半導体材料 / 電子材料 半導体製造材料と電子機器向け接続・熱対策材料を展開する材料企業
Qnity Electronics
ウェハ工程の材料と、AI向け実装材料の二本柱
CMPパッドやフォトレジストなどウェハ工程の材料と、先端パッケージ・基板・熱対策の材料を作る米国の材料会社。
2026年第2四半期はInterconnect Solutionsの売上が30%増で、AI向けの先端パッケージ、PCB、熱対策の需要が伸びています。
Qnity Electronicsは CMPパッド・スラリー、フォトレジスト、洗浄薬品 と 先端パッケージ向けめっき薬品や熱・EMI対策材料 を作る材料会社です。 FY2025売上の90%超は、製造工程で使う材料か、最終製品に組み込まれる部材でした。
- FY2025 売上 7,522億円 前年比10%増。 純利益は1,153億円
- 2026年第2四半期 売上 2,261億円 前年同期比22%増。 純利益は215億円
- FY2026 会社予想 売上(下限) 8,781億円 上限は8,939億円。 第2四半期決算で引き上げた予想
FY2025 事業別の売上構成
- Semiconductor Technologies4,180億円
- Interconnect Solutions3,341億円
この会社の要点
01立ち位置
何の会社として比べるか
QnityはウェハのCMP・露光・洗浄に使う材料と、チップを基板につなぐ実装・熱対策の材料を作ります。 FY2025売上7,522億円のうち、Semiconductor Technologiesが4,180億円、Interconnect Solutionsが3,341億円でした。
通期は増収、第2四半期は実装材料が伸びた
連結売上
第2四半期の事業別売上
FY2025 事業別の売上
連結売上に占める割合
CMP・洗浄材料
CMPはウェハの各層で余分な膜を削って平らにする工程で、パッドとスラリーを組み合わせて使います。 Qnityは両方を作り、CMP後の洗浄液、エッチ後の残渣除去液、選択エッチング液も持ちます。 会社は先端ノードのCMPパッドで強い地位にあるとしています。
- IC1000
- Ikonic
- Visionpad
- Acuplane
リソグラフィ材料・シール材
g線からKrF、ArF、EUVまでの露光波長に向けたフォトレジストと、レジストの下に敷く反射防止膜、上に塗るトップコートを作ります。 Kalrezは半導体製造などで高温や薬品にさらされる場所に使うシール部品です。
- EPIC
- MICROPOSIT
- MEGAPOSIT
- Kalrez
先端パッケージ・PCB材料
チップ同士やチップと基板をつなぐ銅ピラー、再配線層、はんだバンプのめっき薬品と、パッケージ用のレジストや誘電体を作ります。 HBMのメモリダイ同士をつなぐマイクロバンプにも対応します。 PCB向けにはめっき液、ドライフィルムレジスト、銅張積層板を持ちます。
- Circuposit
- Microfill
- Solderon
- Riston
熱・EMI対策とフレキシブル材料
Laird Technologiesの名で、AIやHPCのプロセッサ向けの相変化型熱界面材料、ギャップフィラー、EMIシールドを作ります。 フレキシブル基板向けにはポリイミドフィルムと銅張積層板を持ちます。
- Tflex
- Tputty
- Kapton
- Pyralux
02収益
どこで、どれくらい儲けているか
2026年第2四半期は売上2,261億円、純利益215億円でした。 売上は増えましたが、純利益は前年同期の313億円を下回りました。 調整後営業EBITDAは、Semiconductor Technologiesが400億円、Interconnect Solutionsが311億円です。
Semiconductor Technologies 4,180億円 / Interconnect Solutions 3,341億円
前年比でSemiconductor Technologiesは8%増、Interconnect Solutionsは12%増です。
売上2,261億円 / 純利益215億円
売上は前年同期比22%増。 純利益は前年同期の313億円から減りました。 調整後利益は395億円で、53%増です。 上半期の売上は4,341億円、純利益は471億円でした。
売上8,781億円〜8,939億円
調整後営業EBITDAは2,650億円〜2,729億円を見込みます。 会社は第2四半期の好調な業績と足元の需要を理由に予想を引き上げました。
2026年第2四半期 事業別の調整後営業EBITDA率
率はSemiconductor Technologiesが高く、伸びはInterconnect Solutionsが大きい形です。
03強みとリスク
強みと、リスク・検討点
強みは、ウェハ工程と実装の両方で材料を持つことです。 2026年第2四半期の増収は、両事業の数量増によるものでした。
強み
- 工程で使い切る材料が売上の大半
FY2025売上の90%超は、製造工程で消費される材料か、最終製品に組み込まれる部材でした。
Qnity 2025 Form 10-K - ウェハ工程と実装の両方に材料を持つ
ウェハ工程のCMP・リソグラフィ・洗浄と、パッケージのめっき・誘電体・熱対策を同じ会社で手がけます。 会社は半導体メーカー、ファウンドリ、装置メーカーと協業し、顧客の技術ロードマップに合わせて材料を開発しているとしています。
Qnity 2025 Form 10-K - 地域ごとに作って売る体制
製造拠点は約40拠点です。 原材料の約70%を同じ地域で調達し、製品の約80%を同じ地域で作って売っています。 会社はこれで関税の影響を抑えているとしています。
