半導体製造装置 半導体製造装置・精密測定機器
東京精密 / ACCRETECH
測る技術で削り、切る会社
半導体製造装置と精密測定機器の2部門。
売上の76.6%が半導体製造装置部門から出ています。
東京精密は プロービングマシン やダイシングマシンなどの装置と、三次元座標測定機などの測定機器を作っています。 FY2027/3第1四半期の受注高 は658億円で、四半期の既往ピークでした。
- FY2026/3 連結売上高 1,668億円 前期比10.8%増。 受注高は1,630億円で前期比12.0%増
- FY2026/3 連結営業利益 337億円 前期比13.6%増。 売上高営業利益率20.2%
- FY2027/3 会社予想 1,890億円 営業利益440億円。 2026年8月4日に上方修正
FY2026/3 部門別の売上高構成決算短信のセグメント情報
- 半導体製造装置部門1,278億円
- 計測機器部門389億円
この会社の要点
01立ち位置
何の会社として比べるか
東京精密は、半導体製造装置と精密測定機器を、社内カンパニー別の2部門として開示します。
全社と2部門
FY2026/3 売上高
2部門の外部顧客への売上高の合計が、連結売上高と一致します。
FY2026/3 営業利益
セグメント利益は営業利益ベースで、2部門の合計が連結営業利益と一致します。
直近四半期で、受注がどこまで動いたか
部門別の売上高
連結売上高は367億円で前年同期比18.9%増、連結営業利益は59億円で29.2%増です。
部門別の受注高
全社受注高658億円は前年同期比83.3%増で、四半期の既往ピークを更新しました。
プロービングマシン
ウェーハ上のチップの電気的特性を試験するため、ウェーハを搬送して探針へ位置決めする装置です。 300mm対応のAP3000/AP3000e、NAND Flash向けマルチステージのAltaProv、200mm対応のUF2000、ダイシング済みウェーハ向けのFP3000Wを公式製品ページに掲載しています。
- AP3000/AP3000e
- AltaProv
- UF2000
- FP3000W
ダイシングマシン
ウェーハ上に形成したICを1個ずつのチップへ切り出す装置です。 ダイヤモンドブレード式のAD3000T-PLUS、AD3000T-HC PLUS、SS30と、レーザ式のML3200、AL3000を公式製品ページに掲載し、精密切断ブレードと研削砥石も自社の消耗品として販売しています。
- AD3000T-PLUS
- AD3000T-HC PLUS
- ML3200
- AL3000
CMP装置
スラリーと研磨パッドの化学作用と機械研磨でウェーハ表面の凹凸を平坦化する装置です。 300mm対応のChaMP332、200mm以下に対応するChaMP232とChaMP211を公式製品ページに掲載しています。
- ChaMP332
- ChaMP232
- ChaMP211
研削・エッジ加工装置
ウェーハの薄片化とダメージ除去を1台で担うポリッシュ・グラインダ、高剛性研削盤、ウェーハ端面を面取りするエッジグラインディングマシン、インゴット切断後の剥離洗浄機を、半導体製造装置の製品ページに掲載しています。
- ポリッシュ・グラインダ
- 高剛性研削盤
- エッジグラインディングマシン
- 剥離洗浄機
精密測定機器
三次元座標測定機、X線CT装置、表面粗さ・輪郭形状測定機、真円度・円筒形状測定機、光学式シャフト形状測定機、充放電試験システム、レーザ干渉測長器などを計測社が製造販売します。 自動車、工作機械、航空・宇宙・防衛、半導体製造装置部品の品質保証が用途です。
- 三次元座標測定機
- X線CT装置
- 表面粗さ・輪郭形状測定機
- 真円度・円筒形状測定機
02収益
どこで、どれくらい儲けているか
FY2026/3は連結売上高1,668億円に対し、営業利益337億円です。 利益の84.2%が半導体製造装置部門から出ており、計測機器部門は増収と減益が同居しました。
売上高1,278億円 / セグメント利益284億円
売上高は前期比12.7%増、セグメント利益は16.8%増。 連結売上高の76.6%、連結営業利益の84.2%を占めます。
