半導体材料 半導体用特殊ガス・PK剤
セントラル硝子
蛍石から半導体用ガスまで作るフッ素化学メーカー
ガラスと化学品の会社ですが、利益の伸びを担うのは半導体前工程向けのガスと薬液です。
電子材料の営業利益率28.5%が2027年3月期第1四半期の実績で、全社営業利益40億円の半分以上を電子材料が稼ぎました。
セントラル硝子は ClF3やWF6などの半導体用ガス とPK剤を、蛍石を起点とするフッ素化学で作ります。 会社は 2027年3月期の電子材料の売上高 を374億円と見込んでいます。
- 2026年3月期 電子材料売上高 262億円 前期比8.1%増で全社売上の18.1%。 営業利益は40億円
- 2027年3月期第1四半期 電子材料営業利益 21億円 前年同期の10億円から増え、営業利益率は28.5%
- 2027年3月期 電子材料売上高 修正予想 374億円 期初予想321億円から53億円の上方修正。 前期比42.7%増
2026年3月期のセグメント別売上高
- ガラス596億円
- ライフ&ヘルスケア410億円
- 電子材料262億円
- エネルギー材料121億円
- その他55億円
この会社の要点
01立ち位置
何の会社として比べるか
売上の41.2%はガラスですが、半導体前工程向けの電子材料は売上の18.1%で営業利益40億円を稼ぎ、2027年3月期は売上374億円まで伸びる予想です。
全社と電子材料の売上高(2025年3月期から2027年3月期修正予想まで)
連結売上高
電子材料セグメント売上高
どの地域へ、どの製品を売っているか
電子材料の拠点別売上高
電子材料の製品別売上(2024年度)
半導体プロセス用高純度ガス
2024年度の電子材料売上の80%を占める主力です。 メタル配線形成用の六フッ化タングステン(WF6)と低誘電率膜用のトリメチルシラン(3MS)を成膜ガスとして、三フッ化塩素(ClF3)と希釈フッ素(20% F2/N2)を装置のクリーニングガスとして供給します。 クリーニングガスでは、1988年に多目的プラントを完成させて以来、有力サプライヤーの地位を築いています。 エッチングガスでは、既存ガスより環境負荷の少ないCEGシリーズを製品化しました。
- WF6
- トリメチルシラン(3MS)
- ClF3
- 20% F2/N2
パターン倒壊防止剤(PK剤)
PKはPattern Keeperの略で、洗浄工程でウェハー表面を撥水化し、乾燥時のパターン倒壊を防ぎます。 自動車用ガラスの撥水技術と半導体材料の技術を融合して生まれました。 NANDの3D化で2023年まで売上が減り、2026年3月期は主要顧客の販売拡大で増収に戻りました。
- Pattern Keeper(PK剤)
フォトレジスト材料
フッ素化技術を使い、半導体フォトレジスト用の高純度フッ素化モノマーとポリマーを供給します。 ArF液浸レジスト材料の光酸発生剤と撥水ポリマーでPFASフリー化に成功しました。 2027年3月期第1四半期は、前年の取引形態変更による一時的な減収が解消して増収です。
- フッ素化モノマー
- フッ素化ポリマー
- PFASフリー光酸発生剤・撥水ポリマー
02収益
どこで、どれくらい儲けているか
利益の柱は電子材料とライフ&ヘルスケアで、2026年3月期の営業利益はそれぞれ40億円と62億円でした。 電解液のエネルギー材料は−33億円の営業損失で、電子材料の利益の大半を打ち消しています。
売上高1,445億円 / 営業利益100億円
前期は売上高1,442億円、営業利益106億円でした。 経常利益は123億円、親会社株主に帰属する当期純利益は84億円、研究開発費は77億円です。
売上高262億円 / 営業利益40億円
売上高は前期比20億円増え、営業利益率は16.7%から15.2%へ下がりました。 AI向け半導体で特殊ガスが伸びた一方、原材料費の上昇と在庫減少が利益を抑えました。
売上高74億円 / 営業利益21億円
売上高は前年同期比23.5%増で、全社売上378億円の19.8%を占めます。 営業利益率は前年同期の16.7%から28.5%へ上がりました。
売上高1,675億円 / 営業利益110億円
電子材料は売上高374億円、営業利益54億円へ期初予想から上方修正され、営業利益率は14.4%の見込みです。 エネルギー材料は営業損失−27億円へ下方修正されました。
2026年3月期のセグメント別営業利益
電子材料セグメントの売上高
03強みとリスク
強みと、リスク・検討点
強みは蛍石から半導体用ガスまでを自社で作る一貫製造と、装置メーカーと続けてきた共同開発です。 弱点は市況と原料に振れやすいことで、利益率は価格改定と中国の輸出規制の影響を強く受けます。
