半導体材料 半導体封止材・液状樹脂・高機能プラスチック
住友ベークライト
チップを樹脂で包んで守る会社
半導体封止材で世界シェア首位を掲げる樹脂メーカー。
連結売上の33%が半導体関連材料で、残りは高機能プラスチックとクオリティオブライフ関連製品です。
住友ベークライトは スミコンEME などの半導体封止材を作る会社です。 2026年3月期の半導体関連材料 は売上収益1,064億円、セグメント事業利益207億円でした。
- 2026年3月期 連結売上収益 3,199億円 前期比5.0%増。 事業利益345億円、売上収益事業利益率10.8%
- 2026年3月期 半導体関連材料 1,064億円 前期比16.5%増。 セグメント事業利益207億円、事業利益率19.5%
- 2027年3月期 会社予想 3,370億円 事業利益380億円。 半導体関連材料は売上1,175億円・事業利益235億円の予想
2026年3月期 セグメント別の売上収益構成外部顧客への売上収益 · 決算短信
- 半導体関連材料1,064億円
- 高機能プラスチック1,055億円
- クオリティオブライフ関連製品1,072億円
- その他8.0億円
この会社の要点
01立ち位置
何の会社として比べるか
住友ベークライトは、半導体パッケージを樹脂で覆う封止材のメーカーであると同時に、フェノール樹脂と医療・包装材料を同じ規模で持つ会社です。 2026年3月期は半導体関連材料が連結売上の33.3%でした。
全社連結と半導体関連材料
2026年3月期 売上収益
半導体関連材料が連結売上に占める33.3%です。
2026年3月期 事業利益
その他を含むセグメント合計399億円から全社費用などの調整額54億円を引いた後が連結事業利益345億円です。
3つのセグメント
セグメント別の売上収益
売上規模はほぼ横並びで、伸びているのは半導体関連材料だけです。
セグメント別の事業利益
売上は横並びでも、利益は半導体関連材料が過半です。
半導体封止用エポキシ樹脂成形材料
スミコンEMEは絶縁性、耐薬品性、耐湿性、熱耐久性、PKG保護、放熱性を掲げる封止材です。 DIS・DIP・SO・QFP向けのG600系、BGA・CSP向けのG750系、FCCSP・SiP向けのG310系、WLP/PLP向けのG730系、パワーモジュール向けのG720系、ローター磁石固定向けのM630系まで、パッケージ形態ごとにシリーズを分けています。 ブロム系およびアンチモン系の難燃剤を使わずUL-94 V-0を達成しています。
- スミコンEME G600シリーズ
- スミコンEME G750シリーズ
- スミコンEME G310シリーズ
- スミコンEME G780シリーズ
先端パッケージ用液状封止材
EME-Lシリーズは、固形封止材の配合技術と電子材料向け液状製品のプロセス技術を組み合わせ、低反り性能と必要な加工性能の両立を掲げる液状封止材です。 モールドアンダーフィルが可能な製品もラインナップし、アンダーモールドとオーバーモールドの工程を一体化して製造プロセスを削減します。 供試は2026年4月に始まり、会社は2027年の認定採用を目指しています。
- EME-Lシリーズ
ダイボンディングペースト
スミレジンエクセルCRMは一液タイプのダイボンディングペーストで、汎用パッケージ用から薄型・大型パッケージ用、先端パッケージの信頼性向上まで用途を持ちます。 ICチップの接合に加えてTIM1・TIM2、リッドアタッチ用途があり、高熱伝導タイプも用意されています。
- スミレジンエクセルCRM CRM-1500シリーズ
- CRM-1700シリーズ
- CRM-1800シリーズ
- CRM-1100シリーズ
液状エポキシ樹脂(精密エポキシ樹脂)
スミマックECRシリーズは一液タイプ、ECR・ECHシリーズは二液タイプの液状エポキシ樹脂です。 一液タイプは耐半田リフロー性とリン青銅端子との接着性、二液タイプは低粘度による脱泡とコイル内への含浸性を特長に挙げ、イグニッションコイル絶縁注型材、リレー絶縁封止材、センサ絶縁封止材に使われます。
- スミマックECR-9250K
- スミマックECR-9240K
- スミマックECR-2222K
- スミマックECH-222G
高機能プラスチック
