電子部品・精密部品 アナログ半導体・パワー半導体
ミネベアミツミ
電池保護ICとIGBTを持つ精密部品メーカーの半導体事業
半導体はセミコンダクタ&エレクトロニクス事業の一部で、2026年3月期のアナログ半導体売上は会社の概算で1,300億円です。
営業利益率20%超は会社が半導体に掲げる目標で、同事業全体の2026年3月期の営業利益率は4.5%でした。
ミネベアミツミは セミコンダクタ&エレクトロニクス事業 の中で半導体を手がけ、2026年3月期の アナログ半導体売上1,300億円 をオーガニックで1,700億円、営業利益率20%超へ伸ばす目標を掲げます。
- 2026年3月期 セミコンダクタ&エレクトロニクス売上高 5,903億円 前期比16.1%増。 増収は主に機構部品
- 2026年3月期 アナログ半導体売上(会社概算) 1,300億円 前期の1,200億円から8.3%増。 2029年3月期の概算は1,700億円
- 2027年3月期第1四半期 SE営業利益 60億円 前年同期比168.3%増。 売上高1,342億円で営業利益率4.5%
2026年3月期の事業別売上高構成
- セミコンダクタ&エレクトロニクス5,903億円
- モーター・ライティング&センシング4,565億円
- アクセスソリューションズ3,322億円
- プレシジョンテクノロジーズ2,812億円
この会社の要点
01立ち位置
何の会社として比べるか
ミネベアミツミの半導体は、売上5,903億円のセミコンダクタ&エレクトロニクス事業の一部です。 2026年3月期は同事業が16.1%増収、36.0%増益でしたが、増収の主因は機構部品でした。
セミコンダクタ&エレクトロニクス事業の売上高と営業利益
売上高
営業利益
アナログ半導体はどの市場に売っているか
2026年3月期 アナログ半導体 1,300億円
2029年3月期 アナログ半導体 1,700億円
アナログIC(ミツミ電機)
リチウムイオン電池保護IC、電池残量計IC、電源IC、リセットICを扱い、いずれも主にグループ内で内製しています。 レギュレータICは出力電流150mAから1.5Aまでそろえます。 2027年3月期第1四半期は中〜高価格帯スマートフォン向けの保護ICが好調で、AIサーバー用BBU向けの電池保護モジュールの需要も急増しています。
- リチウムイオン電池保護IC
- 電池残量計IC
- レギュレータIC
- DC-DCコンバータIC
パワー半導体(ミネベアパワーデバイス)
2024年5月に日立パワーデバイスを買収して加えた事業です。 高耐圧SiC、高耐圧IGBT、EV向けSG-IGBT、高圧IC、オルタネータ用ダイオードを強みとし、チップ製造に加えてパッケージとモジュールの後工程も持つため、開発から一貫生産できます。 会社は電鉄向けとパワーグリッドを成長分野に挙げています。
- 高耐圧IGBT
- SG-IGBT
- 高耐圧SiC
- 高圧IC
アナログIC・メモリー(エイブリック)
電源用IC、不揮発性メモリーのEEPROM、ホールIC・温度センサー、タイマーIC、車載用IC、医療用ICを展開します。 医療機器用ICは超音波診断装置のアナログフロントエンドの送受信に採用されています。 DIMM向けとSSD向けのシリアルEEPROMは、AIサーバー向け半導体として拡販中です。
- シリアルEEPROM(SPD / VPD)
- ボルテージディテクタ(リセットIC)
- リチウムイオン電池保護IC
- 超音波送信パルサー
MEMS・ファウンドリ(滋賀工場)
2021年10月にオムロンから半導体工場とMEMS製品開発機能を譲り受けたMMIセミコンダクターの工場です。 リチウムイオン保護IC、MEMS、IGBTを生産し、IGBTにはファウンドリとしての受託生産も含みます。 MEMSの用途には完全ワイヤレスイヤホンやモバイル機器向けMEMSマイクがあります。
- MEMSマイク向けMEMS
- リチウムイオン保護IC
- IGBT(自社品・受託)
02収益
どこで、どれくらい儲けているか
全社の利益の源泉はベアリングのプレシジョンテクノロジーズ事業で、営業利益率は22.1%です。 セミコンダクタ&エレクトロニクス事業は売上最大ながら営業利益率4.5%にとどまります。
売上高1兆6,644億円 / 営業利益1,040億円
売上高は前期比9.3%増、営業利益は10.1%増で、売上高営業利益率は6.2%です。
売上高5,903億円 / 営業利益267億円