Qnity 2025 Form 10-K - 顧客の近くに研究開発を置く
研究開発の機能を台湾、韓国、中国、日本、欧州、北米に置いています。 FY2025の研究開発費は560億円でした。
Qnity 2025 Form 10-K
リスク・検討点
- Samsung ElectronicsとTSMCへの集中
FY2025売上のうちSamsung Electronicsが11%、TSMCが8%でした。 前年はそれぞれ12%、7%です。 両社向けの売上の大半はSemiconductor Technologiesです。
Qnity 2025 Form 10-K - アジア太平洋に偏った売上
FY2025売上の約79%がアジア太平洋でした。 会社は貿易制限や制裁など、海外事業のリスクを挙げています。
Qnity 2025 Form 10-K - 新たに生じた支払利息
2026年第2四半期の支払利息は96億円でした。 担保付・無担保の社債とターム・ローンの利息で、前年同期には支払利息がありませんでした。
Qnity Q2 2026 Form 10-Q - Semiconductor Technologiesは利益の伸びが売上より小さい
2026年第2四半期のSemiconductor Technologiesは、売上が16%増、調整後営業EBITDAが12%増でした。 会社は研究開発やサプライチェーンへの投資が数量増の効果を一部打ち消したと説明しています。
Qnity Q2 2026 Form 10-Q
04待遇
採用窓口
米国の正社員は会社の退職貯蓄制度に入れます。 会社は従業員の拠出のうち最初の6%に100%を上乗せし、拠出の有無にかかわらず対象給与の3%を拠出しています。
- 退職貯蓄制度
- 米国の正社員が対象の制度です。 上乗せ分はすぐに従業員のものになります。 2025年度 年次報告書
05勤務地と職種
どこで、どんな仕事をするか
本社は米国デラウェア州ウィルミントンです。 FY2025末の従業員は10,000人超で、約60%がアジア太平洋、32%が米国・カナダにいます。
研究開発を置く地域
- 台湾
- 韓国
- 中国
- 日本
- 欧州
- 北米
主要顧客の近くに研究開発の機能を置いています。
06これから
会社が次に取りにいくもの
見ておきたいのは、実装材料の伸びが続くか、会社予想に届くか、変革計画の効果が出るかです。
これからの材料
- 2026年の会社予想
- 会社は売上8,781億円〜8,939億円を見込み、第2四半期決算で引き上げました。 2026年第2四半期決算
- 実装材料の伸び
- 2026年上半期のInterconnect Solutions売上は28%増えました。 2026年第2四半期 四半期報告書
- 変革計画
- 2028年末までに調整後営業EBITDAで年158億円の効果を見込む計画です。 FY2025決算
AI向けの先端パッケージ・PCB・熱対策
2026年上半期のInterconnect Solutions売上は2,022億円で、28%増えました。 会社はAI向け技術の立ち上がりと、先端パッケージ、AI向けPCB、熱対策での採用拡大とシェア獲得を理由に挙げています。 上半期の実績で、下半期も同じ伸びになるとは限りません。
2026年の会社予想
会社は2026年の売上を8,781億円〜8,939億円、調整後営業EBITDAを2,650億円〜2,729億円と見込み、第2四半期決算で予想を引き上げました。 会社の見込みで、通期の実績ではありません。
変革計画
会社は営業・開発力の強化、自動化とAI活用による生産性向上、重点市場での拠点の見直しを進める計画です。 2028年末までに調整後営業EBITDAで年158億円の効果を見込み、費用は約221億円を見込んでいます。
新しいCMPパッドとNVIDIAとの協業
先端ノード向けの新しいCMPパッド群Optivision Maxの発売と、NVIDIAとの材料開発での協業を発表しています。 どちらも発表段階の取り組みです。
07入口を選ぶ
専攻から、入口を1つに絞る
求人は公式採用サイトに職種区分ごとに載ります。 区分はエンジニアリング、製造、科学・技術、IT・デジタル、営業・マーケティング、サプライチェーン、環境・安全衛生などです。
他社との違いを一言で
- CMPスラリー
Entegris
EntegrisはSiC、サファイア、GaN、ダイヤモンドなど硬い基板をエピ成長前に磨くスラリーに強みを持ちます。Qnityはウェハの各層を平らにするCMP向けに、スラリーとパッドの両方を作ります。
- フォトレジスト
東京応化工業
東京応化工業はフォトレジストを中核製品とし、塗布や洗浄の工程薬品も作ります。Qnityはフォトレジストに加えて、CMPパッド・スラリーやパッケージ用のめっき薬品まで持ちます。
- 先端パッケージ向けめっき
Atotech
Atotechはパッドのメタライズ、銅ピラー、再配線層、ビア、デュアルダマシン向けの湿式めっきプロセスを展開します。Qnityはめっき薬品に加えて、パッケージ用のレジスト、誘電体、熱界面材料も作ります。
出典10件
- IR Qnity FY2025 results
- IR Qnity 2025 Form 10-K
- 公式 Qnity Investor Relations
- 公式 Entegris Slurries
- 公式 TOK Semiconductor Manufacturing Field
- 公式 Atotech Semiconductor
- IR Qnity Q2 2026 results (PDF)
- IR Qnity Q2 2026 Form 10-Q
ほか2件
- 公式 Qnity 公式サイト
- 採用 Qnity Careers