材料 / 半導体パッケージ・電子薬液 BT材料、超純過酸化水素、電子工業用薬品
三菱ガス化学
パッケージ基板と洗浄液を作る会社
天然ガス系化学品と半導体材料を併営する化学メーカー。
連結営業利益452億円のうち438億円が機能化学品事業部門から出ています。
三菱ガス化学は 半導体パッケージ基板用のBT材料 と 超純過酸化水素 を作る化学メーカーです。 2026年3月期は連結営業利益452億円のうち438億円を機能化学品事業部門が稼ぎました。
- 2026年3月期 連結売上高 7,382億円 前期比4.6%減。 機能化学品事業部門が4,483億円、グリーン・エネルギー&ケミカル事業部門が2,869億円
- 2026年3月期 機能化学品営業利益 438億円 前期比5.9%増。 連結営業利益452億円のうち、この事業部門が大半を占めます
- 2027年3月期 会社予想 売上高 8,600億円 営業利益710億円、経常利益790億円。 2026年8月7日に上方修正した会社予想
2026年3月期 事業部門別の外部顧客への売上高決算短信のセグメント情報
- 機能化学品事業部門4,479億円
- グリーン・エネルギー&ケミカル事業部門2,779億円
- その他の事業123億円
この会社の要点
01立ち位置
何の会社として比べるか
三菱ガス化学は、天然ガス系化学品と半導体材料を1社で持つ化学メーカーです。 2026年3月期の機能化学品事業部門の売上高は4,483億円、営業利益は438億円でした。
営業利益の大半を機能化学品が稼ぐ
2026年3月期 売上高
部門合計に調整額-118億円を加えた後が連結売上高7,382億円です。
2026年3月期 営業利益
部門の営業利益の合計から、調整額の55億円を差し引いた額が連結営業利益452億円です。
経営資源がどちらの事業部門へ向いているか
事業部門別の設備投資額
合計は719億円。 翌1年間の設備投資計画は合計610億円で、うち機能化学品事業部門が430億円です。
事業部門別の研究開発費
機能化学品の研究テーマには、高周波回路用材料、メモリ・ロジック半導体パッケージ基板用積層材料、薄葉積層および微細回路形成材料が挙げられています。
半導体パッケージ基板材料(BT材料)
1976年に自社開発したBT樹脂(ビスマレイミド・トリアジン樹脂)をベースに、半導体パッケージ用の積層材料を供給します。 特徴は、高い耐熱性、すぐれた電気特性、温度変化による変形の小さい低反り材の3点で、1985年に樹脂材料として初めて半導体パッケージ用積層板へ採用されました。
- 半導体パッケージ用低熱膨張率ハロゲンフリーBT材料
- 高周波用BT材料
- Chip-LED用BT材料
- 多層プリント配線板用高性能FR-4材料
電子工業用薬品(洗浄・エッチング・剥離)
半導体・液晶ディスプレイ向けの洗浄剤、エッチング剤、レジスト剥離剤を「ELMクリーン」の名称で供給します。 ポリマー除去用洗浄液、フォトレジスト剥離液、エッチング液の区分があり、新潟と四日市の2工場で製造し、コンテナ、ドラム、ポリ缶で出荷します。
- ELMクリーン
- ポリマー除去用洗浄液
- フォトレジスト剥離液
- エッチング液
超純過酸化水素
ウェハー製造工程では洗浄剤・エッチング剤・研磨剤として、デバイス製造工程では洗浄剤・フォトレジスト剥離剤・エッチング剤として使われます。 三菱ガス化学は、高集積デバイスの製造プロセスに合わせて品質向上の研究を重ねてきました。 生産拠点は山北と佐賀です。
- 超純過酸化水素
- 過酸化水素
微細配線向け薬液と新規BT材料
2026年6月のJPCA Showには、AI半導体向けの半導体パッケージ用低熱膨張BT材料、エッジデバイス向けの薄葉BT材料、高周波用途向け低伝送損失BT材料と、SAP/M-SAP向けフラッシュエッチング液、アミン系/非アミン系のDFR剥離液、ウエハ向けCuエッチング液を出展しました。
- 半導体パッケージ用低熱膨張BT材料
- 薄葉BT材料
- 高周波用途向け低伝送損失BT材料
- フラッシュエッチング液
02収益
どこで、どれくらい儲けているか
2026年3月期は連結売上高7,382億円に対し営業利益452億円。 営業利益の大半を機能化学品事業部門が占め、同期は減損損失の計上で当期純損失になりました。
7,382億円
