半導体製造装置 ウェーハ研削・研磨装置
岡本工作機械製作所
平面研削盤の会社をウェーハ研磨装置が支える
売上の31.9%にあたる半導体関連装置が、セグメント利益の96.4%を稼ぐ研削盤メーカーです。
半導体受注70億円を2027年3月期第1四半期だけで積み、減っていた受注残は207億円へ戻りました。
岡本工作機械製作所はウェーハ用の ファイナルポリッシャーとグラインダ で利益の大半を稼ぎます。 2027年3月期第1四半期の半導体受注高 は70億円で、前年同期比469.7%でした。
- 2026年3月期 半導体関連装置売上高 135億円 前期比5.4%増で、連結売上高425億円の31.9%
- 2026年3月期 半導体セグメント利益 27億円 利益率20.2%。 工作機械のセグメント利益は1.0億円
- 2027年3月期第1四半期 半導体受注高 70億円 前年同期比469.7%。 受注残高は207億円
2026年3月期のセグメント別売上高
- 工作機械289億円
- 半導体関連装置135億円
この会社の要点
01立ち位置
何の会社として比べるか
岡本工作機械製作所は平面研削盤の会社として売上の68.1%を工作機械で上げますが、半導体ウェーハのポリッシング・グラインディング工程の装置が利益を支えます。 半導体の受注高は2026年3月期に前期比17.0%増の93億円となり、2027年3月期第1四半期は3か月で70億円に達しました。
半導体受注高と受注残の最新実績
半導体受注高の最新実績
半導体関連装置の受注残高
全社の売上はどの地域から来ているか
地域別売上高(全社)
ポリッシングマシン
エッジプロファイルと除去量の均一性を高めた材料ウエーハ用の全自動ポリッシャーです。 300mmウェハー用のファイナルポリッシャーPNX332B、450mmウェハー用のPNX1200/PNX1200S、CMP装置SPP600Sを製品に並べます。 2026年3月期は国内や東アジア向けにファイナルポリッシャーの受注を獲得しました。
- ファイナルポリッシャー PNX332B
- 450mmウェハー用ファイナルポリッシャー PNX1200/PNX1200S
- CMP SPP600S
- ポリッシングマシン SPPシリーズ
バックグラインダー
ウェハーを薄く加工するバックグラインド工程向けの装置です。 GNX300Bはφ300mmのシリコンを厚み10μmまで研削した常温接合薄ウェハーの加工例があり、GNX200BHはφ100mmのSiCパワー半導体ウェハーを加工します。 会社はウェハー破損率ゼロで歩留まり向上に貢献する装置とうたっています。
- 200mm/300mmバックグラインダー GNX200B、GNX200BH / GNX300B
- 脆性材用バックグラインダー SVG401MKⅡ
スライシング・ラッピング・インゴット研削
ウェーハを切り出す前後の工程向けに、スライシングマシン、ラッピングマシン、インゴット研削盤をそろえます。 インゴット研削盤は方位測定、外周研削、OF/ノッチ研削を全自動で行います。
- スライシングマシン ASM420M / ASM200BR
- ラッピングマシン SPLシリーズ
- インゴット研削盤
平面研削盤(工作機械事業)
売上の68.1%を占める工作機械事業の主力で、会社は平面研削盤のシェアを業界NO.1とうたっています。 2026年3月期の工作機械の売上は289億円でしたが、セグメント利益は1.0億円まで落ちました。
- 精密平面研削盤 PSG-SA1シリーズ
- 精密平面研削盤 PSG-GXシリーズ
02収益
どこで、どれくらい儲けているか
2026年3月期は半導体関連装置が27億円のセグメント利益を上げ、工作機械は1.0億円でした。 全社費用13億円を差し引いた営業利益15億円は、ほぼ半導体の稼ぎです。
売上高425億円 / 営業利益15億円
売上高は前期比2.8%減、営業利益は49.6%減で、売上高営業利益率は前期の6.9%から3.6%に下がりました。
売上高135億円 / セグメント利益27億円
売上高は前期比5.4%増、セグメント利益は8.6%減で、利益率は前期の23.3%から20.2%になりました。 受注高は93億円、期末受注残高は159億円です。
連結売上高82億円 / 営業損失−3.7億円
半導体関連装置の売上は21億円で前年同期比42.2%減、セグメント利益は1.5億円でした。 受注高は70億円、受注残高は207億円です。
売上高500億円 / 営業利益30億円
