- 2026年3月期 売上高 2,861億円 前期比3.6%増。 営業利益は233億円で29.8%増
- 2026年3月期 産業空調の完成工事高 1,368億円 外部顧客向け完成工事高の47.8%。 受注工事高は1,394億円
- 2027年3月期第1四半期 産業空調の受注工事高 703億円 前年同期比141.7%増
2026年3月期の部門別完成工事高(外部顧客向け)
- 産業空調1,368億円
- 塗装システム事業1,030億円
- ビル空調461億円
この会社の要点
01立ち位置
何の会社として比べるか
大気社は空調工事のサブコンで、売上の最大部門は工場のクリーンルームを含む産業空調です。 2026年3月期の売上高は2,861億円、受注工事高は3,517億円で、会社は国内外で半導体関連メーカーとデータセンター関連の需要が高まっているとみています。
2024年3月期から2028年3月期計画までの売上高と受注工事高
売上高(完成工事高)
受注工事高
どの事業がどこで売っているか
事業別・国内海外別の外部顧客向け売上高
国内と海外
半導体・電子部品工場のクリーンルーム
電気・電子部品分野では、微粒子の付着が品質と生産効率に響くため、歩留まりを高める目的で微粒子の流入を防ぐ空調を設計・施工します。 HEPA吹出気流を拡散して換気回数を最小にするクリーンディフューザ、ケミカル汚染物質の少ない資機材を選ぶケミカル汚染防止システム、製造装置や精密測定装置向けの超精密温調チャンバを持っています。
- クリーンディフューザ
- ケミカル汚染防止システム
- 超精密温調チャンバ
- 熱源最適化制御システム
電池・電子工場の除湿と排気処理
リチウムイオン電池の組み立て工程などに使う除湿システムと、電池製造で使うNMPを回収する装置を扱います。 塗装や印刷の工程から出るVOCは、吸着材で浄化するアドマットC・アドマットZや、850℃以上で酸化分解するRTO(蓄熱式脱臭装置)で処理します。
- 除湿システム
- NMP回収装置
- アドマットC・アドマットZ
- RTO(蓄熱式脱臭装置)
クリーンルームパネルの製造(インド)
インド・ハイデラバードの連結子会社Nicomac Taikisha Clean Roomsが、クリーンルームの製造・据付・設計と空調・塗装設備の設計・施工を担います。 2026年3月期に新設したインド戦略室は、空調・塗装・パネル事業の拠点を活用した受注体制の拡大を担います。
- Nicomac Taikisha Clean Rooms Private Limited
自動車塗装プラント
自動車ボディをタンクに浸漬させる電着装置、塗装の初工程の前処理装置、塗装ブース、ロボット塗装システムを組み合わせ、国内外の自動車メーカーの塗装プラントを設計から施工まで手がけます。
- 前処理装置
- 電着装置
- 塗装ブース
- ロボット塗装システム
02収益
どこで、どれくらい儲けているか
2026年3月期の利益は空調側が稼ぎました。 環境システム事業のセグメント利益は208億円で利益率11.4%、塗装システム事業は43億円で4.2%です。 受注は3部門とも伸び、ビル空調が43.4%、塗装システム事業が37.6%、産業空調が11.2%増えました。
売上高2,861億円 / 営業利益233億円
売上高は前期比3.6%増、営業利益は29.8%増で、営業利益率は8.2%です。 受注工事高は3,517億円で26.8%増えました。
環境システム事業208億円 / 塗装システム事業43億円
セグメント売上高に対する利益率は環境システム事業が11.4%、塗装システム事業が4.2%です。 環境システム事業はビル空調と産業空調を含みます。
売上高614億円 / 営業利益35億円
売上高は前年同期比4.2%減、営業利益は11.0%減です。 受注工事高は1,054億円で7.5%増え、産業空調分野が703億円を占めました。 この期から事業開発等を環境システム事業から「その他」区分へ移しています。
売上高3,070億円 / 営業利益238億円
売上高は前期比7.3%増、営業利益は2.1%増の予想です。 受注工事高は3,305億円を見込みます。
2026年3月期の部門別受注工事高
営業利益の推移と会社予想
03強みとリスク
強みと、リスク・検討点
