半導体製造装置 スパッタリング装置・真空部品・成膜材料
アルバック (ULVAC)
真空で膜を付ける装置と部品と材料を一社でそろえる
真空中で膜を付ける装置の総合メーカーで、売上の32.8%を半導体及び電子部品製造装置が占めます。
受注高3,242億円は過去最高でしたが、営業利益は196億円へ26.1%減りました。
アルバックは連結5,613名の 真空装置メーカー です。 2026年6月期の受注高 は43.7%増えましたが、営業利益は26.1%減りました。
- 2026年6月期 売上高 2,691億円 前期比7.1%増。 半導体及び電子部品製造装置は883億円
- 2026年6月期 営業利益 196億円 前期比26.1%減。 営業利益率は10.6%から7.3%へ
- 2026年6月期末 受注残高 1,760億円 前期比52.1%増で、年間売上高の65.4%に当たる
2026年6月期の品目別売上高億円 · 有価証券報告書の主な品目別販売実績
- 半導体及び電子部品製造装置883億円
- ディスプレイ・エネルギー関連製造装置637億円
- コンポーネント365億円
- その他(表面分析・マスクブランクスなど)305億円
- 材料279億円
- 一般産業用装置222億円
この会社の要点
01立ち位置
何の会社として比べるか
アルバックは、真空技術を核に装置・部品・材料をそろえる連結5,613名のメーカーです。 2026年6月期は受注高が過去最高の3,242億円に達し、売上高は2,691億円でした。
2024年6月期から2027年6月期予想までの売上高と営業利益
売上高
営業利益
どの国の顧客へ売っているか
国・地域別売上高
国内と海外
半導体及び電子部品製造装置
半導体と電子部品の製造で、薄膜形成と微細加工の工程に使う装置群です。 スパッタリング装置を筆頭に、真空蒸着、CVD、エッチング、アッシング、イオン注入、アニーリングの装置をそろえます。
- スパッタリング装置 ENTRONシリーズ
- 枚葉式複合モジュール型成膜加工装置 uGmni-200, 300
- CVD装置
- エッチング装置
先端ロジック・メモリ向けスパッタリング装置
最先端ロジックのメタルハードマスク工程で実績を持ち、その工程から他工程への参入を狙います。 DRAMと3次元NAND向けの開発から、新モデルENTRON-EXXが生まれました。 シングルとタンデムの2種類のプラットフォームを継承し、データ収集・解析機能を強めています。
- ENTRON-EXX
- ENTRONシリーズ(シングル/タンデム)
コンポーネント
真空装置の真空槽を排気し、圧力を測り、ヘリウムで漏れを検査する機器群です。 主要顧客は半導体・電子部品・ディスプレイのメーカーと真空装置メーカーで、研究機関や大学にも納めます。
- ドライ真空ポンプ LSシリーズ
- 真空計
- ヘリウムリークディテクタ
- 成膜用電源
材料
スパッタリング法で膜を付けるときの原料になるターゲット材料を、半導体製造装置向けにも供給します。 主要顧客はFPDパネルメーカーと半導体・電子部品メーカーで、チタンやタンタルなど高融点活性金属の加工も手がけます。
- 半導体製造装置向けスパッタリングターゲット
- 高融点活性金属材料
- ナノメタルインク
02収益
どこで、どれくらい儲けているか
売上の柱は半導体及び電子部品製造装置で、2026年6月期は883億円、全社の32.8%でした。 パワーデバイス投資の反動で前期の893億円から減りましたが、2027年6月期は1,070億円を計画します。
売上高2,691億円 / 営業利益196億円
売上高は前期比7.1%増、営業利益は26.1%減です。 営業利益率は10.6%から7.3%へ下がり、純利益は170億円で2.4%増えました。
受注高3,242億円 / 受注残高1,760億円
受注高は前期比43.7%増、受注残高は52.1%増です。 受注高は売上高の1.20倍で、売上高の10%以上を占める顧客はいません。
真空機器事業2,107億円 / 真空応用事業583億円
営業利益は真空機器事業が152億円、真空応用事業が42億円です。 真空機器事業の受注残高は1,565億円あります。