強み
- AI向け半導体で伸びる特殊ガス
電子材料の売上高は2020年度の177億円から2026年3月期の262億円まで伸びました。 2026年3月期はAI向け半導体の需要増で特殊ガスの販売が伸び、有価証券報告書は先端ロジックメーカーの増産基調が続くとみています。 2027年3月期第1四半期の電子材料売上高は前年同期比23.5%増でした。
2026年3月期 決算説明資料 - 蛍石から半導体用ガスまでの一貫製造
蛍石からフッ酸、フッ素を経て最終製品まで自社で製造します。 会社はこの一貫製造で、中国に依存しないサプライチェーンを築いたと述べます。 国内で蛍石から半導体用ガスを製造しているのは自社だけだと会社は述べます。 製造工程や半導体メーカーから出るフッ酸廃液を回収し、蛍石として再利用する技術も開発しました。
電子材料事業説明会資料(2025年12月16日) - 装置メーカーとの共同開発と評価設備
1980年代から半導体メーカーと装置メーカーの双方と共同開発を続けています。 会社は、ClF3の半導体向け開発を装置メーカーとの共同開発による世界初の成果に挙げます。 研究所にはICP、CCP-RIE、クライオエッチング装置などの評価設備を持ちます。 2026年3月期の電子材料の研究開発費は26億円で、連結研究開発費の34.8%、電子材料売上高の10.2%に当たります。
電子材料事業説明会資料(2025年12月16日) - アジアに厚い販売網と合弁
電子材料の拠点別売上高は日本51%、台湾20%、シンガポール11%、中国9%、韓国6%です。 韓国Foosung社との合弁FC specialty、中国Britech社との合弁BRCG、台湾Zenith社との合弁Giga Gas Group、米国の開発・製造拠点SynQuest Laboratoriesを持っています。
電子材料事業説明会資料(2025年12月16日)
リスク・検討点
- 価格改定に支えられた利益率
2027年3月期第1四半期の電子材料の増収は、円安と一部特殊ガスの原材料費高騰に伴う販売価格の適正化が主因です。 会社の通期修正予想が示す電子材料の営業利益率は14.4%で、第1四半期の28.5%の約半分にとどまります。
2027年3月期 第1四半期 決算説明資料 - 中国の輸出規制と原料コスト
会社は2027年3月期の電子材料について、中国輸出規制に伴う原材料費高騰で増益額は小幅にとどまる見込みだと説明していました。 会社の資料では、蛍石の採掘量(2024年)の62.1%を中国が占めます。 会社は、製造工程や半導体メーカーから出るフッ酸廃液を蛍石として再利用する技術を開発しました。
2026年3月期 決算説明資料 - 半導体市況との連動
電子材料の売上は、半導体市況にほぼ連動して伸びてきました。 売上高は2022年度の208億円から2023年度は207億円へ横ばいになり、PK剤はNANDの3D化に伴い2023年まで売上が減りました。
電子材料事業説明会資料(2025年12月16日) - 電解液の赤字が全社利益を削る
エネルギー材料(リチウムイオン電池用電解液)は2026年3月期に売上高121億円、営業損失−33億円でした。 電子材料の営業利益40億円の大半を打ち消す規模です。 2027年3月期の修正予想は営業損失−27億円です。 期初予想の営業損失は−8.0億円でした。
2027年3月期 第1四半期 決算説明資料
04待遇
給与、初任給、休日、手当
2026年の初任給実績は博士卒34万2,200円、修士卒31万2,200円、学士卒28万7,200円です。 2026年3月期の単体従業員1,373人の平均年間給与は716万5,636円で、平均年齢は37.1歳、平均勤続年数は15.2年です。
新卒初任給(月給)
- 初任給と手当
- 2026年実績で博士卒34万2,200円、修士卒31万2,200円、学士卒28万7,200円です。 賞与は年2回で、家族手当や住宅手当があります。 条件は 新卒採用 募集要項 に載ります。
- 勤務時間と休日
- 勤務時間は9:00〜17:30で、フレックスタイム制度と在宅勤務制度を使えます。 土日の完全週休2日制で、年次有給休暇は初年度11日、夏季休暇は5日です。 全社の残業は月平均7.7時間(2023年度実績)でした。
- 平均年間給与
- 単体従業員1,373人の平均年間給与は716万5,636円(約716.6万円)で、前期から4.9%増えました。 2026年3月期 有価証券報告書 の従業員の状況に載ります。
- 研修と住まい
