半導体検査用部品 MEMSプローブカード
日本電子材料
メモリー検査のプローブカードで稼ぐ尼崎の専業メーカー
半導体検査用部品関連事業が売上の99.2%を占める専業メーカーです。
マイクロン2社とフラッシュフォワードで売上の44.7%を占め、これら特定顧客の設備投資や生産計画の変更は業績に影響を与える可能性があります。
日本電子材料は メモリー向けMEMSプローブカード の増産で、2026年3月期の売上高293億円と経常利益が創業以来の過去最高になり、営業利益率は24.7%でした。 売上の30.9%は マイクロン の日本・台湾の2法人向けです。
- 2026年3月期 売上高 293億円 前期比23.2%増で創業以来の最高
- 2026年3月期 営業利益 72億円 前期比58.1%増、営業利益率24.7%
- 2027年3月期 第1四半期 売上高 96億円 前年同期比77.3%増。 通期予想は364億円へ上方修正
2026年3月期の地域別売上高
- 日本142億円
- アジア130億円
- 北米15億円
- ヨーロッパ4.9億円
この会社の要点
01立ち位置
何の会社として比べるか
日本電子材料は、ウエハテストで使うプローブカードの専業メーカーです。 2026年3月期は売上293億円の99.2%が半導体検査用部品関連事業で、顧客の所在地では日本が48.7%、アジアが44.3%を占めます。
2024年3月期から2027年3月期予想までの売上高と営業利益
売上高
営業利益
だれに、どの地域で売っているか
主要顧客への売上比率
国・地域別売上高
Mタイププローブカード(MEMS)
会社が主力製品と位置づけるMEMS技術のプローブカードです。 MCシリーズはDRAMやNANDフラッシュのウエハテスト向けで、同社製品の中で最も多くのプローブを実装できます。 MTシリーズは垂直型MEMSプローブを使うロジックIC向けです。 プローブは尼崎の本社工場、ST(スペーストランスフォーマー)基板は三田工場、組立は熊本事業所が担います。
- MCシリーズ
- MLシリーズ
- MTシリーズ
Vタイププローブカード(垂直接触型)
VCシリーズはNANDフラッシュ向けを中心に、ウエハ一括測定など多数のチップの同時測定に使われます。 VSシリーズはスプリングピンを使う垂直接触型、VTシリーズはマイコンやSOCなどロジックIC向け、VEシリーズはCMOSやCCDのイメージセンサー向けで、光源用の開口部を確保しながら同時多数個測定をします。
- VCシリーズ
- VSシリーズ
- VTシリーズ
- VEシリーズ
Cタイププローブカード(カンチレバー型)
1970年に米国Rucker&Kolls社との技術提携で始めたCEシリーズの系譜です。 ロジックIC向けを中心に幅広い分野で使われています。
- CEシリーズ
電子管部品
創業事業で、2026年3月期の売上は2.2億円です。 タングステンやモリブデンなど加工の難しい耐熱性金属の加工・組立を得意とし、生産は外部へ委託しています。
- 陰極
- フィラメント
- 電子ビーム溶接機用陰極
- 各種ヒーター
02収益
どこで、どれくらい儲けているか
利益のほぼ全額を半導体検査用部品関連事業が生みます。 2026年3月期のセグメント利益は91億円で利益率31.4%、2027年3月期第1四半期は37.8%まで上がりました。
売上高293億円 / 営業利益72億円
売上高は前期比23.2%増、営業利益は58.1%増で、営業利益率は24.7%です。 親会社株主に帰属する当期純利益は54億円でした。
売上高238億円 / 営業利益45億円
営業利益率は19.2%でした。 2024年3月期の売上高174億円から2年で1.68倍になっています。
売上高96億円 / 営業利益30億円
売上高は前年同期比77.3%増、営業利益は109.7%増です。 半導体検査用部品関連事業のセグメント利益率は37.8%に上がりました。
売上高364億円 / 営業利益94億円
5月の期初予想(売上高330億円、営業利益74億円)を8月に引き上げました。 第1四半期の売上は通期予想の26.5%にあたります。
受注高325億円 / 受注残高117億円