フェノールレジン、フェノール樹脂成形材料、長繊維熱硬化性コンポジット材料、回路材料(エポキシ樹脂プリント配線板用材料、アルミベース銅張積層板、ガラスエポキシ積層板)、放熱絶縁シート、航空機内装材料、シクロオレフィンポリマーCOPLUSを持ちます。 2026年3月期の外部顧客売上は1,055億円で、半導体関連材料とほぼ同じ規模です。
- COPLUS
- CLIM
- 放熱絶縁シート
- PFAプリプレグ
02収益
どこで、どれくらい儲けているか
2026年3月期は連結売上収益3,199億円に対し事業利益345億円。 セグメント事業利益399億円のうち207億円が半導体関連材料から出ています。
3,199億円
決算短信の記載は3,198億円で前期比5.0%増。 事業利益345億円(同11.8%増)、営業利益355億円(同43.1%増)、売上収益事業利益率10.8%です。
売上収益1,064億円 / 事業利益207億円
外部顧客への売上収益1,063億円は前期比16.5%増、セグメント事業利益207億円は同15.2%増。 連結売上に占める比率33.3%です。
半導体関連材料19.5% / 高機能プラスチック5.9% / クオリティオブライフ12.0%
連結の売上収益事業利益率10.8%は、半導体関連材料の19.5%と他2セグメントの水準を合わせた後の値になります。
売上収益3,370億円 / 事業利益380億円
2026年5月11日公表。 営業利益375億円、親会社所有者帰属当期利益285億円で、2026年8月3日の第1四半期決算短信でも同じ値です。
連結952億円 / 半導体関連材料342億円
連結売上収益は前年同期比22.6%増、半導体関連材料は同40.0%増。 半導体関連材料のセグメント事業利益80億円は同66.3%増です。
2026年3月期 セグメント別の事業利益率
連結の10.8%は決算短信の値、セグメント別3件は決算説明会資料の値です。
半導体関連材料の売上収益
2027年3月期は2026年5月11日公表の会社予想です。
03強みとリスク
強みと、リスク・検討点
封止材で高い利益率を取る形と、売上の3分の2を占める他2セグメントの利益率の低さが、同じ決算に並んで出ています。
強み
- 半導体関連材料の事業利益率
2026年3月期の半導体関連材料は売上1,064億円、事業利益207億円で事業利益率19.5%。 連結の売上収益事業利益率10.8%のほぼ2倍です。
2026年3月期 決算説明会資料(2026年5月11日) - パッケージ形態別に分けた封止材の品揃え
スミコンEMEはDIP・QFP向け、BGA・CSP向け、FCCSP・SiP向け、AiP向け、WLP/PLP向け、パワーモジュール向け、ローター磁石固定向けにシリーズを分け、各シリーズに複数の型番を揃えています。
半導体封止用エポキシ樹脂成形材料 スミコンEME - 3セグメントがほぼ同じ売上規模
2026年3月期の外部顧客売上は半導体関連材料1,064億円、高機能プラスチック1,055億円、クオリティオブライフ関連製品1,072億円。 半導体市況の振れを残り2セグメントの売上が支える構成です。
2026年3月期 決算短信(2026年5月11日) - 自己資本と手元資金の厚み
2026年3月期末の親会社所有者帰属持分比率は71.7%、現金及び現金同等物は1,247億円、ROEは8.8%です。
2026年3月期 決算短信(2026年5月11日) - 封止材の世界シェアを公式IRに記載
公式IRの半導体関連材料ページは、住友ベークライトを「半導体封止材世界シェアNo.1」と記載しています。
セグメント別事業概況 半導体関連材料
リスク・検討点
- 半導体以外の2セグメントの利益率
2026年3月期の事業利益率は高機能プラスチック5.9%、クオリティオブライフ関連製品12.0%。 全社の10.8%は半導体関連材料の19.5%に引き上げられた値です。
2026年3月期 決算説明会資料(2026年5月11日) - 世界シェアNo.1は会社自身の記載
「半導体封止材世界シェアNo.1」は公式IRページにある会社自身の記載です。
セグメント別事業概況 半導体関連材料 - 2027年3月期の売上収益3,370億円、事業利益380億円は2026年5月11日公表の会社予想で、8月3日の第1四半期決算でも同じ値です
第1四半期の連結売上は952億円でした。
2027年3月期 第1四半期決算短信(2026年8月3日) - 液状封止材はまだ供試段階
EME-Lシリーズは2026年4月に供試を開始し、会社は2027年の認定採用を目指しています。 量産と売上は認定採用の後の段階です。
