デバイスメーカー 車載・産業向け半導体
ルネサス エレクトロニクス
車と産業機器の中で動く半導体をつくる会社
報告セグメントはオートモーティブと産業・インフラ・IoTの2つ。
売上をほぼ半分ずつ分け合う構成です。
ルネサス エレクトロニクスは RH850・R-Car・RAなどのMCUとSoC を車と産業機器へ供給する半導体メーカーです。 2026年12月期第2四半期 のNon-GAAP営業利益率は32.7%でした。
- 2025年12月期 連結売上収益(IFRS) 1兆3,212億円 前年度比2.0%減。 Non-GAAPでは1兆3,185億円
- 2025年12月期 Non-GAAP営業利益 3,869億円 営業利益率29.3%。 IFRS営業利益は2,012億円(15.2%)
- 2026年1〜9月 Non-GAAP売上収益 会社予想 1兆2,001〜1兆2,151億円 2026年7月31日公表。 売上総利益率58.2%、営業利益率33.0%
2025年12月期 Non-GAAP売上収益の区分
- オートモーティブ6,397億円
- 産業・インフラ・IoT6,718億円
- その他70億円
この会社の要点
01立ち位置
何の会社として比べるか
ルネサスは、顧客の製品の中で動く半導体を供給するデバイスメーカーです。 報告セグメントはオートモーティブと産業・インフラ・IoTの2つで、2025年12月期の売上はほぼ半分ずつでした。
2つの報告セグメント
Non-GAAP売上収益
この2区分に「その他」70億円を加えた1兆3,185億円が全社のNon-GAAP売上収益です。 IFRSでは1兆3,212億円になります。
セグメント営業利益
2区分に「その他」6.0億円と調整203億円を加えた3,869億円が全社のNon-GAAP営業利益です。 IFRS営業利益は2,012億円です。
直近四半期で、どの区分と地域が伸びているか
区分別の売上収益
全社のNon-GAAP売上収益は4,053億円、Non-GAAP営業利益は1,327億円(32.7%)です。
地域別の売上収益(2026年1〜6月)
合計は7,987億円(IFRS)です。 その他地域16億円を含みます。
車載向けMCU・SoC
エンジンやボディを制御する車載制御と、車内外の環境を検出するセンシングやIVI、メータへ向けた車載情報の2カテゴリへ、車載用MCUとSoCを供給します。
- RH850 車載用MCU
- R-Car 車載向けSoC
- RL78車載MCU
汎用MCU・MPU
Arm Cortex-M搭載のRA、32ビット高性能のRX、低消費電力のRL78、32/64ビットMPUのRZ、RISC-V MCU/MPUを、産業機器とIoT機器の制御へ供給します。
- RA
- RX
- RL78
- RZ
アナログ・電源・パワーマネジメント
オペアンプ、コンパレータ、電流センスアンプなどのアナログ製品と、PMIC、DC/DCコンバータ、リニアレギュレータ、FETドライバ、モータドライバ、バッテリマネジメントICを持ちます。
- オペアンプ
- PMIC
- DC/DCコンバータ
- モータドライバ
車載用パワーデバイスと無線・センサ
車載用パワーデバイス、車載パワーマネジメント、車載用バッテリマネジメントに加えて、Bluetooth Low Energy、Wi-Fi MCU、Sub-GHz/Wi-SUN、光センサ、SRAMなどの周辺デバイスを供給します。
- 車載用パワーデバイス
- 車載パワーマネジメント
- Bluetooth Low Energy
- Wi-Fi MCU
02収益
どこで、どれくらい儲けているか
2025年12月期はNon-GAAP売上収益1兆3,185億円に対し営業利益3,869億円。 利益率はオートモーティブが産業・インフラ・IoTを上回り、2026年に入って全社の利益率が上がりました。
1兆3,212億円
前年度比2.0%減。 Non-GAAPでは1兆3,185億円です。 車載市況の軟化を産業・インフラ・IoTの伸びが一部埋めました。
3,869億円 / 営業利益率29.3%
前年度比2.8%減。 売上総利益が増えた一方で販売費および一般管理費が増えました。 IFRS営業利益は2,012億円です。