- 入社後は工場での実習を経て各部署へ配属され、翌年3月までOJT教育を受けます。 勤務地を問わず寮・社宅に入れ、社有の寮・社宅がない勤務地は会社が借り上げて貸与します。
- 退職金と資産形成
- キャリア採用の募集要項には、退職金制度(一時金・確定給付企業年金・確定拠出企業型年金)、株式報酬制度、従業員持株制度、財形貯蓄制度が並びます。 キャリア採用 で条件を読めます。
05勤務地と職種
どこで、どんな仕事をするか
電子材料の製品は山口県の宇部工場で製造し、研究開発は宇部の機能化学研究所、埼玉県川越と三重県松阪の基盤化学研究所、台湾台南市の電子材料リサーチセンター台湾が担います。 電子材料事業の連結従業員は364人で、全体の11.4%です。
主な勤務地・拠点
- 本社
- 東京都千代田区神田錦町3丁目7番地1(興和一橋ビル)経営戦略と事業推進の中核
- 宇部(山口県宇部市)
- 宇部工場、機能化学研究所、化成品生産技術センター、New-STEP研究所宇部工場は半導体向け電子材料や医農薬原薬を製造
- 川崎(神奈川県川崎市)
- 宇部工場川崎製造所無機および有機フッ素化学製品を製造
- 川越・松阪
- 基盤化学研究所とNew-STEP研究所(埼玉県川越市、三重県松阪市)川越はフッ素化学、松阪はガラスや無機材料の研究開発
- 台湾
- 電子材料リサーチセンター台湾(台南市、國立成功大學内)電子材料製品の研究開発
職種図鑑に載る部署
- 電子材料営業部
- 化成品生産技術センター
- エネルギー材料営業部
- 品質保証統括部
- 知的財産部
- 購買部
- 環境安全部
職種図鑑はマーケティング、研究開発、事業開発、製造、販売、バックオフィスの各部門の仕事を紹介しています。
06これから
会社が次に取りにいくもの
会社は長期ビジョンVISION 2030で営業利益200億円とROE10%以上を掲げ、中期経営計画では2027年度に営業利益130億円を目標にしています。 電子材料ではクライオエッチング用HFの増産、環境対応のエッチングガス、SiCウエハが柱です。
中期経営計画の財務目標と2026年3月期実績
- 営業利益 100億円 2027年度目標130億円、2030年度目標200億円
- 1株当たり年間配当 170円 2026年3月期〜2028年3月期は170円を下限とする
これからの材料
- クライオエッチング用HF
- 国内外の大手半導体メーカーで量産採用が決まり、2026年内を目標に生産能力を2倍以上にする計画が 電子材料事業説明会資料 に載ります。
- CEGシリーズ
- CEG 34Eは3D-NAND向け、CEG 39AはGAAのロジック向けのエッチングガスで、どちらも2024年に量産・本格販売を始めました。
- SiCウエハ
- VISION 2030は半導体・パワー半導体分野のスペシャリティ製品にSiCウエハを挙げ、2026年3月期は機能化学研究所でSiC関連研究開発設備の建設工事を進めました。
クライオエッチング用高純度HFの増産
カーボンフリーでGWPゼロの超高純度HFガスが、高積層3D-NANDのメモリホールエッチングに使うクライオエッチング用として、国内外の大手半導体メーカーで量産採用が決まりました。 会社は2026年内を目標に生産能力を2倍以上(数百トン)に増やす予定です。 会社は研究所にクライオエッチング評価装置を入れ、次世代のクライオエッチングガスの開発を急いでいます。
環境対応のエッチングガスとPFASフリー材料
CEG 34Eは3D-NAND向けに2024年8月から量産しています。 会社の資料では、このガスでエッチング後の排ガスのCO2換算量が約13分の1に減ります。 CEG 39AはGate All Around構造のロジックで初採用され、宇部工場で2024年12月から本格販売を始めました。 レジスト材料ではArF液浸向けの光酸発生剤と撥水ポリマーのPFASフリー化に成功しています。 会社はCEG 39AのGAAロジックでの長期採用に期待し、今後はメモリーなどへの用途展開も見込んでいます。
台湾・韓国、次いで米国の製造拠点
電子材料事業は中期経営計画のPhase1(2025〜2027年度)でアジア(台湾、韓国)の製造拠点を整え、Phase2(2028〜2030年度)で米国の製造拠点を整備する方針です。 電子材料の拠点別売上は日本が51%、台湾が20%です。2025年にはFoosung社との製造合弁会社を新たに設立しました。
SiCウエハという新事業