前期比4.6%減。 電子材料の販売は好調でしたが、ポリカーボネート・ポリアセタールとメタノールの市況下落、オルソキシレンチェーンからの事業撤退で減収になりました。
452億円 / 売上高営業利益率6.1%
前期比10.9%減。 営業利益率6.1%です。 減益要因は市況下落、メタキシレンジアミンの競争激化、半導体向け薬液の台湾拠点で生産能力を増強したことによる固定費増です。
売上高4,483億円 / 営業利益438億円
売上高は前期比0.9%増、営業利益は5.9%増。 BT材料の需要拡大と、ハイブリッドケミカルやOPE®など先端半導体向け製品の販売が増収増益の要因です。 連結営業利益452億円の大半がこの事業部門です。
−403億円
固定資産の減損損失784億円を計上したためです。 事業部門別ではグリーン・エネルギー&ケミカル561億円、機能化学品223億円で、オランダのメタキシレンジアミン製造子会社と台湾・中国の無機化学品拠点が含まれます。
売上高8,600億円 / 営業利益710億円
経常利益790億円、親会社株主に帰属する当期純利益550億円。 会社は2026年8月7日に予想を上方修正しました。 理由は、中東情勢の緊迫化によるメタノールやエンジニアリングプラスチックスの市況上昇と、為替の円安方向への見直しです。
2026年3月期 事業部門別の外部顧客への売上高
外部顧客への売上高です。 部門間の内部売上を含む部門計は機能化学品4,483億円、グリーン・エネルギー&ケミカル2,869億円になります。
売上高営業利益率の推移
2027年3月期は2026年8月7日修正の会社予想、10%以上は中期経営計画Grow UP 2026の目標です。
03強みとリスク
強みと、リスク・検討点
半導体材料で利益を確保した事実と、市況品と海外拠点で減損損失を計上した事実が、同じ2026年3月期の決算に並びます。
強み
- 2製品で世界シェア1位を掲げる
会社は、BT材料(半導体パッケージ基板材料)と超純過酸化水素(半導体洗浄液)を世界シェア1位の製品に挙げています。
2026年3月期 決算説明会資料(2026年5月13日) - 連結営業利益の大半を機能化学品が稼ぐ
2026年3月期の連結営業利益452億円に対し、機能化学品事業部門の営業利益は438億円。 グリーン・エネルギー&ケミカル事業部門は56億円で、市況品の落ち込みを半導体材料が埋める形になりました。
2026年3月期 決算短信(2026年5月13日) - 成長ドライバーに指定されたICT3事業
電子材料、無機化学品(EL薬品等)、光学材料をまとめたICT3事業の営業利益は、2025年度実績で337億円、2026年度の会社予想で409億円です。 会社はICT3事業を成長ドライバーと位置づけています。
2027年3月期第1四半期 決算説明会資料(2026年8月7日) - 設備投資と研究開発費が機能化学品へ集中
2026年3月期の設備投資額は機能化学品事業部門426億円に対しグリーン・エネルギー&ケミカル事業部門246億円、研究開発費は157億円に対し109億円。 連結従業員8,319人のうち5,090人が機能化学品事業部門です。
2026年3月期 有価証券報告書
リスク・検討点
- 減損損失784億円と当期純損失−403億円
2026年3月期は固定資産の減損損失784億円を計上し、親会社株主に帰属する当期純損失−403億円になりました。 うち機能化学品事業部門が223億円で、台湾・中国の無機化学品拠点と鹿島工場のポリカーボネート生産停止決定が含まれます。
2026年3月期 決算短信(2026年5月13日) - 半導体向け薬液の固定費増
無機化学品は半導体向け薬液の販売数量が増えて増収でしたが、台湾拠点で生産能力を増強したことに伴う固定費の増加などで減益になりました。
2026年3月期 決算短信(2026年5月13日) - 台湾の基板材料合弁を解散
2026年7月29日、半導体パッケージ基板用途を主体とするプリント配線板用積層材料の製造販売を担う菱茂電子科技股份有限公司(台湾新竹縣)の解散を公表しました。 会社は業績への影響を軽微と見込んでいます。
菱茂電子科技股份有限公司の解散(2026年7月29日) - 中期経営計画の目標との差