売上高は前期比17.6%増、営業利益は97.6%増の予想です。 決算説明会資料は、1期遅れるものの2026年3月期に目標とした売上高500億円の達成を期すと記載しています。
2026年3月期のセグメント利益
半導体関連装置の売上高の推移
03強みとリスク
強みと、リスク・検討点
強みはウェーハを平らに磨くファイナルポリッシャーと、利益率20.2%の半導体関連装置です。 2026年3月期の工作機械のセグメント利益は1.0億円で、利益は半導体関連装置に偏っています。
強み
- 利益の大半を半導体関連装置が生む
2026年3月期のセグメント利益は半導体関連装置が27億円、工作機械が1.0億円で、合計の96.4%を半導体が占めました。 半導体の利益率は20.2%で、工作機械の0.4%とは桁が違います。 会社は中長期戦略で半導体関連装置事業を積極投資セグメントと位置づけています。
2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) - ファイナルポリッシャーの受注
会社は採用サイトでファイナルポリッシャーの世界トップシェア獲得をうたっています。 2026年3月期は国内や東アジア向けにファイナルポリッシャーの受注を獲得し、化合物半導体加工用とウェーハ生産用のファイナルポリッシャーやグラインダを販売しました。
採用情報 - 受注の加速
2027年3月期第1四半期の半導体受注高は70億円で、前年同期比469.7%でした。 前期1年間の受注高93億円の75.2%を3か月で受けた計算です。 受注残高は3か月で48億円増えて207億円になり、2026年3月期の半導体売上の1.53倍です。
2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結) - 厚い自己資本
2026年3月期末の自己資本比率は63.5%で、前期末の60.7%から上がりました。 現金及び現金同等物は143億円です。
2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) - ウェーハ製造工程を通しでそろえる装置群
インゴット研削、スライシング、ラッピング、グラインディング、ポリッシングまで、ウェーハを平らに整える工程の装置を自社でそろえます。 半導体関連装置の製造は本社を主に、国内子会社の岡本工機と大和工機が担います。
有価証券報告書 第127期
リスク・検討点
- 受注の振れ幅が大きい
半導体の受注高は2026年3月期に93億円で売上135億円の0.69倍にとどまり、受注残は前期比79.0%の159億円に減りました。 半導体関連装置の売上は2024年3月期の185億円から2025年3月期に128億円へ落ちています。 有価証券報告書は、工作機械と半導体関連装置の業界が景気変動の影響を受けやすいと記載しています。
2026年3月期 決算説明会資料 - 工作機械事業の利益がほぼ消えた
工作機械は売上289億円で全社の68.1%を占めますが、2026年3月期のセグメント利益は前期比92.5%減の1.0億円でした。 前期は13億円で利益率4.5%でした。 2026年3月期のセグメント利益合計28億円のうち、半導体関連装置が96.4%を占めます。
2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) - 中国向け売上の比重
2026年3月期の連結売上のうち中国向けは92億円で、全社の21.7%です。 決算説明会資料は中国の大型平面研削盤の受注好調を挙げ、半導体関連装置の中計にも中国アフターサービスの充実を掲げています。 有価証券報告書は予期せぬ法律や規制の変更を海外事業のリスクに挙げています。
有価証券報告書 第127期 - 出荷時期のずれで四半期利益が振れる
2027年3月期第1四半期は一部案件がユーザーの要望で第2四半期以降へずれ込み、半導体の売上は前年同期の37億円から21億円へ、セグメント利益は10億円から1.5億円へ落ちました。 連結では−3.7億円の営業損失です。
2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結) - 研究開発費の規模が小さい
2026年3月期の研究開発費は1.4億円で、売上高の0.34%です。 半導体関連装置セグメントの研究開発費は0.8億円でした。 2027年3月期は3.0億円に増やす計画です。 2026年3月期の設備投資額は53億円、うち半導体関連装置の有形・無形固定資産の増加は21億円でした。
