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半導体ファウンドリー 特殊ロジック・メモリ受託製造

PSMC (力積電)

ロジックとメモリを同じ工場で受託する台湾のファウンドリー

PSMCは電源管理ICやDRAMを受託生産する台湾のファウンドリーです。
2026年7〜9月の月次売上合計1,056億円は前年同期の1.8倍で、2025年の営業損失−295億円からの立て直しが数字に出ています。

PSMCは新竹科学園区を拠点に 特殊ロジックとメモリの受託製造 を手がけています。 2026年第2四半期の営業利益率 は21.3%で、2025年の営業損失から黒字に戻りました。

  • 2025年 売上高 2,314億円 前年比4%増。 営業損失は−295億円
  • 2026年第2四半期 売上高 856億円 前年同期比53.3%増、営業利益182億円
  • 2026年7〜9月 月次売上合計 1,056億円 前年第3四半期の586億円から80.3%増

2025年の製品別売上高メモリ(年次報告書の売上内訳)

  • 特殊ロジック受託1,414億円
  • メモリ受託899億円

この会社の要点

向いている入口 製程工程師(プロセスエンジニア)

大学以上の理工系。 経験は問わず、ファウンドリーのプロセスや整合の経験があれば歓迎されます。

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主なリスク 成熟プロセスの価格競争

中国の成熟プロセスの大規模増強と「China for China」の現地調達政策で、2025年は価格も稼働率も伸び悩んだと会社は書いています。 売上原価が売上高を上回り、粗損失は−76億円でした。

強みとリスク
出典 出典一覧(20件)

公式 7件 / IR 5件 / 採用 6件 / ニュース 2件

01立ち位置

何の会社として比べるか

PSMCは売上2,314億円規模の受託製造会社です。 会社の推計では世界の上位10社に入り、シェアは約1%です。 2025年は赤字でしたが、2026年は四半期ごとに売上が伸びています。

2024年と2025年

売上は4%増、営業損失は縮小

2025年 年次報告書

売上高

億円 · 連結
  • 2024年 2,215億円
  • 2025年 2,314億円

営業損失

億円 · 連結
  • 2024年 394億円
  • 2025年 295億円
2025年

どの地域の顧客へ売っているか

年次報告書の地域別売上

地域別売上高

億円 · 2025年
  • 台湾 1,174億円
  • アジア 553億円
  • 米州 425億円
  • 欧州 160億円
ロジックICのウェーハ受託製造

特殊ロジック受託

IC設計会社から電源管理IC、表示ドライバIC、ディスクリート、CMOSイメージセンサーなどの製造を請け負います。 2025年の売上は1,414億円で全体の61.11%です。 28nmの表示ドライバIC、55/80/110nmのBCD(電源IC向けの複合プロセス)などの基盤を持ちます。 12インチのアルミ配線は、同じノードの8インチより1チップのコストを30%下げられるのが会社の主張です。

  • 28nm 表示ドライバIC
  • 55/80/110nm BCD
  • BSI CMOSイメージセンサー
  • 100V GaN
DRAM・フラッシュのウェーハ受託製造

メモリ受託

設計会社向けにDRAM、フラッシュメモリ、インターポーザ(チップ同士をつなぐ中継基板)を製造します。 2025年の売上は899億円で、全体の38.89%です。 30/25nm以下のDRAM、28/24nmのNANDフラッシュを提供し、48nmのNORフラッシュは量産に入りました。 PSMCは、12インチで総合的なメモリ製品群を持つ世界唯一のファウンドリーを名乗っています。

  • 30/25nm以下 DRAM
  • 28/24nm NANDフラッシュ
  • 48nm NORフラッシュ
  • インターポーザ
ウェーハ積層・インターポーザ製造

3D AIファウンドリー

ウェーハ同士を貼り合わせるWoW、インターポーザ、シリコンキャパシタでAI用途に参入した事業部です。 銅鑼工場の取引完了に合わせ、新竹でMicron向けのHBM(AI向け広帯域メモリ)/PWF(post wafer fabrication)のファウンドリーサービスを始めます。

