 2026年下半期に北米、東南アジア、インドへ広げる計画です。 2Q26 Financial Results
Phison 3.0でAI Storage基盤へ
会社はPhison 3.0として、NAND Controllerの会社からAI Storage基盤とAI Infrastructureを提供する会社へ移る戦略を進めています。 柱はEnterprise SSD、aiDAPTIV、AI Data Platform、AI関連Softwareです。 利益率の低い標準品の小売市場への依存は大きく減らすとしています。 会社が掲げる方針です。
2026年の開発計画
会社は2026年に、高容量のEnterprise SSD、車載向けのeMMC・UFS・BGA SSD、車載認証に対応するController、PC・Server・車載向けのRedriver/Retimer、aiDAPTIV+を土台にしたEdge AIを開発する計画です。 いずれも会社の開発計画です。
aiDAPTIVの海外展開
会社は台湾で実績を作ったaiDAPTIVの展開を、2026年下半期に北米、東南アジア、インドへ広げる計画です。 MediaTekのDimensityと組み、スマートフォン上で大きなAIモデルを動かす取り組みも示しました。
売上4,952億円の目標
会社は2026年に向けて、売上4,952億円の目標へ進むとしています。 重点はAIのファインチューニング、高性能Server、自動運転、ハイエンドのモバイル機器です。 会社の目標です。
07入口を選ぶ
専攻から、入口を1つに絞る
Controller設計、Firmware、Enterprise SSD、車載、Edge AIのうち、自分の専門と重なる分野を1つ選び、そこから職種を絞ります。
Controller・Firmware開発
NAND ControllerのIC設計とFirmwareが会社の技術の土台です。 2026年の開発計画にはEnterprise SSD、車載向けController、Redriver/Retimer、Edge AIが並びます。
Phison 2025 Annual ReportAI Storage・Enterprise SSD
Phison 3.0の柱です。 会社はCPU・GPU企業、OEM、ODM、クラウド事業者との協業を深め、Enterprise、AI、顧客ごとのカスタムStorageに力を入れるとしています。
Phison 2Q26 Consolidated Financial Report Announcement応募前の2手
- Controller・Firmware・Enterprise SSD・車載・Edge AIから関心のある分野を1つ選ぶ
- PCIe、UFS、NANDの誤り訂正など、選んだ分野の規格と技術を整理する
面接で使う技術語
- NAND Flash
- Controller
- Firmware
- PCIe
- UFS
- Enterprise SSD
- aiDAPTIV
- AI Data Platform
- Server
Phisonの製品と開発計画に出てくる技術分野です。
他社との違いを一言で
- NAND Controller
Silicon Motion
会社がController chipの主要な供給元として自社と並べる相手です。Phisonは売上の72.41%がModule製品で、Controller単体は19.26%です。
- NAND Controller
ASolid・JMicron
同じくController chipの主要な供給元に挙げられる会社です。Phisonは車載認証ISO 26262 ASIL-Bを取ったPS5022など、車載向けControllerも持ちます。
- NAND応用製品と顧客関係
Kingston
NAND応用製品のメーカーとしてPhisonと重なります。一方でPhisonのControllerの販売先であり、私募で株主になった戦略パートナーでもあります。
- 台湾のNAND応用製品
Transcend・ADATA・Apacer
会社が台湾のNAND応用製品メーカーとして自社と並べる相手です。PhisonはModuleに加えてController ICを自社で設計し、NANDメーカーにも売ります。Apacerには私募で出資しています。