- 2025年12月期 売上高 1,242億円 前期比2.8%増で過去最高。 プローブカード事業が81.3%
- 2026年4〜6月期 売上高 408億円 前年同期比31.9%増、前四半期比14.2%増
- 2026年4〜6月期 営業利益 91億円 前年同期は19億円。 営業利益率22.4%
2025年12月期の市場別売上高
- ファウンドリ・ロジック向けプローブカード585億円
- DRAM向けプローブカード391億円
- システム(プローブステーション等)232億円
- フラッシュ向けプローブカード32億円
この会社の要点
01立ち位置
何の会社として比べるか
FormFactorは、半導体ウェーハの電気検査に使うプローブカードを主力とする大手です。 2025年12月期の売上高は1,242億円で過去最高でした。 2026年に入って伸びが加速し、4〜6月期は前年同期比31.9%増えています。
2023年12月期から2026年7〜9月期の会社見通しまで
通期売上高
四半期売上高
どの国・地域へ出荷しているか
出荷先別売上高(上位5地域)
2026年4〜6月期の出荷先別売上高(上位4地域と日本)
プローブカード(ファウンドリ・ロジック、DRAM、フラッシュ向け)
前工程を終えたウェーハのチップ電極に接触子を当て、良否を電気的に確かめる検査治具です。 顧客のチップ配置に合わせて1枚ずつ設計します。 最先端品では300mmウェーハ全面に15万本超の接触子を40マイクロメートル間隔で並べ、80GHz超の高周波でも測れます。 2025年12月期のプローブカード事業の売上は1,009億円でした。
- ファウンドリ・ロジック向けプローブカード
- DRAM・HBM向けプローブカード
- フラッシュ向けプローブカード
- アナリティカルプローブ
DRAM向けプローブカード Matrix・PH Series
DRAMは全ビットを検査する必要があり、ウェーハ上の多数のチップを同時に測る並列検査が量産コストを左右します。 会社はMatrixとPH-Seriesを、この検査の効率を上げてDRAM検査の総コストを下げる製品と位置づけます。 PH Seriesのプローブヘッドは50mm〜100mmの大きさに対応します。
- Matrix
- PH Series
MEMSプローブ技術
MEMS(半導体の微細加工で作る機械構造)で、チップの電極に当たる微小なばね状の接触子を作ります。 会社の見方では、先端プローブカード市場の約75%をMEMSが占めます。 接触子は100万回を超える接触に耐えるよう作られ、2.5D・3D実装、車載の広い温度範囲、高周波の検査に使われます。
- MEMSプローブ
- Hybrid MEMS
システム(プローブステーション、温度制御、極低温装置)
プローブステーション、温度制御装置、極低温装置をまとめた事業です。 2026年4〜6月期のシステム売上は76億円で、前年同期比44.1%増えました。 伸びの中心は、光電融合(CPO)向けの量産検査装置Tritonです。
- プローブステーション
- サーマルチャック
- 極低温プローブシステム
- Triton
02収益
どこで、どれくらい儲けているか
稼ぎ頭はファウンドリ・ロジック向けとDRAM向けのプローブカードです。 2026年4〜6月期はDRAM向けが49.0%、システムが44.1%伸び、粗利益率は50.7%まで上がりました。
売上高1,242億円 / 営業利益90億円
売上高は前期比2.8%増で過去最高でした。 営業利益率は7.3%、純利益は86億円です。 研究開発費は183億円で売上高の14.7%にあたります。
売上高408億円 / 営業利益91億円
売上高は前年同期比31.9%増、営業利益は前年同期の19億円から増えました。 1〜6月の累計売上高は766億円、純利益は121億円です。
粗利益率50.7% / 1株当たり純利益112.34円
粗利益率は1〜3月期の38.4%、前年同期の37.3%から上がりました。 営業キャッシュフローは97億円、フリーキャッシュフローは83億円です。
FormFactor、KK(横浜市保土ケ谷区)
所在地は横浜市保土ケ谷区神戸町134の横浜ビジネスパーク イーストタワー11階と2階です。 会社は製造・営業・サポートの拠点と位置づけています。
2026年4〜6月期の市場別売上高
四半期の粗利益率
03強みとリスク
強みと、リスク・検討点