オートモーティブ 6,397億円 / 産業・インフラ・IoT 6,718億円
セグメント営業利益はオートモーティブ1,966億円(30.7%)、産業・インフラ・IoT1,694億円(25.2%)。 売上は前者が9.0%減、後者が5.5%増でした。
−518億円
Wolfspeed関連の損失を含む金融費用2,456億円により、税引前損失−303億円を計上しました。 営業段階は黒字です。
Non-GAAP売上収益 4,053億円 / 営業利益 1,327億円
営業利益率32.7%。 前年同期比24.8%増で、産業・インフラ・IoTが40.0%増の2,163億円、オートモーティブが15.9%増の1,871億円でした。
2025年12月期 区分別のセグメント営業利益率
全社値には「その他」と調整を含みます。 区分の単純合計との差はこの調整分です。
Non-GAAP営業利益率の推移
2026年1〜9月は2026年7月31日公表のレンジ予想に付いた利益率で、売上収益の中央値を前提とします。 為替前提は1米ドル158円、1ユーロ184円です。
03強みとリスク
強みと、リスク・検討点
2区分の規模が拮抗して需要変動を吸収する形と、営業外の損益で当期損益が振れる形が、同じ決算に同居します。
強み
- 2つの報告セグメントが同規模
2025年12月期のNon-GAAP売上収益はオートモーティブ6,397億円、産業・インフラ・IoT6,718億円。 片方が減る局面で、もう片方が増える構成でした。
2025年12月期 決算短信(セグメント情報) - デバイスメーカーとしての利益率
2025年12月期のNon-GAAP営業利益率は29.3%。 2026年12月期第2四半期は32.7%、上半期は33.2%へ上がりました。
2026年12月期 第2四半期 決算短信(セグメント情報) - 産業・インフラ・IoTの伸長
2026年12月期第2四半期の産業・インフラ・IoT売上収益は2,163億円で前年同期比40.0%増。 同四半期のセグメント営業利益は690億円でした。
2026年12月期 第2四半期 決算短信(セグメント情報) - 国内に自社の前工程ラインを持つ
那珂事業所は線形0.35〜0.15μmのウェハプロセス量産拠点で、ウェハプロセス3棟とウェハテスト2棟を空中回廊で結びます。 甲府工場はパワー半導体専用の300mmラインです。
事業所紹介
リスク・検討点
- 車載市況の軟化
2025年12月期のオートモーティブ売上収益は6,397億円で前年度比9.0%減、セグメント営業利益は1,966億円で11.6%減でした。 会社は減少の理由に市況の軟化を挙げています。
2025年12月期 決算短信(セグメント情報) - 営業外の損益で当期損失
2025年12月期はNon-GAAP営業利益3,869億円を計上した一方、金融費用2,456億円により親会社の所有者に帰属する当期損失−518億円になりました。
2025年12月期 決算短信(セグメント情報) - 販売先の集中
2025年12月期は単一の外部顧客であるWT Microelectronicsからの売上収益が2,254億円で、連結売上収益の10%以上を占めました。
2025年12月期 決算短信(セグメント情報) - 職種によって入社会社が変わる
ウエハプロセス技術エンジニア職種は、製造子会社のルネサス セミコンダクタ マニュファクチュアリングへの入社になる場合があります。
総合職募集要項・選考フロー
04待遇
給与、初任給、休日、手当
公式の募集要項には初任給、昇給・賞与の回数、勤務時間、勤務地、年間休日、諸手当が載っています。 修士了の初任給は32万円です。
新卒の初任給
応募資格は2027年3月までに四年制大学・大学院または高等専門学校を卒業・修了見込みの方です。
- 募集会社と雇用条件
- 募集会社はルネサス エレクトロニクス株式会社と、ウエハプロセス技術エンジニア職種で入社先になり得るルネサス セミコンダクタ マニュファクチュアリング株式会社の2社です。 雇用期間は期間の定めなし、試用期間は3か月と 公式募集要項 に載ります。
- 昇給・賞与
- 昇給は年1回、賞与は年1回です。
- 勤務時間
- 本社は9:00〜17:45(実働7時間45分、休憩60分)です。 勤務時間は事業所ごとに定めています。 福利厚生欄にはフレックスタイムと在宅勤務制度が並びます。
