光源・照明機器 半導体製造装置向けランプ・UV装置
岩崎電気
道路照明の会社が半導体装置の光源を伸ばす
2023年3月期の連結売上のうち72.7%を照明が占める光源メーカーで、半導体向けはエピタキシャル成長装置の加熱用ハロゲン電球、露光用の超高圧水銀ランプ、洗浄・改質用と水処理用の紫外線ランプです。
ランプ交換で稼いだHIDランプは2025年1月に生産を終え会社は光・環境事業の重点投資先を半導体とヘルスケアに置いています。
岩崎電気は エピタキシャル成長装置用ハロゲン電球 や露光用水銀ランプを作る光源メーカーです。 60年超の主力だった HIDランプ は2025年1月に生産を終え、会社は光・環境事業で半導体とヘルスケアに重点投資する計画です。
- 2026年3月期 単体売上高 569億円 売上総利益186億円、売上総利益率32.8%
- 2026年3月期 単体営業利益 60億円 営業利益率10.6%、当期純利益61億円
- 2023年3月期 光・環境セグメント売上高 154億円 半導体向け光源を含むセグメント。 前期比8.4%減
2023年3月期の外部顧客への売上高(連結)
- 照明410億円
- 光・環境(半導体向け光源を含む)154億円
この会社の要点
01立ち位置
何の会社として比べるか
岩崎電気は2023年3月期の連結外部顧客売上の72.7%を照明事業が占め、半導体向けの光源と装置は光・環境事業の一部です。 2026年3月期の単体売上高は569億円、営業利益は60億円でした。
2026年3月期の単体損益と2023年3月期のセグメント
2026年3月期 単体の損益
2023年3月期 セグメント別売上高(連結)
どの地域の顧客へ売っているか
地域別売上高(連結)
加熱用ハロゲン電球
シリコン結晶の薄膜を成長させるエピタキシャル成長装置の加熱源として使われるハロゲン電球です。 電熱線ヒーターより立ち上がりが早く、クリーンで熱エネルギーが安定する点を会社は特長に挙げています。 RTP装置用とCVD装置用もあり、特殊加熱用にはJCRハロゲンとQIRハロゲンをそろえます。
- エピタキシャル成長装置用ハロゲン電球
- RTP装置用ハロゲン電球
- CVD装置用ハロゲン電球
- ハロゲンランプ加熱システム
露光装置用ランプ・光学フィルター
ウェハに回路パターンを焼き付ける露光装置用の超高圧水銀ランプです。 長時間にわたって高照度を保ち、ビーム効率が安定する点を特長とします。 露光装置用ランプの波長を制御するコールドミラー、バンドパスフィルター、ダイクロイックミラーも供給します。
- ステッパー用超高圧水銀ランプ
- オプティカルミラー・フィルター
- コールドミラー
- バンドパスフィルター
UV洗浄・改質装置
185nmと254nmの紫外線を放射する低圧水銀ランプでオゾンと活性酸素をつくり、ウェハ加工前の有機物を除く装置です。 インライン式とバッチ式があり、PI膜塗布前の濡れ性向上やレジスト剥離後の残渣除去にも使います。 セラミック電極のオゾナイザーは半導体の酸化膜生成に使われます。
- インライン式紫外線洗浄・改質装置
- バッチ式紫外線洗浄・改質装置
- 光洗浄・改質装置
- 洗浄改質用 低圧水銀ランプ
UV水処理システム
半導体工場の超純水を殺菌し、排水回収再利用システムで低分子の有機物を酸化分解するUV装置です。 高出力の低圧水銀ランプを使います。 中期経営計画は超純水用酸化分解装置メーカーへの紫外線ランプ販売の拡大を掲げています。
- UV殺菌水処理システム
- UV酸化水処理システム
- UV酸化処理装置
02収益
どこで、どれくらい儲けているか
利益の大半は照明が生みます。 2023年3月期のセグメント利益率は照明9.9%、光・環境5.7%で、光・環境はFPD関連と空気清浄機の減少で前期から44.4%減益でした。
売上高569億円 / 営業利益60億円
売上総利益は186億円、販売費及び一般管理費は126億円、経常利益は66億円です。 特別利益13億円が加わり、当期純利益は61億円でした。
資産合計649億円 / 純資産比率33.2%
株主資本、評価・換算差額等、新株予約権の合計を資産合計で割った値です。 固定負債は227億円あります。
売上高565億円 / 営業利益29億円