売上高389億円 / セグメント利益53億円
売上高は前期比5.1%増で既往ピークを更新し、セグメント利益は前期比1.1%減です。 増収と減益が同じ年度に出ています。
売上高1,890億円 / 営業利益440億円
2026年8月4日の上方修正後の数値です。 5月13日時点の予想は1,815億円 / 400億円でした。
FY2026/3 部門別の売上高とセグメント利益率
連結の売上高営業利益率20.2%です。
売上高営業利益率の推移
第1四半期は納期が第2四半期へ偏る前提のため、利益率が下がります。
03強みとリスク
強みと、リスク・検討点
2部門を持つ構成と、利益の84.2%が半導体製造装置部門から出る構成が、同じ決算に載ります。
強み
- 2部門を分けて開示する事業構成
半導体製造装置と計測機器を、社内カンパニー別の報告セグメントとして開示します。 FY2026/3は売上高1,278億円と389億円、セグメント利益284億円と53億円で、部門ごとの採算を別々に追えます。
FY2026/3 決算短信(2026年5月13日) - プローバ受注の急増
FY2027/3第1四半期の半導体製造装置部門の受注高は532億円で、前年同期比101.8%増です。 HBMとHPC向け、および中国の検査需要でプローバの引合いが伸び、全社受注高658億円は四半期の既往ピークです。
FY2027/3 第1四半期決算短信(2026年8月4日) - 検査装置と加工装置を両方持つ製品範囲
中期経営計画は半導体製造装置の売上構成を、プローバなど検査装置が6割程度、加工装置が4割程度と想定します。 プロービング、ダイシング、グラインダ、CMP、エッジ研削を1社で製品化します。
中期経営計画(2025-2027年度) - グラインダの生産能力増強
2025年8月27日に竣工した名古屋工場(愛知県愛知郡東郷町)で、ハイブリッドボンディング用グラインダとSi用バックグラインダを生産します。 グループのグラインダ生産能力は従来比で約2倍になる計画です。
名古屋工場 竣工のお知らせ(2025年8月27日) - 自己資本比率76.3%の財務基盤
FY2026/3末の純資産は1,929億円、自己資本比率は76.3%です。 営業活動によるキャッシュ・フローは250億円で、長期借入金50億円を返済しています。
FY2026/3 決算短信(2026年5月13日)
リスク・検討点
- 半導体製造装置部門への偏り
FY2026/3は連結売上高1,668億円のうち1,278億円、連結営業利益337億円のうち284億円が半導体製造装置部門です。 顧客の設備投資サイクルが業績へ直結します。
FY2026/3 決算短信(2026年5月13日) - 計測機器部門の増収減益
FY2026/3の計測機器部門は売上高389億円で前期比5.1%増、セグメント利益53億円で前期比1.1%減です。 FY2027/3第1四半期も売上高82億円で11.8%増、営業利益5.1億円で6.9%減でした。
FY2027/3 第1四半期決算短信(2026年8月4日) - 会社予想の変動幅
FY2027/3の通期予想は2026年5月13日の売上高1,815億円・営業利益400億円から、8月4日に1,890億円・440億円へ修正されました。
FY2027/3 第1四半期決算短信(2026年8月4日) - 地政学と新興競合のリスク
中期経営計画はリスク要因として、民生アプリケーション需要の不確実性、地政学リスク(中国の装置需要と競合)、工作機械受注の鈍化を挙げます。 新興国の競合メーカ台頭も中長期のリスクとして記載します。
中期経営計画(2025-2027年度) - 品質費用が利益へ出た実績
FY2026/3は第2四半期に、半導体製造装置部門の一部製品の不具合対策費用を特別損失へ計上しました。 親会社株主に帰属する当期純利益は247億円で前期比3.5%減となり、増収増益の年度に減益の純利益が出ています。
FY2026/3 決算短信(2026年5月13日) - 技術職手当と住宅手当
技術職手当は月3万円で、機械設計・電気設計・ソフトウェア開発・アプリケーション・ブレードの技術職に付きます。 住宅手当は世帯主が月2.4万円、それ以外が月1.3万円です。
新卒採用 募集要項
04待遇
