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半導体材料 エレクトロニクスガス・電子材料

住友精化

吸水性樹脂で稼ぎ、半導体用ガスを育てる化学メーカー

利益の柱は紙おむつ用の吸水性樹脂で、半導体用ガスは売上の21.5%の機能マテリアルに入ります。
機能マテリアル営業利益29億円を、AI向けの半導体材料でどこまで伸ばせるかが論点です。

住友精化は2026年3月期の営業利益の79.7%を 吸水性樹脂 で稼ぎました。 半導体製造に使う エレクトロニクスガス の販売は2025年度に約3%増え、会社は2026年度に6%程度の増収を見込んでいます。

  • 2026年3月期 機能マテリアル売上高 319億円 前期比0.5%増で、連結売上高の21.5%
  • 2026年3月期 機能マテリアル営業利益 29億円 前期比11.0%増、営業利益率9.1%
  • 2027年3月期第1四半期 機能マテリアル営業利益 7.4億円 前年同期1.9億円から296.3%増。 売上高は84億円

2026年3月期のセグメント別売上高

  • 吸水性樹脂1,161億円
  • 機能マテリアル319億円
  • その他2.9億円

この会社の要点

向いている入口 研究職

探索研究から工業化研究までの流れに関わりたい人。

入口を選ぶ
主なリスク 半導体関連は会社の中で小さい

機能マテリアルの売上高は連結の21.5%で、営業利益の79.7%は吸水性樹脂が稼ぎます。 機能マテリアルには連結従業員1,438名のうち729名が属し、売上の比率に対して人員の比率が大きい事業です。

強みとリスク
出典 出典一覧(18件)

公式 9件 / IR 6件 / 採用 3件

01立ち位置

何の会社として比べるか

住友精化は、吸水性樹脂が売上の78.3%を占める化学メーカーです。 半導体製造用のエレクトロニクスガスと電子材料は、売上高319億円の機能マテリアル事業に入っています。

2026年3月期

セグメントごとの売上高と機能マテリアルの営業利益

2026年3月期 決算短信

セグメント別売上高

億円 · 外部顧客への売上高
  • 吸水性樹脂 1,161億円
  • 機能マテリアル 319億円
  • その他 2.9億円

機能マテリアルの営業利益

億円 · 決算短信
  • 2025年3月期 26億円
  • 2026年3月期 29億円
2026年3月期

機能マテリアルはどの地域の顧客へ売っているか

決算短信の収益の分解情報

機能マテリアルの地域別売上高

億円 · 外部顧客への売上高
  • 日本 175億円
  • アジア 89億円
  • 中国 21億円
  • 欧州 21億円
  • 北米 6.3億円
  • その他 4.8億円
半導体用特殊材料ガス

エレクトロニクスガス(半導体用ガス)

IC・メモリー・液晶・太陽電池などの半導体製造用の特殊材料ガスです。 LSIやフラッシュメモリーなどの半導体デバイスの成膜・エッチングに使われます。 高純度エレクトロニクスガスの製造プロセス開発は生産技術研究所が担い、韓国の住精ケミカルと台湾住精科技が海外で製造・販売します。

  • アンモニア(NH3)
  • 一酸化炭素(CO)
  • 一酸化窒素(NO)
  • プロピレン(C3H6)
半導体プロセス材料

電子材料(溶媒・膜材料)

硫黄系の有機合成品から、半導体製造用の洗浄剤向けにスルホン系極性溶媒のスルフォランを供給しています。 決算説明会の質疑では約10億円規模の事業とされました。 開発研究所では酸化ケイ素膜前駆体を、有価証券報告書では半導体絶縁膜材料の開発を挙げています。

  • スルフォラン(スルホラン)
  • 半導体絶縁膜材料(開発品)
  • 酸化ケイ素膜前駆体(開発品)
ガス発生・回収精製装置

エンジニアリング(PSA装置)

PSA技術を使うガス発生装置とガス回収精製装置を生産しています。 2026年3月期はPSA酸素発生装置、2027年3月期第1四半期はPSA水素発生装置の販売拡大が機能マテリアルの増益要因に挙がりました。

  • O2-PSA装置
  • He回収精製装置

02収益

どこで、どれくらい儲けているか

2026年3月期の営業利益144億円のうち、吸水性樹脂が115億円、機能マテリアルが29億円です。 前の中期経営計画では、機能マテリアルほかの売上高が2022年度の375億円から2025年度の322億円へ減りました。