上場最終年の連結決算で、売上高は前期の531億円から6.3%増えました。 米国子会社の清算に伴う特別損失20億円を計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は2.0億円まで減りました。
552億円
新・中期経営計画の会社概要に載る売上高です。 同じ資料は資本金69億円、国内グループ会社7社、全国の営業所37ヵ所を挙げています。
2023年3月期のセグメント利益と利益率
光・環境セグメント売上高の推移
03強みとリスク
強みと、リスク・検討点
強みは、前工程の装置に組み込まれる加熱用ハロゲン電球と露光用水銀ランプを、自社工場で作れることです。 弱点は、その主力が水銀ランプとハロゲンという置き換えの対象になりうる光源で、利益の大半を照明に頼っている点です。
強み
- 前工程の装置に入る消耗品の光源
製品はエピタキシャル成長装置、RTP装置、CVD装置の加熱用ハロゲン電球と、露光装置の超高圧水銀ランプです。 どれも装置に組み込まれて使われる光源で、中途の営業職は国内外の半導体製造メーカー(主に前工程)へ直接または商社経由で提案・販売すると募集要項に書かれています。
中途採用 営業(光・環境事業) - ランプから水処理まで一社でそろう
ウェハ加熱、露光用ランプ、ウェハの有機物除去、超純水の殺菌と有機物分解という4つの用途に製品を持ちます。 低圧水銀ランプの技術が洗浄・改質装置とUV水処理システムの両方に使われ、光源メーカーとして開発してきた技術を装置へ広げています。
半導体関連光源・装置 - 照明事業が稼ぐ利益の厚さ
2023年3月期の照明セグメントは売上高411億円、セグメント利益40億円で、利益率は9.9%でした。 会社は道路照明で国内シェアNo.1を掲げています。 2026年3月期の単体営業利益は60億円です。 会社は既存事業の収益性を強化しつつ、リソースや投資を成長領域へ移す方針です。
2023年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) - 自社工場での一貫生産
埼玉製作所はマザー工場で、照明と光・環境事業の開発マーケティング機能を強める方針です。 秩父工場は半導体などを担う製造拠点と位置付けられ、製作所・工場は6か所あります。 研究開発棟HIKARIUMは埼玉製作所内にあります。
新・中期経営計画(2025年3月期〜2028年3月期)
リスク・検討点
- 光・環境セグメントの利益率の低さ
2023年3月期の光・環境セグメントは売上高154億円、セグメント利益8.8億円で、利益率は5.7%でした。 前期の15億円から44.4%減っています。 照明の9.9%を下回り、FPD関連の件名納入の減少や空気循環式紫外線清浄機の売上減に振れやすい構造です。
2023年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) - HIDランプの生産終了
60年超の主力だったHIDランプは水銀規制により2025年1月に生産を終えました。 HIDは価格が安定し、ランプ交換で利益を見込めるリカーリングビジネスで、岩崎電気のかつての屋台骨でした。 会社はこの終息を転換点とし、照明はCSLと民需、光・環境事業は半導体とヘルスケアで成長する計画です。
新・中期経営計画(2025年3月期〜2028年3月期) - 半導体向けの主力も水銀ランプ
露光用は超高圧水銀ランプ、洗浄・改質用とUV水処理用は低圧水銀ランプです。 競合のウシオ電機は水銀不使用の172nmエキシマ照射装置で洗浄・改質を提案しています。 会社自身もLED照射器の発売を中期経営計画に掲げており、光源の置き換えがすでに視野に入っています。
半導体関連光源・装置 - 国内に偏った売上
2023年3月期の地域別売上は日本494億円で全体の87.4%、海外売上比率は12.6%でした。 同じ期に米国の連結子会社を清算し、特別損失20億円を計上しています。 中期経営計画が掲げる光・環境事業のグローバル成長は、この低い海外比率から始まります。
2023年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
04待遇
給与、初任給、休日、手当
中途採用の年収レンジは職種により480万円〜800万円の幅で、年間休日は2025年で131日です。 平均年齢は46.1歳、平均勤続年数は21.2年です。
中途採用の年収レンジ(上限)
- 中途採用の給与
