シール・FPC 半導体製造装置向けシール部材
NOK
自動車用シールとスマートフォン用FPCで稼ぎ、イーグル工業と統合した会社
組替前の区分で売上7,384億円の48.3%が自動車向けで、半導体製造装置向けシールは一般産業機械向け14.8%の一部です。
イーグル工業との経営統合で、イーグル工業の磁性流体シールや耐プラズマOリング「スペリア」と組み、半導体製造装置向けでの協働を掲げています。
NOKは前の中期計画で、半導体製造装置向けを含む 一般産業機械向けの売上 が計画に届きませんでした。 2027年3月期第1四半期には シール事業の一般産業機械向け が、組替後の区分で前年同期比15.2%増えました。
- 2026年3月期 連結売上高 7,384億円 前期比3.7%減。 営業利益330億円、営業利益率4.5%
- 2026年3月期 シール事業 営業利益 279億円 売上3,674億円、営業利益率7.5%。 電子部品事業の営業利益は40億円
- 2027年3月期第1四半期 シール事業 営業利益率 9.7% 組替後の区分で前年同期7.1%。 シール事業の一般産業機械向け売上は310億円で15.2%増
2026年3月期の連結売上高(産業別、2027年3月期の区分組替前)
- 自動車向け3,568億円
- 電子機器向け2,721億円
- 一般産業機械向け(半導体製造装置向けを含む)1,096億円
この会社の要点
01立ち位置
何の会社として比べるか
NOKは、自動車用シールとスマートフォン向けFPCが売上の大半を占める部品メーカーです。 半導体製造装置向けのシールは一般産業機械向けに含まれ、2026年3月期の一般産業機械向けは連結売上の14.8%でした。
2025年3月期から2027年3月期予想までの売上高と営業利益
連結売上高
連結営業利益
どの地域で売っているか
販売元の所在地別売上高(連結)
磁性流体シール
磁石の磁力線に沿って集まる磁性流体を回転軸のシール部に保持し、大気と真空を遮断するイーグル工業の製品です。 磁性微粒子、界面活性剤、ベース液をすべてグループ内で開発・製造し、冷却機なしで雰囲気温度220℃まで、作動排気なしでE-09Pa以下(常温)まで対応します。 活用例は半導体製造装置、装置用バルブ・ロボット、真空チャンバー下部、シリコン単結晶引き上げ装置です。
- 磁性流体シール(同軸2軸・3軸の多軸対応)
半導体用Oリング・バルブシール
イーグル工業の「スペリア」から、耐プラズマ用のF2815と耐薬品用のFP64をそろえ、F2815はプラズマ照射後の重量減少率をフッ素ゴムの約半分に抑えます。 ハイスペック品として、Dupont社(現Qnity社)が開発したパーフロロエラストマー「KALREZ」の耐プラズマ用8002・6005、耐熱用8900、耐薬品用W240UPも扱います。 ゲートバルブやスリットバルブの弁体にシール材を一体成型したイーグル工業の「スペリア」ドアシールもあります。
- 「スペリア」F2815
- 「スペリア」FP64
- 「KALREZ」8002・6005
- 「KALREZ」8900
真空・半導体用潤滑剤
完全フッ素化オイル(パーフルオロポリエーテル)を基油にした低蒸気圧・低アウトガスのグリースです。 「BARRIERTA」SUPER IS/Vを主力に、真空ポンプの軸受、エッチング装置のOリング、ウェーハ搬送ロボットの軸受、薄膜形成装置のボールねじ・ガイドを採用イメージに挙げています。
- 「BARRIERTA」SUPER IS/V
- クリーンルーム用低発塵グリース
02収益
どこで、どれくらい儲けているか
利益はシール事業が稼ぎます。 2026年3月期は営業利益279億円で利益率7.5%、電子部品事業は売上がほぼ同じ規模で営業利益40億円でした。
売上高7,384億円 / 営業利益330億円
売上高は前期比3.7%減、営業利益は11.5%減です。 為替差益で経常利益は498億円、投資有価証券売却益で親会社持分純利益は463億円まで増えました。
シール事業3,674億円 / 電子部品事業3,451億円
シール事業の営業利益は279億円で営業利益率7.5%、電子部品事業は40億円で1.1%でした。 電子部品事業は連結売上の46.7%を占めますが、利益への寄与は小さい構造です。
売上高1,812億円 / 営業利益77億円
売上高は前年同期比5.5%増、営業利益は9.3%増です。 シール事業は売上985億円・営業利益96億円で、電子部品事業は売上811億円で営業損失−22億円でした。 セグメントは組替後の区分です。
売上高7,566億円 / 営業利益350億円
シール事業は売上3,934億円・営業利益308億円、電子部品事業は売上3,568億円・営業利益35億円を見込みます。 シール事業にはHDD向けゴム・樹脂製品などの移管による売上約130億円、営業利益約15億円が含まれます。 前提為替は1米ドル155.00円で、統合前のNOK単独の予想です。