売上高2,550億円 / 営業利益280億円
売上高は前期比5.3%減、営業利益は42.9%増の予想です。 営業利益率は11.0%へ戻る見込みです。
研究開発費146億円 / 設備投資179億円
研究開発費は売上高の5.4%で、うち135億円が真空機器事業です。 設備投資の多くは評価用・研究開発用の機械装置に向かいました。
2026年6月期の品目別売上高
半導体及び電子部品製造装置の売上高
03強みとリスク
強みと、リスク・検討点
強みは、先端ロジックのメタルハードマスク工程で実績を持つ成膜装置と、部品・材料までそろう品ぞろえです。 弱点は利益率の低さで、受注3,242億円を利益へ変える生産力が問われています。
強み
- 過去最高の受注と厚い受注残
2026年6月期の受注高は3,242億円で、前期比43.7%増えました。 受注残高は52.1%増の1,760億円です。 この受注残高は年間売上高の65.4%に当たります。
有価証券報告書 第122期 - 先端ロジックの成膜工程で持つ実績
最先端ロジックのメタルハードマスク工程で実績を持ち、それをもとに他工程への参入を進めています。 DRAMと3次元NAND向けの開発から新モデルENTRON-EXXが生まれました。 ロジック、メモリ、先端パッケージング分野の受注が好調でした。
有価証券報告書 第122期 - 装置・部品・材料を一社でそろえる
成膜装置だけでなく、真空ポンプ、真空計、成膜用電源、真空搬送ロボットなどの部品も自社で手がけます。 半導体製造装置向けのスパッタリングターゲットも供給し、部品の主要顧客には真空装置メーカーも並びます。
新卒採用 プロダクト - 会社が高シェアとする製品群
会社が掲げる分析機器の市場シェアは50%強です。 レアアース磁石向けの真空溶解炉・連続式焼結炉も圧倒的シェアと位置づけ、成長エンジンの一つに加えました。
2026年6月期 決算説明資料 - 自己資本比率58.2%の財務
2026年6月期末の自己資本比率は58.2%です。 現金及び現金同等物は1,065億円あり、営業キャッシュ・フローは307億円の収入でした。
2026年6月期 決算短信
リスク・検討点
- 営業利益率は7.3%へ低下
2026年6月期の営業利益率は、前期の10.6%から7.3%へ下がりました。 EV関連の一過性費用と、ディスプレイ関連の売上増による製品構成の変化が響いています。 売上総利益率も31.8%から28.9%へ落ちました。
2026年6月期 決算説明資料 - 受注を出荷へ回す生産力
会社自身が、受注の伸びに対して売上高と営業利益の伸びが限られたと総括しています。 原因に挙げたのは部材供給リスクの顕在化と、製造リードタイム短縮の遅れです。
2026年6月期 決算説明資料 - 中国向け38.2%の地域集中
2026年6月期の中国向け売上は1,029億円で、全体の38.2%を占めます。 前期の865億円から18.9%増えました。 有価証券報告書は、輸出入規制や関税、制裁で装置や技術情報の取引が制約を受けるリスクを挙げています。
有価証券報告書 第122期 - パワーデバイス投資の反動と単体の赤字
半導体及び電子部品製造装置の売上は、日本と中国のパワーデバイス投資の反動減で前期を下回りました。 単体では売上高871億円に対し、−84億円の営業損失を計上しています。
2026年6月期 決算短信 - 価格競争と人員の再編
有価証券報告書は、新規参入も増え、性能だけでなく価格の競争も激しくなっていると記載しています。 2026年2月には希望退職者を募り、連結従業員は前期末から519名減りました。
有価証券報告書 第122期
04待遇
給与、初任給、休日、手当
新卒の初任給は修士了28.8万円、学士27.8万円で、年間休日は126日です。 単体の平均年間給与は868万5,031円で、平均年齢は44.8歳、平均勤続年数は17.8年です。
新卒初任給(月給)
- 新卒の初任給
- 高専卒25.8万円、学士・専攻科卒27.8万円、修士了28.8万円、博士了34万3,700円です。 賞与は年2回(3月、9月)、昇給は年1回(7月)です。 条件は 新卒採用 募集要項 に載ります。
- 勤務時間と休日
