接合不良とボイド、損失の99%超で相関Adeia試験品、ボイドの中心に粒子
接合技術のライセンス会社Adeiaは、ダイ・ウェーハのハイブリッド接合の試験品で、電気テストで落ちたダイを1つずつ解析した。ダイの大きさを変えた試験品では、電気歩留まりの損失の99%超がボイドと相関し、ボイドの大半の中心に粒子があった1。ボイドとは、接合面に残る未接合の空洞を指す。Adeiaが挙げた原因を並べると、起点の多くはダイシング、環境中の粒子、銅パッドのへこみといった接合前の工程にあり、接合機の動きと接合後の熱処理も加わる。
不良が見つかるのは接合後の検査とテストだが、その起点は複数の工程に散らばっている。BesiとApplied Materialsの評価では、36時間の待ち時間を加えた3枚のウェーハの歩留まりが80%で、基準条件の98%を下回った2。ウェーハどうしを貼る接合では、入ってくるウェーハの形が、接合で生じるひずみと重ね合わせ誤差を大きく左右する。
3D積層の工程は一本につながり、不良は最後の検査で見つかる
Section titled “3D積層の工程は一本につながり、不良は最後の検査で見つかる”3D積層の量産は、7つの工程を順に通る。まずウェーハを支持基板に仮に貼り、裏側を削って薄くする。次に接合面をCMP(化学機械研磨)で平らにし、洗浄し、プラズマで活性化する。そのあと銅パッドと絶縁膜を直接貼り合わせ、位置ずれとボイドを測り、実装してから電気テストを行う。最後に、歩留まり管理の担当が不良の起点を切り分ける。仮接合から薄化までの条件は、仮接合・剥離と薄化の記事で扱う。
不良が見つかるのは下段の5と6で、Adeiaの原因の一覧に並ぶ起点は、上段の3(CMP、洗浄、ダイシング)と4(接合機の動き)、それに接合後の熱処理だ。同社の試験では、2の薄化は起点にならなかった。見つけた工程と起点の工程が離れているので、検査結果をどの工程へ返すかを決める切り分けが要る。
ボイドの原因は粒子で、Adeiaは環境、ダイシング、接合機の3つを挙げた
Section titled “ボイドの原因は粒子で、Adeiaは環境、ダイシング、接合機の3つを挙げた”Adeiaは、電気テストで落ちたダイを超音波顕微鏡(CSAM)、赤外顕微鏡、断面SEMで1つずつ調べた。同社がボイドの原因に挙げたのは、環境中の粒子、ダイシングと端面の品質、接合機での突き上げ・反転・搬送の動き1の3つだ。BesiとApplied Materialsも、ダイシング後の洗浄が足りないと、テープやダイの側面に粒子が残る2と指摘する。
粒子は、自分よりはるかに大きな未接合を作る。imecがウェーハどうしの接合で意図的に高分子粒子を置いた実験では、直径25 µmの粒子が直径約700 µmのボイド3を作った。imecは2 µmピッチのダイ・ウェーハ接合で、粒子を出さずにダイを切り分けるためにプラズマダイシングを使った4。粒子を落とす洗浄の方法はボイドと洗浄の記事にある。
パッドの未接続は、銅パッドのへこみと熱処理の不足から起きる
Section titled “パッドの未接続は、銅パッドのへこみと熱処理の不足から起きる”ハイブリッド接合では、銅パッドを絶縁膜の面より少しへこませておく。銅は熱処理で酸化膜より大きく膨らむので2、接合後の熱処理で上下のパッドがつながる。Adeiaは、パッドがつながらない不良の原因にへこみが深すぎることと熱処理の不足1を挙げた。
許されるへこみは数nmしかない。imecは2 µmピッチのダイ・ウェーハ接合で、銅パッドのへこみを2.5 nm未満に抑える必要があり、そのためにCMPの最適化が要る4と説明する。ピッチが200 nmを切ると、許されるへこみは3 nmで、CMP後の洗浄でもへこみが変わる5。CMPの条件に加えて、その後の洗浄と活性化もへこみを動かす。BesiとApplied Materialsによれば、活性化のプラズマが強すぎると絶縁膜が荒れてボイドができ、銅パッドのへこみも深くなる2。
待ち時間への強さは、表面処理の方式で変わる
Section titled “待ち時間への強さは、表面処理の方式で変わる”BesiとApplied Materialsは、活性化から接合までの待ち時間が長すぎると超音波顕微鏡の像で接合の劣化が見える2と報告した。同じ試験品で36時間の待ち時間を加えた3枚のウェーハは歩留まり80%で、基準条件は98%だった。両社は、量産で3〜5種類を超えるチップを貼る場合、1〜2日の待ち時間が生じうると見ている。
一方、Adeiaは量産の条件として、工程が数週間の待ち時間に耐えること1を挙げている。待ち時間で歩留まりがどれだけ落ちるかは、表面をどう処理するかで決まる。Applied MaterialsのKinexは、洗浄、プラズマ活性化、その場計測と待ち時間の管理を接合と一体にした装置で6、製品説明は待ち時間の管理を開発の背景に挙げる。装置メーカー各社が接合の前後に置く装置は、3D実装装置の担当範囲の比較で並べた。
W2Wの位置ずれは、接合で生じるウェーハのひずみが主因で、入ってくるウェーハの形がそれを左右する
Section titled “W2Wの位置ずれは、接合で生じるウェーハのひずみが主因で、入ってくるウェーハの形がそれを左右する”ウェーハどうしを貼る接合(W2W)では、imecとEV Groupの研究者が、接合で生じるウェーハのひずみが重ね合わせ誤差の主因で、入ってくるウェーハの形がそのひずみを大きく左右する7と報告した。同じ研究者によれば、素子と配線の層が複雑になるにつれ、入ってくるウェーハの反りは大きくなっている。この研究は、反りが最大250 µmの傘形と椀形のウェーハを意図的に用意して貼り合わせた。
ダイを貼る接合(D2W)では、Adeiaが位置ずれの原因にダイの回転と変形1を挙げた。厚さ50 µmと200 µmのダイで比べると、薄い50 µmのダイでも歩留まりは下がらなかった1。50 µmのダイは支持基板に仮接合して薄くしている。imecは、ガラスの支持基板の上で切断・洗浄・活性化し、そこから直接拾う方法で、厚さ10 µmまでのダイを扱った8。
測った結果は、見つけた工程ではなく起点の工程へ返す
Section titled “測った結果は、見つけた工程ではなく起点の工程へ返す”Adeiaは電気テストを全数で行い、落ちたダイを超音波、赤外、断面で調べて、ボイドの中心の粒子まで突き止めた。接合後に何を測るかは位置合わせ・検査の記事、積む前と積んだ後のテストの分担はテストと選別が詳しい。各社の工程開発の求人は、接合の前後の工程と、不良を起点までたどる解析の経験を求めている。
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- 3imec・KU Leuven:W2W接合で意図的に置いた高分子粒子が作るボイド(2022年)imec-publications.be ↩
- 4imec:2 µmピッチのD2Wハイブリッド接合(2024年5月)imec-int.com ab
- 5imec:微細ピッチ接合のCMP後洗浄と銅のへこみ(ECTC 2025年)imec-publications.be ↩
- 6Applied Materials:Kinexの製品説明appliedmaterials.com ↩
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- 8imec:ガラス支持基板を使うD2W接合と薄いダイの扱い(IMAPS 2023年10月)imapsource.org ↩