半導体材料 CMP研磨パッド
フジボウホールディングス
紡績から転じた、CMP研磨パッドで稼ぐ素材メーカー
紡績会社として創業した持株会社で、いまは研磨材事業が連結売上高の49.1%、報告セグメント利益の77.5%を生みます。
研磨材の営業利益率28.3%は、CMP、シリコンウエハー、ハードディスク、液晶ガラス向けの研磨パッドを合わせた利益率です。 会社は2026年3月期にCMP用途の受注が堅調だった理由に、生成AIの普及による最先端ロジック向けの需要増加を挙げます。
フジボウホールディングスは 研磨パッド を主力とする素材メーカーの持株会社です。 2026年3月期の 研磨材事業 は売上高225億円、セグメント利益63億円で、連結売上高の49.1%を占めました。
- 2026年3月期 研磨材事業売上高 225億円 前期比16.9%増。 連結売上高459億円の49.1%
- 2026年3月期 研磨材事業営業利益 63億円 前期比35.0%増。 報告セグメント利益の計82億円の77.5%
- 2027年3月期 修正後の会社予想 売上高 549億円 期初予想527億円から引き上げ。 営業利益は99億円の予想
2026年3月期のセグメント別売上高(外部顧客向け)
- 研磨材事業225億円
- 化学工業品事業141億円
- 生活衣料事業63億円
- その他(化成品・金型など)29億円
この会社の要点
01立ち位置
何の会社として比べるか
フジボウホールディングスは、半導体を磨く研磨パッドを主力にした持株会社です。 2026年3月期は連結売上高459億円のうち研磨材事業が225億円を占め、営業利益と当期純利益はともに過去最高でした。
2025年3月期から2027年3月期予想までの連結売上高と営業利益
連結売上高
連結営業利益
どの事業が利益を生んでいるか
セグメント利益
最大顧客への売上
CMP用研磨パッド(半導体デバイス用途)
半導体デバイスの表面を平坦にするCMP工程で使う研磨パッドです。 会社推定ではCMPソフトパッドの世界シェアは80%で、2026年3月期は生成AIの普及による最先端ロジック向けの需要で受注が堅調でした。 中期経営計画では、規模の大きいハードパッド市場への本格参入を重点施策に置いています。
- POLYPASポリッシング用パッド(CMP用途)
- CMPソフトパッド
- CMPハードパッド
シリコンウエハー・ハードディスク・液晶ガラス用研磨材
POLYPASポリッシング用パッドはシリコンウエハーをはじめ半導体材料・金属・ガラスの超精密研磨用、NEXTILEラッピング用パッドはガラス・セラミックスの研削用です。 シリコンウエハー用途は2026年3月期に汎用品が弱く先端品が堅調で、2027年3月期第1四半期はメモリの需要回復で堅調に推移しました。
- POLYPASポリッシング用パッド
- NEXTILEラッピング用パッド
02収益
どこで、どれくらい儲けているか
利益の源泉は研磨材事業です。 2026年3月期の研磨材の営業利益率は28.3%で、化学工業品の10.0%を大きく上回ります。 生活衣料は売上が9.2%減り、機能性繊維の生産・販売を終えました。
売上高459億円 / 営業利益81億円
売上高は前期比7.0%増、営業利益は25.7%増で、売上高営業利益率は17.7%です。 営業利益と当期純利益はともに過去最高で、自己資本比率は72.0%でした。
売上高225億円 / 営業利益63億円
売上高は前期比16.9%増、営業利益は35.0%増で、営業利益率は前期の24.5%から28.3%へ上がりました。 CMP用途は最先端ロジック向けの需要で受注が堅調でした。
売上高65億円 / 営業利益20億円
売上高は前年同期比24.0%増、営業利益は35.0%増で、四半期の営業利益率は30.7%です。 連結では売上高131億円、営業利益24億円でした。
売上高549億円 / 営業利益99億円
2026年7月31日に期初予想の売上高527億円、営業利益92億円から引き上げました。 理由はAI関連向け先端半導体の需要増加で研磨材事業が予想を上回ったことです。
2026年3月期のセグメント別売上高
研磨材事業の売上高の実績と計画
03強みとリスク
強みと、リスク・検討点
強みはCMPソフトパッドで会社推定80%のシェアと、世界の主要ファウンドリ・IDMとの10年超の取引です。 弱点は同じ集中の裏返しで、1社向けの売上、半導体市況、円高、ハードパッドでの基盤の弱さが業績を左右します。