  • WoW(Wafer-on-Wafer)
  • インターポーザ
  • Si-Capacitor
  • HBM/PWF受託
ウェーハテスト・レーザーリペア

メモリウェーハテスト

製造したメモリウェーハを電気的に検査する工程の技術サービスです。 最初の試作品のデバッグと特性検証、テストプログラムの開発、不良セルを置き換えるレーザーリペアのレシピ最適化、プローブカードの設計を請け負います。

  • テストプログラム開発
  • レーザーリペア
  • プローブカード設計

02収益

どこで、どれくらい儲けているか

2025年の赤字の正体は、売上原価が売上高を上回ったことです。 2026年は売上が四半期ごとに増え、第2四半期の営業利益率は21.3%まで戻りました。

2025年 売上高・営業損失

売上高2,314億円 / 営業損失−295億円

売上高は前年比4%増えましたが、売上原価2,390億円が上回り、粗損失−76億円でした。 営業損失率は12.8%です。

2025年 純損失

−386億円

前年の純損失−335億円から拡大しました。 会社は新設の銅鑼工場が規模の経済に届かなかったことを理由に挙げています。

2026年第2四半期 売上高・営業利益

売上高856億円 / 営業利益182億円

前年同期の売上高558億円から53.3%増え、第1四半期比でも27.4%増えました。 2026年第1四半期は営業利益704億円が売上高672億円を上回りました。 数字は会計士の監査前です。

2025年 研究開発費

260億円

売上高の11.3%にあたります。 2025年には55nmのBSI型イメージセンサー、インターポーザ、3Dウェーハ積層の開発を終えました。

2025年の損益の内訳

億円 · 連結
  • 売上原価 2,390億円
  • 売上高 2,314億円
  • 営業費用 398億円
  • 営業損失 −295億円
  • その他営業収益(純額) 179億円 主に技術移転の純収益
  • 粗損失 −76億円

四半期売上高の推移

億円 · 2026年7〜9月は月次売上の合計
  • 2025年Q1 550億円
  • 2025年Q2 558億円
  • 2025年Q3 586億円
  • 2025年Q4 619億円
  • 2026年Q1 672億円
  • 2026年Q2 856億円
  • 2026年7〜9月 1,056億円

03強みとリスク

強みと、リスク・検討点

強みはロジックとメモリを同じ生産ラインで作れることと、MicronのHBM供給網でPWFを担うことです。 弱点は成熟プロセスの価格競争で、2025年は製造そのものが赤字でした。

強み

  • ロジックとメモリを同じラインで作る

    生産ラインはロジックとメモリの両方のプロセスに対応します。 景気の波に合わせて生産能力の配分を変えやすく、稼働率を上げやすい構造です。

    2025年 年次報告書
  • 12インチのアルミ配線でコストを下げる

    他社の12インチ標準ロジックは銅配線が中心ですが、PSMCは低コストの12インチアルミ配線を持ちます。 会社の試算では、同じノードの8インチより1チップのコストが30%下がります。

    2025年 年次報告書
  • MicronのHBM供給網に組み込まれた

    MicronがPSMCにPWF(post wafer fabrication)を任せ、HBMの先進パッケージング供給網に組み込みました。 銅鑼工場の取引完了と同時に、新竹でHBM/PWFのファウンドリーサービスを始めます。 メモリプロセス技術の高度化にも取り組み、顧客の8G DDR4製品への参入を支えます。

    銅鑼工場の売却完了(2026年3月16日 発表)
  • 米州向けが倍増し、顧客は分散

    2025年の米州向け売上は425億円で、前年の218億円から94.7%増えました。 最大顧客の比率は10.17%で、前年の12.99%から下がっています。

    2025年 年次報告書

リスク・検討点

  • 成熟プロセスの価格競争

    中国の成熟プロセスの大規模増強と「China for China」の現地調達政策で、2025年は価格も稼働率も伸び悩んだと会社は書いています。 売上原価が売上高を上回り、粗損失は−76億円でした。