強みは、精密空調から積み上げたクリーンルーム技術と、売上の47.8%を占める産業空調の規模です。 弱点は、工事を施工する技術者の時間と、利益率4.2%の塗装システム事業です。
強み
- 売上の最大部門が産業空調
2026年3月期の外部顧客向け完成工事高は産業空調が1,368億円で47.8%を占め、受注工事高も1,394億円と前期比11.2%増えました。 期末の産業空調の繰越工事高は993億円です。 有価証券報告書は産業空調の顧客分野の先頭に半導体と電子部品を挙げています。
2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) - 利益を稼ぐのは環境システム事業
2026年3月期のセグメント利益は環境システム事業が208億円で前期より55億円増え、セグメント売上高に対する利益率は11.4%でした。 塗装システム事業の4.2%を大きく上回り、全社の利益は空調側が支えています。
2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) - 精密空調から積み上げたクリーンルーム技術
紡績工場や合繊工場の空調から始まり、カメラ、フィルム、医薬品、電子の工場建設に合わせて精密空調、クリーンルームへと技術を高めてきたと会社は説明しています。 製品ページには気流制御のクリーンディフューザ、分子汚染対策、超精密温調チャンバが並びます。
事業紹介 産業空調設備 - 海外19の国と地域の拠点網
海外19の国と地域に28の連結子会社を持ち、2026年3月期の海外売上高比率は50.4%です。 塗装システム事業は外部顧客向け売上の80.1%が海外で、インドにはクリーンルームを製造・据付する子会社があります。
グローバルネットワーク - 厚い手元資金
2026年3月期末の自己資本比率は56.1%、現金及び現金同等物は863億円です。 中期経営計画ではM&Aや業務資本提携に220億円を割り当てています。
2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
リスク・検討点
- 民間設備投資に業績が連動する
有価証券報告書は民間設備投資の変動を最初の事業リスクに挙げ、受注環境の変化が売上と利益に大きく影響すると記載しています。 2027年3月期第1四半期は産業空調の完成工事高が306億円で前年同期比11.4%減り、売上高も4.2%減りました。
第81期 有価証券報告書 - 施工する技術者の労働時間に上限がある
2024年4月から建設業にも時間外労働の上限規制が適用され、技術社員の総労働時間が減ったと会社は記載しています。 会社は設計・施工体制が組めなければ中長期計画に響くとしています。 2026年3月期末の繰越工事高は3,044億円です。
第81期 有価証券報告書 - 塗装システム事業の利益率が低い
塗装システム事業は2026年3月期の外部顧客向け売上の36.0%を占めながら、セグメント利益率は4.2%でした。 2027年3月期第1四半期は−4.3億円のセグメント損失を出しています。
2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結) - 超大型案件が抜けた後の受注と利益
会社は中期経営計画で、2026年3月期に両事業の超大型案件を見込んでいます。 2028年3月期はその案件が剥落する計画です。 同期の目標は2028年3月期の受注工事高2,960億円、経常利益227億円で、2027年3月期の会社予想の経常利益250億円を下回ります。
第81期 有価証券報告書 - 資材価格と労務単価
建設資材の調達価格の高騰と、担い手不足による労務単価の上昇を請負金額へ反映できない場合に業績へ影響すると有価証券報告書は記載しています。
第81期 有価証券報告書
04待遇
給与、初任給、休日、手当
新卒の初任給は修士了が月給28.6万円、大学卒が月給27.5万円です。 有価証券報告書では提出会社の従業員1,824名の平均年間給与が1,160万212円、平均年齢42.0歳、平均勤続年数15.2年です。
新卒初任給(月給)
- 新卒の初任給
- 高専卒が月給25.4万円、大学卒が月給27.5万円、修士了が月給28.6万円です。 家族手当、通勤交通費全額、残業手当、現場手当、住宅手当があり、条件は 募集要項・採用フロー に載ります。
- 勤務時間と休日