- 照明制御システムの企画・設計開発は年収480万円~800万円です。 半導体向けの 営業(光・環境事業) の給与はスキルと経験を考慮して当社規定で決まり、賞与は年2回です。
- 勤務時間と休日
- 本社勤務の営業職は8:50~17:20、行田市の商品開発部は8:35~17:05です。 土日祝の完全週休2日制で、2025年の年間休日は131日です。 年次有給休暇は初年度10日、次年度から20日、最高25日です。
- 平均年齢と勤続年数
- 2026年度実績で平均勤続年数21.2年、平均年齢46.1歳、入社3年以内の定着率93.3%、女性復職率100%です。 新卒採用サイト の「数値」でわかるに載ります。
- 福利厚生
- 交通費全額支給、住宅手当・家賃補助、人間ドックの補助、フレックスタイム制度、財形貯蓄、住宅資金融資、全国の契約保養所があります。 福利厚生 に一覧があります。
05勤務地と職種
どこで、どんな仕事をするか
本社と光・環境営業部は東京都中央区東日本橋にあり、開発と生産の中心は埼玉県行田市の埼玉製作所です。 秩父工場は半導体などを担う製造拠点です。
主な勤務地・拠点
- 本社
- 東京都中央区東日本橋1-1-7 京王東日本橋ビル光・環境営業部もここにあります
- 埼玉製作所
- 埼玉県行田市壱里山町1-1。 マザー工場で、研究開発棟HIKARIUMとEB工場が同じ敷地にあります。商品開発部の勤務地
- 秩父工場
- 埼玉県秩父郡長瀞町。 半導体などを担う製造拠点です。
- 桜川工場
- 茨城県桜川市。 LED照明器具の製造拠点です。
- 営業拠点と海外
- 営業所・事務所は37か所あります。 海外はENERGY SCIENCES、INC.(米国)、上海、シンガポール、マレーシアに拠点があります。
募集職種
- 営業職
- 研究開発職
- 照明設備設計職
- 営業(光・環境事業)
- 照明制御システムの企画・設計開発
- 工事施工管理
- 企画(スマートシティ事業管理)
- 電気工事士
前半3つが新卒、後半5つが中途採用の職種です。
06これから
会社が次に取りにいくもの
2025年3月期〜2028年3月期の中期経営計画は、光・環境事業で半導体とヘルスケアに重点投資すると掲げました。 半導体では加熱ハロゲン、加熱照射器、酸化分解UV、UV照射器の4つを伸ばします。
中期経営計画の半導体向け4テーマ
- 加熱ハロゲン 半導体メーカーへの販売拡大 ウェハ加熱用ハロゲンランプ
- 加熱照射器 装置メーカーへの販売拡大 ランプとともに照射器を販売
- 酸化分解UV 超純水用装置メーカーへの販売拡大 紫外線ランプ
- UV照射器 装置メーカーへの採用拡大 LED照射器の発売を目指す
これからの材料
- 加熱照射器
- 会社は 中期経営計画 で、ウェハ加熱用の高効率照射器をランプとともに装置メーカーへ売り込む方針です。
- メンテナンス・サービス
- 初期の導入費用がなく、年間のメンテナンス契約を主体とするサービス契約を検討し、契約終了時に装置のリピート販売につなげる計画です。
ウェハ加熱用照射器を装置メーカーへ
中期経営計画は、ハロゲンランプを半導体メーカーへ売るだけでなく、ウェハ加熱用の高効率照射器をランプとともに装置メーカーへ販売する方針を掲げています。 ランプ単品から照射器というユニットへ売るものを広げる計画です。
UV照射器の採用拡大とLED照射器
会社は中期経営計画で、紫外線ランプと照射器の装置メーカーへの採用拡大と、LED照射器の発売を目指しています。 半導体向けの現行の光源は、水銀ランプとハロゲン電球が主力です。
超純水用の酸化分解UV
会社は超純水用酸化分解装置メーカーへの紫外線ランプの販売を拡大する計画です。 中途採用の営業(光・環境事業)も、UV酸化分解装置メーカーへの低圧UVランプの提案・販売を業務に挙げています。 販売拡大は2028年3月期までの中期経営計画の目標です。
半導体・デジタルの技術基盤
会社は長期成長の技術開発で、成長領域の一つに「半導体・デジタル: 先端技術の推進」を置き、次世代光源技術とオプトエレクトロニクス、光プロセス技術を強化する計画です。 研究開発から先行開発、先行開発から商品開発へ進める段階ごとに選定基準とKPIを置く計画で、半導体向けテーマがどれだけ商品化段階へ進むかが分かれ目です。
07入口を選ぶ
専攻から、入口を1つに絞る