売上高は前期比16.1%増、営業利益は36.0%増で、営業利益率は4.5%です。 主な製品は半導体デバイス、光デバイス、機構部品、電源部品で、増収は主に機構部品の販売増によるものです。
売上高1,342億円 / 営業利益60億円
前年同期比で売上高は14.5%増、営業利益は168.3%増です。 増収は主に光デバイスによるもので、全社の売上高は4,266億円、営業利益は263億円でした。
売上高5,300億円 / 営業利益280億円
売上高は前期比10.2%減、営業利益は5.0%増の予想です。 機構部品の減収を見込み、光デバイスの回復と半導体の増益で営業増益を見込みます。
2026年3月期の事業別営業利益
セミコンダクタ&エレクトロニクス事業の四半期売上高
03強みとリスク
強みと、リスク・検討点
強みは電池保護ICの品ぞろえと、IGBTを前工程から後工程まで持つ体制です。 弱点はセグメントの利益率4.5%と、売上の35.2%を占める任天堂向けが同じ事業に入っていることです。
強み
- 電池保護ICで高い自己申告シェア
1直リチウムイオン電池用保護ICの世界シェアは、会社の数字で80%です。 2027年3月期第1四半期も中〜高価格帯スマートフォン向けの保護ICが好調を維持し、AIサーバー用BBU向けの電池保護モジュールの需要も急増しています。
数字で見るミネベアミツミ - パワー半導体を前工程から後工程まで一社で持つ
日立パワーデバイスの買収で、従来のチップ製造にパッケージとモジュールの後工程が加わり、パワー半導体を開発から一貫生産できる体制になりました。 ミネベアミツミは買収前からミネベアパワーデバイスの前工程を受託しており、SG-IGBTの試作も滋賀工場で進めていました。
有価証券報告書 第80期 - AIサーバー向けに複数の品目を持つ
AIサーバー向け半導体として、リセットIC、温度センサーIC、eFuse IC、SSD向けとDRAM/DIMM向けのEEPROM、LDO/DCDC IC、IGBTとダイオードを並べています。 自社製のサーバー用ファンモーター向けにドライバーICを使う組み合わせも進めています。
2027年3月期 第1四半期決算説明会資料 - 医療と車載のニッチ用途
エイブリックは低消費電力・高精度のアナログ技術を基盤に、保護IC、医療機器用IC、車載用・産業機器用のアナログICを開発しています。 2024年12月にはソシオネクストからメディカル関連事業を譲り受けました。 2026年3月期は半導体事業が想定を上回り、スマートフォンと医療向けが支えました。
有価証券報告書 第80期
リスク・検討点
- セグメントの売上の35.2%が任天堂向け
2026年3月期の任天堂向け売上は2,080億円で、全社売上の12.5%を占め、すべてセミコンダクタ&エレクトロニクス事業に計上されています。 同事業の売上の35.2%に相当します。 Appleグループ向けも1,885億円(全社の11.3%)で、同事業とモーター事業にまたがります。
有価証券報告書 第80期 - セグメントの利益率が全社平均より低い
セミコンダクタ&エレクトロニクス事業の営業利益率は4.5%で、全社の6.2%、プレシジョンテクノロジーズ事業の22.1%を大きく下回ります。 売上は4事業で最大ですが、営業利益は267億円でモーター事業の269億円とほぼ同じです。
2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結) - パワー半導体の市況回復の遅れ
2026年3月期はパワー半導体市場の回復が遅れました。 半導体事業はスマートフォンと医療向けのニッチ分野が好調で、想定を上回って着地しました。
2026年3月期 決算説明会資料 - 滋賀工場の採算
会社は滋賀工場について、2027年3月期中の単月黒字化と翌期の完全黒字化を見込んでいます。 自社品とファウンドリの拡大で稼働率を上げる計画で、受託の量が採算を左右します。
2026年3月期 決算説明会資料 - 為替と海外生産への依存
海外の売上高比率と生産高比率が高く、会社は急激な為替変動が業績に響くことをリスクに挙げています。 2025年12月には電源事業のマレーシア生産を終了し、フィリピンへ集約しました。
2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結) - 生産の大半が海外
採用サイトの数字ページでは、地域別生産高はタイ23.40%、中国20.00%、日本17.90%、フィリピン15.80%です。 タイと中国の2か国で生産高の4割を超えます。
数字で見るミネベアミツミ
04待遇