強みは、HBMや最先端ロジックの検査に必要な微細で高周波に強い接触技術です。 弱点は顧客と製品の偏りで、SK hynix1社が売上の約4分の1を占め、輸出規制と関税の影響も受けます。
強み
- HBMで伸びるDRAM向けプローブカード
2026年4〜6月期のDRAM向け売上は134億円で、前年同期比49.0%増えました。 増加分の約75%はHBM(DRAMを積み重ねた広帯域メモリー)向けです。 会社はその背景に生成AI向けの需要を挙げます。
四半期報告書 Form 10-Q(2026年4〜6月期) - 最先端品で求められる接触精度
300mmウェーハ全面に15万本超の接触子を40マイクロメートル間隔で並べられます。 無線用チップや車載レーダーでは80GHz超の周波数で検査できます。 会社は、この高周波の技術でHBMの検査でも有利に競えると見ています。
年次報告書 Form 10-K(2025年12月期) - 利益率の急回復
粗利益率は2025年4〜6月期の37.3%から、2026年4〜6月期に50.7%まで上がりました。 営業利益は19億円から91億円へ増えています。 7〜9月期の会社見通しは粗利益率52.0%(上下1.5ポイントの幅)です。
2026年4〜6月期 決算発表 - 研究開発から量産までの両方を持つ
量産検査用のプローブカードに加え、研究段階でデバイスを測るプローブステーションも持っています。 会社は自らの立ち位置を「研究室から工場まで」と表しています。 2025年12月にはKeystone Photonicsを買収しました。 この買収でシリコンフォトニクスと光電融合デバイスの検査能力を広げました。
年次報告書 Form 10-K(2025年12月期)
リスク・検討点
- SK hynixへの売上集中
SK hynix向けは2025年12月期の売上の22.9%で、前期の18.9%から上がりました。 出荷先別でも韓国が376億円で30.3%を占めます。 年次報告書は、販売先が比較的狭い顧客層に限られると記載しています。
年次報告書 Form 10-K(2025年12月期) - 輸出規制で中国向けが縮小
中国向け売上は2024年12月期の162億円から2025年12月期に91億円へ、43.7%減りました。 年次報告書は、米国の先端半導体技術の輸出規制が中国顧客の需要を減らしたと記載しています。
年次報告書 Form 10-K(2025年12月期) - 関税と単一調達の部材
2025年12月期は関税の負担増で粗利益率が1.4ポイント下がりました。 セラミック基板や有機基板、複雑なプリント基板など一部の部材は1社からしか調達しておらず、長期契約より発注ごとの購入に頼っています。
年次報告書 Form 10-K(2025年12月期) - DRAMはロジック向けより利益率が低い
プローブカード売上に占めるDRAM向けは2025年12月期に36.3%から38.8%へ上がりました。 年次報告書は、DRAM向け製品の利益率は一般にファウンドリ・ロジック向けより低いと記載しています。 同じ市場の中でも、顧客とデバイスによって利益率に大きな差があります。
年次報告書 Form 10-K(2025年12月期)
04待遇
給与、初任給、休日、手当
米国の製造職の求人は時給を明記しており、リバモアの入門職は3,053円〜4,012円です。 福利厚生は医療保険、401(k)の会社拠出、従業員株式購入制度がそろっています。
Manufacturing Technician 1の時給(リバモア)
- 製造職の時給
- リバモアのManufacturing Technician 1は、経験や技能に応じて時給3,053円〜4,012円です。 勤務日は日・月・火曜と隔週の水曜で、午前6時から午後6時15分までです。 Manufacturing Technician 1の求人 に条件が載ります。
- 福利厚生
- 医療・歯科・眼科の保険、生命保険、就業不能補償、会社拠出つきの401(k)、従業員株式購入制度、有給休暇があります。 Manufacturing Technician 1の求人 に一覧があります。
- 従業員株式購入制度
- 従業員は、期初か購入日の株価の低い方の85%で自社株を買えます。 2025年12月期は従業員が385,189株を購入しました。 年次報告書 Form 10-K(2025年12月期) の株式報酬の注記に載ります。
