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3D ICの熱は積み方で33.5°C低減|imecのHBM-on-GPUモデルで試算

imecが3D HBM-on-GPUのピーク温度を141.7°Cから70.8°Cへ下げた1約71°Cのうち、33.5°Cは、HBMとシリコンの積み方を変える4つの対策で得た。残りは、GPU周波数の半減が20.8°C、両面冷却が16.6°Cだ。周波数の半減は、AI学習を28%遅くする代償を伴う。

一方、EDAベンダーのCadenceは、3DICの熱管理はアーキテクチャを定義する段階で始まり、分割を決める前に積層の成立性、電力の配分、許容できる温度の範囲を評価する2と説明する。つまり筆者の見方では、imecの結果で最も大きな塊になった積み方の変更は、Cadenceが早く評価するよう求める「積層の成立性」の中身に当たる。

imecの低減幅を変える対象で分けると、積み方の変更が33.5°Cになる

Section titled “imecの低減幅を変える対象で分けると、積み方の変更が33.5°Cになる”

imecの発表資料の図は、6つの対策を順に重ねたときのピーク温度を示す。下の表は、各対策を、変える対象で筆者が分けたものだ。値は前の対策に重ねたときの追加分なので、重ねる順序が変われば配分も変わる。

imecが重ねた順対策変える対象(筆者の分類)下がった幅
1HBMのベースダイを外す積み方3.7°C
2HBMの積層をまとめる積み方17.6°C
3最上段のダイを薄くする積み方0.4°C
4GPU周波数を半分にする動作条件20.8°C
5thermal siliconを最適化する積み方11.8°C
6両面から冷やすパッケージ16.6°C

imecは発表文で、HBMの積層をまとめることとthermal siliconの最適化を技術側の対策に、両面冷却と周波数の調整をシステム側の対策に挙げている1。積み方に分けた4つを合わせると33.5°Cで、筆者の計算では低減幅70.9°Cの47%に当たる。

imecの3D HBM-on-GPUで、141.7°Cから70.8°Cまでの低減幅を、変える対象で筆者が分けた横棒図。積み方の変更が33.5°C、両面冷却が16.6°C、周波数の半減が20.8°Cで、周波数の半減は処理量を28%下げる。
imecが重ねた順で分けると、低減幅の半分近くは積み方の変更から来る。周波数の半減は、処理量を28%下げる。

熱の見積もりは、詳細な設計データが揃う前から始める

Section titled “熱の見積もりは、詳細な設計データが揃う前から始める”

Cadenceは、熱の解析をアーキテクチャの定義と並行して始めるよう求める。同社によれば、RTLの活動ベクトルがなくても、大まかな作業負荷のプロファイルから電力マップを作れる2。ダイの厚さ、材料の積層、接合界面を入れた簡易な熱モデルで、計画した電力密度や積層の構成が熱的に成り立つかを早く評価し、分割やダイの割り当てを詳細設計の前に直せる。

この段階の道具には穴がある。Shuo Ren氏、Bei Yu氏らは2026年7月のプレプリントで、gem5のようなアーキテクチャ・シミュレータはブロックごとの電力マップや3D配置を出さないので、初期の探索では実機で発熱により速度を落とす設計を選んでしまう3と指摘し、熱を考えた3Dフロアプランを初期の探索に組み込む手法を提案している。

冷却の選択肢は、積層を組み立てた後に狭まる

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Cadenceは、ダイの積層を組み立てた後は冷却の選択肢が狭まるので2、冷却方式は今の世代ではなく電力のロードマップに合わせて選ぶべきだと述べる。imecの両面冷却もパッケージ側の選択で、筆者はこの指摘が当てはまると見る。

初期の熱解析でパッケージを省くと、温度の予測は楽観に偏る。Cadenceによれば、基板、ヒートスプレッダ、蓋を入れずに解析すると、組立レベルのモデルで初めて現れる発熱箇所を見落とす2。

周波数の半減は4番目に入り、学習を28%遅くする

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imecの累積順では、周波数の半減は積み方の3つの対策の後、thermal siliconの最適化と両面冷却の前に入る。GPUのコア周波数を半分にするとピーク温度が120°Cから100°C未満に下がる一方、AI学習のステップが28%遅くなった1。この28%を面積あたりの処理量で取り戻せるかは、周波数を下げたときの性能と面積あたり処理量の比較で追っている。

imecは、GPUをHBMの上に置く構成など、別の積み方も同じ手法で調べている1。

熱は配置と電源と一緒に解き直す

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Cadenceは、高発熱ブロックの置き方と電源網の形が熱の逃げ方を決め、TSVやバンプ、再配線層を流れる電流も発熱する2と説明する。熱と電源を一緒に最適化すれば、熱の対策が電源の品質を損なうことも、その逆も防げる。電力、配置、パッケージの前提が変わるたびに解き直す流れがないと、後段で熱の違反が避けられず、大きな設計のやり直しになるという。

Cadenceは、熱への配慮を専門領域ではなく、次世代の半導体設計に欠かせない基礎能力2と位置づける。熱モデルの根拠になる材料と界面の熱伝導の測り方は3DIの熱伝導測定法で扱う。3D構成の温度がなぜ2倍になるかの基本は、HBM-on-GPUの熱的限界の解説にまとめている。

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