給与、初任給、休日、手当
ミネベアミツミ本体の初任給は修士了30.5万円、大卒28.4万円です。 2026年3月期の提出会社の平均年間給与は785.3万円で、平均年齢は45.0歳、平均勤続年数は15.9年です。
新卒初任給(月給)
- 新卒の初任給
- 博士了34万4,500円、修士了30.5万円、大卒・高専専攻科卒28.4万円、高専本科卒25.2万円で、賞与は年2回です。 条件は 新卒採用 募集概要 に載ります。
- 勤務時間と休日
- 実労働時間は7時間45分で、事業所ごとに就業時間が異なります。 一部にコアタイム10:00〜15:00のフレックスタイム制があり、休日は土日祝の完全週休2日制で、会社指定の出社日があります。
- 平均年間給与
- 2026年3月期の提出会社は従業員4,946名、平均年齢45.0歳、平均勤続年数15.9年、平均年間給与785.3万円(約785.3万円)で、前期比3.0%増えました。 有価証券報告書 第80期 の従業員の状況にあります。
- 福利厚生
- 確定給付企業年金・確定拠出企業年金、従業員持株会、財形貯蓄、独身寮、社宅、社員食堂があり、在宅勤務制度も適用条件つきで使えます。
- 国内拠点の役割
- 国内の各事業所は技術開発の拠点で、量産は主に海外の工場で行います。 設計した製品の量産立ち上げで海外工場へ出張する機会が多くなります。
05勤務地と職種
どこで、どんな仕事をするか
半導体の国内拠点は、エイブリックの秋田・千葉・東京、MMIセミコンダクターの滋賀、ミネベアパワーデバイスの茨城・山梨などに分かれます。 セミコンダクタ&エレクトロニクス事業の連結従業員は20,127名で、提出会社に所属するのは525名です。
主な勤務地・拠点
- エイブリック
- 高塚事業所、秋田事業所、幕張オフィス、立川オフィスアナログ半導体
- MMIセミコンダクター
- 主要拠点は東京と滋賀。 新卒の勤務地に滋賀県(野洲)がありますMEMS・IC
- ミネベアパワーデバイス
- 臨海工場、原町工場、山梨工場パワー半導体
- 本社と東京本部
- 長野県御代田町の軽井沢工場と、東京都港区東新橋の東京本部
新卒採用の技術系職種
- 研究開発(要素開発)
- 製品設計開発
- ソフトウェア開発
- 製造加工技術
- 生産技術・設備開発
- 品質管理・生産管理
- 金型設計・製作
技術系は機械・電気・情報系をはじめ、物理・化学・材料系など理系学科全般が対象です。
06これから
会社が次に取りにいくもの
会社は中期事業計画で、半導体をオーガニックで売上高1,700億円、営業利益率20%超へ引き上げる目標を掲げます。 滋賀工場の黒字化、AIサーバー向け品目の拡販、自社IGBTの増産が柱です。
半導体関連の目標と2026年3月期実績
- アナログ半導体売上(会社概算) 1,300億円 2029年3月期の概算は1,700億円
- SE事業の営業利益率 4.5% 2029年3月期計画は7.8%
- 全社の営業利益 1,040億円 2029年3月期の見込みは1,680億円
これからの材料
- 半導体の目標
- 半導体はオーガニックで売上高1,700億円、営業利益率20%超を目指し、ニッチ分野のIGBTとMEMSが成長を牽引すると 2026年3月期 決算説明会資料 に載ります。
- 滋賀工場
- 自社品とファウンドリの拡大で稼働率を上げ、2027年3月期中の単月黒字化と翌期の完全黒字化を見込みます。
- AIサーバー向け
- リセットIC、温度センサーIC、eFuse IC、EEPROM、LDO/DCDC IC、IGBT・ダイオードをAIサーバー向け半導体として並べ、自社製ファンモーター向けのドライバーICとの組み合わせも進めます。 2027年3月期 第1四半期決算説明会資料 に一覧があります。
半導体売上1,700億円・営業利益率20%超
2026年5月の中期事業計画で、半導体はオーガニックで売上高1,700億円、営業利益率20%超を目指すとしました。 製品別の概算では、アナログ半導体は2026年3月期の1,300億円から2029年3月期に1,700億円へ30.8%伸び、うち新領域が160億円、AIサーバー向けが100億円です。 1,700億円のうち既存の自動車・家電・その他向けが1,540億円を占めます。既存用途は2026年3月期の1,300億円から伸ばす計画です。
滋賀工場の稼働率向上
滋賀工場ではリチウムイオン保護IC、MEMS、IGBTの生産を進め、自社IGBTは増産に入ります。 自社品とファウンドリの両方で稼働を埋め、黒字化を狙います。 パワー半導体市場は2026年3月期に回復が遅れました。会社は電鉄向けとパワーグリッドをパワー半導体の成長分野に挙げています。
