半導体組立・パッケージング装置
Kulicke & Soffa (K&S)
ワイヤボンダーで稼ぎ、チップレット向け熱圧着ボンディングを育てる装置メーカー
チップと基板を線でつなぐワイヤボンダーが売上の柱の装置メーカー。
2026年度第3四半期の売上高は522億円で、前年同期比122.6%増と大きく回復しました。
Kulicke & Soffaは、半導体の後工程でチップを配線する ボールボンダー やウェッジボンダー、先端パッケージ用の熱圧着ボンダーを作る会社です。 2026年度第3四半期 は売上高522億円、粗利率47.8%、純利益90億円でした。
- 2026年度3Q 売上高 522億円 前年同期比122.6%増、前四半期比36.2%増
- 2026年度3Q 営業利益 108億円 前年同期は営業損失9.6億円
- 2026年度4Q 会社予想 売上高 593億円 会社見込みの幅は±31億円
2025年度 事業別の売上高構成連結
- ボールボンダー463億円
- APS(消耗品・保守)247億円
- ウェッジボンダー174億円
- 先端ソリューション(TCBなど)115億円
- その他34億円
この会社の要点
01立ち位置
何の会社として比べるか
K&Sの売上は、ワイヤボンダーと消耗品・保守が大半を占めます。 2026年度第3四半期の売上は前年同期比122.6%増でした。
前年同期・前四半期との売上高比較
連結売上高
事業別の売上高
事業別の売上高
ボールボンダー・ウエハーレベルボンダー
売上の最大部門です。 スマートボンダーのRAPIDとRAPID Proに加え、ウエハー上にバンプを置くAT Premier PLUS、メモリ向けに垂直ワイヤ技術を使うATPremier MEM PLUSを持ちます。 会社は銅ワイヤによる接合を顧客と開発し、ICの組立コストを大きく下げたとしています。
- RAPID Pro
- RAPID
- AT Premier PLUS
- ATPremier MEM PLUS
ウェッジボンダー
太線やリボンでパワー半導体や車載部品をつなぐ装置です。 高密度パワーパッケージ向けのPowerFusionPS、レーザー接合もできるハイブリッド機Asterion、超音波ピン溶接のAsterion-PWがあります。
- PowerFusionPS
- Asterion
- Asterion-PW
熱圧着ボンディング(TCB)
熱と圧力でチップと基板を微細ピッチで接合する装置です。 会社は、はんだ接合と銅同士の直接接合の両方でフラックスを使わない工程を開発したとしています。 会社は、データセンターやAIのプロセッサーを支える先端パッケージにTCBが欠かせないとしています。
- Thermo-Compression Bonding
消耗品・保守サービス(APS)
自社と他社の装置向けに、キャピラリーなどのボンディングツール、交換部品、保守・修理・改造を提供します。 会社は、装置とツールを同時に開発できることを製品の差別化の核としています。
- Capillaries
- Spares
- Services
02収益
どこで、どれくらい儲けているか
2025年度は営業損失5.1億円でした。 2026年度第3四半期は営業利益108億円で、前年同期の営業損失9.6億円から黒字に戻りました。
108億円
前年同期の営業損失9.6億円から黒字に戻りました。 売上高522億円は前四半期の383億円から36.2%増えています。
1,034億円
前期の1,117億円から7.4%減り、営業損失は5.1億円でした。 ボールボンダーが18.1%減った一方、ウェッジボンダーは4.5%増、先端ソリューションは37.6%増です。
03強みとリスク
強みと、リスク・検討点
K&Sの強みは、売上の厚いワイヤボンダーと、景気の波を和らげる消耗品・保守の組み合わせです。 研究開発費は売上高の22.9%にのぼります。
強み
- ワイヤボンダーの売上が厚い
2025年度の売上高1,034億円のうち、ボールボンダーが463億円で最大の部門でした。 会社は銅ワイヤによる接合工程を顧客や材料メーカーと開発し、業界に広めたとしています。
2025年度年次報告書(Form 10-K) - 景気の波に強いAPS
消耗品と保守のAPSは売上の23.9%です。 会社は、APSの売上が設備投資より半導体の生産数量に連動し、ほかの部門より変動が小さいとしています。
2025年度年次報告書(Form 10-K) - 売上に対して研究開発費が大きい
2025年度の研究開発費は236億円で、売上高の22.9%にあたります。 売上が減った年も研究開発費をほぼ維持しました。
2025年度年次報告書(Form 10-K) - パワー半導体向け接合の長い実績
会社は、ワイヤとリボンの接合で長年の実績を持つとしています。 用途はパワー半導体、車載パワーモジュール、産業用パワーハイブリッドです。
ウェッジボンダー
リスク・検討点