- 勤務時間は8:30〜17:05で、一部にフレックスタイム制があります。 完全週休2日制で、2026年の年間休日は126日です。
- 平均年間給与
- 2026年6月期の単体従業員は1,483名で、平均年齢44.8歳、平均勤続年数17.8年、平均年間給与868万5,031円です。 平均年間給与は前期比2.2%減りました。 有価証券報告書 第122期 の従業員の状況に載ります。
- 福利厚生
- 在宅勤務制度、時差出勤勤務時間選択制度、有給休暇積立制度、住宅資金融資制度があります。 借り上げ社宅と社員食堂も用意されています。
- 入社後の研修
- 新入社員研修では、文系・理系を問わず全員が真空の基礎を学び、実験機での実習もあります。 通信教育は300近いプログラムがそろいます。 新卒採用 各種支援制度 に流れがまとまっています。
- 採用と定着
- 新卒等の採用者数は前年度18人で、同じ年度の新卒等の離職者は0人でした。 正規雇用の中途採用比率は前年度72%です。
05勤務地と職種
どこで、どんな仕事をするか
本社工場は神奈川県茅ヶ崎市にあり、半導体製造装置は静岡県の富士裾野工場と鹿児島県の九州工場でつくります。 新卒の勤務地は神奈川・静岡・千葉・青森・鹿児島で、入社時は神奈川の本社・工場に配属されます。
主な勤務地・拠点
- 本社工場(神奈川県茅ヶ崎市)
- 全社管理と研究開発に加え、ディスプレイ・エネルギー関連製造装置、電子部品製造装置、一般産業用装置、コンポーネントを手がけます。
- 富士裾野工場(静岡県裾野市)
- 半導体製造装置と研究開発の拠点です。1990年に半導体製造装置の生産体制強化のため新設
- 千葉富里工場(千葉県富里市)
- 研究開発の設備を置く拠点です。
- 東北工場(青森県八戸市)
- ディスプレイ・エネルギー関連製造装置と電子部品製造装置をつくります。スパッタリングターゲットの製造設備もある
- 九州工場(鹿児島県霧島市)
- ディスプレイ・エネルギー関連製造装置、半導体製造装置、電子部品製造装置をつくります。
キャリア採用の主な募集
- 研究開発(半導体PVD)
- 先端パッケージ装置・プロセスの研究開発
- 半導体製造システムのAI開発・データ分析
- 電気設計・PLC設計
- 真空機器営業
- 材料エンジニア(マテリアル)
勤務地は職種ごとに茅ヶ崎・静岡・九州などに分かれます。 新卒の職種は研究開発職・装置技術職・コンポーネント技術職・事務職の4つです。
06これから
会社が次に取りにいくもの
会社は中長期経営計画「バリューアッププラン」で、2031年6月期に売上高3,600億円、営業利益790億円を目指します。 2027年6月期は事業の総点検の年とし、AI・データセンター関連を戦略テーマに定めました。
2031年6月期の目標と2026年6月期実績
- 売上高 2,691億円 2031年6月期の目標は3,600億円
- 営業利益 196億円 2031年6月期の目標は790億円
- 営業利益率 7.3% 目標は22%
これからの材料
- AI・データセンター
- ロジック、DRAM・NAND、先端パッケージングの製造装置に加え、HDD用モーターのレアアース磁石や液冷パネルの漏れ検査まで、データセンターを構成する領域を全方位で狙うと 2026年6月期 決算説明資料 に載ります。
- 先端パッケージ
- FPD事業で培った大型基板対応のアッシング・スパッタリング技術をPLPへ展開し、微細プラズマ技術でハイブリッドボンディングなどの需要を狙います。
- 事業の入れ替え
- 2026年6月期に4社を非連結化し、2027年6月期に残り4社の非連結化を実行します。 希望退職を含む人員適正化では約20億円の費用を減らし、研究開発投資へ充てます。
AI・データセンター関連を戦略テーマに
会社はAI・データセンター関連ビジネスを戦略テーマと定義し、重点分野へ経営資源を集中します。 ロジック、DRAM・NANDの製造装置に加え、HDD用モーターのレアアース磁石や強制液冷パネルまでを対象領域に挙げています。 AIサーバー向けの設備投資が続くかと、部材供給の制約を解いて受注を出荷へ回せるかで成果が決まります。
先端パッケージのPLPとハイブリッドボンディング