2026年3月期 決算説明会資料
04待遇
給与、初任給、休日、手当
新卒の大学卒の基本給は月給24万5,400円(2025年6月実績)、年間休日は124日です。 有価証券報告書では、提出会社504名の平均年間給与は620万円、平均年齢は42.6歳、平均勤続年数は15.8年です。
- 新卒の基本給
- 大学卒業の基本給は月給24万5,400円(2025年6月実績)で、昇給は年1回、賞与は7月と12月の年2回です。 新卒採用 募集要項 に勤務地と職種も載ります。
- 勤務時間と休日
- 本社・安中工場は8:00〜17:00、営業所は9:00〜18:00です。 完全週休2日制(土日)で、GW、夏季、年末年始の休暇を含め年間休日は124日です。
- 平均年間給与
- 2026年3月期の提出会社の従業員は504名、平均年齢42.6歳、平均勤続年数15.8年、平均年間給与は620万円(約620万円)です。 有価証券報告書(2026年3月期) の従業員の状況に載ります。
- 半導体関連装置の人員
- 連結従業員2,229名のうち、工作機械が2,016名、半導体関連装置が178名で8.0%です。 提出会社504名では半導体関連装置が113名です。
05勤務地と職種
どこで、どんな仕事をするか
本社・安中工場は群馬県安中市にあり、半導体装置営業本部も同じ所在地です。 半導体関連装置の技術開発棟として2025年12月にさいたま市の東京テクニカルセンターを開き、九州では伊万里市のサポート拠点と都城市の大和工機で体制を広げています。
主な勤務地・拠点
- 本社・安中工場
- 群馬県安中市郷原2993半導体装置営業本部も同所
- 東京テクニカルセンター
- 埼玉県さいたま市北区日進町2025年12月開設の半導体ショールーム・デモテストルーム。 首都圏営業所も入る
- 九州の半導体拠点
- 九州テクニカルサポートセンター(佐賀県伊万里市)、大和工機(宮崎県都城市)大和工機は高硬度材向けグラインダーの生産体制を構築中
- 海外
- タイ、シンガポール、中国に生産拠点、米国・欧州・アジアに販売拠点
新卒採用の職種
- 機械設計
- システム開発・設計
- 制御回路開発・設計
- 技術開発
- 製造
- 品質保証・管理
- 生産技術
- 企画営業(国内・海外)
- 調達・購買
前半7つが技術職系、後半2つが営業職・事務職系の職種です。
06これから
会社が次に取りにいくもの
会社はビジョン2030で連結売上高700億円、営業利益率16%を掲げ、半導体関連装置を積極投資セグメントに置きます。 2026年3月期は売上高425億円、営業利益率3.6%で、目標との差は大きく開いています。
ビジョン2030の数値目標と2026年3月期実績
- 連結売上高 425億円 目標は700億円
- 連結営業利益率 3.6% 目標は16%
- 連結配当性向 85.7% 目標は45%以上
これからの材料
- 次世代材料
- パワー半導体(SiC、GaN)と通信デバイス向け(LT/LN)ウェハに対応するポリッシャとグラインダの開発を 2026年3月期 決算説明会資料 の中計戦略に掲げています。
- PLPとデバイス工程
- 自動搬送洗浄付きのグラインダとポリッシャーを開発中で、515X510mmや□600mmのパネルに対応する開発機を載せています。
- 生産体制
- 投資を含めて売上300億円を支える生産体制の構築と、九州テクニカルセンターによる売上拡大を掲げています。
PLPとデバイス工程向けの新装置
決算説明会資料は、デバイス工程への導入を考慮した自動搬送洗浄付きのグラインダとポリッシャーの開発を掲げ、515X510mmや□600mmのパネルに対応する開発機をラインナップに載せています。 有価証券報告書はパッケージ基板用の研削盤やポリッシュ盤の開発にも触れています。 パネル対応の装置は決算説明会資料で開発機に分類されています。会社はPLP向け加工装置への関心が高まりつつあるとみています。
SiC・GaN・LT/LN向けの次世代機種
中計はSiウェハ向けポリッシャのシェア維持と並べて、パワー半導体(SiC、GaN)と通信デバイス向け(LT/LN)ウェハに対応するポリッシャとグラインダの開発を掲げます。 SAWフィルター用のLTやLNの接合基板も開発対象です。
売上300億円を支える生産体制