- 工場の交代勤務
- ビーバートンのFab Process Development Tech 3は、午前6時〜午後6時15分の日勤や午後6時〜翌午前6時15分の夜勤を、週3日と週4日の隔週で組みます。 Fab Process Development Tech 3の求人 にシフトの一覧があります。
- 横浜の求人の経験条件
- 品質管理のPrincipal Manufacturing Engineerは学士で5年以上、修士で3年以上の関連経験、または博士号が条件です。
05勤務地と職種
どこで、どんな仕事をするか
本社はリバモアにあり、プローブカードは主にリバモアとオレゴン州ビーバートンで作ります。 システム製品はコロラド州ボルダーとドイツで作ります。 日本では横浜に製造・設計・修理の拠点があり、つくばと広島に営業・サービス拠点があります。
主な勤務地・拠点
- 本社
- 米国カリフォルニア州リバモア5棟で約259,000平方フィート。 営業・管理・製造・研究開発を集約
- プローブカードの製造
- リバモア、オレゴン州ビーバートン、横浜テキサス州ファーマーズブランチの新工場を整備中
- システム製品の製造
- コロラド州ボルダー、ドイツのティーエンドルフ、ミュンヘン、カールスルーエ
- 日本
- 横浜(営業・設計・製造・修理・研究開発)、つくばと広島(営業・サービス)横浜の床面積は16,618平方フィート
- アジアの営業・サービス
- 台湾の竹北、韓国の盆唐、シンガポール
プローブカードの製造工程
- 相互接続のシステムレベル設計
- ワイヤボンディング
- フォトリソグラフィ
- めっき
- 成膜
- ピックアンドプレース実装
- 組立
- 試験
工程の重要部分はISO Class 5(Class 100)までのクリーンルームで行います。
働く場所を選ぶ
- 横浜で品質・プログラム管理・営業の募集から、自分の経験年数が条件を満たす職種を選ぶ
- 米国の工場職は、ビーバートンの基板加工かリバモアのプローブカード製造かを工程名で選ぶ
- 2026年12月期末に生産を始めるテキサス工場の募集も候補に入れる
06これから
会社が次に取りにいくもの
会社は、HBMと光電融合(CPO)を成長の柱に挙げています。 テキサス州の新工場で生産能力を広げ、カリフォルニア州の2工場を他拠点へ集約して利益率の改善を進めます。
これからの材料
- HBMと光電融合
- 2026年4〜6月期は、HBMとCPOの需要がプローブカードとシステムの両事業の前四半期比の増収につながりました。 2026年4〜6月期 決算発表 の業績ハイライトに載ります。
- テキサス新工場
- 2026年12月期の第4四半期末に生産を始め、2027年12月期を通じて当初目標の生産量まで増やす計画です。 四半期報告書 Form 10-Q(2026年4〜6月期) の最近の動きに載ります。
- 日本の基板メーカーへの出資
- 2025年2月に、長野県に本社を置く基板メーカーFICTの株式20%を取得しました。 FICTは半導体テスト向けの多層有機基板やプリント基板を手がけます。 年次報告書 Form 10-K(2025年12月期) に記載があります。
テキサス新工場の立ち上げ
2025年6月にテキサス州ファーマーズブランチの工場を買いました。 2026年12月期の第4四半期末に生産を始め、2027年12月期を通じて当初目標の生産量まで増やす計画です。 1〜6月だけで工場立ち上げ費用が18億円かかりました。生産量が計画どおり増えるかで、費用が利益率に与える影響が決まります。
光電融合(CPO)向け検査装置Triton
2026年4〜6月期のシステム売上の増加は、主に量産向けCPO検査装置Tritonによるものでした。 台湾向け売上が増えた理由の一つにもTritonを挙げています。 既存のシステム製品の売上は生産能力と需要がTritonへ移るにつれて減っています。Tritonの伸びが既存製品の減少を上回り続けるかが焦点です。
製造拠点の再編
2026年1月に再編計画を決め、カリフォルニア州カールスバッドとボールドウィンパークの製造を他拠点へ集約しています。 ボールドウィンパークは2026年1月で製造を終えました。 カールスバッドは2026年12月まで製造を続ける予定です。 1〜6月の売上原価には再編費用40億円が含まれます。フラッシュ向けの一部はボールドウィンパークで作っていたため、会社はフラッシュの売上比率が下がると見ています。