売上高8,450億円の目標に対し7,384億円
営業利益は目標575億円に対し330億円で、達成率は57.4%でした。 会社は半導体製造装置向けなど一般産業機械向けの売上が計画通りに実現しなかったことを未達の要因に挙げています。
2026年3月期のセグメント別営業利益(組替前の区分)
シール事業の一般産業機械向け売上(2027年3月期の組替後の区分)
03強みとリスク
強みと、リスク・検討点
強みは、会社が新規参入企業はなく安定したポジションを維持できるとみるシール事業の利益と、イーグル工業の金属・磁性流体技術を取り込む統合です。 弱点は売上の半分近くが自動車向けで、FPCはApple1社と価格競争に左右される点です。
強み
- 利益を出すのはシール事業
組替前の区分で、2026年3月期のシール事業は売上3,674億円、営業利益279億円で、営業利益率は7.5%です。 組替後の区分の2027年3月期第1四半期は、売価転嫁などの価格改定と販売増で営業利益が96億円になり、利益率は9.7%まで上がりました。 NOKは、シールには新規参入企業がなく、安定したポジションを維持できると見ています。
2027年3月期 第1四半期決算補足情報 - 有機材料から無機材料までそろう統合
NOKはゴム・樹脂のシール、イーグル工業は金属・セラミック材料のメカニカルシールの総合メーカーです。 両社は統合で技術を融合し、半導体分野などで高度化するシーリング性能への要求に応える計画です。 磁性流体シールや「スペリア」はイーグル工業の製品で、統合後は同じ製品サイトに並んでいます。
2026年3月期 決算説明会資料 - シール事業の一般産業機械向けが伸び始めた
組替後の区分で、シール事業の一般産業機械向け売上は2027年3月期第1四半期に310億円となり、前年同期の269億円から15.2%増えました。 日本と中国の建設機械向けが中心です。 通期では1,097億円から1,186億円へ8.1%増を見込みます。 連結の一般産業機械向けは、その他事業の縮小で第1四半期に340億円から323億円へ減りました。
2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結) - 研究開発費の大半をシールに投じる
2026年3月期の研究開発費は103億円で、そのうちシール事業が86億円と83.6%を占めます。 この数値にイーグル工業は含まれません。 1960年からはフロイデンベルグ社と資本・技術提携を続けています。
有価証券報告書 2026年3月期 - 厚い自己資本
2027年3月期第1四半期末の自己資本比率は65.7%です。 2027年3月期の設備投資計画は700億円で、前期の484億円の1.45倍です。
2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
リスク・検討点
- 半導体装置向けは計画に届かなかった
前の中期計画で会社は、半導体製造装置向けなど一般産業機械向けの売上が計画通りに実現しなかったと総括しました。 シール事業の売上は目標4,150億円に対して3,674億円、営業利益は目標419億円に対して279億円でした。
2026年3月期 決算説明会資料 - Apple1社とスマートフォンへの依存
2026年3月期のApple向け売上は1,033億円で連結売上の14.0%、すべて電子部品事業です。 電子部品事業の用途はスマートフォンが50%を占めます。 会社自身も、特定の市場・顧客層への依存度が高いと環境認識に書いています。
有価証券報告書 2026年3月期 - FPCの価格競争と赤字
会社は電子部品について、価格低下圧力が強まり、コスト競争力の高い中華系のプレゼンスが高まると見ています。 2027年3月期第1四半期の電子部品事業は売上が11.2%増えたのに、人件費の増加やアジア拠点の現地通貨高で営業損失が−22億円に広がりました。
2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結) - 自動車生産への感応度
組替前の区分で、2026年3月期のシール事業売上のうち自動車向けは2,796億円で76.1%、一般産業機械向けは878億円で23.9%です。 前の中期計画では、日系OEMの自動車生産台数が前提から外れ、BEV市場の成長鈍化で自動車向け売上が下振れしました。
2026年3月期 決算補足情報 - 為替と中国の比重
海外売上高比率は約7割で、2026年3月期の販売元所在地別売上は中国が3,014億円と連結の40.8%を占めます。 2027年3月期第1四半期の営業外の増益は為替差益によるもので、米ドルの平均レートは145.46円から159.44円へ動きました。