2026年3月期 連結売上高・営業利益

売上高1,483億円 / 営業利益144億円

売上高は前期比0.5%増、営業利益は35.0%増です。 吸水性樹脂が売上高1,161億円、営業利益115億円を占めます。

2026年3月期 機能マテリアルセグメント

売上高319億円 / 営業利益29億円

前期の売上高317億円、営業利益26億円から増えました。 IRラテックス事業の終了を、水溶性ポリマーとPSA酸素発生装置の販売拡大で補っています。

2027年3月期第1四半期 機能マテリアルセグメント

売上高84億円 / 営業利益7.4億円

売上高は前年同期比11.9%増、営業利益は296.3%増です。 水溶性ポリマーとPSA水素発生装置の販売が伸びました。

2027年3月期 会社予想(連結)

売上高1,650億円 / 営業利益110億円

営業利益は前期から34億円減る予想です。 シンガポールでの吸水性樹脂設備の増設による固定費の増加が主な要因です。

2026年3月期のセグメント別営業利益

億円 · 決算短信
  • 吸水性樹脂 115億円 営業利益率9.9%
  • 機能マテリアル 29億円 営業利益率9.1%

機能マテリアルほかの売上高と前中期経営計画

億円 · 新中期経営計画の骨子 補足資料
  • 2022年度 実績 375億円
  • 2025年度 実績 322億円
  • 2025年度 計画 400億円

03強みとリスク

強みと、リスク・検討点

強みは、化学合成を土台にした半導体用ガスです。 会社は決算説明会の質疑で、一部の製品では特定の顧客が自社製品だけを買っており、価格是正も増収の要因になっていると説明しました。 弱点は、半導体関連が売上の2割強の事業にとどまり、ガス設備の減損と計画未達が続いたことです。

強み

  • 化学合成を土台にしたガスづくり

    会社は自らを「化学屋をベースにしたガス屋」と位置づけ、アンモニアや一酸化窒素などの半導体用ガスと、硫黄系の有機合成品を同じ機能マテリアル事業で扱います。 半導体用ガスの高純度化は生産技術研究所の開発テーマです。

    採用情報 事業紹介
  • AI向けの需要と価格交渉力

    エレクトロニクスガスの販売は2025年度に約3%増え、2026年度は6%程度の増収を見込みます。 会社は生成AIによる先端ロジック・メモリの需要増を背景に挙げ、一部の製品は特定の顧客が当社製品だけを購入しているため、数量増に加えて価格是正も増収要因になると説明しました。

    2026年3月期 決算説明会における質疑応答の要旨
  • 半導体洗浄剤向けスルフォランの伸び

    半導体製造用の洗浄剤向けにスルフォランの販売が増えました。 会社は約10億円規模の事業をさらに拡大させる方針です。 ガスとは別の半導体向けの柱になり得る製品です。

    2026年3月期 決算説明会資料
  • 研究棟とガス設備への投資

    2026年3月期の機能マテリアル事業の設備投資は24億円で、別府工場の研究新棟の建設とガス製造設備の整備に充てました。 新研究棟のSEIKA R&Dセンターはエネルギー関連材料と電子材料を研究し、約100名を収容します。

    2026年3月期 有価証券報告書
  • 厚い自己資本

    2026年3月期末の自己資本比率は67.8%で、前期末から1.2ポイント上がりました。 有価証券報告書は、研究新棟やガス製造設備を含む設備投資の資金に借入金と自己資金を充てたと記載しています。

    2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)

リスク・検討点

  • 半導体関連は会社の中で小さい

    機能マテリアルの売上高は連結の21.5%で、営業利益の79.7%は吸水性樹脂が稼ぎます。 機能マテリアルには連結従業員1,438名のうち729名が属し、売上の比率に対して人員の比率が大きい事業です。

    2026年3月期 有価証券報告書
  • 前の中期経営計画で大幅未達

    2023〜2025年度の計画で、機能マテリアルほかの売上高は計画400億円に対し実績322億円、営業利益は計画45億円に対し29億円でした。 会社自身が「大幅な未達」と評価しています。

    2045年に向けた長期ビジョンならびに新中期経営計画の骨子 補足資料
  • 減損の計上と、製品代金の過剰請求への損害賠償

    2025年3月期に台湾住精科技のガス製造設備を収益性低下で全額減損し、2026年3月期には千葉工場のポリエチレン粉末・ガス製品設備で12億円を減損しました。 グループ会社が事前通知なしに原材料の調達先を変え過剰請求していた事案で、32億円の賠償も計上しています。