- 勤務時間は9:00〜17:45で、完全週休2日制(土・日)、祝日、年末年始の休みがあります。 勤務地は全国・海外です。
- 平均年間給与
- 2026年3月期の提出会社の平均年間給与は1,160万212円(約1,160万円)で、賞与と基準外賃金を含みます。 第81期 有価証券報告書 の従業員の状況に載ります。
- 研修
- 入社から約1年間を研修期間とし、6月中旬の本配属後は現場でのOJT研修を前期と後期に分けて受けます。 11月には技術研修があります。
- 従業員の配置
- 連結従業員5,525名のうち環境システム事業が3,672名で66.5%、塗装システム事業が1,526名で27.6%です。
連結従業員5,525名の事業別配置
- 環境システム事業3,672名
- 塗装システム事業1,526名
- 全社(共通)327名
05勤務地と職種
どこで、どんな仕事をするか
本社は東京都新宿区西新宿にあり、研究開発は神奈川県の技術開発センターとテクニカルセンターで行います。 国内は札幌から福岡までの支店で現場を持ち、海外はシンガポールのアセアン統括部と19の国と地域の連結子会社が拠点です。
主な勤務地・拠点
- 本社
- 東京都新宿区西新宿8-17-1(住友不動産新宿グランドタワー)環境システム事業部本部も同じビル
- 研究開発
- 技術開発センター「TAIKISHA INNOVATION SITE AIkawa」、テクニカルセンターいずれも神奈川県
- 国内の支店・支社
- 札幌支店、東北支店、関東信越支店、東京支社、横浜支店、中部支店、北陸支店、大阪支社、中国支店、九州支店(福岡市博多区)
- 海外
- アセアン統括部(シンガポール)、海外19の国と地域に28の連結子会社インド・ハイデラバードにクリーンルームの製造子会社
新卒採用の職種
- 施工管理
- 設計
- 研究開発
- 塗装システム
- 営業
- 管理
施工管理・設計・研究開発は技術系総合職、営業・管理は事務系総合職の職種です。
06これから
会社が次に取りにいくもの
10年プラン2035は最終年に完成工事高5,000億円超とROE12.0%以上を掲げ、中期経営計画は2028年3月期に完成工事高3,365億円を計画します。 半導体・電子部品を最重要市場とし、日本・台湾の半導体関連企業と九州の案件に体制を寄せています。
2026年3月期実績と中長期の目標
- 完成工事高 2,861億円 2028年3月期計画3,365億円、2035年3月期は5,000億円超
- 経常利益 247億円 2028年3月期計画は227億円
- ROE 10.1% 2035年3月期の目標は12.0%以上
これからの材料
- 半導体・電子部品
- 最重要市場の半導体・電子部品関連で日系グローバル企業と台湾企業を中心に展開し、製造装置領域、水処理、電気設備へ広げてターンキーで実現できるシステムを目指すと 中期経営計画 説明資料 に載ります。
- 九州と東アジア
- 半導体分野では九州や東アジアでのプロジェクト体制強化と精密温調機器ソリューションの提供を進め、東アジア戦略室が日本・台湾の半導体関連企業を担当します。
- 成長投資
- M&Aや業務資本提携に220億円を配分し、地域別では日本70億円、北米70億円、インド50億円、欧州20億円、ASEAN10億円です。
半導体・電子部品を最重要市場に
大気社は中期経営計画で半導体・電子部品関連を最重要市場に置きました。 日系グローバル企業と台湾企業を中心に展開する計画です。 製造装置領域、水処理、電気設備へ周辺領域を広げ、ターンキーで実現できるシステムの構築を目指します。 M&A・アライアンスやオープンイノベーションで周辺領域の技術を取り込めるかで、空調工事の外側の売上が育つかが決まります。
九州と台湾の半導体案件
有価証券報告書は半導体分野で九州や東アジアでのプロジェクト体制強化と精密温調機器ソリューションの提供を掲げています。 2026年3月期には地域戦略部の下に東アジア戦略室を新設し、日本・台湾を軸とした半導体関連企業へのアプローチを担わせました。 半導体メーカーの工場建設の時期は顧客の投資判断で動きます。
省エネ空調AIRELのクリーンルーム展開
技術開発センターで検証した大空間向けの空調方式AIRELは、消費エネルギーが混合空調を100とすると79で、混合空調比21%の削減が可能と会社は説明しています。 大気社は大空間に加え、半導体・電子部品向けクリーンルームや二次電池工場の低露点室へ適用を広げる計画です。 クリーンルームでの換気性能の検証結果と、顧客が清浄度の条件を満たすと判断するかで採用が決まります。