半導体検査用部品関連事業の数値で、受注高は前期比24.3%増、受注残高は40.7%増です。 受注高は同事業の売上の1.12倍でした。
2026年3月期のセグメント別売上高
売上高の推移と予想
03強みとリスク
強みと、リスク・検討点
強みは、大手メモリーメーカーの量産ラインに入り込んだMEMSプローブカードと、尼崎・三田・熊本の国内一貫生産です。 弱点も同じところにあり、上位3社で売上の44.7%を占める顧客集中とメモリー市況への感応度が高い構造です。
強み
- メモリー向けMEMSプローブカードの量産力
2026年3月期はメモリー向けの拡販で半導体検査用部品関連事業の売上が291億円、セグメント利益が91億円になり、利益率は31.4%です。 2024年10月に竣工した熊本第4工場の本格稼働と既存工場への投資が生産能力を押し上げ、国内工場の高い稼働率が利益を伸ばしました。
2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) - 大手メモリーメーカーとの密着
マイクロンメモリジャパン(15.6%)、MICRON MEMORY TAIWAN(15.3%)、フラッシュフォワード(13.8%)の3社が売上高の10%を超える顧客です。 プローブカードは回路設計と一体で設計する製品なので、会社は顧客近接を必須とし、日本・アジア・アメリカ・ヨーロッパの四極体制を敷いています。
有価証券報告書 第67期 - 前工程から組立までの国内一貫生産
Mタイプは本社工場でプローブ、三田工場でST基板、熊本事業所で組立を担う分業です。 有形固定資産の89.7%が日本にあり、熊本事業所に474名、本社に218名、三田工場に99名が働いています。
2024-2026年度 JEMグループ中期経営計画(2025年度進捗状況) - 増資後の厚い財務
2026年3月期末の現金及び預金は271億円、自己資本比率は76.7%です。 公募増資で調達した約122億円は全額を尼崎工場へ充て、既存3工場への投資は自己資金と借入金でまかなう計画です。
2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
リスク・検討点
- マイクロンへの売上集中
マイクロンの日本・台湾2法人への売上は合わせて90億円で、売上高の30.9%です。 有価証券報告書も特定顧客の比率が高まっていると記載しており、これらの顧客の設備投資や生産計画の変更が業績に影響を与える可能性があります。
有価証券報告書 第67期 - メモリー市況の振れ幅
経常利益は2022年3月期の50億円から2024年3月期に10億円まで落ち、2026年3月期は71億円に戻りました。 2026年3月期は非メモリー向けの需要が軟調で、伸びはメモリー向けに偏っています。
有価証券報告書 第67期 - 大型投資の回収と価格要請
2024〜2026年度の設備投資は当初計画85億円から148億円へ増え、2026年度単年で70億円を見込みます。 顧客からは継続的な価格要請があり、需要減や単価下落で収益が見込めなくなれば減損の対象になると会社自身が記載しています。
2026年3月期 通期決算説明会資料 - 生産拠点の災害と調達先
2026年9月30日の発表では、タイ・チョンブリ県の子会社JEMタイ社が豪雨と洪水で稼働を停止しています。 2026年7月の熊本地震は業績への影響が限定的と判断されましたが、組立は熊本事業所に集中しています。 部材の一部には代替困難な取引先があります。
タイ国内の豪雨・洪水について - 円安が押し上げた直近の伸び
2027年3月期第1四半期は、海外向け販売が堅調な中で為替相場が円安方向に進み、売上高を前年同四半期から大きく押し上げました。 メモリー向けプローブカードの拡販と国内工場の高い稼働率で、利益も前年同四半期を大きく上回りました。
2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
04待遇
給与、初任給、休日、手当
2026年3月期の単体従業員は842名で、平均年齢39.7歳、平均勤続年数12.6年、平均年間給与は641.7万円(前期比7.4%増)です。 連結では1,234名が働き、うち1,176名が半導体検査用部品関連事業に属します。