給与、初任給、休日、手当
新卒初任給(2026年4月実績)
いずれも基本給で、住宅手当(月1.3万円または2.4万円)が別に付きます。
- 諸手当
- 技術職手当3万円(機械設計・電気設計・ソフトウェア開発・アプリケーション・ブレード)、住宅手当13,000〜2.4万円/月、勤務地手当、家族手当、通勤手当全額支給、退職金制度が 公式募集要項 に掲載されています。
- 昇給・賞与
- 昇給は年1回(4月)、賞与は年2回(7月・12月)です。
- 勤務時間・休日
- 技術職、フィールドエンジニア職、機械組立職は8:30〜17:00、営業・管理部門は9:00〜17:30です。 年間休日127日(2026年度)、完全週休2日制(土日)で、年次有給休暇は入社時12日付与、最大20日付与です。
- 住まいの支援
- 借り上げ社宅制度があり、実家から勤務地までの通勤時間が90分以上の人が入居対象です。 入社1〜2年目の家賃は1,750円と記載されています。
- 採用規模と応募資格
- 募集人数は40名程度です。 応募資格は2027年3月に大学院修了・大学卒業・高専卒業見込みの人と、卒業・修了後3年以内の既卒者です。
- キャリア採用の待遇
- キャリア採用の待遇・勤務条件は、職種ごとの求人情報に掲載されます。
05勤務地と職種
どこで、どんな仕事をするか
国内の生産拠点は八王子、飯能、土浦、名古屋の4か所です。 半導体製造装置の技術職は八王子と飯能、精密測定機器の技術職は土浦が勤務地で、フィールドエンジニア職と営業職は国内外の拠点へ広がります。
主な勤務地・拠点
- 本社・八王子工場
- 東京都八王子市石川町2968-2技術職(半導体製造装置)、管理業務職、機械組立職
- 飯能工場
- 埼玉県飯能市茜台2-7-1検査装置の製造。 近隣に新工場の建設を準備
- 土浦工場
- 茨城県土浦市東中貫町4技術職(精密測定機器)
- 名古屋工場
- 愛知県愛知郡東郷町グラインダ生産と中部計測センター(2025年8月27日竣工)
- フィールドエンジニア職の勤務地
- 東京、大阪、熊本、大分、茨城、岩手、宮城、山形、富山、三重、広島、鹿児島、長崎など
- 海外拠点
- 米国、ドイツ、台湾、中国、韓国、タイ、マレーシア、シンガポール、ベトナム、インドネシア、ブラジルなど公式採用FAQは売上高の約7割が海外市場向けと記載
新卒の募集職種
- 技術職(機械設計)
- 技術職(電気設計)
- 技術職(ソフトウェア開発)
- 技術職(アプリケーション)
- 技術職(ブレード)
- フィールドエンジニア職
- 営業職
- 管理業務職
- 機械組立職(半導体製造装置)
技術職とフィールドエンジニア職は理工系学科全般、営業・管理部門・機械組立職は全学部全学科が対象です。 募集人数は40名程度です。
06これから
会社が次に取りにいくもの
中期経営計画(2025-2027年度)の定量目標は、売上高1,850億円、営業利益450億円、営業利益率24%、ROE 15%です。 FY2027/3の会社予想は、売上高で目標を上回り、営業利益は目標の手前にあります。
中期経営計画の定量目標と、FY2027/3会社予想
- 売上高 1,890億円 会社予想1,890億円に対し目標1,850億円(半導体1,400億円、計測450億円)
- 営業利益 440億円 会社予想440億円に対し目標450億円
- 営業利益率 23.3% 会社予想23.3%に対し目標24%。
- ROE目標15%
- FY2026/3実績ROE13.5%
- 2024年度実績1,505億円 / 297億円
定量目標は市場の変動を踏まえ、3か年のいずれかの単年度目標として設定されています。 棒は2026年8月4日修正後の会社予想です。
これからの材料
- 会社予想の上方修正
- FY2027/3の通期予想は2026年8月4日に、売上高1,890億円、営業利益440億円へ引き上げられました。 部門別の売上予想は半導体製造装置1,475億円、計測機器415億円で、1株当たり年間配当予想も276円から304円へ引き上げられました。
- 計測機器の需要先
- FY2026/3は航空・宇宙・防衛分野の事業機会を新たに獲得しました。 FY2027/3はハイブリッド車生産に関連した追加投資、AI向けデータセンタ関連、ロボット関連の引合い増加を想定します。