先端パッケージ用液状封止材の供試開始(2026年5月18日) - 公式募集要項の待遇は初任給と休日が中心
公式募集要項が示す待遇の数値は、学歴別の初任給、年間休日122日、昇給年1回・賞与年2回です。
新卒採用 募集要項・FAQ
04待遇
給与、初任給、休日、手当
新卒の初任給は2026年度実績で大学卒29万1,030円、修士了31万1,730円です。 年間休日は122日で、昇給は年1回、賞与は年2回です。
新卒初任給(2026年度実績)
2026年度実績です。
- 昇給・賞与
- 昇給は年1回(4月)、賞与は年2回(6月・12月)です。 条件の全文は 公式募集要項 にあります。
- 勤務時間
- 本社は9:00〜17:40、工場部門は8:00〜16:40、研究所は8:00〜16:40または9:00〜17:40です。 配属先で時間帯が変わります。
- 休日休暇
- 年間休日122日。 年次有給休暇は入社年14日、翌年以降20日です。
- 諸手当
- 諸手当には通勤費、家族手当、住宅手当、超過勤務手当があります。
- 福利厚生
- 福利厚生には独身寮、社宅、財産形成、貯蓄・持株制度、クラブ活動、親睦会があります。
- 配属
- 配属は入社後の配属面談で希望を聞き、適性などをもとに決まります。
2026年3月期 セグメント事業利益の構成(その他を含むセグメント合計399億円)
- 半導体関連材料 207億円
- クオリティオブライフ関連製品 129億円
- 高機能プラスチック 62億円
- その他 0.7億円
合計399億円から全社費用などの調整額54億円を引いた後が連結事業利益345億円になります。
05勤務地と職種
どこで、どんな仕事をするか
拠点は本社の東京・天王洲、栃木の宇都宮工場と鹿沼工場、静岡の静岡工場(藤枝)、兵庫の尼崎工場と神戸事業所、大阪・名古屋の事務所です。 新卒の募集は事務系と技術系の2区分で、採用枠は全専攻に共通です。
主な勤務地・拠点
- 本社
- 東京都品川区東品川二丁目5番8号 天王洲パークサイドビル営業・管理部門
- 宇都宮工場・研究所
- 栃木県宇都宮市清原工業団地先端材料研究所、情報通信材料研究所
- 静岡工場・研究所
- 静岡県藤枝市高柳コーポレートエンジニアリングセンター、HPP技術開発研究所、情報通信材料研究所
- 尼崎工場・神戸事業所
- 兵庫県尼崎市、神戸市西区フィルム・シート研究所、バイオ・サイエンス研究所
- 鹿沼工場
- 栃木県鹿沼市さつき町産業機能性材料研究所
- 営業事務所
- 大阪市中央区、名古屋市名東区
新卒の募集職種区分
- 営業
- 経理
- 企画
- 総務
- 法務
- 人事
- 購買
- 生産管理
- 情報システム
- 基礎研究
- 応用研究
- 新製品開発
ほか4件
- 製造スタッフ
- 品質保証
- 生産技術
- 技術管理
前半9区分が事務系、後半7区分が技術系です。 情報システムは両区分に掲載されています。
応募の流れ
- ナビサイトまたは採用マイページからエントリーする
- エントリー後のマイページで案内される説明会と選考フローの日程を控える
- 事務系・技術系のどちらで応募するかを選ぶ(採用枠は全専攻に共通)
06これから
会社が次に取りにいくもの
2030年のありたい姿として事業利益550億円、事業利益率13%、ROE10%が掲げられています。 2026年3月期の単年実績は事業利益345億円、事業利益率10.8%、ROE8.8%で、いずれも目標の手前にあります。
2030年ありたい姿と2026年3月期実績
- 事業利益 345億円 2030年ありたい姿は550億円。
- 事業利益率 10.8% 2030年ありたい姿は13%。 実績は決算短信の売上収益事業利益率
- ROE 8.8% 2030年ありたい姿は10%。 実績は決算説明会資料の記載値
- 設備投資500億円(2024〜2026年度)
- 成長投資200億円
- 戦略的投資500億円
- 300億円を株主還元(2024〜2026年度)
- 配当性向40%程度
2030年の数値は会社目標、実績は2026年3月期の値です。
これからの材料
- 半導体関連材料の2026年度の取り組み
- AIサーバー(パワー・メモリー)需要拡大への対応、AI半導体向け液状封止材の顧客検証開始、中国での新工場の認定完了、京セラから譲受したビジネスとのシナジー創出、ヒューマノイドロボット用ステーター封止材の量産開始が挙げられています。 詳細は 決算説明会資料 の半導体関連材料の頁にあります。