- 平均年間給与
- 単体842名の平均年間給与は641.7万円で、前期から7.4%増えました。 賞与と基準外賃金を含む金額で 有価証券報告書 第67期 の従業員の状況に載ります。
- 新人事制度
- 2026年4月に、職能資格制度と役割等級制度の複線型による新人事制度を入れました。 市況に左右されにくい報酬を目指し、基本給の比率を高めて賞与の比率を適正化する方針です。
- 新卒の選考
- マイナビからエントリーし、企業説明会、書類選考とSPI試験(Webテスト)、1次面接、最終面接を経て内定に至ります。 新卒採用 に流れが載ります。
- 中途採用の職種
- 管理部門は経理(管理者候補)、技術部門は評価技術・MEMS製造技術・設備保全・設備技術、製造部門はMEMS製造とPC製造(熊本・広島)を募集しています。 中途採用 募集職種 から応募先を選べます。
05勤務地と職種
どこで、どんな仕事をするか
国内の生産はMタイプの工程ごとに分かれ、尼崎の本社工場がプローブ、三田工場がST基板、熊本事業所が組立を担います。 人数が最も多いのは熊本事業所の474名です。
主な勤務地・拠点
- 本社・本社工場
- 兵庫県尼崎市西長洲町二丁目5番13号プローブカード製造・研究開発設備、従業員218名
- 三田工場
- 兵庫県三田市大原1-8ST基板の生産、従業員99名
- 熊本事業所
- 熊本県菊池市七城町蘇崎1396番5組立と研究開発設備、従業員474名。 熊本第4工場は2024年10月竣工
- 東京営業
- 神奈川県横浜市港北区新横浜二丁目13番13号
- 海外
- JEM台湾社(竹北市、97名)、JEMタイ社(チョンブリ県、96名)、JEM上海社、JEMアメリカ社(フリーモント)、JEMヨーロッパ社(フランス)、JEMCO(韓国)、JEM SE ASIA
中途採用の募集職種
- 経理(管理者候補)
- 評価技術
- MEMS製造技術
- 設備保全・設備技術
- MEMS製造
- PC製造(熊本)
- PC製造(広島)
新卒の職種紹介は営業職・設計職・開発職・生産職の4区分です。
06これから
会社が次に取りにいくもの
会社は2026年度(2027年3月期)の売上予想を、中期経営計画の当初目標300億円を上回る364億円に置きました。 尼崎工場の新設とロジック分野への技術展開が次の柱です。
中期経営計画と経営目標に対する実績
- 連結売上高 293億円 2026年度の当初目標は300億円、修正予想は364億円
- 連結経常利益率 24.4% 目標は10%以上
- ROE 15.5% 目標は10%以上
これからの材料
- 尼崎工場
- 投資予定額約125億円で、Mタイプ用プローブ等の開発・生産を強化します。 2028年8月の竣工を予定し、建物規模は熊本第4工場の約1.3倍です。 通期決算説明会資料 に概要が載ります。
- ロジック分野
- チップレット化でウェハテストの重要度が高まるとみて、300mm一括コンタクト技術と高温プロービング技術をロジック向けへ広げます。
- 設備投資の積み増し
- 2024〜2026年度の設備投資累計は、計画策定時の85億円から148億円へ修正されました。 2026年度は単年で70億円を見込みます。
尼崎工場によるMタイプ増産
投資予定額約125億円の尼崎工場は、Mタイプ用プローブ等の開発・生産を強化する拠点で、2028年8月の竣工を予定します。 建物規模は熊本第4工場の約1.3倍で、1階と3階にクリーンルームを置きます。 会社はメモリー向け需要の拡大を前提に投資を進めており、竣工後は受注量と稼働率の推移が確認点です。
ロジック分野への横展開
会社は、チップレット化でKnown-Good-Die保証のためにウェハテストの重要度が高まるとみています。 メモリーで培った300mm一括コンタクト技術と高温プロービング技術をロジック分野へ広げる方針です。 2026年3月期の非メモリー向け需要は軟調でした。ロジック向けの採用件数と売上高の立ち上がりが確認点です。
2027年3月期の修正予想