2026年7〜9月期の会社見通し
売上高427億円(上下15億円の幅)、粗利益率52.0%(上下1.5ポイントの幅)を見込みます。 CEOは、ファウンドリ・ロジック向けとシステム事業の需要が特に強いと見ています。 見通しは為替が一定という前提です。GAAPの粗利益率52.0%は、非GAAPでは54.0%(上下1.5ポイントの幅)です。
07入口を選ぶ
専攻から、入口を1つに絞る
プローブカードの製造・品質に進むか、日本市場の営業に進むかを先に決めます。 どちらでも、HBMとロジック向けで何が違うかを話せることが準備の中心になります。
Principal Manufacturing Engineer(品質管理)
横浜のSPGチームが製造するプローブカード製品の品質管理を統括する職種です。 ISO 9001に沿った品質システムの運用、内部監査、是正・予防処置、仕入先の品質管理を担います。
求人 Principal Manufacturing Engineer(横浜)Manufacturing Program Manager
顧客ごとに作り分ける製品について、問い合わせから最終出荷までを率いる職種です。 顧客、設計、製造、調達、品質、海外拠点の間を取りまとめ、日程とリスクを管理します。
求人 Manufacturing Program Manager(横浜)Staff Sales Account Specialist
日本市場でプローブカードとサービス(プローブシステム)の売上をつくる営業職です。 売上予測、顧客の技術評価案件の管理、主要顧客の戦略づくり、価格交渉の資料作成を担います。
- プローブカード
- ウェーハテスト
- 技術評価
応募前の3手
- DRAM向けのMatrixとPH Series、MEMSプローブの製品ページを読み、全ビット検査と並列検査の関係をノートに書く
- 2026年4〜6月期の市場別売上(ロジック192億円、DRAM134億円)と伸び率を書き出し、志望部門の数字を覚える
- 横浜の3求人から職種を1つ選び、学歴と経験年数の条件を自分の経歴と照らす
面接で使う技術語
- 品質管理システム
- ISO 9001
- 是正・予防処置
- FMEA
- クリーンルーム
- 受注生産
- プロジェクト管理
- 日程管理
- リスク管理
- アカウント営業
技術語は、ウェーハテスト、MEMSプローブ、HBM、フォトリソグラフィ、めっき、SPCを押さえます。
他社との違いを一言で
- 半導体検査用プローブカード
日本電子材料
日本電子材料は半導体検査用部品としてプローブカードを研究開発・製造し、電子管部品も手がけます。FormFactorの年次報告書は、同社をMEMS技術のプローブカードを供給する主な競合に挙げています。
- プローブカードとウェーハプローバ
日本マイクロニクス
日本マイクロニクスはプローブカード、ウェーハプローバ、半導体試験装置、テストソケットを製品に並べています。FormFactorもプローブカードとプローブステーションの両方を持ち、2025年12月期はプローブカードが売上の81.3%でした。
- MEMSプローブカード
Technoprobe
FormFactorの年次報告書は、Technoprobeを自社と同種のMEMS技術でプローブカードを作る会社として、日本電子材料、日本マイクロニクスとともに挙げています。MEMSプローブカードは開発投資と顧客評価に時間と費用がかかり、参入障壁が高いと記載しています。
出典15件
- IR 年次報告書 Form 10-K(2025年12月期) 2025年12月期 · FormFactor、Inc. 連結 · 事業の概要・売上の市場別内訳・地域別内訳・従業員・拠点
- IR 四半期報告書 Form 10-Q(2026年4〜6月期) 2026年4〜6月期 · FormFactor、Inc. 連結 · 損益計算書・市場別売上・地域別売上・顧客集中
- IR 2026年4〜6月期 決算発表 2026年4〜6月期 · FormFactor、Inc. 連結 · 業績ハイライト・7〜9月期の見通し
- 公式 拠点一覧 日本法人 FormFactor、KK
- 公式 DRAM向けプローブカード
- 公式 PH Series 製品ページ
- 公式 MEMS技術
- 採用 採用情報