加熱用ハロゲン電球、露光用水銀ランプ、UV洗浄・改質装置、UV水処理のうち自分の関心に近い製品を一つ選び、営業職と研究開発職のどちらで応募するかを決めます。
営業(光・環境事業)
光・環境営業部 第三営業課(東京本社)に属し、国内外の半導体製造メーカー(主に前工程)へ加熱用ハロゲンランプやUVランプを提案・販売します。 UV酸化分解装置メーカーへの低圧UVランプ、薄膜製品やLED、中赤外ハロゲンランプも扱います。
公式採用情報営業職
照明ソリューション事業部か光・環境事業部のどちらかに属し、製品を顧客へ提案します。 光・環境事業部に配属されると、半導体関連光源・装置のほか殺菌・滅菌、EB硬化、環境試験の製品も担当範囲に入ります。
公式採用情報研究開発職
照明器具や光源そのものを開発する職種で、LEDや制御技術、新素材の研究・開発に取り組みます。 研究開発棟HIKARIUMは埼玉製作所(行田市)内にあります。
- Lamp
- LED
- Optics
応募前の3手
- エピタキシャル成長装置用ハロゲン電球とステッパー用超高圧水銀ランプの製品説明を読み、それぞれがどの工程で使われるかをノートへ書く
- 中期経営計画の半導体向け4テーマ(加熱ハロゲン、加熱照射器、酸化分解UV、UV照射器)から一つ選び、志望理由に結び付ける
- 新卒の募集職種、選考の流れ、年間休日を採用サイトから書き出す
面接で使う技術語
- Halogen Lamp
- Epitaxy
- RTP
- UV Lamp
- Front-end
- Sales
- Lighting
- UV
- Semiconductor
- B2B
新卒の営業職は照明ソリューション事業部か光・環境事業部のどちらかに配属されます。
他社との違いを一言で
- 半導体熱処理用の光加熱と、UVによる洗浄・改質
ウシオ電機
ウシオ電機はハロゲンランプヒータ、フラッシュランプ、LEDユニットを光加熱の製品に挙げ、半導体の熱処理用途にはエピタキシャルとRTPがあります。洗浄・改質には水銀不使用の172nmエキシマ照射装置を出しています。岩崎電気はエピタキシャル成長装置用・RTP装置用・CVD装置用のハロゲン電球を持ち、洗浄・改質には185nmと254nmの低圧水銀ランプを使います。
- 露光用と洗浄用の放電ランプ
オーク製作所
オーク製作所はショートアークUVランプを露光や乾燥に、低圧UVランプを光クリーニング、フォトレジストのアッシング、光CVDに使うと記載し、エキシマUVランプもそろえています。岩崎電気はステッパー用超高圧水銀ランプと洗浄改質用の低圧水銀ランプに加え、加熱用ハロゲン電球とUV水処理システムを持ちます。
- 露光装置用の光源
フェニックス電機
フェニックス電機の露光装置用光源ユニットMulti-Lamp Systemは、プリント基板露光、液晶パネル用カラーフィルター露光、UV接着剤硬化露光に使われ、半導体向け石英加工事業も持ちます。岩崎電気の露光用光源はウェハに回路を焼き付けるステッパー用超高圧水銀ランプで、波長を制御するミラー・フィルターも供給します。
出典24件
- 公式 会社概要
- 公式 半導体関連光源・装置
- 公式 事業紹介 特殊用途光源
- 公式 事業紹介 洗浄・改質システム
- 公式 中期経営計画
- IR 新・中期経営計画(2025年3月期〜2028年3月期) 2025年3月期〜2028年3月期 · 公表 2024-10
- IR IRアーカイブ
- IR 官報 第4期決算公告(2026年7月17日) 2026年3月期 · 単体
ほか16件
- IR 2023年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) 2023年3月期 · 連結
- 採用 新卒採用サイト RECRUIT 2027
- 採用 採用情報 会社概要
- 採用 新卒採用 募集要項・選考
- 採用 採用情報 福利厚生
- 採用 中途採用 募集職種一覧
- 採用 中途採用 営業(光・環境事業)
- 採用 中途採用 照明制御システムの企画・設計開発
- 採用 中途採用 電気工事士
- 採用 中途採用 企画(スマートシティ事業管理)
- 採用 中途採用 工事施工管理
- 公式 ウシオ電機 ウシオの光加熱
- 公式 ウシオ電機 エキシマ照射装置
- 公式 オーク製作所 放電ランプ
- 公式 フェニックス電機 公式サイト
- 公式 フェニックス電機 露光装置用光源ユニット