SCREEN中期経営計画、予想23%減でも達成最終年度5,690億円で届く計算
SCREENホールディングスの中期経営計画「Value Up Further 2026」は、2025年3月期から2027年3月期の3年で累計売上1兆8,000億円以上、3年平均の営業利益率19%以上1を掲げる。実績2年の売上は合計1兆2,310億円で、ここから計算すると最終年度に要る売上は5,690億円だ。2026年3月期の6,057億円より6%少なくても届き、会社が2026年7月に示した予想7,430億円を23%下回っても達成できる。
一方で、会社予想は下期に偏っている。それでも、上期の予想並みの売上と利益率が下期も続くだけで、売上と利益率の両方の目標を満たす。利益率は、各年の利益率を単純平均して計算した。売上で重みを付けた平均でも結論は変わらない。計算の上で達成を左右するのは下期の伸びではなく、利益のほぼ全部を生む半導体製造装置(SPE)の売上が上期の水準を保てるかどうかだ。洗浄装置で首位に立つまでの経緯はSCREENの洗浄事業史にまとめている。
売上の目標は、前年より6%減っても届く
Section titled “売上の目標は、前年より6%減っても届く”財務ハイライトによると2、全社売上は2025年3月期に6,253億円、2026年3月期に6,057億円だった。2年の合計1兆2,310億円を1兆8,000億円から引くと、最終年度に要る売上は5,690億円になる。
SCREENは2026年7月28日の第1四半期決算で、2027年3月期の予想を売上7,250億円から7,430億円へ、営業利益を1,500億円から1,565億円へ引き上げた3。受注は過去最高だったという。同じ日の質疑で会社は、装置のリードタイムは4〜5か月で、今期に計上する予定の売上の受注はほぼ見えている4と答えた。
利益率の目標は、最終年度15%で届く
Section titled “利益率の目標は、最終年度15%で届く”営業利益率は、2025年3月期が21.7%、2026年3月期が20.2%だった。3年の単純平均を19%にするのに要る最終年度の利益率を計算すると、15.1%になる。会社予想の21.1%は、これを6ポイント上回る。
第1四半期の利益率は11.8%で、前年同期より6.2ポイント低かった3。売上は1,217億円、営業利益は143億円だ。会社は質疑で、半導体製造装置の利益率の低下は売上減だけが理由で、特殊要因はなく、固定費はほぼ計画どおり4と答えた。遅れていた案件の売上は第2四半期に計上する予定だ。
会社予想は下期に偏るが、上期並みでも目標は満たす
Section titled “会社予想は下期に偏るが、上期並みでも目標は満たす”2026年7月の予想では、上期の売上は3,170億円、下期は4,260億円だ。営業利益は上期560億円、下期1,005億円で、利益率は上期17.7%、下期23.6%になる。SPEの新規装置の売上は、上期の2,012億円から下期は3,075億円に増える計画で、ファウンドリー向けが大きく伸び、NAND向けも増える3。
下期の伸びが来ず、上期の予想と同じ売上と利益が下期も続いた場合を計算すると、最終年度の売上は6,340億円、営業利益は1,120億円、利益率は17.7%になる。3年累計の売上は1兆8,650億円、3年の単純平均の利益率は19.9%で、どちらも目標を上回る。
上期の予想に届くには、第1四半期の1,217億円に続いて、第2四半期に1,953億円の売上が要る。会社は質疑で、第2四半期に販売する予定の装置の約半分をすでに出荷し、残りを9月第1週までに出荷する4と答えた。一方で上振れの余地は小さい。会社は、今期の生産計画はほぼ固まっており、下期に売上が予想を超えても大きな増加は見込めない4と説明している。
利益は、ほぼ全部が半導体製造装置から出る
Section titled “利益は、ほぼ全部が半導体製造装置から出る”2026年3月期のセグメント別の営業利益は、SPEが1,227億円、グラフィックアーツが36億円、ディスプレー製造装置・成膜装置が86億円、プリント基板関連が3億円だった2。4つの合計1,352億円のうち、SPEは計算すると91%を占める。2027年3月期の予想では、SPEの営業利益1,590億円が全社の1,565億円を上回る3。差額から計算すると、SPE以外のセグメントの利益と全社費用を合わせて25億円のマイナスになる。
| 年度 | 全社売上 | 全社営業利益 | SPE売上 | SPE営業利益 | SPE営業利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2022年3月期 | 4,119億円 | 613億円 | 3,193億円 | 628億円 | 19.7% |
| 2023年3月期 | 4,608億円 | 765億円 | 3,709億円 | 769億円 | 20.7% |
| 2024年3月期 | 5,049億円 | 942億円 | 4,176億円 | 970億円 | 23.2% |
| 2025年3月期 | 6,253億円 | 1,357億円 | 5,195億円 | 1,369億円 | 26.4% |
| 2026年3月期 | 6,057億円 | 1,225億円 | 4,859億円 | 1,227億円 | 25.2% |
| 2027年3月期予想 | 7,430億円 | 1,565億円 | 6,200億円 | 1,590億円 | 25.6% |
SPEの中身も変わる。新規装置の売上に占めるDRAM向けは、2026年3月期の15%から2027年3月期は22%に上がり、ファウンドリー向けは59%から52%に下がる計画だ3。会社は質疑で、メモリーの顧客は投資意欲が強く、生産能力を少し超えて納入の前倒しを求めている4と述べた。SCREENの主力である洗浄装置の市場とシェアは、枚葉洗浄の再現性と処理能力で各社と比べている。
配当性向の目標は満たし、研究開発と設備投資は積み増す
Section titled “配当性向の目標は満たし、研究開発と設備投資は積み増す”中期経営計画は連結配当性向30%以上も掲げる。1株あたりの配当と利益から計算すると、2026年3月期は146.5円と486.63円で30.1%、2027年3月期の予想は183円と608.06円で30.1%だ2。
会社は3年間を投資の段階と位置づけ、2033年3月期に売上1兆円以上、営業利益率20%以上1を目指すとしている。研究開発費は2026年3月期の378億円から2027年3月期予想の430億円へ、設備投資は277億円から430億円へ増える。第1四半期の設備投資について、会社は米ニューヨーク州オールバニの新しい研究開発拠点ATCAへの投資が主だった3と説明している。会社は、生産能力の増強の詳細を次の中期経営計画で示すとしている4。会社の基本データと競合との比較はSCREENの企業研究に、工程ごとの装置メーカーの顔ぶれは工程別の装置シェアにまとめている。