会社は第1四半期発表時に、2027年3月期の通期売上予想を330億円から364億円へ、営業利益予想を74億円から94億円へ引き上げました。 会社は、業績予想が現在入手している情報と合理的と判断する前提に基づき、実際の業績は様々な要因で大きく異なる可能性があると記載しています。
07入口を選ぶ
専攻から、入口を1つに絞る
Mタイプの工程(プローブ、ST基板、組立)と、会社が紹介する営業・設計・開発・生産の4職種を別々に整理してから応募します。
営業職
新規顧客の開拓と既存顧客との関係強化を担います。 オーダーメイドの製品が多いため、顧客の要望を細かく把握し、技術チームと連携して提案し、納期管理やアフターサポートまで受け持ちます。
公式採用情報設計職
顧客の要求をもとに、プローブなど機械部品の配置と回路を設計します。 CADで3Dモデルを作って構造設計を最適化し、電気シミュレーションで信号伝達、ノイズ低減、高速伝送を検証します。
公式採用情報開発職
微細化・高密度化する半導体に対応する新技術や材料を研究します。 カードの耐久性やプローブの接触安定性を上げる材料探索、加工技術の改良、試作・評価を行い、自動化やデータ解析で歩留まり改善も進めます。
- 試作評価
- 歩留まり改善
応募前の2手
- MC・VC・VEシリーズから1つ選び、どのデバイスのウエハテストに使うかをノートへ書く
- マイクロン2法人とフラッシュフォワードの売上比率、台湾・中国向け売上を書き出し、顧客集中への考えをまとめる
面接で使う技術語
- オーダーメイド
- 技術営業
- 納期管理
- 海外顧客
- CAD
- 3Dモデル
- 電気シミュレーション
- 高速伝送
- MEMS
- 材料探索
有価証券報告書は、電気・機械・化学などの専門知識を持つエンジニアの確保を成長の課題に挙げています。
他社との違いを一言で
- メモリー向けMEMSプローブカード
FormFactor
公式サイトは、MEMSで多数の電気的スプリングを作り100万回超の接触に耐えるプローブを先端プローブカードに使うと記載し、DRAM向けにMatrixとPH-Seriesを挙げています。プローブシステムも扱います。日本電子材料のメモリー向けはMCシリーズで、売上の30.9%がマイクロン2法人向けです。
- 国内のプローブカードメーカー
日本マイクロニクス
公式サイトにはMEMS-SPやMEMS-Vなどのプローブカードに加え、ウェーハプローバと半導体試験装置(テスタ)が並びます。カンチレバー型は2023年9月30日で日本国内の生産を終えました。日本電子材料はCEシリーズのカンチレバー型を残しつつ、Mタイプを主力にしています。
- プローブカード専業の海外メーカー
Technoprobe
イタリアの会社で、大手テクノロジーブランド向けのプローブカードを設計・開発・製造し、世界21拠点を持つと記載しています。中国市場向けにNexprobeを立ち上げました。日本電子材料は売上の48.7%が日本向け、22.7%が台湾向け、14.0%が中国向けです。
出典19件
- 公式 会社概要・沿革・組織図
- 公式 生産・販売拠点
- 公式 プローブカード
- 公式 半導体検査用部品
- 公式 電子管部品
- IR 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) 2026年3月期
- IR 2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結) 2027年3月期第1四半期
- IR 2026年3月期 通期決算説明会資料 2026年3月期
ほか11件
- IR 2024-2026年度 JEMグループ中期経営計画(2025年度進捗状況) 2026年3月期
- IR 有価証券報告書 第67期 2026年3月期
- IR タイ国内の豪雨・洪水について
- 採用 新卒採用
- 採用 キャリア採用
- 採用 採用情報サイト
- 採用 中途採用 募集職種
- 採用 職種紹介
- 公式 FormFactor Probe Cards
- 公式 日本マイクロニクス プローブカード
- 公式 Technoprobe 公式サイト