    2025年 年次報告書
  • 技術移転収入への依存

    2025年はその他営業収益が179億円あり、主因は技術移転の純収益です。 それでも営業損失は−295億円で、製造の採算は赤字でした。

    2025年 年次報告書
  • 米ドル建て売上と円の支払い

    売上は米ドル建てで、設備投資と購買の支払いは主に米ドルと円です。 2025年の為替損益は売上高の-1.20%で、前年の2.74%から損失に転じました。

    2025年 年次報告書
  • 銅鑼工場の移設と製品の入れ替え

    銅鑼工場の設備と人員は、人員削減なしで新竹へ段階的に移します。 あわせて低採算の製品ラインを廃止し、AI向けの特殊ファウンドリーへ転換する計画です。

    2025年 年次報告書

04待遇

給与、初任給、休日、手当

2027年の預聘インターンは月給17.3万円〜19.8万円で、試用期間を満了すると9万9,056円の賞与が出ます。 2025年末の従業員は8,361人、平均年齢40.04歳、平均勤続11.48年です。

インターンの待遇
学期実習と夏季実習は月給17.3万円〜19.8万円、全学年の設備エンジニア実習は月給17.3万円です。 実習期間は正式な勤続年数に算入されます。 条件は 採用情報 その他・インターン に載っています。
休暇と賞与
労働基準法を上回る休暇制度があり、毎年7日の弾性休暇を設けています。 業績に応じて奨励賞与、従業員報酬、ストックオプション、持株購入補助が出ます。 福利厚生 のページに一覧があります。
交代勤務の形
技術員は07:30〜19:30と19:30〜07:30の固定班で、2日勤務・2日休みです。 生產線主任は四班二輪の日夜交代で、半年または1年ごとに班が入れ替わります。 採用情報 製造生産 に勤務条件があります。
従業員の構成
2025年末の従業員8,361人のうち、間接人員が6,296人で75.3%を占めます。 修士卒は36.58%です。 2025年 年次報告書 の人的資源の表に載っています。
通勤と住まい
直接人員には寮と無料の通勤バスがあり、銀行の優遇ローンや社内での銀行サービスも使えます。

05勤務地と職種

どこで、どんな仕事をするか

工場と本社は新竹科学園区に集まり、Fab 8Bだけが苗栗県の竹南科学園区にあります。 日本の拠点は東京・新橋のPSMC Japan Corp.です。

主な勤務地・拠点

本社・Fab 8A
No. 18, Lixing 1st Rd.、Hsinchu Science Park、Hsinchu City新竹科学園区
Fab P1/2
No. 12, Lixing 1st Rd.、Hsinchu Science Park、Hsinchu City新竹科学園区
Fab P3
No. 16-1, Lixing Rd.、Hsinchu Science Park、Hsinchu City新竹科学園区
Fab 8B
No. 6, Kebei 2nd Rd.、Zhunan Science Park、Miaoli County苗栗県 竹南科学園区
PSMC Japan Corp.
東京都港区新橋6-21-3。 2010年3月31日設立、資本金0.5億円の全額出資子会社で、設計開発の受託で2025年に0.1億円の利益を出しました。同じ住所にMaxram Inc.(資本金0.7億円)
2025年 年次報告書

技術系の募集職種

  • 製程工程師
  • 設備工程師
  • 製程整合工程師
  • 產品工程師
  • 先進DRAM開發整合工程師
  • 技術開發工程師
  • 元件研發工程師
  • 自動化工程師

職種名は採用ページの表記です。 勤務地は新竹廠と竹南廠が中心です。

選考の流れ

  1. 履歴書を送り、面談の招待を受ける
  2. 筆記テストと面談を受ける
  3. 2〜3週間後に結果の通知が届く
公式採用へ

06これから

会社が次に取りにいくもの

会社は2025年を業績の底、2026年を4度目の転換の年と位置づけています。 柱はMicronとの提携、3D AIファウンドリー、AIサーバー向け成熟ノード製品です。

これからの材料

銅鑼工場の売却
2026年3月16日、銅鑼工場をMicronへ売る2,848億円の取引を完了しました。 会社の見込みでは、銅鑼工場の規模不足による費用負担は大きく減ります。 詳細は 銅鑼工場の売却完了の発表 にあります。
月次売上の伸び
2026年9月の月次売上は379億円で、7月の330億円、8月の347億円から毎月増えました。
日本との技術契約
Micron Memory Japanとの技術協力契約は2003年8月から2026年7月までで、技術移転とライセンスが内容です。 2025年 年次報告書 の重要契約の表に載っています。