有価証券報告書 2026年3月期
04待遇
給与、初任給、休日、手当
新卒の初任給は修士了28万2,100円、大学卒26万3,100円で、2026年4月入社者から1万8,500円引き上げられました。 NOK単体の平均年間給与は847.5万円、平均年齢は42.3歳、平均勤続年数は19.3年です。
新卒初任給(月給、グローバルコース)
- 新卒の初任給
- 2026年4月実績で博士了30万8,100円、修士了28万2,100円、大学卒26万3,100円、高専卒24万6,600円です。
- 平均年間給与
- 有価証券報告書ではNOK単体の従業員3,153名、平均年齢42.3歳、平均勤続年数19.3年、平均年間給与847万5,417円で、前期から5.4%増えました。 有価証券報告書 2026年3月期 の従業員の状況に載ります。
- 休日と休暇
- 土日の完全週休2日制で、年末年始、GW、夏期連休があります。 新卒は有給休暇17日〜20日で、キャリア採用の年間休日は121日です。
- 働き方のデータ
- 採用サイトでは残業時間が月平均14.1時間、年間有給休暇取得日数が平均17.4日、3年後定着率が91.6%です。 データから見る働き方 で一覧できます。
- 福利厚生
- 独身寮、社宅、社内預金制度、住宅融資制度、持株制度、退職金・年金制度、育児休業制度、在宅勤務制度などがあります。
05勤務地と職種
どこで、どんな仕事をするか
本社は東京都港区芝大門です。 NOKの事業場は福島、二本松、北茨城、静岡、東海、鳥取、熊本にあり、研究拠点は神奈川の湘南R&Dセンターです。 統合でイーグル工業のつくば、埼玉、高砂、岡山の事業場が同じグループに入りました。
主な勤務地・拠点
- 本社
- 東京都港区芝大門NOK Group株式会社と同じ所在地
- NOKの国内事業場
- 福島事業場、二本松事業場、北茨城事業場、静岡事業場、東海事業場、鳥取事業場、熊本事業場
- 研究
- 湘南R&Dセンター(藤沢事業場)神奈川県
- イーグル工業の事業場
- つくば事業場、埼玉事業場、高砂事業場、岡山事業場
新卒採用の職種
- 研究
- 材料技術
- 製品開発・製品設計
- 生産技術
- 製造技術
- 品質管理
- 技術営業
- 情報システム
- 販売営業
- 経理
技術開発、モノづくりエンジニア、技術営業、システムエンジニア、技術系オープン、事務系オープンの6コースから応募します。
06これから
会社が次に取りにいくもの
2026年10月1日にイーグル工業と経営統合し、NOK Group株式会社が発足しました。 統合の効果は当面コスト面が中心で、半導体製造装置向けをはじめとする高付加価値製品での協働が売上面の柱です。
前の中期計画の目標と2025年度実績
- 連結売上高 7,384億円 目標は8,450億円
- 連結営業利益 330億円 目標は575億円
- シール事業売上高 3,674億円 目標は4,150億円
- 電子部品事業売上高 3,451億円 目標は4,018億円
これからの材料
- 統合効果
- 2029年3月期に、両社の個別計画の合算から統合会社の営業利益額を10%超上積みすることをめざすと 2026年3月期 決算説明会資料 に載ります。
- 半導体分野
- 半導体分野などの一般産業機械向けで高度化するシーリング性能への要求に、有機材料と無機材料の両方の技術で応える方針です。
- 設備投資
- 2027年3月期の連結設備投資計画は700億円で、シール事業は361億円、電子部品事業は279億円です。
イーグル工業との半導体装置向け協働
統合効果として、営業資産の相互活用や拠点の統合に加え、半導体製造装置向けをはじめとする高付加価値製品での協働を掲げます。 2029年3月期に、両社の個別計画の合算から統合会社の営業利益額を10%超上積みすることをめざします。 統合後3年間の効果はコスト面が主になると会社は想定しています。統合会社としての戦略や計画は統合後に公表する予定で、半導体製造装置向けの協働がどの規模で売上に結びつくかはその計画の中身で決まります。
一般産業機械向けの拡大
新しい中期計画では、自動車業界への過度の依存から脱却し、建機・農機にとどまらない一般産業機械向けの売上拡大を図ると書いています。 今後の拡大市場としてデータセンター、医療、ロボティクスを挙げています。 第1四半期の伸びは日本と中国の建設機械向けが中心でした。半導体装置向けが伸びの柱になるかは、装置メーカーの投資の回復次第です。
設備投資の積み増し
2027年3月期の連結設備投資計画は700億円で、シール事業は組替後の前期256億円から361億円へ増やします。 電子部品事業は209億円から279億円です。 営業利益350億円の予想に対して投資額が大きく、投資先の需要が想定どおり伸びるかで回収期間が変わります。