    2026年3月期 有価証券報告書
  • ガスの種類ごとの強弱

    会社は、スマートフォン、PC、EVを含む車載向けは低成長もしくは弱含みが続くと見ています。 決算説明会の質疑では、ガス全体の伸びは、生成AI向けで伸びるガスと弱いガスが相殺した結果だと説明しました。

    2026年3月期 決算説明会資料
  • ナフサ由来原料への依存

    主要製品はナフサ由来の原料に依存し、中東情勢で原料の調達数量と価格の見通しが不透明になりました。 会社は2026年3月期の決算発表で2027年3月期の業績予想を未定とし、第1四半期に必要な原料は調達先の多様化でおおむね確保したと説明しました。

    2026年3月期 決算説明会資料
  • 研究開発費の規模

    2026年3月期の研究開発費は全社で29億円、機能マテリアルは15億円で、セグメント売上高の4.9%です。 電池材料、絶縁被覆材料、半導体材料、CO2分離回収を同じ予算で進めています。

    2026年3月期 有価証券報告書

04待遇

給与、初任給、休日、手当

新卒の初任給は2025年実績で修士卒29.4万円、大卒27万900円です。 2026年3月期の単体の平均年間給与は684万8,798円、平均年齢は38.50歳、平均勤続年数は15.64年でした。

新卒初任給(月給)

円 · 2025年実績
  • 修士卒 29.4万円
  • 大卒 27万900円
新卒の初任給
2025年実績で修士卒29.4万円、大卒27万900円です。 賞与は年2回、賃金改訂は7月です。 条件は 採用情報 募集要項 に載ります。
勤務時間と休日
本社は9:00〜17:30、研究所・工場は8:30〜17:15で、部門ごとにフレックスタイム制があります。 週休2日制で年間休日は124日です。
平均年間給与
2026年3月期の単体の従業員は1,038名、平均年齢38.50歳、平均勤続年数15.64年、平均年間給与684万8,798円(約684.9万円)です。 2026年3月期 有価証券報告書 の従業員の状況から引いています。
採用人数
2026年4月は事務系4名・技術系23名の合計27名が入社し、2027年4月は合計33名を予定しています。 技術系の採用が増えています。

05勤務地と職種

どこで、どんな仕事をするか

半導体用ガスと化学品の製造は兵庫県播磨町の別府工場と千葉県八千代市の千葉工場が担い、研究開発は別府と姫路に集まります。 海外では韓国の住精ケミカルと台湾住精科技がエレクトロニクスガスを製造・販売しています。

主な勤務地・拠点

本社
大阪市中央区北浜(住友ビル)、東京都千代田区九段北採用窓口は大阪本社の総務人事室
別府工場(兵庫県加古郡播磨町)
化学品とガスの製造設備、開発研究所、生産技術研究所、SEIKA R&Dセンター姫路工場(兵庫県姫路市)にも開発研究所と生産技術研究所
千葉工場(千葉県八千代市)
化学品とガスの製造設備
海外のエレクトロニクスガス拠点
住精ケミカル(韓国、PAJU工場・JANGAN工場)、台湾住精科技(台湾、彰濱工場)吸水性樹脂の工場はシンガポール、韓国、ベルギー・フランス
公式採用の勤務地欄

新卒採用の募集職種

  • 研究職
  • 技術職
  • 生産職
  • 営業職(国内)
  • 営業職(海外)
  • 事務職

研究職・技術職・生産職は技術系、事務職は事務系の職種です。 営業職は両方の区分で募集します。

選考の流れ

  1. エントリー後、任意の会社説明会を経て書類選考に進む
  2. 面接を1〜2回受ける。 技術系は専攻分野を考慮した選考になる
  3. 最終面接を経て内定
公式採用へ

06これから

会社が次に取りにいくもの

会社は2030年度に売上高2,000億円、営業利益175億円を目標に掲げ、重要課題に「先端産業を支える高信頼材料の提供」を置きました。 半導体関連では、絶縁膜材料の量産化とエレクトロニクスガスの増販が柱です。

2030年度の経営目標と2025年度実績

連結 · 新中期経営計画の骨子 補足資料
  • 売上高 1,484億円 2030年度目標は2,000億円
  • 営業利益 145億円 2030年度目標は175億円