- 休日休暇
- 年間休日125日(2024年)、完全週休2日制(土・日)、年次有給休暇は初年度23日です。
- 諸手当・福利厚生
- 時間外勤務手当、通勤手当などのほか、各種社会保険、財形貯蓄制度、企業年金制度、出産休暇、育児休職、育児のための短時間勤務制度が並びます。 対面での連携を強めるBack-to-Office(BTO)も載ります。
- 職種別採用
- 応募時に職種を1つ選び、職種別に選考します。 職種の選択に専攻は問いません。 英語など語学力の高い人を積極的に募集しています。
05勤務地と職種
どこで、どんな仕事をするか
国内は本社の豊洲に加えて武蔵、高崎、那珂の各事業所と、米沢、大分、錦、西条、川尻、甲府の各工場が公式の拠点一覧に載ります。 新卒は職種別採用で、応募時に職種を1つ選びます。
主な勤務地・拠点
- 本社
- 東京都江東区豊洲3-2-24(豊洲フォレシア)フリーアドレス制
- 設計・開発の主力拠点
- 武蔵事業所(東京都小平市上水本町5-20-1)デジタルデバイスとソフトウェアの設計・開発。 国内事業所で従業員数が最多
- 前工程の量産拠点
- 那珂事業所(茨城県ひたちなか市堀口751)線形0.35〜0.15μmのウェハプロセス量産。 ウェハプロセス3棟とウェハテスト2棟を空中回廊で結ぶ
- 共通技術開発
- 高崎事業所(群馬県高崎市西横手町111)RFモジュール、RF-IC、ミックスド・シグナル、トランジスタ、標準ICの開発と製品技術・生産技術・IT技術
- 製造子会社の工場
- ルネサス セミコンダクタ マニュファクチュアリングの那珂、高崎、西条(愛媛)、川尻(熊本市南区)、甲府(山梨県甲斐市)集積回路の前工程製造
- 海外拠点
- 中国、アジア、欧州、北米の製造・開発・営業拠点従業員約22,000人が30カ国以上で勤務
公式の拠点一覧に載る国内の事業所・工場
- 武蔵事業所(東京都小平市)
- 高崎事業所(群馬県高崎市)
- 那珂事業所(茨城県ひたちなか市)
- 米沢工場(山形県米沢市)
- 大分工場(大分県中津市)
- 錦工場(熊本県球磨郡錦町)
- 西条工場(愛媛県西条市)
- 川尻工場(熊本県熊本市南区)
- 甲府工場(山梨県甲斐市)
那珂、高崎、西条、川尻、甲府はルネサス セミコンダクタ マニュファクチュアリングの工場としても拠点一覧に載ります。 募集要項の勤務地欄は東京、群馬、茨城、山梨、山形、愛媛、熊本、大分ほかと海外事業所です。
応募前に公式で当たる順序
- 技術系総合職(理系対象)と事務系総合職(文系・理系対象)のどちらへ応募するかを1つ選ぶ
- 選んだ職種の募集会社が、ルネサス エレクトロニクスかルネサス セミコンダクタ マニュファクチュアリングかを募集要項から書き出す
- 勤務地欄の国内拠点と海外事業所、年間休日125日(2024年)と初年度有給23日を書き出す
06これから
会社が次に取りにいくもの
長期の利益率目標は2020年2月17日公表の中期成長戦略・財務モデルに載り、営業利益率の目標レンジは2025年6月25日のCapital Markets Dayで改定されました。 工場側では甲府のパワー半導体300mmラインが動きます。
中期成長戦略・財務モデルの利益率目標と、2025年12月期の恒常為替ベース実績
- 売上総利益率 約55% 実績は約55%、目標は55%。
- 営業利益率 約24% 実績は約24%、目標レンジは25〜30%。 縦線はレンジ下限の25%です
- 中期成長戦略・財務モデル(2020年2月17日公表)
- Capital Markets Day(2025年6月25日)で営業利益率目標を30%から25〜30%へ改定
- 恒常為替前提:1米ドル100円 / 1ユーロ120円
この利益率目標は会社の長期の経営目標です。 報告ベースの2025年12月期Non-GAAP営業利益率29.3%とは為替の前提が異なります。
これからの材料
- 会社予想の公表単位
- 半導体市況の短期変動を理由に、会社予想は四半期ごとのレンジで公表されます。 2026年1〜9月の累計予想はNon-GAAP売上収益1兆2,001億〜1兆2,151億円、売上総利益率58.2%、営業利益率33.0%です。 為替前提は 2026年12月期第3四半期(累計)連結業績予想 に1米ドル158円、1ユーロ184円と載ります。