- 研究開発と設備投資
- FY2027/3の通期計画は研究開発費130億円、設備投資150億円、減価償却費62億円です。 FY2026/3実績はそれぞれ120億円、111億円、56億円でした。
生成AIを含むHPC向けの需要取り込み
FY2027/3上期の半導体製造装置売上高のうち、生成AIを含むHPC関連が4割半ば程度を占める前提です。 ロジックデバイス向けプローバとAIパッケージング向け加工装置が、この区分に入ります。 4割半ばは上期の会社の想定値で、HPC関連には生成AI以外の用途も含みます。
ハイブリッドボンディング向け研削への投資
名古屋工場はハイブリッドボンディング用グラインダの生産を主目的に建設され、Si用バックグラインダや剥離洗浄機、専用測定機も生産します。 工場内には中部計測センターを併設します。 生産能力約2倍は竣工時点の計画値です。
計測と半導体の技術シナジーとリカーリング
中期経営計画は高付加価値プローバ、先端グラインダ、先端ダイサを戦略製品に据え、精密計測機器をビルトインした半導体製造装置と、サービス・消耗品・受託計測・機器校正のリカーリング強化を基本方針として掲げます。 リカーリング事業の売上は2つの報告セグメントの内数です。
生産拠点の追加整備
FY2026/3決算短信は、検査装置の製造を担う飯能工場(埼玉県)の近隣への新工場建設と、八王子市への新たな生産拠点設立の準備を記載します。 2026年5月時点では、どちらも準備段階の計画です。
07入口を選ぶ
専攻から、入口を1つに絞る
プロービングマシン、ダイシングマシン、CMP装置、研削・エッジ加工装置、精密測定機器のうち、自分の専攻と重なる製品を1つ選び、そこから応募職種と勤務地を1つに絞ります。
フィールドエンジニア職
顧客の工場で装置の据付、立ち上げ、保守を担う入口です。 東京、大阪、熊本、大分、茨城など国内各地が勤務地で、海外駐在の可能性もあります。
- Field Engineer
- Installation
- Maintenance
- Uptime
応募前の3手
- AP3000/AP3000e、AD3000T-PLUS、ChaMP332、三次元座標測定機から担当したい製品を1つ選ぶ
- 研究・実務の測定値を1つ用意し、位置決め精度、切断品質、平坦度、測定不確かさから重なる指標を1つ選ぶ
- 募集要項の職種区分と勤務地(八王子・飯能・土浦・名古屋・海外)を公式ページから書き出す
面接で使う技術語
- Prober
- Dicing
- CMP
- Mechanical Design
- Motion Control
- Image Recognition
- Embedded
- Alignment
- Application
- Measurement
他社との違いを一言で
- ダイシングソー / グラインダ
ディスコ
切断と研削の加工装置で直接競合します。東京精密は同じ範囲に加えてプロービングマシン、CMP装置、精密測定機器を持ち、半導体製造装置部門の売上構成は検査装置6割程度・加工装置4割程度が中期経営計画の前提です。
- プローバ
東京エレクトロン
ウェーハプローバで重なります。東京エレクトロンは成膜、エッチング、洗浄、塗布現像まで持つ前工程装置の総合メーカーで、事業構成と売上規模が異なります。
- ウェーハテスト工程
アドバンテスト
工程が隣接します。アドバンテストはテスタ本体を持ち、東京精密はテスタへウェーハを搬送・位置決めするプローバと、加工装置・精密測定機器を持ちます。
- 精密測定機器
ミツトヨ
三次元座標測定機、表面粗さ測定機など精密測定機器で重なります。東京精密は同じ測定技術を半導体製造装置へ振り向ける2部門構成で、FY2026/3の計測機器部門は売上高389億円です。
出典16件
- 公式 会社概要
- 公式 事業紹介
- 公式 半導体製造装置 製品情報
- 公式 プロービングマシン 製品一覧
- 公式 ダイシングマシン 製品一覧
- 公式 CMP装置 製品一覧
- 公式 精密測定機器 製品情報
- ニュース 名古屋工場 竣工のお知らせ(2025年8月27日)