これからの材料

半導体絶縁膜材料
顧客の一次評価を終え、二次評価への対応と量産化技術の確立を並行して進めていると 2026年3月期 有価証券報告書 に載ります。
エレクトロニクスガス
2026年度は前年度比6%程度の増収を見込み、生成AIの普及に伴う先端ロジック・メモリの需要増を背景に挙げています。
研究開発拠点
別府地区のSEIKA R&Dセンターに開発研究所と生産技術研究所の機能を集約し、エネルギー関連材料と電子材料を研究します。

半導体絶縁膜材料の量産化

半導体の高性能化に寄与する絶縁膜材料を開発し、顧客の一次評価を終えました。 二次評価に対応しながら量産化技術の確立を進めています。 二次評価を通過し、量産ラインで採用されるかで売上への寄与が決まります。

エレクトロニクスガスの増販

2026年度はエレクトロニクスガスで前年度比6%程度の増収を見込みます。 生成AIとデータセンターの需要が、ガス事業全体の成長を引っ張ると会社は見ています。

新中期経営計画と2030年度目標

2030年度に売上高2,000億円、営業利益175億円を目標に掲げ、経営の重要課題の一つに「先端産業を支える高信頼材料の提供」を置きました。 目標は全社の数値です。各施策の詳細とKPIは2026年11月に公表予定です。

研究開発拠点の集約

別府地区にSEIKA R&Dセンターを新設し、開発研究所と生産技術研究所の機能を集めました。 研究内容はエネルギー関連材料と電子材料です。 新製品の上市と量産化技術の確立が、集約後に速まるかで成果が測られます。

07入口を選ぶ

専攻から、入口を1つに絞る

エレクトロニクスガス、スルフォラン、半導体絶縁膜材料のうち自分の専攻と重なる製品を1つ選び、研究職・生産職・技術職・営業職のどれで関わるかを決めます。

技術系

研究職

研究・開発部門は基礎研究から応用研究までを担い、業務例は調査、商品開発、探索研究、工業化研究です。 開発研究所は酸化ケイ素膜前駆体を、生産技術研究所は高純度エレクトロニクスガスの開発を手がけます。

公式採用情報
技術系

生産職

生産部門は運転条件の変更や新機器の導入を検討し、業務例は製品の製造生産の効率化、品質管理、設備の維持です。 別府工場と千葉工場は化学品とガスの製造設備を持ちます。

公式採用情報
技術系

技術職

技術部門は製造設備や工場、インフラの建設から保全までを担い、業務例はプラント建設・保守・保全、合理化・能力増強です。 2026年3月期は別府工場で研究新棟とガス製造設備の整備に投資しました。

  • Maintenance
  • Plant Engineering
  • Instrumentation
  • Safety
公式採用情報

応募前の3手

  1. NH3やNOなどの半導体用ガスとスルフォランが、半導体のどの工程で使われるかをノートへ書く
  2. 機能マテリアルの売上高319億円と営業利益29億円、前の計画の未達を書き出し、面接で聞く点を決める
  3. 募集要項の職種、勤務地、初任給、選考の流れを公式ページから書き出す
公式採用へ

面接で使う技術語

  • Electronic Gas
  • Insulating Film
  • Precursor
  • Process Development
  • Scale-up
  • Production
  • Purification
  • Quality Control
  • Chemical Engineering
  • Plant

技術系の採用実績学科は工(化学、化学工学、機械、電気、電子等)、理、薬、農などです。

他社との違いを一言で

  • 半導体用の特殊ガス

    関東電化工業

    関東電化工業は、原料のフッ素の精製から特殊ガスの製造までを社内で一貫して行い、三フッ化窒素や六フッ化タングステンなどフッ素系ガスを製品に並べています。住友精化の半導体用ガスはアンモニア、一酸化炭素、一酸化窒素、プロピレンなどで、硫黄系の有機合成品と同じ事業で扱います。

  • 半導体の成膜・クリーニング用ガスと溶媒

    セントラル硝子

    セントラル硝子は六フッ化タングステンとトリメチルシランを成膜用に製品化し、希釈フッ素や三フッ化塩素を装置のクリーニングガスとして供給しています。住友精化は半導体洗浄剤向けにスルフォランを供給し、半導体絶縁膜材料を顧客の二次評価に進めています。

  • エレクトロニクス向けのガスと装置

    日本酸素ホールディングス

    日本酸素ホールディングスは電子材料ガスとバルクガスに加え、大規模半導体製造向けの超高純度窒素・酸素併産装置を提供しています。住友精化の装置はO2-PSA装置やHe回収精製装置などPSA方式のガス発生・回収精製装置で、機能マテリアルの売上高は319億円です。

参照資料一覧へ

出典18件

ほか10件

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