強み
- CMPソフトパッドで世界シェア80%
会社推定ではCMPソフトパッドの世界シェアは80%です。 2025年度(2026年3月期)の研磨材事業の営業利益率26.9%(会社予想)に対し、2026年3月期の実績は28.3%でした。 研磨材事業のセグメント利益63億円は、報告セグメント利益の計82億円の77.5%です。
中期経営計画「進化26-30」説明資料 - 世界の主要顧客との長い取引
中期経営計画の説明資料は、ファウンドリ世界トップ2社・IDM世界トップ4社と10年超、世界トップウエハーメーカー5社と20年〜40年超、世界トップHDメーカー2社と25年超の取引関係があると記載しています。
中期経営計画「進化26-30」説明資料 - 国内4拠点・台湾1拠点の生産体制
壬生川、小山、小坂井、大分、台湾の台南の計5工場で研磨材を製造します。 会社はこの製造能力を業界最大級と位置づけます。 研磨評価設備で顧客の研磨評価プロセスを再現して製品を提案します。
研磨材事業 - 研究開発費の9割超を研磨材へ
2026年3月期の研究開発費17億円のうち、研磨材事業が16億円で93.8%を占めます。 研磨材事業の売上に対しては7.2%です。
有価証券報告書 第206期
リスク・検討点
- 1社向けが研磨材売上の約半分
2026年3月期の住友商事ケミカル向け売上は108億円で、連結売上高の23.7%、研磨材事業の売上の48.3%に当たります。 前期の82億円から増えました。 研磨材の売上の約半分が1社向けで、この取引の増減が研磨材事業の売上に直接響きます。
2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) - 半導体市況への感応度
有価証券報告書は、CMP・シリコンウエハー・ハードディスク・液晶ガラス用途の需要はIT業界の景気に左右されると記載しています。 前の中期経営計画「増強21-25」は売上高600億円・営業利益100億円の目標に対し、2025年度(2026年3月期)の実績が459億円・81億円で終わりました。 新しい中期経営計画の説明資料は、世界半導体市場のダウンサイクルで研磨材事業の需要拡大が後ろ倒しになったことを未達の理由に挙げています。
2026年3月期 決算説明 - 円高と原材料高
研磨材事業は輸出比率が高く、米ドルに対する円高は値下げ要求につながる可能性があります。 中東情勢の緊迫化で原材料価格が上がり、2027年3月期の期初予想には、価格転嫁の時期ずれで研磨材事業の営業利益を約5%押し下げる影響を織り込みました。
有価証券報告書 第206期 - ソフトパッドの能力とハードパッドの基盤
会社自身が弱み・脅威として、ソフトパッド等の中期的な製造能力不足の懸念、拡大するハードパッド市場での事業基盤の弱さ、中国市場の状況を挙げています。
中期経営計画「進化26-30」説明資料
04待遇
給与、初任給、休日、手当
新卒の初任給は博士31万780円、修士28万880円、学部卒26万3,280円です。 研磨材を製造するフジボウ愛媛は従業員423名、平均年齢38.4歳、平均年間給与605万3,161円です。
新卒初任給(月給)
- 新卒の初任給
- 2026年4月の実績で博士31万780円、修士28万880円、高専専攻科・学部卒26万3,280円で、グループ各社共通です。
- 勤務時間と休日
- 東京本社・大阪支社は9:00〜17:45で年間休日124日の完全週休二日制、各事業所は8:00〜16:30で年間休日116日の週休二日制です。 昇給は年1回、賞与は年2回です。
- 平均年間給与
- 2026年3月期の有価証券報告書では、フジボウ愛媛は従業員423名、平均年齢38.4歳、平均勤続年数12.9年、平均年間給与605万3,161円(約605.3万円)です。 持株会社は従業員100名で平均年間給与732万30円(約732万円)です。 有価証券報告書 第206期 の従業員の状況に載ります。
- 住まいと福利厚生
- 寮・社宅は月6,000円程度〜1.8万円の自己負担で入れます。 持株会制度、ライフプラン制度、250講座以上の通信教育、語学レッスンがあります。 福利厚生 に一覧があります。
05勤務地と職種
どこで、どんな仕事をするか
研磨材事業の従業員は482名で、連結従業員1,324名の36.4%です。 マザー工場は愛媛県西条市の壬生川本社工場で、大分・小山・小坂井と台湾の台南に工場があります。