AIサーバー向け半導体の拡販
AIサーバー向けEEPROMの拡販が進み、eFuse ICやエアフローセンサーは開発・拡販中です。 自社製のサーバー用ファンモーターとドライバーICを組み合わせる提案も進めています。 2029年3月期の概算でもAIサーバー向けは100億円で、アナログ半導体1,700億円の一部です。
07入口を選ぶ
専攻から、入口を1つに絞る
ミツミ電機の保護IC・電源IC、エイブリックのEEPROM・医療用IC、ミネベアパワーデバイスのIGBTのうち、自分の専攻に近い製品を1つ選び、本体とグループ会社のどちらに応募するかを決めます。
研究開発(要素開発)
数年先の製品化を目指す要素技術の開発で、職種紹介はMEMSセンサーやMEMSアクチュエーターの技術開発、材料開発、無線通信機器の開発を例に挙げています。 半導体ではMMIセミコンダクターのMEMSの開発と関係します。
公式採用情報生産技術・設備開発
生産の8割以上を占める海外量産工場で、歩留まりや工程時間を改善するために生産ラインの自動化、設備機器の開発、工法の開発を行います。 半導体では滋賀工場の稼働率向上が会社の課題です。
- Automation
- Yield
- Fab
- Equipment
応募前の3手
- 保護IC、EEPROM、IGBTから1製品を選び、用途と主な顧客業界をノートへ書く
- セミコンダクタ&エレクトロニクス事業の売上5,903億円のうち半導体が1,300億円であることを踏まえ、配属先の事業を確かめる質問を用意する
- 新卒採用の募集概要とグループ会社採用情報から、職種・勤務地・初任給を書き出す
面接で使う技術語
- MEMS
- Analog IC
- Simulation
- Material
- Sensor
- Product Design
- Mass Production
- Power IC
- Quality
- Overseas Factory
技術系は機械・電気・情報系、物理・化学・材料系など理系学科全般が対象です。
他社との違いを一言で
- リチウムイオン電池保護IC・電源IC・リセットIC
日清紡マイクロデバイス
製品情報にリチウムイオン電池保護IC、LDOリニアレギュレータ、DC/DCスイッチングレギュレータ、ボルテージディテクタ(リセットIC)を並べています。ミネベアミツミはミツミ電機とエイブリックの2系統で同じ品目を持ち、1直リチウムイオン電池用保護ICの世界シェアは会社の数字で80%です。
- バッテリマネジメント用IC
ルネサス エレクトロニクス
充電・保護・監視・バランス・残量計測を行う充電式バッテリパック向けデバイスを扱い、電気自動車用のBMSまで製品に含めています。ミネベアミツミの電池関連は保護ICと電池残量計ICが中心で、AIサーバー用BBU向けの電池保護モジュールを伸ばしています。
- IGBT・SiCのパワー半導体
富士電機
パワー半導体としてIGBTモジュール、車載用IGBTモジュール、All-SiCモジュール、ディスクリートIGBTを扱い、大容量IGBTモジュールを再生可能エネルギー向けに出しています。ミネベアミツミは2024年に加えたミネベアパワーデバイスの高耐圧IGBT、SG-IGBT、高耐圧SiCを持ち、電鉄向けとパワーグリッドを成長分野に挙げます。
出典20件
- 公式 会社概要
- 公式 製造・開発拠点
- 公式 半導体(ミツミ製品)
- 公式 半導体(エイブリック製品)
- 公式 エイブリック 製品情報
- IR 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結) 2026年3月期
- IR 2026年3月期 決算説明会資料 2026年3月期
- IR 2027年3月期 第1四半期決算短信 2027年3月期 第1四半期
ほか12件
- IR 2027年3月期 第1四半期決算説明会資料 2027年3月期 第1四半期
- IR 有価証券報告書 第80期 2026年3月期
- IR 中期事業計画
- 採用 新卒採用 募集概要
- 採用 キャリア採用 募集概要
- 採用 職種紹介
- 採用 数字で見るミネベアミツミ
- 採用 世界に広がるフィールド
- 採用 グループ会社採用情報
- 公式 日清紡マイクロデバイス 製品情報
- 公式 ルネサス エレクトロニクス バッテリマネジメントIC
- 公式 富士電機 パワー半導体