AIサーバー向けの成熟ノード製品

電源管理IC、シリコンインターポーザ、GaN、シリコンキャパシタなどのIPDで、大手の試作が進んでいます。 会社は2026年から量産に入り、売上と利益に大きく寄与すると見込みます。 量産の開始時期と売上への寄与は会社の見込みです。

3D_AI_DRAMの積層数を増やす

4層の3D_AI_DRAM技術は先端ロジック製造会社の認証を取り、8層のハイブリッド接合に取り組んでいます。 エッジAI機器へ高帯域・低消費電力の積層メモリを供給する計画です。 8層のハイブリッド接合は開発中の技術です。

1,401億円で設備を買う

GDS(海外預託証券)の発行と従業員の新株引受で1,401億円を調達します。 発行株数は合計4.2億株で、資金は機械設備の購入に充てます。 新しい設備がAI向け製品の受注に見合う速さで稼働するかが問われます。

インドTataとの協業

インドのTata Electronicsとの協力は計画どおり進み、技術サービス料は累計226億円に達しました。 インドでロジックICの市場を共同で広げる協業も始めています。 協業が技術サービス料にとどまらず、製造の受注にどこまでつながるかが焦点です。

07入口を選ぶ

専攻から、入口を1つに絞る

新卒の入口は2027年の預聘インターンと、経験不問のプロセス・設備・整合エンジニアです。 DRAMとパワーデバイスの開発職は修士卒が対象です。

プロセス技術

製程工程師(プロセスエンジニア)

製品の異常に対応し、製造ラインのプロセス問題を解き、新しいプロセスの導入と技術移転を支えます。 歩留まり改善とコスト削減のプロジェクトも担います。

採用情報 製程技術
プロセス技術

設備工程師(設備エンジニア)

生産設備の保守・修理と装置異常の解決で、製造ラインを止めずに回します。 装置の稼働率を上げ、コストを抑える役割です。

採用情報 製程技術
プロセス技術

製程整合工程師(プロセスインテグレーション)

新製品の導入、ライン上の製品管理と異常解析、歩留まり向上、デバイスの電気特性の測定と解析を担います。

  • 新製品導入
  • 歩留まり
採用情報 製程技術

応募前の3手

  1. 特殊ロジック(BCD、表示ドライバIC)、メモリ(DRAM、NAND、NOR)、3D積層の3分野から、自分の研究に近いものを1つ選ぶ
  2. 製程工程師、設備工程師、先進DRAM開發整合工程師の募集要項を読み、新竹廠と竹南廠のどちらの勤務か、交代勤務の有無をノートに書く
  3. 学期実習の申込期間(2026年10月〜2027年1月)に応募し、面談で銅鑼工場の移設後の配属先を聞く
公式採用へ

面接で使う技術語

  • プロセス条件
  • 歩留まり改善
  • 技術移転
  • 四班二輪
  • 設備保全
  • 稼働率
  • クリーンルーム
  • 異常対応
  • プロセス整合
  • 電気特性

募集要項は繁体字中国語で、研究開発職の一部は職務内容が英語で書かれています。

他社との違いを一言で

  • 特殊プロセスのファウンドリー

    Tower Semiconductor

    Towerは技術一覧にRF & HPA、電源管理、CMOSイメージセンサー、表示向けソリューション、不揮発メモリを並べ、TPSCoの製造拠点も掲載しています。PSMCは電源管理ICや表示ドライバICに加え、DRAMとフラッシュの受託が売上の38.89%を占めます。

  • 電源管理ICとディスクリート

    VIS(世界先進)

    VISは8インチのBCDを5Vから120V、0.5µmから0.11µmまでそろえ、200Vから700VのUHVも提供します。PSMCは55/80/110nmのBCDを持ち、8インチではGaN、MOSFET、IGBTを伸ばす方針です。

  • アナログ・ミックスドシグナル

    X-FAB

    X-FABはアナログ・ミックスドシグナル専業で、1.0µmから110nmのCMOSとSOI、6インチSiCと8インチGaN-on-Siの技術を持ちます。PSMCは28nmの表示ドライバICや、25nm以下のDRAMまで受託します。

参照資料一覧へ

出典20件

ほか12件

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