Grow UP 2026の2026年度目標は売上高8,500億円、営業利益850億円、営業利益率10%以上です。 2026年8月7日修正の会社予想は売上高8,600億円、営業利益710億円、営業利益率8.3%です。 営業利益は目標を140億円下回る予想です。
中期経営計画 Grow UP 2026 - 市況品の値動きが全社業績を動かす
2026年3月期は、ポリカーボネート・ポリアセタールとメタノールの市況下落で減収になりました。 グリーン・エネルギー&ケミカル事業部門の営業利益は56億円で、前期比55.6%減です。
2026年3月期 決算短信(2026年5月13日)
04待遇
給与、初任給、休日、手当
2026年4月の初任給は博士了35万5,220円、修士了32万2,185円、学士卒30万9,125円です。 年間休日は122日で、フレックスタイム制があります。
新卒初任給(2026年4月実績)
2026年4月の初任給の実績です。
- 平均年間給与
- 有価証券報告書の提出会社(単体)は、従業員2,562人、平均年齢41歳0か月、平均勤続年数17年5か月、平均年間給与907万6,743円(前事業年度比2.9%増)です。 賞与と基準外賃金を含む、2026年3月31日現在の 有価証券報告書 の数値です。
- 昇給・賞与
- 昇給は年1回、賞与は年2回です。 初任給と手当は 公式募集要項 に載ります。
- 勤務時間
- 本社・支店は9:00〜17:30、研究所・工場は8:30〜17:00で、基準勤務時間は7.5時間です。 フレックスタイム制があります。
- 休日休暇
- 完全週休2日制(土日)、年間休日122日、有給休暇は初年度15日・最多20日、ほかに特別休暇があります。
- 諸手当・福利厚生
- 住宅手当、家族手当、通勤手当ほか。 福利厚生として財形制度、住宅融資制度、独身寮・社宅、健康診断、保養所、共済会があります。
- 新卒以外の窓口
- キャリア採用と高専生向けの採用窓口が、新卒採用とは別にあります。
連結従業員8,319人の事業部門別内訳(2026年3月31日現在)
- 機能化学品事業部門 5,090人
- グリーン・エネルギー&ケミカル事業部門 2,632人
- 全社(共通)491人
- その他の事業 106人
有価証券報告書の従業員の状況。 単体2,562人の内訳はグリーン・エネルギー&ケミカル1,108人、機能化学品963人、全社(共通)491人です。
05勤務地と職種
どこで、どんな仕事をするか
拠点は東京の本社と研究所、新潟、平塚、水島、四日市、浪速、山北、鹿島です。 電子薬液とBT材料の製造子会社は福島、台湾、韓国、中国にあります。 新卒の募集は総合職(事務系・技術系)と専門職(技術系)の区分です。
主な勤務地・拠点
- 本社
- 東京都千代田区丸の内2-5-2 三菱ビル事業部門・コーポレート部門
- 研究所
- 東京研究所(東京都葛飾区)、新潟研究所(新潟市北区)、平塚研究所(神奈川県平塚市)研究開発の中核
- 国内工場
- 新潟工場、水島工場(岡山県倉敷市)、四日市工場(三重県四日市市)、浪速製造所(大阪市大正区)、山北工場(神奈川県足柄上郡山北町)、鹿島工場(茨城県神栖市)山北と佐賀が超純過酸化水素、新潟と四日市がELMクリーン
- 電子材料・電子薬液の製造子会社
- MGCエレクトロテクノ新白河工場(福島県西白河郡西郷村・プリント配線板用材料)、巨菱精密化学(台湾台中市)、SAMYOUNG PURE CHEMICALS(韓国天安市)、泰興菱蘇機能新材料(中国江蘇省泰州市)海外3社はいずれも電子工業用薬品製造設備
- 採用ページ記載の勤務地
- 本社は東京・大阪、研究所は東京・新潟・平塚、工場は新潟・水島・四日市・浪速・山北・鹿島
新卒の募集職種区分
- 総合職(事務系)事業部門
- 総合職(事務系)コーポレート部門
- 総合職(技術系)研究開発
- 総合職(技術系)プラントエンジニア(プロセス)
- 総合職(技術系)プラントエンジニア(設備)
- 総合職(技術系)資源開発
- 総合職(技術系)事業部門(技術営業)
- 総合職(技術系)DX / MI
- 専門職(技術系)研究開発
- 専門職(技術系)製造
- 専門職(技術系)プラントエンジニア
応募資格は、2028年3月末までに学士号、修士号、博士号のいずれかを取得見込みで、就労経験の無い人です。
06これから