長期ビジョンVISION 2030は、半導体・パワー半導体分野のスペシャリティ製品としてエッチングガス、クリーニングガスと並べてSiCウエハを挙げます。 2026年3月期は機能化学研究所でSiC関連研究開発設備の建設工事に4.7億円を投じました。 会社は研究開発の注力分野にSiCを挙げ、電子材料では次世代材料としてSiCの開発を進めています。
07入口を選ぶ
専攻から、入口を1つに絞る
ガス、PK剤、レジスト材料のうち自分の専攻と重なる製品を1つ選び、研究開発、生産技術、営業のどれで関わるかを決めます。
研究開発
半導体、バッテリー、ライフサイエンスなどの分野で研究や製品開発を担い、大学や研究機関との共同研究も行う職種です。 電子材料の開発は宇部の機能化学研究所、川越の基盤化学研究所、台湾台南市の電子材料リサーチセンター台湾が連携して進めます。
公式採用情報生産技術
新規プラントの建設と、現行製造プロセスの改良・保守管理を担います。 設備の設計・保守、工程の効率化、安全対策まで扱い、宇部の化成品生産技術センターが新製品の工業生産を支える調査・企画・技術開発を行います。
公式採用情報営業(電子材料営業部)
電子材料営業部の社員は半導体の製造工程で使うプロセスガスを担当し、半導体メーカーの需要動向と生産計画を聞き取って、生産部門と連携しながら納期どおりに供給します。 技術者や研究者と連携して顧客の課題を解く提案も求められます。
- Process Gas
- Supply Planning
- Semiconductor Fab
- Asia
応募前の3手
- WF6、ClF3、CEG 34E、PK剤から1つを選び、使われる工程(成膜、クリーニング、エッチング、洗浄)をノートへ書く
- 電子材料の売上高(2026年3月期262億円、2027年3月期修正予想374億円)と営業利益率の動きを書き出す
- 初任給、勤務地、研修の流れを新卒採用の募集要項から書き出す
面接で使う技術語
- Fluorine Chemistry
- Etching Gas
- High Purity
- Cryogenic Etch
- Photoresist
- Plant Engineering
- Process Improvement
- Maintenance
- Safety
- Scale-up
新卒採用は文系1に対し理系3の割合になることが多く、海外赴任は技術系と事務系のどちらにもあります。
他社との違いを一言で
- 半導体用フッ素系特殊ガス
関東電化工業
関東電化工業は三フッ化塩素(ClF3)をクリーニングガスとして、六フッ化タングステン(WF6)をALD/CVD前駆体として製品に並べ、原料フッ素の精製から特殊ガスの製造まで社内で一貫して行えると記載しています。セントラル硝子も同じClF3とWF6を製品化し、蛍石からの一貫製造を掲げています。
- 高純度クリーニングガス・エッチングガス
レゾナック
レゾナックは成膜装置のチャンバークリーニングに使う高純度20%フッ素窒素混合ガス(F2/N2)と、絶縁膜エッチング用の高純度フッ化水素(HF)を製品に挙げています。セントラル硝子は20% F2/N2をクリーニングガスとして供給し、高純度HFはクライオエッチング用として大手半導体メーカーで量産採用が決まりました。
- 半導体製造用特殊材料ガス
住友精化
住友精化はIC・メモリー・液晶・太陽電池等の半導体製造用の特殊材料ガスと、高純度ガスなどのスペシャルティガスを生産しています。セントラル硝子の電子材料はガスが売上の80%を占め、PK剤とレジスト材料も合わせて供給します。
出典19件
- 公式 会社概要
- 公式 事業所案内
- 公式 長期ビジョン「VISION 2030」
- 公式 電子材料 製品情報
- IR 2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結) 2027年3月期第1四半期
- IR 2027年3月期 第1四半期 決算説明資料 2027年3月期第1四半期
- IR 2026年3月期 決算説明資料 2026年3月期
- IR 電子材料事業説明会資料(2025年12月16日)
ほか11件
- IR 2026年3月期 有価証券報告書 2026年3月期
- 採用 新卒採用 募集要項・FAQ
- 採用 新卒採用 職種図鑑
- 採用 新卒採用 社会を支えるセントラル硝子
- 採用 新卒採用 勤務地紹介
- 採用 社員インタビュー(電子材料営業部)
- 採用 社員インタビュー(生産技術)
- 採用 キャリア採用
- 公式 関東電化工業 特殊ガス製品
- 公式 レゾナック 半導体前工程材料・装置
- 公式 住友精化 機能マテリアル(ガス・エンジニアリング関連)