- 売上の半分超が中国本社の顧客
2025年度の売上の53.5%は中国に本社を置く顧客向けでした。 会社は、米中の輸出規制や関税、台湾海峡の緊張が顧客と自社の工場に影響しうるとしています。
2025年度年次報告書(Form 10-K) - 少数の大口顧客に依存
上位十社への売上が2025年度の売上の54.8%を占めました。 大口顧客を失うと売上が減るリスクを会社自身が挙げています。
2025年度年次報告書(Form 10-K) - 設備投資の波で赤字にもなる
2025年度は売上高が7.4%減り、営業損失5.1億円でした。 ボールボンダーの減収は、汎用半導体とメモリの顧客が投資を控えたためと会社は説明しています。
2025年度年次報告書(Form 10-K)
04待遇
採用窓口
報酬は基本給と成果連動のインセンティブで構成されます。 掲載していたソフトウェア職と機械設計職の勤務地は、どちらもシンガポールです。
05勤務地と職種
どこで、どんな仕事をするか
シンガポールでは、TCB装置の機械設計者や、ボールボンダーとウェッジボンダーの製品マーケティング担当が働いています。
主な勤務地・拠点
- シンガポール
- 先端ソリューションのチームがTCB装置を開発し、米国とスイスのチームと協働しています。 ボールボンダーとウェッジボンダーの製品マーケティングもここにあります。
- 中国・蘇州
- 半導体パッケージ向けの精密部品を生産し、品質管理を担う拠点です。
公式キャリアが示す職場・成長支援
- グローバルチーム
- キャリア・プログレッション・フレームワーク
- 上司との定期的なキャリア面談
- 技術スキル向上プログラム
- メンタリング
K&Sが挙げる職場文化と能力開発の項目です。
06これから
会社が次に取りにいくもの
会社は、チップレット向けのTCB、メモリ向けの垂直ワイヤ、パワー半導体向け接合に力を入れています。
これからの材料
チップレット向けのフラックスレスTCB
会社はTCBの接合ピッチを大型チップでも微細化する開発を続け、銅同士を直接つなぐCu-Cu接合も進めています。 会社はCu-Cu接合のTCBを、銅と絶縁膜を同時に貼るハイブリッドボンディングより表面の粗さや汚れに強い方式と位置付けています。
先端ソリューション工場の拡張
会社は拡張中の先端ソリューションの生産施設が、予定どおり2027年度の下半期に完成する見込みとしています。 第3四半期について会社は、すべての最終市場で需要が改善を続けているとしています。
メモリ向けの垂直ワイヤ
ATPremier MEM PLUSは垂直ワイヤ技術を使うウエハーレベル実装装置で、会社はDRAMとNANDの高密度な組立を狙うとしています。 会社はEA装置事業から撤退し、中核の半導体組立事業に集中する方針です。
07入口を選ぶ
専攻から、入口を1つに絞る
応募は公式キャリアサイトの個別求人から進みます。 1次面接はオンラインが多く、最終面接は対面のこともあります。
Senior Engineer I、Software (Sys)
半導体装置のシステムソフトウェアを設計・開発する職種です。 リアルタイム処理と自動化のソフトを、国をまたぐチームと作ります。
Software求人Senior Staff Engineer、BB Mechanical
Avalineなどの半導体装置で、高精度・高速のモーションサブシステムを機械設計する職種です。 構造解析、検証試験、顧客サポートまで担います。
Mechanical求人面接で使う技術語
- C#
- C++
- Real-time systems
- Multi-threading
- Motion subsystem
- Servo
- FEM
- 3D CAD
インターンシップや若手向けの求人も公式キャリアに掲載されます。
他社との違いを一言で
- 後工程装置の品ぞろえ
ASMPT
ASMPTはダイボンダーとワイヤボンダーに加え、外観検査、封止、トリム&フォーム、テストハンドラーまで後工程を広く持ちます。K&Sの製品はボンディング装置とその消耗品が中心です。
- ダイボンダー/TCB/ハイブリッドボンディング
Besi
BesiはTCBに加えてハイブリッドボンディングやFOWLP用のダイボンダー、封止装置、めっき装置を持ちます。K&Sは先端パッケージでCu-Cu接合のTCBを推しています。
- ワイヤボンダー/ダイボンダー
Palomar Technologies
Palomarはダイボンダー、ワイヤボンダー、真空リフロー炉を持ち、光デバイス、医療、軍用などの分野に向けています。K&Sの売上の中心はIDMやOSAT向けのボールボンダーです。
出典14件
- 公式 会社概要
- IR 2026年度第3四半期決算
- 公式 ボールボンダー
- 公式 ウェッジボンダー
- 公式 先端パッケージング
- 採用 公式キャリア
- 採用 Software求人
- 採用 Mechanical求人