半導体関連装置事業の中計は、投資を含めて売上300億円を支える生産体制の構築を掲げます。 九州では大和工機を2023年11月に完全子会社化し、大型のクリーンルームを使って高硬度材向けグラインダーの生産体制を構築中です。 2026年3月期の半導体売上は135億円です。300億円規模の生産体制を埋める受注が続くかが投資回収を左右します。
三井物産との資本業務提携
三井物産が推薦した常勤取締役1名と社外取締役1名が選任されています。 2026年3月期決算短信は、提携を活かした新たな市場開拓や調達ルートの確保を次期の施策に挙げています。 決算説明会資料が挙げる三井物産との連携策は、北米、東南アジア・インド、日本での工作機械の販売強化です。
07入口を選ぶ
専攻から、入口を1つに絞る
ポリッシングマシン、バックグラインダー、スライシング・インゴット研削のうち自分の専攻と重なる装置を1つ選び、技術職系と営業職・事務職系のどちらで応募するかを決めます。
機械設計
新卒の技術職系の募集職種です。 半導体関連装置ではグラインダ、ポリッシャー、スライシングマシンを生産・販売し、デバイス工程向けの自動搬送洗浄付きグラインダとポリッシャーを開発中です。
公式採用情報技術開発
勤務地には東京テクニカルセンター(さいたま市)が含まれます。 会社はここを半導体関連装置の技術開発棟と位置づけ、2025年12月に開設しました。
- SiC
- GaN
- LT/LN
- Process Development
応募前の3手
- PNX332B、GNX300B、SPP600Sから1機種を選び、加工するウェーハの材料とサイズをノートへ書く
- 半導体の受注高と受注残を2026年3月期末と2027年3月期第1四半期末で書き出し、受注の波を自分の言葉で説明する
- 募集要項の職種、勤務地、基本給、選考の流れを公式ページから書き出す
面接で使う技術語
- Mechanical Design
- Polisher
- Grinder
- Wafer
- CMP
- Control Design
- PLC
- Automation
- Equipment Software
- Electrical Design
新卒の技術職系は機械設計、システム開発・設計、制御回路開発・設計、技術開発、製造、品質保証・管理、生産技術などを募集します。
他社との違いを一言で
- ウェーハのグラインダとポリッシャ
ディスコ
ディスコは製品情報の精密加工装置にダイシングソー、レーザソー、グラインダ、ポリッシャを並べ、Kiru・Kezuru・Migakuの技術を掲げています。岡本工作機械の半導体関連装置はポリッシングマシン、グラインディングマシン、スライシングマシンが中心で、2026年3月期の売上は135億円です。
- ポリッシュ・グラインダとCMP装置
東京精密
東京精密は半導体製造装置としてダイシングマシン、プロービングマシン、ポリッシュ・グラインダ、高剛性研削盤、CMP装置、エッジグラインディングマシンを並べ、テスト・アセンブリ・ウェーハ製造の各分野を対象にしています。岡本工作機械はCMP装置SPP600Sやバックグラインダー GNX300Bを持ち、売上の68.1%は工作機械です。
- シリコンウェーハの平坦化装置
スピードファム
スピードファムはシリコンウェーハ等のエレクトロニクス部材の平坦化装置と消耗副資材を手がける大手と自社を紹介し、両面・片面のポリッシャ/ラッパ、ファイングラインダ、エッジポリッシャを扱います。岡本工作機械は材料ウエーハ用の全自動ファイナルポリッシャーPNX332Bや、ラッピングマシン SPLシリーズを持ちます。
出典15件
- 公式 会社概要
- 公式 Okamotoと半導体
- 公式 グローバルネットワーク
- 公式 会社沿革
- 公式 製品ラインナップ
- IR 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) 2026年3月期
- IR 2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結) 2027年3月期第1四半期
- IR 2026年3月期 決算説明会資料 2026年3月期
ほか7件
- IR 有価証券報告書 第127期 2026年3月期
- 採用 採用情報
- 採用 新卒採用 募集要項
- 採用 キャリア採用 募集要項
- 公式 ディスコ 製品情報
- 公式 東京精密 半導体製造装置
- 公式 スピードファム 公式サイト