会社が次に取りにいくもの
中期経営計画Grow UP 2026は2026年度が最終年度です。 会社予想の売上高8,600億円は目標の8,500億円を上回り、営業利益710億円は目標の850億円を140億円下回ります。
Grow UP 2026の2026年度目標と、2026年度会社予想
- 売上高 8,600億円(会社予想) 2026年度目標は8,500億円。 2023年度実績は8,134億円
- 営業利益 710億円(会社予想) 2026年度目標は850億円。 2023年度実績は473億円
- 売上高営業利益率 8.3%(会社予想) 2026年度目標は10%以上。 2023年度実績は5.8%
- 経常利益 目標950億円 / 会社予想790億円
- EBITDA 目標1,500億円 / 会社予想1,228億円
- ROE 目標9%以上 / 会社予想8.3%
- ROIC 目標8%以上 / 会社予想6.6%
目標値は中期経営計画の計数目標、会社予想は2026年8月7日修正の値です。
これからの材料
- 2026年度の増益要因
- 5月13日の会社予想の前提は、メタノール市況の回復、原材料コスト増の販売価格への転嫁、電子材料の需要継続、前期の減損損失計上による償却費の減少です。 減益要因として設備の稼働開始に伴う償却費増と研究開発費等の増加が挙げられています。 決算説明会資料 にあります。
- 中東情勢の前提
- 会社は5月、中東情勢の緊迫がエネルギー価格の高騰や原材料の供給逼迫を招くおそれを挙げました。 8月7日の上方修正では、中東情勢によるメタノールなどの市況上昇を理由に挙げています。
Grow UP 2026の最終年度
中期経営計画Grow UP 2026は2024〜2026年度の3年計画で、2026年度目標は売上高8,500億円、営業利益850億円、営業利益率10%以上、経常利益950億円、EBITDA 1,500億円、ROE 9%以上、ROIC 8%以上です。 2026年8月7日修正の会社予想では、営業利益は710億円で目標の850億円を下回ります。
AIサーバー向け需要とBT材料・OPE®
会社は2026年度の機能化学品について、BT材料の価格改定効果と新規用途の採用拡大、AIサーバー市場向けOPE®の用途拡大を前提に増収増益を見込みます。 会社は2026年8月7日、ICT3事業の2026年度営業利益を409億円と予想しました。2025年度は337億円でした。
微細配線向け薬液への展開
三菱ガス化学は2026年6月のJPCA Showに、SAP/M-SAP向けフラッシュエッチング液、アミン系/非アミン系DFR剥離液、圧延銅箔向け平滑化液/粗化液を出展しました。 ウエハ向けには、溶解型DFR剥離液とCuエッチング液を出展しました。
国内の過酸化水素拠点の再編
2027年9月をめどに四日市工場の工業用過酸化水素の生産を停止します。 設備の老朽化と競争力ある体制での事業継続が理由で、四日市工場での超純過水生産は継続、工薬過水出荷設備も西日本地区向けの出荷拠点として稼働を続けます。 対象は工業用過酸化水素です。半導体向けの超純過酸化水素は生産継続の対象で、停止時期は目標時期として公表されました。
07入口を選ぶ
専攻から、入口を1つに絞る
BT材料、電子工業用薬品ELMクリーン、超純過酸化水素、微細配線向け薬液のうち、自分の専攻と重なる製品を1つ選び、そこから応募職種を1つに絞ります。
応募前の3手
- BT材料 / ELMクリーン / 超純過酸化水素 / 微細配線向け薬液から担当したい製品を1つ選ぶ
- 研究・実務の測定値を1つ用意し、反り量、誘電特性、金属不純物、歩留まりのどれと結ぶかを1つに絞る
- 募集要項の職種区分と勤務地を公式ページから書き出す
面接で使う技術語
- BT樹脂
- 低熱膨張
- 低伝送損失
- 超高純度
- 金属不純物
- プロセス設計
- 設備保全
- 能力増強
- 安全管理
- 定期修繕
他社との違いを一言で
出典19件
- 公式 会社概要
- 公式 拠点・事業所一覧
- 公式 プリント配線板用積層材料(BT材料)
- 公式 BT積層板 製品・技術トピックス
- 公式 電子材料事業部
- 公式 超純過酸化水素
- 公式 電子工業用薬品 ELMクリーン
- IR 2026年3月期 決算短信(2026年5月13日)