主な勤務地・拠点
- 壬生川本社工場
- 愛媛県西条市フジボウ愛媛のマザー工場。 従業員291名。 ソフトパッドの新棟を建設予定
- 大分工場
- 大分県大分市従業員42名。 後加工用の新棟を建設予定
- 小山工場・小坂井工場
- 静岡県駿東郡小山町、愛知県豊川市フジボウ愛媛の研磨材工場
- 台湾富士紡精密材料
- 台湾台南市研磨材の製造拠点。 新竹市周辺に研究開発センターを建設中
- 東京本社・大阪支社
- 東京都中央区日本橋人形町、大阪市中央区本町持株会社
新卒採用の技術系職種
- 研究開発
- 生産管理
- 品質管理
- 生産技術
- 施設管理
- 技術営業
- 知的財産
技術系・事務系合わせて30名程度を募集します。 2026年度入社は技術系26名、事務系4名を採用しました。 勤務地は東京、静岡、福井、愛知、愛媛、山口、大分ほかです。
選考の流れ
- マイナビからエントリーし、マイキャリアボックスを提出する
- 一次面接と二次面接を受け、合間に適性検査を受検する
- 最終面接を経て内定。 配属は選考中から入社後まで5〜6回の人事面談で決まる
06これから
会社が次に取りにいくもの
中期経営計画「進化26-30」は2030年度(2031年3月期)に売上高650億円、営業利益130億円を掲げます。 5年の投資480億円のうち350億円を研磨材事業に充て、ソフトパッドの増産、ハードパッドとSiCへの参入、台湾での研究開発を進めます。
2030年度(2031年3月期)計画に対する2026年3月期実績
- 連結売上高 459億円 2030年度(2031年3月期)計画は650億円
- 連結営業利益 81億円 2030年度(2031年3月期)計画は130億円
- 研磨材事業売上高 225億円 2030年度(2031年3月期)計画は335億円
これからの材料
- ソフトパッドの能力増強
- 壬生川工場に87億円でソフトパッドの新棟、大分工場に53億円で後加工用の新棟を建て、2028年度下期(2029年3月期下期)の稼働を予定すると 中期経営計画「進化26-30」説明資料 に載ります。
- 新規領域
- CMPハードパッドの先端ファウンドリ向け拡販、SiC向け等の新規需要、新規研磨領域の開拓を進め、新規領域でCAGR+43%を見込みます。
- 株主還元と商号
- 配当性向の目標を35%から40%へ引き上げ、DOE3.5%を下限とします。 2026年10月1日に商号をフジボウホールディングスへ変えました。
ソフトパッドの能力増強
フジボウ愛媛壬生川工場にソフトパッドの新棟と新ラインを87億円で建て、CMP用途を中心に約60%以上の能力を増やします。 大分工場には後加工用の新棟を53億円で建て、CMP用途以外を中心に約50%以上増強します。 どちらも2028年度下期(2029年3月期下期)の稼働予定です。 会社は、成長する市場に対応した能力の増強と研究開発機能の強化のため、日本と台湾で大型投資を予定しています。
ハードパッドとSiCへの参入
研磨材事業の新規領域では、CMPハードパッドの先端ファウンドリ向け拡販、SiC向け等の新規需要、総合研磨材メーカーとしての新規研磨領域の開拓を掲げ、CAGR+43%を見込みます。 既存領域の見込みはCAGR+6%です。 会社は、拡大するハードパッド市場での事業基盤の弱さを自社の弱みに挙げています。
台湾新竹の研究開発センター
台湾新竹市周辺に研究開発センターを約65億円で建設中で、2027年度上期(2028年3月期上期)の稼働を予定します。 5年の投資480億円のうち研究開発に50億円を充てます。 同じ投資計画で、壬生川工場と大分工場の新棟は2028年度下期(2029年3月期下期)の稼働を予定しています。
中期経営計画「進化26-30」の数値目標
2030年度(2031年3月期)に売上高650億円、営業利益130億円、研磨材事業は売上高335億円・営業利益98億円・営業利益率29.3%を計画します。 2028年度(2029年3月期)は売上高590億円、営業利益110億円、研磨材事業は売上高290億円・営業利益82億円の計画です。 2026年3月期の研磨材売上225億円は2030年度(2031年3月期)計画の67.3%です。前の中期経営計画は、世界半導体市場のダウンサイクルで研磨材事業の需要拡大が後ろ倒しになり、売上高・営業利益の目標に届きませんでした。
07入口を選ぶ
専攻から、入口を1つに絞る