- 事業ポートフォリオの組み替え
- タイミング事業をSiTimeへ譲渡する契約が2026年2月5日に取締役会で承認され、2026年上半期からセグメント区分が「その他」へ移りました。 過年度の区分値も新区分で組み替え済みです。
中期成長戦略・財務モデルの利益率目標
2020年2月17日公表の目標は、恒常為替(1米ドル100円、1ユーロ120円)のNon-GAAPで売上総利益率55%、営業利益率25〜30%です。 営業利益率の目標は2025年6月25日のCapital Markets Dayで30%から現在のレンジへ改定されました。 この利益率目標は会社の長期の経営目標です。恒常為替が前提のため、報告ベースの実績とは為替の前提が異なります。
甲府工場の300mmパワー半導体ライン
2024年4月1日に開所した甲府工場(山梨県甲斐市)は、クリーンルーム面積最大18,000平方メートルのパワー半導体専用300mmラインです。 ルネサスは2022年中に900億円規模の設備投資を行い、稼働開始に至りました。 IGBTを中心とした量産開始は、2024年4月に会社が2025年の計画として公表したものです。
タイミング事業のSiTimeへの譲渡
米国子会社とSiTimeがタイミング事業の譲渡契約を結び、2026年2月5日に取締役会が承認しました。 2026年上半期からこの事業はセグメント区分の「その他」へ移りました。 過年度のセグメント数値は新区分で組み替え済みです。
産業・インフラ・IoTの構成比上昇
2026年上半期のセグメント外部顧客売上はオートモーティブ3,587億円、産業・インフラ・IoT4,122億円。 四半期では産業・インフラ・IoTが前年同期比40.0%増でした。 半期の実数です。
07入口を選ぶ
専攻から、入口を1つに絞る
車載向けMCU・SoC、汎用MCU・MPU、アナログ・電源、車載用パワーデバイスのうち、自分の専攻と重なる製品群を1つ選び、そこから応募職種を1つに絞ります。
組み込みソフト / システム開発
武蔵事業所を中心に、デジタルデバイスとソフトウェアの設計・開発を担う入口です。
- Embedded
- Firmware
- Functional Safety
- RTOS
応募前の3手
- RH850・R-Car / RA・RX・RL78・RZ / アナログ・電源・パワーデバイスから担当したい製品群を1つ選ぶ
- 研究・実務の測定値を1つ用意し、車載の機能安全、産業機器の電力効率、前工程の歩留まりのどれと結ぶかを1つ選ぶ
- 募集要項の初任給、勤務時間、勤務地、年間休日を公式ページから書き出す
面接で使う技術語
- MCU
- SoC
- Analog
- Power
- Low Power
- Wafer Process
- Yield
- IGBT
- 300mm
- Reliability
他社との違いを一言で
- 車載MCU・SoC
NXP Semiconductors
車載制御と車載情報の両方で直接競合します。ルネサスは産業・インフラ・IoTが売上の約半分を占めます。
- パワー半導体 / 車載
Infineon Technologies
パワー半導体と車載で重なります。ルネサスはMCU・SoCの比重が大きく、パワーは甲府の300mmラインで生産能力を増やす段階です。
- 車載・産業向けの製品幅
STMicroelectronics
汎用MCU、アナログ、パワーで重なります。
- パワー / アナログ
ローム
パワーとアナログで重なります。ロームは3月期決算、ルネサスは12月期決算です。
- SoC
ソシオネクスト
カスタムSoCで重なります。ソシオネクストはファブレスで、ルネサスは那珂や甲府に自社の前工程ラインを持ちます。
出典13件
- 公式 会社概要
- 公式 拠点・主要関係会社一覧
- 公式 製品情報
- 公式 車載向け製品
- IR 2025年12月期 決算概要(2026年2月5日)
- IR 2025年12月期 決算短信(セグメント情報)
- IR 2026年12月期 第2四半期 決算概要(2026年7月31日)
- IR 2026年12月期 第2四半期 決算短信(セグメント情報)