10年プランの完成工事高5,000億円
10年プラン2035は最終年の目標を完成工事高5,000億円、ROE12%とし、半導体・電子部品、モビリティ、バッテリー、バイオ・医薬品、データセンターの5つを重点注力市場に据えました。 中期経営計画では2028年3月期に完成工事高3,365億円を計画します。 会社は既存顧客への既存事業だけでは5,000億円に届かないとしており、M&Aなど非連続な成長の成否に左右されます。
07入口を選ぶ
専攻から、入口を1つに絞る
クリーンルームの施工管理、設計、研究開発のうち自分の専攻に近い職種を1つ選び、産業空調と塗装システムのどちらの事業で働きたいかを決めます。
施工管理
予算作成から設備の計画・配置、工程管理、品質管理までを一貫して担います。 電気設備など他のサブコンと協働してプロジェクトを進め、産業空調では半導体や医療品の生産工場が現場になります。
公式採用情報研究開発
システム・各種機器の技術開発、シミュレーション、実証実験を行います。 研究開発組織は神奈川県の技術開発センターとテクニカルセンターで、2026年3月期の研究開発費は16億円、うち環境システム事業が8.4億円でした。
- R&D
- Simulation
- Experiment
- Energy
応募前の3手
- クリーンディフューザ、ケミカル汚染防止システム、超精密温調チャンバの説明を読み、半導体工場で何を制御するのかをノートへ書く
- 2026年3月期の部門別受注工事高と2027年3月期第1四半期の産業空調の受注を書き出し、志望する事業の伸びを確かめる
- 募集要項の職種、勤務地、初任給、選考の流れを公式ページから書き出す
面接で使う技術語
- Construction Management
- Cleanroom
- HVAC
- Schedule
- Quality
- HVAC Design
- Airflow
- Cleanroom
- Energy Saving
- CAD
技術系の募集学科は建築系、機械系、電気・電子系、化学工学系、情報工学系など理系全般です。
他社との違いを一言で
- クリーンルームの省エネ空調
高砂熱学工業
独自開発のケミカルワッシャーで設置スペースと圧力損失を減らします。大気社はHEPA吹出気流を拡散するクリーンディフューザで換気回数を最小にし、2026年3月期の産業空調の完成工事高は1,368億円でした。
- 半導体工場のクリーンルーム要素技術
新菱冷熱工業
新菱冷熱工業はパーティクル制御、分子汚染制御、温湿度制御、気流制御、微振動制御の要素技術と、ダイナミック型氷蓄熱システム「ザ・自由雪計®」を掲げています。大気社はケミカル汚染防止システムと超精密温調チャンバを持ち、自動車塗装プラントの塗装システム事業も売上の36.0%を占めます。
- 半導体・FPD製造設備のスーパークリーンルーム
三機工業
三機工業は独自の空調設備や内装設備の技術でスーパークリーンルームの建設に貢献し、ナノテクノロジー対応、ケミカル対応、低露点対応、微振動対策の技術を挙げています。大気社は電池工場向けに除湿システムとNMP回収装置を持ち、インドの子会社でクリーンルームの製造・据付も行います。
出典18件
- 公式 会社概要
- 公式 事業紹介 産業空調設備
- 公式 電気・電子・機械工場向け技術
- 公式 国内主要事業所
- 公式 グローバルネットワーク
- IR 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) 2026年3月期
- IR 2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結) 2027年3月期第1四半期
- IR 第81期 有価証券報告書 2026年3月期
ほか10件
- IR 中期経営計画 説明資料
- IR 10年プラン2035 説明資料
- 採用 新卒採用サイト
- 採用 採用情報
- 採用 募集要項・採用フロー
- 採用 仕事・職種紹介
- 採用 大気社のフィールド
- 公式 高砂熱学工業 省エネに特化したクリーンルーム
- 公式 新菱冷熱工業 クリーンルーム
- 公式 三機工業 産業空調事業