FPD事業で培った大型基板対応のアッシング・スパッタリング技術を、PLP(パネルレベルパッケージ)へ展開します。 独自の微細プラズマ技術で、ハイブリッドボンディングなど次世代の需要も取り込む方針です。
表面分析技術を半導体検査装置へ
会社が掲げる分析機器の市場シェアは50%強です。 この表面分析技術を応用し、半導体検査用装置を2027年6月期中に製品化する計画です。 検査装置は新しい市場で、量産ラインの顧客に採用されるかで事業の大きさが決まります。
2031年6月期に営業利益790億円
中長期経営計画「バリューアッププラン」は、2031年6月期に売上高3,600億円、営業利益790億円、営業利益率22%を目標にします。 半導体電子の比率を6割以上へ高め、2026年6月期に4社を非連結化し、2027年6月期に残り4社を非連結化する計画です。 2026年6月期の営業利益196億円の4.0倍にあたります。
07入口を選ぶ
専攻から、入口を1つに絞る
半導体装置の成膜、真空部品、材料のどこで働きたいかを先に決め、4つの新卒職種から1つを選びます。
研究開発職
総合職として採る4職種の1つで、2027年入社の採用予定は4職種合わせて25名です。 勤務地は神奈川、静岡、千葉、青森、鹿児島で、入社時は神奈川の本社・工場に勤務します。
新卒採用 募集要項コンポーネント技術職
総合職として採る4職種の1つです。 選考はエントリーシートの書類選考から始まり、一次面接と二次面接に進みます。 面接は神奈川県茅ヶ崎市の本社・工場で対面で行います。
- 真空ポンプ
- 真空計測
- リーク検査
- 成膜用電源
応募前の3手
- ENTRON-EXXの開発経緯から、メタルハードマスク工程とDRAM・3次元NANDへの他工程参入の狙いを1枚にまとめる
- 品目別売上で半導体及び電子部品製造装置883億円とコンポーネント365億円を並べ、研究開発職・装置技術職・コンポーネント技術職のどれを志望するかを決める
- 富士裾野工場や九州工場など拠点ごとの担当品目を書き出し、希望する勤務地と装置を結びつけて話せるようにする
面接で使う技術語
- スパッタリング
- 成膜プロセス
- メタルハードマスク
- 先端パッケージ
- プラズマ
- 機械設計
- 電気設計
- PLC
- ソフトウェア設計
- 真空排気
技術系3職種は理系全学部全学科、事務職は全学部全学科が対象です。
他社との違いを一言で
- スパッタリング装置と真空部品
キヤノンアネルバ
キヤノンアネルバは研究開発から小規模生産向けのスパッタリング装置に加え、MRAMなどの積層膜を一括で削るイオンビームエッチング装置と、原子拡散接合装置を製品に挙げています。リークディテクタや真空ポンプも扱います。アルバックは最先端ロジックのメタルハードマスク工程で実績を持ち、研究開発から量産まで対応するENTRON-EXXを展開しています。
- パワーデバイス・先端パッケージ向けの成膜と接合前処理
芝浦メカトロニクス
芝浦メカトロニクスは、パワーデバイスの裏面電極やUBMの形成に使う半導体用スパッタリング装置と、C2Wハイブリッドボンディング向けの前処理装置を製品に挙げています。アルバックは大型基板対応のアッシング・スパッタリング技術をPLPへ展開し、ハイブリッドボンディングなどの需要も狙います。
- 半導体工場向けのドライ真空ポンプ
エドワーズ
エドワーズは半導体用途向けにiXM、iXH、iXLのドライポンプと、過酷なプロセス向けのGanymedeを製品に並べています。アルバックはドライ真空ポンプLSシリーズを含むコンポーネントを自社の真空装置と合わせて開発し、2026年6月期のコンポーネント売上高は365億円です。
出典13件
元データ: グローバルネット(株)「世界半導体製造装置・試験/検査装置市場年鑑2024」を基に経済産業省が作成。
- 公式 会社概要
- 公式 半導体及び電子部品製造装置
- IR 2026年6月期 決算短信 2026年6月期
- IR 2026年6月期 決算説明資料 2026年6月期
- IR 有価証券報告書 第122期 2026年6月期
- 採用 新卒採用 募集要項
- 採用 新卒採用 プロダクト
- 採用 新卒採用 各種支援制度