07入口を選ぶ
専攻から、入口を1つに絞る
磁性流体シール、半導体用Oリング、真空用潤滑剤のうち自分の専攻と重なる製品を1つ選び、技術開発、モノづくりエンジニア、技術営業のどのコースで応募するかを決めます。
技術開発コース(研究・材料技術・製品開発・製品設計)
材料技術はゴム・プラスチックなどの高分子分野で、顧客の要求特性に応じた新材開発や劣化メカニズム検証、新規原料の分析を担います。 半導体用Oリングの耐プラズマ・耐薬品材料はこの領域の製品です。
公式採用情報モノづくりエンジニアコース(生産技術・製造技術・品質管理)
生産技術は生産に関わる共通技術の開発、生産機械の標準化、新加工技術の開発を企画し、設備の設計・導入を行います。 キャリア採用では福島事業場で生産設備設計・AX企画・プロセス開発等の生産技術職を募集しています。
公式採用情報技術営業コース
顧客の主に設計部門に対して、専門的な技術面での開発サポートや自社製品のPR、コーディネートを担います。 一般産業機械関係の主な取引先には荏原製作所や小松製作所が並びます。
- Technical Sales
- Semiconductor Equipment
- Vacuum Seal
- Customer Support
応募前の3手
- 「スペリア」F2815、「KALREZ」6005、磁性流体シールから1つを選び、使われる装置の部位と求められる特性をノートへ書く
- 2026年3月期(組替前の区分)のシール事業と電子部品事業の売上・営業利益を書き出し、配属されたい事業を決める
- 募集要項のコース、勤務地、初任給、選考方法を公式ページから書き出す
面接で使う技術語
- Elastomer
- FFKM
- Plasma Resistance
- Material Development
- Tribology
- Production Engineering
- Molding
- Quality Control
- Automation
- Fukushima
技術系は機械、電気・電子、制御、化学・物質、金属・材料、情報・経営工学、数学・物理などの学科が対象です。
他社との違いを一言で
- 磁性流体と真空シール
フェローテック
フェローテックは主要8製品に磁性流体と真空シールを挙げ、石英製品、シリコンパーツ、セラミックス製品も並べています。NOKグループの磁性流体シールはイーグル工業の製品で、磁性微粒子・界面活性剤・ベース液をグループ内で開発・製造しています。
- 半導体製造装置向けのOリング
バルカー
バルカーは半導体製造産業向けにふっ素ゴムOリングや、金属管をエンドレス加工した金属中空Oリングを載せています。NOKグループは耐プラズマ用「スペリア」F2815と「KALREZ」8002・6005、耐薬品用FP64・W240UP、弁体一体成型のドアシールを扱います。
- FPC
フジクラ
フジクラは電子部品・コネクタ・フレキシブルプリント配線板(FPC)の技術で顧客の最先端アプリケーションに応えると事業紹介に書いています。NOKグループのFPCはメクテックが担い、2026年3月期の電子部品事業の売上は3,451億円、営業利益は40億円でした。
出典25件
- 公式 NOK Group 会社概要
- 公式 NOK Group 事業紹介
- IR 2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結) 2027年3月期第1四半期
- IR 2027年3月期 第1四半期決算補足情報 2027年3月期第1四半期
- IR 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) 2026年3月期
- IR 2026年3月期 決算説明会資料 2026年3月期
- IR 2026年3月期 決算補足情報 2026年3月期
- IR 有価証券報告書 2026年3月期 2026年3月期
ほか17件
- 公式 磁性流体シール
- 公式 半導体用Oリング「スペリア」
- 公式 半導体用Oリング パーフロロエラストマー「KALREZ」
- 公式 一体成型バルブシール「スペリア」ドアシール
- 公式 真空・半導体用潤滑剤
- 公式 溶接金属ベローズ
- 採用 NOKグループ採用情報
- 採用 新卒採用 募集要項
- 採用 職種紹介
- 採用 拠点紹介
- 採用 データから見る働き方
- 採用 キャリア採用
- 採用 初任給引き上げおよび有給休暇制度改定のお知らせ
- 採用 キャリア採用求人の募集開始(生産技術職_福島勤務)
- 公式 フェローテック 主力製品
- 公式 バルカー 半導体製造産業向け製品
- 公式 フジクラ 事業紹介