- 高機能プラスチックの構造改革
- 住友ベークライトは北米フェノール樹脂事業を中心に構造改革を続けています。
- 環境・SDGsの目標
- GHG排出量は2021年度比48%削減という2030年削減目標に対し、2025年度見込みが52%削減、2026年度目標が54%削減です。 SDGs貢献製品の売上収益比率は2030年度70%目標に対し2025年度見込みが68.7%です。
2030年ありたい姿と現在地
決算説明会資料は2030年のありたい姿として事業利益550億円、事業利益率13%、ROE10%を掲げます。 2026年3月期の実績は事業利益345億円、売上収益事業利益率10.8%、ROE8.8%です。 550億円、13%、10%は2030年の会社目標です。
AIサーバーとパワーデバイス向け材料の拡大
2026年度の取り組みとして、AIサーバー(パワー・メモリー)需要拡大への対応、AI半導体向け液状封止材の顧客検証開始、拡大が続く中国での新工場の認定完了、京セラから譲受したビジネスとのシナジー創出、ヒューマノイドロボット用ステーター封止材の量産開始が挙げられています。 これらの売上は半導体関連材料セグメントに含まれます。
高機能プラスチックの強化領域比率
半導体・モビリティ等の強化領域が高機能プラスチック売上に占める比率は2025年度実績17%です。 会社は2026年度に中期計画目標の20%を目指しています。 放熱絶縁シート材料とCOPLUSは、それぞれ2030年度売上収益50億円が会社の目標です。 50億円は2030年度の会社目標です。
先端パッケージ用液状封止材の立ち上げ
EME-Lシリーズは、モールドアンダーフィルによりアンダーモールドとオーバーモールドの工程を一体化し、AI技術の進展で大型化・複雑化する半導体パッケージに対応する製品として供試が始まっています。 会社は2026年4月に供試を始め、2027年の認定採用を目指しています。
07入口を選ぶ
専攻から、入口を1つに絞る
封止材、液状封止材、ダイボンディングペースト、液状エポキシ樹脂、高機能プラスチックのうち、自分の専攻と重なる製品を1つ選び、そこから事務系・技術系のどちらで応募するかを決めます。
品質保証 / 保守・保全 / 技術管理
顧客の量産条件に対する品質保証、設備の保守保全、技術管理を担う入口です。
- Quality
- Reliability
- Analysis
- Maintenance
応募前の3手
- スミコンEME / EME-Lシリーズ / スミレジンエクセルCRM / スミマックECR / COPLUSから担当したい製品を1つ選ぶ
- 研究・実務の測定値を1つ用意し、耐湿性、熱耐久性、低反り、熱伝導率のどれと結ぶかを1つ選ぶ
- 募集要項の職種区分と勤務時間、事業所・工場一覧の所在地を公式ページから書き出す
面接で使う技術語
- Epoxy
- Encapsulation
- Underfill
- Thermal Conductivity
- Adhesion
- Process
- Equipment
- Scale-up
- Compounding
- Engineering
他社との違いを一言で
- 半導体封止材・後工程材料
レゾナック
封止材とパッケージ材料で重なります。住友ベークライトは高機能プラスチックとクオリティオブライフ関連製品が連結売上の3分の2を占める構成で、事業ポートフォリオの広がり方が異なります。
- 半導体封止材
信越化学工業
半導体封止材で重なります。住友ベークライトの情報通信材料はエポキシ樹脂成形材料と液状封止材が軸です。
- パッケージ基板材料
味の素
層間絶縁材で用途が近接します。住友ベークライトは半導体パッケージ基板用材料としてスミライトLαZを持ち、封止・接合・基板の材料が1社に揃います。
- 半導体用感光性材料
東京応化工業
感光性材料で重なります。東京応化工業はフォトレジストを軸とし、住友ベークライトはウェハー保護向けの感光性材料を情報通信材料の一部として持ちます。
出典15件
- 公式 会社概要
- 公式 事業所・工場一覧
- 公式 研究所一覧
- 公式 情報通信材料 製品一覧
- 公式 半導体封止用エポキシ樹脂成形材料 スミコンEME
- 公式 ダイボンディング用ペースト スミレジンエクセルCRM
- 公式 精密エポキシ樹脂 液状エポキシ樹脂
- 公式 高機能プラスチック事業 製品一覧