CMP用途、シリコンウエハー用途、新規のハードパッド・SiCのうち自分の専攻と重なる用途を1つ選び、研究開発・生産技術・品質保証・技術営業のどこで関わるかを決めます。
研究開発 / 技術開発
キャリア採用の技術開発は、顧客ニーズに沿った技術開発を行い、製品の上流工程を担当します。 採用ページのインタビューにはフジボウ愛媛壬生川工場の技術開発課が登場し、研究開発費の93.8%は研磨材事業に投じられています。
公式採用情報生産技術 / 生産管理 / 施設管理
キャリア採用の生産技術は製造ライン効率化・コスト改善の調査や設計、新生産設備の導入と最適化を担い、生産管理は顧客希望納期に合わせて製造全体を管理します。 勤務地は愛媛・静岡・愛知・大分で、入社後すぐにフジボウ愛媛へ出向します。
公式採用情報品質管理 / 品質保証
キャリア採用の品質保証は様々な分析機器を用いて製品の品質を保証します。 採用ページのインタビューにはフジボウ愛媛大分工場の品質保証課が登場します。
- Quality Assurance
- ISO9001
- Metrology
- Cleanroom
応募前の3手
- POLYPASのCMP用途とシリコンウエハー用途の違いを、研磨材事業の紹介ページから自分の言葉でノートへ書く
- 研磨材事業の売上225億円、営業利益率28.3%、住友商事ケミカル向け48.3%を書き出し、面接で聞く問いを1つ決める
- 募集要項の職種、勤務地、初任給、選考の流れを公式ページから書き出す
面接で使う技術語
- CMP
- Polishing Pad
- Polyurethane
- Surface Analysis
- R&D
- Production Engineering
- Automation
- Facility
- Scale-up
- Line Design
新卒の技術系は化学系、生物系、機械系、情報系、電気系、農学系などの学科が対象です。
他社との違いを一言で
- CMP研磨パッドとスラリー
Qnity
Qnityは自社をCMP向けの研磨パッドとスラリーのグローバルリーダーとし、Emblemパッドの用途にAI、先端計算、HBMを挙げています。フジボウはCMPパッドを主要なCMPスラリーやCMP装置に合わせ込んで供給し、会社推定ではCMPソフトパッドの世界シェアは80%です。
- CMPパッドの品ぞろえとSiC用途
Entegris
Entegrisは熱硬化性ポリウレタンのNexPlanar(Element・Ultraシリーズ)と、SiCウエハー研磨用の熱可塑性パッドEpic Powerをそろえています。フジボウはSiC向けを研磨材事業の新規領域に位置付け、CMPハードパッドの先端ファウンドリ向け拡販と並べて成長源にしています。
- 半導体の研磨に使う消耗材
フジミインコーポレーテッド
フジミはCMP工程の研磨材を日本・アメリカ・台湾の開発拠点で開発しています。フジミの自社紹介では、シリコンウェハー加工向けで世界トップシェアです。フジボウは研磨パッドを国内4拠点・台湾1拠点で製造し、台湾新竹に研究開発センターを建設中です。
出典22件
- 公式 会社概要
- 公式 事業内容
- 公式 研磨材事業
- IR 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) 2026年3月期
- IR 2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結) 2027年3月期第1四半期
- IR 業績予想及び配当予想の修正に関するお知らせ 2027年3月期
- IR 2026年3月期 決算説明 2026年3月期
- IR 有価証券報告書 第206期 2026年3月期
ほか14件
- IR 中期経営計画「進化26-30」説明資料
- IR 商号の変更に関するお知らせ
- 採用 採用情報
- 採用 フジボウから皆さんへ
- 採用 新卒採用 募集要項
- 採用 キャリア採用 募集要項
- 採用 福利厚生
- 採用 よくあるご質問
- 公式 Qnity CMP材料
- 公式 Qnity Emblem CMPパッド
- 公式 Entegris NexPlanar CMPパッド データシート
- 公式 Entegris Epic Power CMPパッド データシート
- 公式 フジミインコーポレーテッド 半導体デバイス
- 公式 フジミインコーポレーテッド シリコンウェハー